有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10025UX
トーカロ株式会社 研究開発活動 (2014年3月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社は、「No.1 & Only 1 技術・サービスの創出で世界をリード」することをめざし、表面改質技術を軸足とするOnly 1 コア技術の継続的な自主創造と、コア技術とその周辺技術による独創的なNo.1 商品・サービスの開発を進めております。これにより表面改質技術をコアとする顧客満足度の高い総合ソリューションの徹底追及の実現に努めております。
当社の研究開発は、将来まで見通した先行研究と顧客ニーズに即した商品開発の2本柱で推進しております。その重点研究開発領域として、以下の3領域を選定しております。
① 溶射プロセス(大気プラズマ溶射、減圧プラズマ溶射、高速フレーム溶射、シール複合技術)
② 半導体部品化技術(溶射技術による半導体・液晶パネル製造装置部材等の開発)
③ 薄膜プロセス(PVD、CVD、DLC、イオン注入、TD、ZAC)、有機コーティングプロセス
また、当社グループの研究開発活動は溶射技術開発研究所が中心となり、産学連携推進によるオープンイノベーションと人的交流によるグローバル化を推進することで、研究開発の加速と共に早期の事業化をめざしております。一方、即応性が求められる商品開発や生産技術的な課題については、各工場の生産技術部門と溶射技術開発研究所とが相互に協調することで、顧客ニーズへの迅速な対応を進めております。なお、連結子会社の日本コーティングセンター株式会社とも、協調して薄膜プロセスの研究開発を進めております。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は6億53百万円であり、セグメントごとの主な内容は次のとおりであります。なお、当社グループの研究開発費につきましては、事業セグメントへの配分が困難なものも多いため、セグメントごとの研究開発費の金額は記載しておりません。
(1) 溶射加工
当社はセラミックコーティング炭化ケイ素部材の開発を進めており、日刊工業新聞(2014年1月31日)や日本セラミックス協会年会(2014年3月17日~19日)で発表いたしました。セラミックコーティング炭化ケイ素部材は、炭化ケイ素(SiC)の表面に厚さ数10ミクロン~数100ミクロンのアルミナ(Al2O3)、ムライト(3Al2O3・2SiO2)、イットリア(Y2O3)などの酸化物セラミックスをコーティングした部材です。高温強度に優れた炭化ケイ素基材に、セラミックコーティングを行うことにより電気絶縁性や耐反応性などの新しい機能を付与することが可能です。2013年には密着強度を従来の10倍程度に改善しましたが、2014年はコーティングによる基材強度の低下を抑制することに成功し、画期的な特性を有するセラミックコーティング炭化ケイ素部材を開発いたしました。このセラミックコーティング炭化ケイ素部材は、大型半導体製造用の成膜装置、リチウムイオン電池、レアアース磁性材料などの加熱・焼成装置等へ適用することが可能です。また、本技術は炭化ケイ素複合材料(CMC)への適用も可能で、ジェットエンジンやガスタービンへの適用も視野に入れた開発を進めております。また、当社は産業用ポンプ部品向けに耐土砂摩耗コーティング技術の開発を進めており、その成果の一例を第8回高機能セラミックス国際会議CICC8(2013年11月4日~7日)で発表いたしました。従来から、耐土砂摩耗コーティングには高速フレーム溶射(HVOF)によるタングステンカーバイド(WC)系サーメット皮膜が広く使われてきましたが、粉末材料と溶射条件を見直すことで、極めて耐土砂摩耗特性に優れた皮膜を開発いたしました。この皮膜特性評価について、当社は中国の清華大学材料学院と共同研究を進めた結果、過酷環境で使われるポンプ材料である高クロム鋳鋼に比べて19倍の優れた耐土砂摩耗特性を有することが明らかになりました。開発した皮膜は国内の産業用ポンプや水力発電機器以外に、土砂混入の多い中国・インドなど新興国での適用、さらに石油&ガス掘削部品等への適用も期待されます。
一方、当社は半導体製造装置部品向けに耐プラズマ・コーティング技術の開発を進めており、その成果の一例を第8回高機能セラミックス国際会議CICC8(2013年11月4日~7日)と日本セラミックス協会年会(2014年3月17日~19日)で発表いたしました。半導体製造装置であるプラズマエッチング装置部品の内面には耐プラズマ性に優れたアルミナ(Al2O3)やイットリア(Y2O3)などの酸化物セラミックコーティングが採用されています。しかし、アルミナやイットリアコーティングのフルオロカーボンプラズマによる損耗メカニズムは、必ずしも明らかにはされておりません。当社ではナノレベルで高い分析技術を有する中国の清華大学材料学院との共同研究により、損耗メカニズムの解明を進めております。この開発により、アルミナやイットリアに代わる新たなコーティング材料の開発が期待されます。また、半導体部品化技術では、次世代静電チャック部材の設計、部品化試作を進めるとともに、その評価プロセスの開発に取り組みました。
(2) PVD処理加工・その他
当社では、優れた耐久性を有する常温硬化型の非粘着性・耐摩耗コーティングの開発や、医療機器開発の国家プロジェクトに参画し生体組織の焦げ付き防止コーティングの開発等を進めております。また、当社DLC(WIN KOTE)技術の高度化を進め、耐アルミニウム凝着性に優れたコーティングの開発や、フィルム製造ラインに用いられるシリコーンゴムロールへのWIN KOTE適用を進めております。連結子会社の日本コーティングセンター株式会社では、ナノレベルの膜厚分布を可能にし、精度の高い製品への低摩擦・耐摩耗を実現したDLCコーティング「スリック-NANO」を開発し、実機への適用が決定いたしました。
(3) 特許出願状況等
当社グループは積極的な特許出願によって、開発技術および皮膜商品の防衛とその権利化に努めております。当連結会計年度の実績は、特許出願21件、特許登録30件であります。事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01443] S10025UX)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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