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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10024P7

有価証券報告書抜粋 オークマ株式会社 研究開発活動 (2014年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


当グループでは、基礎及び応用研究からこれらの研究をベースとした新製品の開発まで一連の研究開発活動を、当社の技術本部及びFAシステム本部を中心として行っております。当連結会計年度は研究開発費として30億10百万円を支出いたしました。
研究開発活動の概要は、次のとおりであります。

(1) 新機種開発

世界経済の停滞、超円高など非常に厳しい2012年でしたが、世界経済の回復基調と超円高が、適正値に落ち着いてきたことから、2013年の日本の業界受注額は1兆1,170億円と前年の1兆2,124億円に引き続き1兆円を超える水準となりました。エネルギー産業、新興国でのインフラ整備に向けた需要は旺盛であり、また、堅調に需要が増加している航空機業界、新興国での自動車産業も需要が拡大しています。このような市場の状況において、製品競争力を一層高めていくためには、生産性向上に貢献する機械・高付加価値加工・高精度加工を実現する機械が必要となります。当グループは、このような市場ニーズに対して業界唯一の機・電・情・知(機械・電気・情報・知識創造)の融合技術を持つ強みを活かし、「高精度生産性」を追求したオンリーワン技術・商品の開発を展開しております。お客様の最大能率加工を支援する「加工ナビ」、誰にでも安心して高精度・安定加工が実現できる「サーモフレンドリーコンセプト」、機械の衝突を気にせずに誰でも熟練の操作を実現する「ぶつからない機械(アンチクラッシュシステム)」、5軸制御加工機の幾何誤差を自動計測・補正する「ファイブチューニング」をこれまでに開発し、市場で高い評価をいただいています。当グループは、こうした知能化技術、高い付加価値を持つ製品群「プレミアム・プロダクト」を基軸として商品開発を進め、お客様の「ものづくりサービス」に貢献してまいります。なお、当グループの知能化技術は、2014年4月に日本の科学技術の振興発展に顕著な貢献をしたとして文部科学大臣より科学技術賞を受賞いたしました。
インフラ産業、航空機、エネルギー分野向けでは、対象ワークの複雑形状化が加速しており、5軸制御マシニングセンタや、複合加工機への需要がグローバルに増加しています。また、日本国内においても、シンプル形状の量産ワークは、新興国での生産に移行しており、複雑形状の高付加価値部品加工の需要が増加傾向にあります。これらの需要の変化に追従すべく、5軸制御マシニングセンタ「MU-5000V」及び、新複合加工機「MULTUS U3000」「MULTUS U4000」をMULTUS Uシリーズとして開発、立形複合加工機として「VTM-2000YB」を開発しました。「MU-5000V」は前年度に開発した「MU-6300V」のシリーズ展開機種として開発しました。5軸制御マシニングセンタは、高価な部品の加工を行うため、適宜作業者が、加工ワーク・工具を確認する場合があり、「MU-5000V」、「MU-6300V」では、APC仕様(自動パレット交換仕様)を付加した場合でも、作業者の機械への寄り付きの良さを確保した構造としています。また、当社独自の知能化技術である、長時間安定した加工精度を維持する「サーモフレンドリーコンセプト」と、長時間安定した加工精度を維持する「ファイブチューニング」を組合せて使用することで、より高精度な加工を実現することができます。MULTUS Uシリーズは、よりマシニングセンタに近い加工を実現するために、複合加工能力を向上させただけでなく、X・Y軸のマイナス側のストロークを拡大することで、主軸の割出位置決め無しに、X・Y軸動作にて加工物端面の穴あけ加工等を可能としました。また、従来、複合加工機は機械の動作制限から、最大工具長での工具で加工可能なワークサイズに制限がありましたが、MULTUS Uシリーズは、最大工具長の工具を用いても、加工制限が発生しない理想的な動作範囲を有しています。なお、MULTUS Uシリーズは、日刊工業新聞社主催の「2013年十大新製品賞」を受賞いたしました。十大新製品賞はその年に開発、実用化した製品から、ものづくりの発展や日本の国際競争力強化に資する製品として選定されたものです。立形複合加工機では、先に開発しました「VTM-1200YB」のシリーズ展開として「VTM-2000YB」を開発し、大物部品の工程集約加工をより高精度により早く対応可能としました。
一般産業機械部品等大物部品の強力加工機として、5面加工門形マシニングセンタ「MCR-C」を開発しました。ベストセラーマシンの「MCR-BⅢ」に対して、機械剛性・主軸能力を向上させ、20%の加工能力向上を実現しました。主軸ヘッドの豊富なバリエーションとAAC(自動主軸ヘッド交換)のオプション対応、門形サーモフレンドリーコンセプトによる抜群の加工精度安定性をあわせ、生産性の大幅向上を実現します。
自動車産業向けでは、クランクシャフトなど比較的大径の部品や長尺部品向けに、2サドル同時加工の世界標準機LUシリーズをモデルチェンジした「LU3000 EX」のシリーズ展開として「LU4000 EX」を開発しました。主軸・複合加工能力の強化・早送り速度の向上によりサイクルタイム短縮に貢献します。マシニングセンタでは、自動車産業向けに多く納入している、量産対応型コンパクトマシニングセンタ「MILLAC 44V」、「MILLAC 44H」を加工精度の安定性を向上させてモデルチェンジした、「MILLAC 44VⅡ」、「MILLAC 44HⅡ」を開発しました。

当グループは今後とも、お客様の利益の最大化に向けて「高精度生産性」を追求し、また、お客様が求める「ソリューション(課題解決や付加価値向上のための提案)」を機械に組み込むことにより、新しい差別化・成長製品の創出を目指してまいります。機械技術、加工技術、制御・ITの技術基盤をベースに「トータルレスポンシビリティ」の強みを更に拡げて「最高のものづくりサービス」を提供してまいります。
この戦略は、当グループならではの強みであり、他社が容易に真似できない差別化戦略であります。オンリーワン技術・商品を間断なく開発し、その業界、対象ワークでグローバルに競争力をもつ生産手段を提供し、お客様の利益を創出し続けることにより、世界の工作機械のエクセレントカンパニーを目指してまいります。

(2) NC装置とIT製品の開発

当グループは、1963年(1963年)に自社製NC「OSP」の開発に成功して以来、常にお客様の加工現場から真のものづくりを発想し、機械とNC装置を一体でサポートする「トータルレスポンシビリティ」を基本理念とし、お客様の期待を超えるオンリーワン機能を提供するために、「OSP」を創り続けてきました。現在では、機・電・情・知(機械・電気・情報・知識創造)の融合をコンセプトとして、お客様のものづくりを支援するソリューションを提供すべく、先進的な技術開発と機能開発を行っています。
当連結会計年度に成果を挙げた研究開発活動として、以下の1) 、2)、3)を紹介いたします。
1) 「かんたん操作」を実現するOSP-P300の新機種適用
2011年度後半に市場投入したOSP-P300は、加工のベテランから初心者まで、複雑な5軸制御マシニングセンタ・複合加工機でも汎用NC旋盤、マシニングセンタ並みに機械を自在に操ることができる「かんたん操作」を実現し、お客様から好評を博しています。
当連結会計年度に開発した「インテリジェント複合加工機MULTUS Uシリーズ」「5軸制御立形複合加工機 VTM-2000YB」「5軸制御立形マシニングセンタMU-5000V」にも搭載し、高付加価値機としての加工機能、加工性能に加えて、複雑な機械でありながら、お客様に優しい使いやすさを提供しています。
また、機・電・情・知融合のコンセプトの象徴である知能化技術によって、「MULTUS Uシリーズ」や「VTM-2000YB」では、衝突防止機能「アンチクラッシュシステム」を更に強化することによりぶつからない機械の安心感を提供しています。「MU-5000V」では5軸加工機の高精度化を実現する「ファイブチューニング」と「サーモフレンドリーコンセプト」の組み合わせで、環境温度が変化しても高精度な5軸加工の幾何精度を提供しています。
2) OSP-P300の進化
好評を博している「かんたん操作」を実現したOSP-P300ですが、より一層の使いやすさを提供するために、大画面操作パネルを使用した新モデルを市場投入しました。この新モデルを5軸制御マシニングセンタ・複合加工機に搭載することにより、OSP-P200(2005年に市場投入)以来採用しているタッチパネル操作がより使いやすく、複雑な機械を操る上で必要な各種のデータを一覧一望でき、また、加工現場での3Dデータの確認、操作も容易になります。
さらに、加工準備の時間を短くして機械の稼働率を向上させるために、お客様の加工現場からの声を積極的にフィードバックし、加工に使用する工具や治具を準備する作業、切削条件や加工パスを確認・修正する作業をより簡単にするための機能強化も行っています。例えば、知能化技術の1つであり最適な切削条件を探し出す「加工ナビ」と、加工現場で簡単にプログラムが作成できる対話形自動プログラミング機能「らくらく対話アドバンス」とを連携させ、プログラムの作成、切削条件の調整、探索、プログラムへの反映を簡単にできるようにいたしました。
3) 高精密サーボの進化
加工するワーク重量の変化に応じて、最適なサーボ制御を行うことで加工時間を最短化する「サーボナビ(ワーク重量自動設定)」を2012年から市場投入しました。当連結会計年度では、この「サーボナビ」を更に進化させました。具体的には、高度化したデジタルサーボ技術により、CNC工作機械の状態変化をセンシングし、その結果に応じて、自動的にサーボ制御状態を変化させて、常に機械の最大性能を引きだす「反転突起自動調整」、「制振自動調整」の2つの機能を実現し、「サーボナビ」に組み込みました。

送り軸の速度反転時には摺動摩擦による追従誤差が発生するため、その追従誤差が最小になるように補償制御しています。しかし、機械の摺動摩擦は経年変化等によって変化するため、その補償は常に最適というわけではなく、場合によっては、曲面加工の象限反転部での追従誤差により筋目状の段差が発生していました。「反転突起自動調整」は、簡単な操作によって、サーボ制御を自動的に最適補償に変化させる機能であり、特に金型等の曲面が多い加工に有効です。
そして、「制振自動調整」は、機械の状態変化によりサーボ制御状態が最適でなくなった場合に発生する振動を抑制するもので、機械を10年、20年と長期に渡って安定して機械を使っていただくという思想で開発したものです。
当グループでは、半世紀に渡る自社製NC開発の基本理念を今後も継承するとともに、オークマの強みである、機・電・情・知融合のコンセプトを基盤として、先進のサーボ技術や情報技術、オンリーワンの知能化技術の開発と強化を進め、自社製NCとIT製品の更なる進化を促進し、「お客様がグローバル競争に勝ち抜くためのプレミアム・サービス、プレミアム・ソリューションを提供するFAシステム事業」を推進してまいります。


経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01481] S10024P7)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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