有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10027VU
フジテック株式会社 業績等の概要 (2014年3月期)
(1) 業績
当連結会計年度の世界経済は、中国では、景気拡大のテンポは緩やかになりましたが底堅く推移し、韓国、台湾では持ち直しの動きが見られました。インド・アセアン地域では、インドやタイで減速傾向にあるものの、その他の国では総じて堅調に推移しました。欧州経済は、ドイツ、英国を中心に回復しつつあり、北米では、個人消費の拡大や雇用状況の改善などで緩やかな景気回復が持続しました。日本では、公共投資の増加や株高、円安を背景に、個人消費の回復や企業業績の改善が見られ、景気回復基調が続きました。昇降機業界におきましては、中国では、引き続き集合住宅向けを中心に需要が拡大し、他のアジア地域や北米でも、概ね堅調に推移しました。日本では、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の影響が加わり、マンション向けが拡大、エレベータのリニューアルを行うモダニゼーション工事の需要も伸長しました。また、事務所や店舗などの着工も増加するなど、総じて需要は好調に推移しました。
このような情勢のもと、当連結会計年度における国内市場においては、新設事業で、建設需要の回復を背景に、標準型エレベータ「エクシオール」や標準型エスカレータ「GS-NX」などの主力商品の販売が好調に推移しました。また、モダニゼーション工事では、国庫補助金が適用される「安全向上パッケージ」の受注が順調に伸びたことに加えて、消費税率引き上げ前の駆け込み需要もあり、「制御盤交換パッケージ」などの販売も伸長しました。以上の結果、国内受注高は610億56百万円(前期比14.7%増)となりました。
海外市場においては、北米、南アジアおよび東アジアでのエレベータ・エスカレータ新設工事の増加が大きく寄与し、海外受注高は1,047億33百万円(同40.2%増)となりました。
受注高合計は、1,657億89百万円(同29.6%増)となりました。なお、海外受注高は為替変動による影響を除くと、実質14.3%増となっています。
売上高は、国内売上高583億38百万円(前期比17.1%増)、海外売上高887億15百万円(同31.1%増)となり、計1,470億54百万円(同25.2%増)となりました。なお、海外売上高は為替変動による影響を除くと、実質6.8%増となっています。
受注残高は、国内では、新設事業の伸長により、406億92百万円(前連結会計年度末比7.4%増)となり、海外では、主に東アジアでの増加により、1,031億88百万円(同45.2%増)となりました。この結果、受注残高合計は、1,438億81百万円(同32.0%増)となりました。なお、海外受注残高は為替変動による影響を除くと、実質18.4%増となっています。
損益面では、営業利益は日本、東アジアでの増益により128億71百万円(前期比40.3%増)、経常利益は金融収支の増加、為替差益および受取賃貸料の計上により141億87百万円(同40.9%増)となりました。特別損益の純額は、主に海外生産の再編に伴う退職特別加算金の計上により、2億3百万円の損失となり、税金等調整前当期純利益は139億84百万円(同42.3%増)となりました。税金費用は前期に比べ13億70百万円増加した結果、当期純利益は76億64百万円(同39.1%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりです。
売上高(百万円) | 営業利益または営業損失(△)(百万円) | |||||
前連結 会計年度 | 当連結 会計年度 | 増減率(%) | 前連結 会計年度 | 当連結 会計年度 | 増減額 | |
日 本 | 52,865 | 62,407 | 18.0 | 3,447 | 4,605 | 1,158 |
北 米 | 11,431 | 14,165 | 23.9 | 118 | △26 | △145 |
欧 州 | 389 | 673 | 72.8 | △12 | 5 | 17 |
南アジア | 10,590 | 13,024 | 23.0 | 1,486 | 1,779 | 292 |
東アジア | 48,692 | 66,363 | 36.3 | 4,178 | 6,670 | 2,491 |
小 計 | 123,969 | 156,634 | 26.3 | 9,218 | 13,033 | 3,815 |
調 整 額 | △6,501 | △9,580 | ― | △45 | △161 | △116 |
合 計 | 117,468 | 147,054 | 25.2 | 9,172 | 12,871 | 3,699 |
① 日本
売上高は、好調な国内需要を背景に新設工事、モダニゼーション工事ともに増加し、624億7百万円 (前期比18.0%増)となりました。営業利益は、円安による輸入材料費の上昇や人手不足による据付費の上昇などがありましたが、生産性や採算性の向上で吸収し、46億5百万円(同11億58百万円増)となりました。② 北米
売上高は、サービス事業の伸長により、141億65百万円(前期比23.9%増)となりました。営業損益は、据付費の増加により、26百万円の営業損失(前期 営業利益1億18百万円)となりました。なお、為替変動による影響を除いた売上高は、実質2.8%増となりました。③ 欧州
売上高は、6億73百万円(前期比72.8%増)、営業利益は、5百万円(前期 営業損失12百万円)となりました。なお、為替変動による影響を除いた売上高は、実質40.4%増となりました。④ 南アジア
売上高は、130億24百万円(前期比23.0%増)、営業利益は、17億79百万円(同2億92百万円増)となりました。なお、為替変動による影響を除いた売上高は実質1.0%増、営業利益は同1.7%減となりました。⑤ 東アジア
売上高は、主に中国での新設工事が大きく伸長し、663億63百万円(前期比36.3%増)となり、営業利益は、売上高の増加および材料費の低下などで、66億70百万円(同24億91百万円増)となりました。なお、為替変動による影響を除いた売上高は、実質10.4%増となりました。(2) キャッシュ・フロー
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | ||
営業活動によるキャッシュ・フロー | (百万円) | 7,913 | 9,294 | 1,381 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | (百万円) | △232 | △2,655 | △2,423 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | (百万円) | △3,048 | △3,823 | △774 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 | (百万円) | 1,168 | 2,568 | 1,399 |
現金及び現金同等物の増減額 | (百万円) | 5,800 | 5,384 | △416 |
現金及び現金同等物の期末残高 | (百万円) | 15,519 | 20,903 | 5,384 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、209億3百万円となり、前連結会計年度末に比べ53億84百万円増加しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益139億84百万円、減価償却費22億37百万円および前受金の増加に対し、売上債権およびたな卸資産の増加などで、92億94百万円の収入(前期比13億81百万円の収入増)となりました。その主な要因は、税金等調整前当期純利益が前期比41億53百万円の増加に対し、売上債権が前期比25億73百万円、たな卸資産が前期比17億85百万円および前受金が前期比14億99百万円、増加したことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得20億7百万円、無形固定資産の取得2億92百万円などの支出により、26億55百万円の支出(前期比24億23百万円の支出増)となりました。主な要因は、定期預金(期間が3ヵ月超)の預入れ・払戻しの純額が前期14億26百万円の収入に対し、当期9億73百万円の支出に転じたことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得10億12百万円、配当金の支払いなどにより、38億23百万円の支出(前期比7億74百万円の支出増)となりました。その主な要因は、短期借入金の純増減額11億1百万円および長期借入金の収入17億22百万円の収入増に対し、長期借入金の返済15億56百万円、自己株式の取得10億9百万円、配当金の支払額5億60百万円および少数株主への配当金の支払額3億65百万円の支出増によります。
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