キクカワエンタープライズ株式会社 業績等の概要 (2014年3月期)

(1) 業績
当事業年度における経済情勢は、国内市場におきましては、リーマンショックや東日本大震災といった、いわば国難よりの回復に向けた各企業の不断の努力に加え、政府が提唱する積極的な経済・金融政策が効を奏したことにより、緩やかながらも着実に景気回復の兆しが現れて来ております。また、国土交通省の統計による2013年の新設住宅着工戸数は、消費税率引上げ前の駆け込み需要もあり、前年比111%の980,025戸と4年連続で増加するなど、個人消費についても回復基調となっております。しかしながら、企業規模や業態別による業績格差はまだまだ大きく、景気回復が波及しきれていない実感もあります。
一方で海外市場におきましては、米国では堅調な民間需要を背景に景気回復基調が続いており、また円高傾向の是正による日本製品の国際競争力向上が期待できますが、アジア近隣諸国との外交上の摩擦や、欧州での国際紛争が実体経済にも大きな悪影響を与えており、全般的に先行きが見えない厳しい景気動向が続いております。
このような経済情勢のもと、当社は木工機械・工作機械メーカーとして、業績に関連の深い産業分野の製造工程において、顧客の企業価値を高める提案をすると共に、魅力ある高付加価値商品の開発・販売を積極的に推進して参りました。
その結果として、受注高につきましては、前年同期比45.4%増の4,336,796千円(うち輸出978,824千円、全受注高の22.6%)と、前年度実績を大幅に上回りました。とりわけ国内におきましては、環境に優しい国産材の林地残材活用を含めた製材・合板システムの受注が好調に推移しました。
しかしながら、売上高につきましては、前年度の受注環境の悪化が尾を引く形で、上半期の生産活動が極めて低調に推移した事もあり、前年同期比14.8%減の2,955,850千円(うち輸出1,054,588千円、全売上高の35.7%)に留まりました。なお機種分類別の内訳と致しましては、木工機械は前年同期比29.5%減の1,589,715千円、また、工作機械は前年同期比12.7%増の1,366,134千円となりました。
その結果、損益面につきましても売上高減少により低調に推移し、営業損失169,461千円(前年同期は営業利益116,155千円)、経常損失8,835千円(前年同期は経常利益225,045千円)、当期純損失5,760千円(前年同期は当期純利益454,266千円)と、遺憾ながらもそれぞれ4年ぶりの赤字となりました。

(2) キャッシュ・フロー
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,305,907千円となり、前期末より20,900千円減少しました。
当事業年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果として得られた資金は221,706千円(前年同期は51,481千円の使用)となりました。これは主に、退職給付引当金の減少があったものの、仕入債務及び前受金の増加によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果として使用した資金は235,135千円(前年同期は34,826千円の獲得)となりました。これは主に、定期預金の増加及び有形固定資産の取得による支出によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果として使用した資金は37,636千円(前年同期は37,322千円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額によるものであります。