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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10022OR

有価証券報告書抜粋 株式会社大気社 研究開発活動 (2014年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度における研究開発費は876百万円であります。
当社は、技術開発センター(神奈川県)、座間技術センター(神奈川県)、塗装システム事業部開発部門(大阪府)の3研究開発組織において、空調設備及び塗装設備の各分野における技術開発を前期に引き続き活発に実施し、多くの成果を得ました。また、Geico S.p.A.(イタリア・ミラノ市)は、パルディスイノベーションセンターにおいて、塗装設備の分野における技術開発と展示会を実施し、多くの成果を得ました。

セグメントごとの研究開発は以下のとおりであります。

(1)環境システム事業


当連結会計年度における研究開発費の金額は448百万円であります。

① 植物工場(大気グリーン ファーム)の技術開発
当社は、完全人工光型水耕植物工場における結球レタスの安定量産化に成功し、この栽培プラントを「大気グリーン ファーム」として販売しております。
本年度は、照明、温度、湿度、風速などの栽培環境の研究や、空調システム、植物栽培設備の改良改善の研究を行い、結球レタスの栽培コストの低減を図りました。
今後も引続き、植物工場関連の技術開発を行ってまいります。

② 過酸化水素除染のシステム拡充
当社の過酸化水素ガス除染システムは、ドライ方式を採用し環境や室内設備への影響が少ないことが特徴でありますが、使用する建材や室内設備の材質によっては影響を与えることもあります。そのため、前期より様々な建材や床材に対する過酸化水素ガスの影響度をまとめたデータベースの構築を行っており、本年度をもってほぼ完了することができました。このデータベースは除染計画において重要な役割を果たすことになります。
また、お客様の多様なニーズに応えるため、過酸化水素ガス発生機のコストダウンを図った可搬型システムなど除染システムの拡充を行いました。
今後も引き続き、顧客ニーズに柔軟に対応するため、除染技術の拡充に努めてまいります。

③ 降雪装置の開発による環境試験室の拡充
当社は自動車の環境試験室向けに、温度-40~+50℃、湿度30~80%の多様な環境を再現できる自社開発の大型直膨空調システムを販売しております。
自動車の環境試験室では、温湿度以外にも様々な試験環境を再現することが要求されることから、当社は降雪環境の再現に取り組み、自然の新雪に近い結晶構造の降雪を再現する装置の開発に成功しました。この降雪装置を組み込んだ環境試験室は、自動車試験だけでなく建築物試験などにも利用可能であります。
今後はこの分野への拡販も行ってまいります。

④ 空力風洞の脈動防止技術の開発
当社は自動車の空力試験用の風洞設備を販売しており、これまでに小型模型用から大型実車用までの様々なタイプの風洞設備を提供してまいりました。
大型のオーブンジェット方式の風洞では、ジェット気流の不安定性のため、特定の風速において気流が乱れる脈動現象が発生し、風洞性能を悪化させることがあります。そのため、この脈動発生の原因究明と改善方法について研究し、独自の脈動防止技術を開発しました。
今後はこの技術の性能をより一層高める研究を進め、受注拡大を推進してまいります。


⑤ 氷水搬送システムの開発
当社はストラサーム・I(過冷却方式ダイナミック型氷蓄熱システム)を販売しております。このシステムは、水と混ぜ合わせたシャーベット状の氷を蓄熱槽に貯め、これを取り出して冷房に使用するものであります。
本年度は蓄熱槽内の氷水をそのまま取り出し搬送する基本技術を開発しました。このシステムは添加剤を使用しないため、土壌汚染のリスクがありません。また、この技術によって冷熱搬送の動力低減や配管の小口径化ができることにより、コストダウンが期待されています。
今後は、当社の技術開発センター既存の空調設備にこのシステムを組み込む実証実験を行うなど、地域熱供給設備や大規模ビル空調における実用化を目指して研究開発を進めてまいります。

(2)塗装システム事業


当連結会計年度における研究開発費の金額は428百万円であります。

① プレコート式ドライ塗装ブースの開発
当社は、自動車メーカーをはじめとした多くの顧客に、当社の主力設備の一つである湿式スクラバー方式の塗装ブースを提供してまいりました。
省エネルギー化のニーズの高まりに応えるため、前期は大幅な省エネ効果のあるプレコート式ドライ塗装ブースの開発を完了しました。本年度は、その実用化として国内で第1号機を提供しました。
このプレコート式ドライ塗装ブースの特徴は、乾式のフィルターとその保護のためのプレコート剤を併用した新しい回収システムを採用している点です。この新方式塗装ブースの採用により、従来の湿式ブースと比較して、使用エネルギーを約30%、発生するCO₂を約50%削減することができました。更に、このシステムから排出される塗料ミストを含んだ使用済みプレコート剤は、廃棄することなくセメントへの再利用ができることや、水を一切使用しないため廃水も生じないなど、環境保全に大きく貢献できるシステムになっております。
今後は、納入1号機の継続的なフォローを実施し、更なる改良・コストダウンの研究を進めてまいります。そして、水不足の新興国も視野に入れた積極的な営業活動を展開し、新規受注拡大を推進してまいります。

② シーリング・アンダーコート剤塗布工程の自動化システム
シーリング・アンダーコート剤は、自動車ボディ内の鋼板継ぎ目、ドア内側鋼板折り返し部、自動車ボディ床裏面及び鋼板継ぎ目などに塗布されます。
ドア内側鋼板折り返し部のシーリング剤の塗布は、精度良く、見栄え良く塗布する事が重要視され、従来は作業者の手作業による塗布が主流でありました。
床裏のアンダーコート剤の塗布については、ロボットによる自動化は進んでいるものの、塗着しなかったアンダーコート剤のダストが自動車ボディや周辺装置に大量に付着するなどの課題がありました。
これらの課題の解決のために、当社は2006年よりドイツのSCA Schucker社の塗布ノズルと塗布システムを採用し、当社研究所での塗布テストによる技術の構築を行いました。また、顧客へのPR活動によって、現在までに国内の主な自動車メーカーへ自動車ボディ床裏面のシーリング・アンダーコート塗布システムを提供してまいりました。その結果、本年度は当初目標数量の2倍の塗布システムの受注を達成しました。
ドア内側鋼板折り返し部のシーリング剤塗布については、顧客ニーズにタイムリーに応えるため、塗布工程の自動化システムを開発し、その結果、3件の受注をしました。
今後はアンダーコート剤塗布システムの拡販を目指すと共に、ドア内側鋼板折り返し部のシーリング剤塗布の現有技術の蓄積、最新技術の開発を行い、今後大きく進むと予想されるシステム自動化の市場の流れに対応してまいります。

③ Geico社パルディスイノベーションセンター
Geico社は、研究開発の効率化を目的に、パルディスイノベーションセンターを本社と隣接した場所へ移設しました。
塗装ラインの大幅な短縮化を可能にする3-WET塗装工程が主流になりつつある現在、前処理・電着設備に対する塗膜品質要求がますます高まっております。Geico社では、このニーズにいち早く応えるため、製品のゴミ・ブツ不良の低減に加え、塗膜品質の大幅な向上にも寄与する回転式コンベア「J-Flex」を開発し、中国への納入を果たしました。
現在は、保安管理の利便性を高め、パフォーマンスを向上させた「J-FlexⅢ」の開発を進めております。
また、既にブラジルやインドで多くの納入実績がある少量生産向けコンベア「J-Jump」においても、更なるコストダウン、パフォーマンスの向上に成功し、幅広いお客様のニーズに対応できるようになりました。
これらのコンベア、ドライブース、円筒形乾燥炉などのPR設備をパルディスイノベーションセンターに設置し、多くの顧客に当社の最先端技術を紹介できる体制を整えることで、欧州の大型プロジェクト受注につなげることができました。

経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00183] S10022OR)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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