有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1001IU3
株式会社福田組 研究開発活動 (2013年12月期)
経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの研究開発活動は、「価値創造」の経営理念のもと、生産性向上・品質向上・自然環境の保全に加え、新たな分野への市場参入を目的とした新工法の実証実験等を中心に取り組んでいる。
また、現場に密着した研究開発ニーズと独創的なアイディアの発掘を目的として、広く社員から意見を募り研究開発活動に反映させている。
なお、当連結会計年度は研究開発費として、87百万円を投入した。
当連結会計年度の主な研究テーマは次のとおりである。
( 建設事業 )
(1) 当社
① 高層RC、免震・制震技術の研究
鉄筋コンクリート構造での高層建築物の設計・施工技術について、実施工物件2棟(27階建て、29階建て、ともにプレキャスト・コンクリート構造)の成果を踏まえ、その適用範囲の拡大及び効率的施工法の確立を目指し、構造解析、高強度材料及び構・工法の研究を進めている。
なお、東京及び新潟地区において、Fc60N/㎜2 までの高強度コンクリートの大臣認定を取得している。
免震建築物については4棟の施工実績を有しており(内3棟は設計・施工)、制震構造の設計技術も含め、引き続き実績の蓄積及び研究活動を行う。
② CFT構造の設計・施工技術の研究
高層建築物など、高軸力かつ高曲げ耐力を求められる柱を有する構造物への対応を目的に、CFT構造に関する設計・施工技術の研究を進めている。実大3層柱による施工試験を行い(社)新都市ハウジング協会による技術指導を終了している。設計・施工で受注した同構造による物件が、2010年度のCFT構造賞((社)新都市ハウジング協会主催)を受賞している。引き続き受注に向けた取組みを行うとともに、同構造に関する研究活動を行う。
③ プレキャスト構・工法の研究
鉄筋コンクリート造建築物において、梁・柱等のプレキャスト化及びWR-PC構造の適用拡大を進めるとともに、高層RC実施工物件のプレキャスト部材建方における施工効率化のためのデータを収集・分析中である。薄肉中空プレキャスト・コンクリート柱に関しては、共同研究各社とともに一般評定を取得済みとなっている。
また、上記技術を駆使して、住宅系建築物の設計自由度の向上とスケルトン・インフィルに対応するための研究を継続する。
④ 既存建築物の改修技術の研究
既存建築物の耐震性向上や耐久性改善等の長寿命化及びコンバート対応できるリニューアル技術を研究し、ストック価値を高める構・工法の開発を目指す。特に、居ながら補強を目的とした外付耐震改修構法については需要が高く、設計・施工による実績も増加しており、引き続き同構法の受注・技術開発を行う。また、制振技術を用いた耐震改修についても研究活動を行なう。
⑤ 床衝撃音に関する調査・予測手法の研究
既存建物を利用した床衝撃音の予測計算および計測により、床衝撃音の予測計算精度の確認およびその実用性の検証を行う。今後、継続的に調査・測定を行い、その予測精度の向上を図る予定である。
⑥ 管周混合推進工法
大中口径推進工事の長距離推進を行うための滑材注入装置及びシステムを開発し、本格的な普及活動を始めて16年目になった。
施工実績も、1スパンで1㎞を越えた推進もあり、2012年12月までの施工実績は476件で約181㎞の施工延長となっている。
⑦ デュアルシールド工法
各種ライフラインの敷設コストの低減を図るため、推進工法とシールド工法を融合して確実・安全・早い管路の構築法を実現した。
現在、東京都において本工法による12件目、13件目及び14件目となる工事を施工中であり、確実に施工実績を重ねているところである。
また、昨年には(公財)日本下水道新技術機構との共同研究として、新技術研究成果証明書を取得している。これによって、工法の設計手法の確立が図れたと同時に、さらなる工法の普及拡大を推進しているところである。
⑧ 木搾液による放射性セシウム除去工法
土壌・廃棄物中のセシウムを、木搾液を用いて常温常圧で固相から液相に溶出させ、汚染廃棄物を減容化する手法について、除染作業の効率化、除染除去物の減容化、除染費用の削減等、有用性確認の実証実験を進めている。
⑨ トンネル覆工コンクリート散水養生システム
トンネル覆工コンクリート散水養生システムは、自動走行による散水装置であり、長期間の散水養生を行うことによるコンクリートの品質及び耐久性を向上させるため、覆工面に効率的かつ効果的な散水装置システムの開発、現場導入を進めている。
⑩ 高強度吹付けコンクリートの開発
山岳トンネル掘削施工での主要支保工材の吹付けコンクリートにおいて、掘削切羽の早期地山安定の確保、長期耐力の向上を目的とした低コスト・高強度の吹付けコンクリートの実用化のための研究開発を進めている。
(2) 福田道路㈱
① 新凍結抑制舗装の開発
特殊アスファルトと弾性微粒子(100μ程度)を利用し、零下でも指で押すとへこむほどの柔軟性を持った凍結抑制アスファルト舗装を2011年に「アイス・インパクト(氷板破砕舗装)」を開発した。車両が走行したときに舗装が部分的に凹み、そのたわみによって氷版を割る機能性舗装である。除雪効率の向上と冬期路面の車両走行安全性に寄与するものである。
これまでに新潟、福井、青森、長野及び山形で施工し、MadeIn新潟新技術普及制度に新技術として登録された。2013年には国道17号(長岡市川口付近)の登板車線で施工し、効果を検証中である。
② 加熱表面処理工法の開発
ひび割れの発生している路面の補修技術として、加熱表面処理工法を開発した。舗装路面の損傷を簡易に修復し、車両走行性を改善させることができる、効率的で環境にやさしいリサイクル技術である。既設舗装の切削廃材の発生がなく、比較的廉価な補修工法である。
総点検実施要領(案)(2013年2月国交省道路局)通達なども踏まえ、計画的かつ効率的な舗装管理への対応技術として、展開を図っていく予定である。
③ 低炭素アスファルト舗装の開発
アスファルト舗装では、160~180℃に加熱した混合物を製造プラントから出荷する必要があるが、低炭素アスファルト舗装は、製造加熱温度を30℃低くすることができる舗装技術である。加熱温度を低くすることで、製造プラントにおける化石燃料の使用料を減らし、CO2排出量を低減させることができる。2010年に、グリーン購入法における特定調達品目として認定された。
更に、2010年には低炭素アスファルト舗装用添加剤を開発し、試験施工を実施している。今後、種々のアスファルト混合物や適用目的に対応できる新たな低炭素アスファルト舗装用添加剤に向けて、試験練りの実施や検証をおこなっている。
(3) ㈱興和
① メンテナンス対応型消雪パイプブロック
プレキャスト消雪パイプブロックは、約20年近くの実績を持ち、交通規制の期間確保が困難な国道を中心に広く普及し、冬季道路交通確保に貢献してきた。しかし一方で、その維持修繕作業においては、構造上交換が容易にできないものとなっていた。
建設予算が新設から維持管理へシフトしていく中、撤去・再設置・再利用が可能となるよう、ブロック端面の接続部を改良した“メンテナンス対応型消雪パイプブロック”を開発した。2013年度は、約6,300mの施工実績であった。
② KVSストレーナ
水質が悪く、井戸の耐久性の低下が懸念される地域に対する井戸構造材料として、耐食材料(塩化ビニル管、ステンレス巻線)を組み合わせた“KVSストレーナ”を開発し、販売を開始した。亜鉛メッキ巻線を使用しておらず、地下への亜鉛溶出がなく環境性能が高いこともPR材料となっている。申請していたNETISには2010年1月に登録が認められた。
2013年度は、自社施工、他社販売も含め約679本の販売を行っている。
③ 法面作業用アシストロリップ
法面作業を行う際は、立木やアンカーに結んだ「命綱」と作業員の腰部につけた「安全帯」、それと命綱と安全帯を接続する『ロリップ』を用いて身体を支持している。しかし、ロリップは『握ると動き』『離すと止まる』という仕組みを持っているものの、落ちそうになった時、咄嗟にロリップを握ってしまう事例もあり、逆に墜落してしまう重大事故も発生していた。こうした人間の本能(反射)に反する面もあり、改善が望まれていた。
そこで、ヒューマンエラーによる事故防止を目的に、ロリップの下に追加設置する補助装置(アシストロリップ)を開発した。2011年9月にNETIS登録し、2013年度の販売実績は95個であった。
④ フレキシブル伸縮計
地すべり地の地盤変状の監視には、従来インバー線を用いた伸縮計が一般的に用いられてきた。しかし、インバー線は細く動物や木の枝などが触れると簡単に破断するため、厳重に保護する必要があり、設置費や設置労務が掛かるといった問題がある。また、積雪地域では、通常の保護方法の他に、必ず雪囲いが必要となる。
これに比べフレキシブル伸縮計は、インバー線の代わりにφ5mm程度の炭素繊維ケーブル(東京製綱(株)と共同開発)を用いて、簡易な保護で地盤形状に合わせて設置可能であり、設置費や設置労力が少なくてすむ。また、雪囲いも不要であり、積雪地域に適した伸縮計である。
フレキシブル伸縮計の炭素繊維ケーブルは、平成18~25年で約2,600m(20m/箇所)の実績があり、NETIS登録をしていることから、今後も販売拡大が見込まれる。
⑤ 遠隔監視制御機器(ネットワークロガー)
下水道流域のマンホールポンプの運転状況や故障、マンホール内の水位を管理事務所で監視できる遠隔監視制御装置を開発した。2013年度まで880台の販売実績があり、今後も下水道関係の他に、農場関係の揚水ポンプや道路排水ポンプ、消雪用ポンプの遠隔監視用に販売が見込まれる。
(4) ㈱レックス
① 表面含浸材塗布装置の開発
近年増えている表面含浸材の塗布によるコンクリート構造物補修工事では、人力施工が主体で施工管理手法が確立されていないため、表面含浸材塗布装置を開発し、機械化施工による施工や管理の効率化及び施工品質の向上を図った。2011年度には、作業性や信頼性を向上させた改良型の装置を開発している。
② 防護柵清掃工法(GRクリーン工法)の開発
消雪パイプ設置区間において防護柵類に付着した錆汚れは、視線誘導機能や美観を損なうものであり、汚れの除去が困難であるため問題となっていた。
洗剤メーカーと共同で防護柵清掃専用洗剤GRクリーンを開発し、洗浄後の排水処理手法も含めた防護柵清掃工法とあわせMadeIn新潟登録を行っている。
③ 粘性土改良装置の開発
道路の掘削工事等で生じた建設残土の現地改良・再利用目的として、土質改良装置の共同開発を行っている。これまで粘性土を改良可能な装置はなかったが、一般土だけでなく粘性土まで改良可能な土質改良装置「ekミキサー」を開発した。今後は、装置の小型化や車載移動等の改良を進める。
④ インフラ維持管理上の課題を解決するため技術・工法の開発
塩害の影響を受けた橋梁の鋼桁洗浄装置や積雪地における標識等からの落雪対策、橋梁長寿命化に寄与する補修技術・工法等、インフラの維持管理上の課題を解決するための技術や工法の開発に取り組んでいる。
( 不動産事業及びその他 )
研究開発活動は、特段行われていない。
また、現場に密着した研究開発ニーズと独創的なアイディアの発掘を目的として、広く社員から意見を募り研究開発活動に反映させている。
なお、当連結会計年度は研究開発費として、87百万円を投入した。
当連結会計年度の主な研究テーマは次のとおりである。
( 建設事業 )
(1) 当社
① 高層RC、免震・制震技術の研究
鉄筋コンクリート構造での高層建築物の設計・施工技術について、実施工物件2棟(27階建て、29階建て、ともにプレキャスト・コンクリート構造)の成果を踏まえ、その適用範囲の拡大及び効率的施工法の確立を目指し、構造解析、高強度材料及び構・工法の研究を進めている。
なお、東京及び新潟地区において、Fc60N/㎜2 までの高強度コンクリートの大臣認定を取得している。
免震建築物については4棟の施工実績を有しており(内3棟は設計・施工)、制震構造の設計技術も含め、引き続き実績の蓄積及び研究活動を行う。
② CFT構造の設計・施工技術の研究
高層建築物など、高軸力かつ高曲げ耐力を求められる柱を有する構造物への対応を目的に、CFT構造に関する設計・施工技術の研究を進めている。実大3層柱による施工試験を行い(社)新都市ハウジング協会による技術指導を終了している。設計・施工で受注した同構造による物件が、2010年度のCFT構造賞((社)新都市ハウジング協会主催)を受賞している。引き続き受注に向けた取組みを行うとともに、同構造に関する研究活動を行う。
③ プレキャスト構・工法の研究
鉄筋コンクリート造建築物において、梁・柱等のプレキャスト化及びWR-PC構造の適用拡大を進めるとともに、高層RC実施工物件のプレキャスト部材建方における施工効率化のためのデータを収集・分析中である。薄肉中空プレキャスト・コンクリート柱に関しては、共同研究各社とともに一般評定を取得済みとなっている。
また、上記技術を駆使して、住宅系建築物の設計自由度の向上とスケルトン・インフィルに対応するための研究を継続する。
④ 既存建築物の改修技術の研究
既存建築物の耐震性向上や耐久性改善等の長寿命化及びコンバート対応できるリニューアル技術を研究し、ストック価値を高める構・工法の開発を目指す。特に、居ながら補強を目的とした外付耐震改修構法については需要が高く、設計・施工による実績も増加しており、引き続き同構法の受注・技術開発を行う。また、制振技術を用いた耐震改修についても研究活動を行なう。
⑤ 床衝撃音に関する調査・予測手法の研究
既存建物を利用した床衝撃音の予測計算および計測により、床衝撃音の予測計算精度の確認およびその実用性の検証を行う。今後、継続的に調査・測定を行い、その予測精度の向上を図る予定である。
⑥ 管周混合推進工法
大中口径推進工事の長距離推進を行うための滑材注入装置及びシステムを開発し、本格的な普及活動を始めて16年目になった。
施工実績も、1スパンで1㎞を越えた推進もあり、2012年12月までの施工実績は476件で約181㎞の施工延長となっている。
⑦ デュアルシールド工法
各種ライフラインの敷設コストの低減を図るため、推進工法とシールド工法を融合して確実・安全・早い管路の構築法を実現した。
現在、東京都において本工法による12件目、13件目及び14件目となる工事を施工中であり、確実に施工実績を重ねているところである。
また、昨年には(公財)日本下水道新技術機構との共同研究として、新技術研究成果証明書を取得している。これによって、工法の設計手法の確立が図れたと同時に、さらなる工法の普及拡大を推進しているところである。
⑧ 木搾液による放射性セシウム除去工法
土壌・廃棄物中のセシウムを、木搾液を用いて常温常圧で固相から液相に溶出させ、汚染廃棄物を減容化する手法について、除染作業の効率化、除染除去物の減容化、除染費用の削減等、有用性確認の実証実験を進めている。
⑨ トンネル覆工コンクリート散水養生システム
トンネル覆工コンクリート散水養生システムは、自動走行による散水装置であり、長期間の散水養生を行うことによるコンクリートの品質及び耐久性を向上させるため、覆工面に効率的かつ効果的な散水装置システムの開発、現場導入を進めている。
⑩ 高強度吹付けコンクリートの開発
山岳トンネル掘削施工での主要支保工材の吹付けコンクリートにおいて、掘削切羽の早期地山安定の確保、長期耐力の向上を目的とした低コスト・高強度の吹付けコンクリートの実用化のための研究開発を進めている。
(2) 福田道路㈱
① 新凍結抑制舗装の開発
特殊アスファルトと弾性微粒子(100μ程度)を利用し、零下でも指で押すとへこむほどの柔軟性を持った凍結抑制アスファルト舗装を2011年に「アイス・インパクト(氷板破砕舗装)」を開発した。車両が走行したときに舗装が部分的に凹み、そのたわみによって氷版を割る機能性舗装である。除雪効率の向上と冬期路面の車両走行安全性に寄与するものである。
これまでに新潟、福井、青森、長野及び山形で施工し、MadeIn新潟新技術普及制度に新技術として登録された。2013年には国道17号(長岡市川口付近)の登板車線で施工し、効果を検証中である。
② 加熱表面処理工法の開発
ひび割れの発生している路面の補修技術として、加熱表面処理工法を開発した。舗装路面の損傷を簡易に修復し、車両走行性を改善させることができる、効率的で環境にやさしいリサイクル技術である。既設舗装の切削廃材の発生がなく、比較的廉価な補修工法である。
総点検実施要領(案)(2013年2月国交省道路局)通達なども踏まえ、計画的かつ効率的な舗装管理への対応技術として、展開を図っていく予定である。
③ 低炭素アスファルト舗装の開発
アスファルト舗装では、160~180℃に加熱した混合物を製造プラントから出荷する必要があるが、低炭素アスファルト舗装は、製造加熱温度を30℃低くすることができる舗装技術である。加熱温度を低くすることで、製造プラントにおける化石燃料の使用料を減らし、CO2排出量を低減させることができる。2010年に、グリーン購入法における特定調達品目として認定された。
更に、2010年には低炭素アスファルト舗装用添加剤を開発し、試験施工を実施している。今後、種々のアスファルト混合物や適用目的に対応できる新たな低炭素アスファルト舗装用添加剤に向けて、試験練りの実施や検証をおこなっている。
(3) ㈱興和
① メンテナンス対応型消雪パイプブロック
プレキャスト消雪パイプブロックは、約20年近くの実績を持ち、交通規制の期間確保が困難な国道を中心に広く普及し、冬季道路交通確保に貢献してきた。しかし一方で、その維持修繕作業においては、構造上交換が容易にできないものとなっていた。
建設予算が新設から維持管理へシフトしていく中、撤去・再設置・再利用が可能となるよう、ブロック端面の接続部を改良した“メンテナンス対応型消雪パイプブロック”を開発した。2013年度は、約6,300mの施工実績であった。
② KVSストレーナ
水質が悪く、井戸の耐久性の低下が懸念される地域に対する井戸構造材料として、耐食材料(塩化ビニル管、ステンレス巻線)を組み合わせた“KVSストレーナ”を開発し、販売を開始した。亜鉛メッキ巻線を使用しておらず、地下への亜鉛溶出がなく環境性能が高いこともPR材料となっている。申請していたNETISには2010年1月に登録が認められた。
2013年度は、自社施工、他社販売も含め約679本の販売を行っている。
③ 法面作業用アシストロリップ
法面作業を行う際は、立木やアンカーに結んだ「命綱」と作業員の腰部につけた「安全帯」、それと命綱と安全帯を接続する『ロリップ』を用いて身体を支持している。しかし、ロリップは『握ると動き』『離すと止まる』という仕組みを持っているものの、落ちそうになった時、咄嗟にロリップを握ってしまう事例もあり、逆に墜落してしまう重大事故も発生していた。こうした人間の本能(反射)に反する面もあり、改善が望まれていた。
そこで、ヒューマンエラーによる事故防止を目的に、ロリップの下に追加設置する補助装置(アシストロリップ)を開発した。2011年9月にNETIS登録し、2013年度の販売実績は95個であった。
④ フレキシブル伸縮計
地すべり地の地盤変状の監視には、従来インバー線を用いた伸縮計が一般的に用いられてきた。しかし、インバー線は細く動物や木の枝などが触れると簡単に破断するため、厳重に保護する必要があり、設置費や設置労務が掛かるといった問題がある。また、積雪地域では、通常の保護方法の他に、必ず雪囲いが必要となる。
これに比べフレキシブル伸縮計は、インバー線の代わりにφ5mm程度の炭素繊維ケーブル(東京製綱(株)と共同開発)を用いて、簡易な保護で地盤形状に合わせて設置可能であり、設置費や設置労力が少なくてすむ。また、雪囲いも不要であり、積雪地域に適した伸縮計である。
フレキシブル伸縮計の炭素繊維ケーブルは、平成18~25年で約2,600m(20m/箇所)の実績があり、NETIS登録をしていることから、今後も販売拡大が見込まれる。
⑤ 遠隔監視制御機器(ネットワークロガー)
下水道流域のマンホールポンプの運転状況や故障、マンホール内の水位を管理事務所で監視できる遠隔監視制御装置を開発した。2013年度まで880台の販売実績があり、今後も下水道関係の他に、農場関係の揚水ポンプや道路排水ポンプ、消雪用ポンプの遠隔監視用に販売が見込まれる。
(4) ㈱レックス
① 表面含浸材塗布装置の開発
近年増えている表面含浸材の塗布によるコンクリート構造物補修工事では、人力施工が主体で施工管理手法が確立されていないため、表面含浸材塗布装置を開発し、機械化施工による施工や管理の効率化及び施工品質の向上を図った。2011年度には、作業性や信頼性を向上させた改良型の装置を開発している。
② 防護柵清掃工法(GRクリーン工法)の開発
消雪パイプ設置区間において防護柵類に付着した錆汚れは、視線誘導機能や美観を損なうものであり、汚れの除去が困難であるため問題となっていた。
洗剤メーカーと共同で防護柵清掃専用洗剤GRクリーンを開発し、洗浄後の排水処理手法も含めた防護柵清掃工法とあわせMadeIn新潟登録を行っている。
③ 粘性土改良装置の開発
道路の掘削工事等で生じた建設残土の現地改良・再利用目的として、土質改良装置の共同開発を行っている。これまで粘性土を改良可能な装置はなかったが、一般土だけでなく粘性土まで改良可能な土質改良装置「ekミキサー」を開発した。今後は、装置の小型化や車載移動等の改良を進める。
④ インフラ維持管理上の課題を解決するため技術・工法の開発
塩害の影響を受けた橋梁の鋼桁洗浄装置や積雪地における標識等からの落雪対策、橋梁長寿命化に寄与する補修技術・工法等、インフラの維持管理上の課題を解決するための技術や工法の開発に取り組んでいる。
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