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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10023LR

有価証券報告書抜粋 日本電気株式会社 研究開発活動 (2014年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

NECグループでは、「2015中期経営計画」で掲げた社会ソリューション事業の推進により、人が豊かに生きるための安全・安心・効率的・公平な社会の実現を目指しています。その実現に向けて中央研究所は、社会に対して新たな価値を提供しうる将来事業向けの革新的技術成果を創出することでNECグループの持続的な発展を支えています。
今後は、社会ソリューション事業を展開するうえで特に重要となるビッグデータ分析、SDN(Software-Defined Networking)、セキュリティ、実世界情報処理、スマートエネルギーといった事業領域への貢献に重点を置いて研究開発を行います。
また、グローバルでお客様と連携し価値を創造する「価値共創研究所」の実現を目指し、その活動の中核拠点として2013年9月に開設した「NECラボラトリーズシンガポール」を活用して、現地の研究機関や顧客とともに、都市の安全・安心を支える新たなソリューションの開発を進めています。

NECグループのセグメント別の主な研究開発の内容は、次のとおりです。

(パブリック事業)
官公、公共、医療、金融およびメディア向けの事業領域における、システムやソリューションの研究開発を行っています。

(エンタープライズ事業)
製造業および流通・サービス業向けの事業領域における、システムやソリューションの研究開発を行っています。

(テレコムキャリア事業)
通信キャリア向けの事業領域における、ネットワークシステムやソリューションの研究開発を行っています。

(システムプラットフォーム事業)
ハードウェア、ソフトウェア、企業ネットワークおよびサービス事業領域における、システム基盤の研究開発を行っています。

(その他)
環境・エネルギー事業領域における、蓄電池およびエネルギー・マネジメント・システムの研究開発を行っています。

NECグループの当連結会計年度における主な研究開発活動の成果は、次のとおりです。

(パブリック事業)
ビッグデータの分析技術を応用した大規模プラント向け故障予兆監視システムを開発
近年、社会インフラの安全性対策や老朽化対策が課題となっており、これをICTの力で解決することが強く求められています。
当社は、工場や発電所など、社会インフラを構成する大規模プラントの故障の予兆を高精度に監視するシステムを開発しました。このシステムには、大規模プラントに設置された各種センサが収集したビッグデータから、平常時の不変的な関連性(インバリアント)を自動的かつ網羅的に抽出してモデル化し、同モデルと一致しない状態を故障の予兆として捉え、これを高精度かつ迅速に検知する当社独自の分析技術を活用しています。
当社では、大規模プラントでの実証実験を重ねて本システムの有用性を検証するとともに、海外への展開も進めてまいります。

(エンタープライズ事業)
シート型センサと解析技術の組み合わせにより人やモノの動きを正確に把握するプレゼンスセンシングシステムを開発
あらゆる人が安全に安心して過ごせる社会が求められる中、見守りやセキュリティ関連の様々なサービスが導入されています。しかし、こうしたサービスの実施にあたっては、プライバシーへの配慮やコストの面で課題があります。
こうした課題を解決するため、当社は、弱い電波を利用した独自のシート型センサと解析技術を組み合わせ、カメラを用いることなく、人・モノの形や動きを正確に把握するプレゼンスセンシングシステムを開発しました。
本システムにより、福祉施設や病院などにおいて、高齢者や患者が人目のつかない所で倒れているなどの異変を、プライバシーに考慮しつつ早期に発見することが可能になります。このほか、本システムは、立入禁止エリアへの不審者の侵入や侵入者の動線の把握、特定エリアの混雑状況の把握など、様々な用途に活用できます。また、本システムは、電波を用いた独自方式を採用しており、同等精度の既存センサを使用した場合と比較し、数十分の一のコストで環境構築が可能です。

(テレコムキャリア事業)
世界で初めて、SDN(Software-Defined Networking)により柔軟な広域ネットワークを実現する基本技術を確立
当社、日本電信電話㈱、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ㈱、富士通㈱、㈱日立製作所は、通信事業者が提供するモバイルネットワークやインターネットなど広域ネットワークインフラの総合的なSDN化を目指す研究開発プロジェクト「Open Innovation over Network Platform」を、総務省の「ネットワーク仮想化技術の研究開発」の委託研究として、2013年6月から5社共同で推進しています。
今回、本プロジェクトの成果として、複数の広域ネットワークインフラを統合管理するプラットフォームや、その上で動作する汎用ネットワーク制御アプリケーションなど、広域ネットワークのSDN化につながる基本技術を確立しました。
この技術により、サービスプロバイダは、Web上での簡単な入力などで、希望するネットワーク構成を通信事業者に伝えることができるようになります。また、通信事業者は、光ネットワークとパケットトランスポートネットワークを柔軟に組み合わせて、サービスプロバイダの要求に合わせた仮想ネットワークを構築することや、仮想ネットワーク上で、いつ、どこで、何が起こっているかを瞬時かつ的確に把握することができるようになります。さらに、各レイヤのネットワーク装置を連携させることで、将来、通信事業者は、サービスプロバイダの要求に応じた広域ネットワークの設計・構築・変更を、従来の約10分の1の時間で実現することができるようになります。

(システムプラットフォーム事業)
データセンターの空調電力を最大50%削減する省エネルギー冷却技術を開発
当社は、データセンターなどに設置されるラックに搭載されたICT機器の排熱を効率よく行い、データセンターの空調電力を最大50%削減できる「多段式高効率冷却技術」を開発しました。
本技術により、機器から排出される熱を拡散する前に回収するとともに直接屋外へ輸送するため、サーバルーム内の空調負荷を大幅に削減できます。消費電力がラックあたり12kWの場合、送風電力と冷凍機電力を合計した空調電力を最大50%削減(当社研究所比)することが可能です。
本技術をデータセンターに適用すると、空調負荷を増大させずに、ラックへ実装するICT機器を大幅に増やすことが可能になります。これにより、フロア面積はそのままで、データセンターの処理能力を大幅に向上させることができ、省スペースなデータセンターの運用につながります。
当社は、「NECグループ環境経営行動計画2017/2030」に基づき、低炭素社会の実現に向けて、業界で先駆けた省エネへの取り組みを進めています。当社は今後も、本技術の実用化に向けた開発を進め、ICT機器やシステムの省電力化および効率的なデータセンター運用の実現を目指します。
(注) 本技術は、2008年度から2012年度に当社が参画した独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンネットワーク・システム技術研究開発プロジェクト」の研究成果の一部を活用しています。

(その他)
高エネルギー密度の次世代リチウムイオン電池を開発
当社、㈱田中化学研究所および積水化学工業㈱は、独立行政法人産業技術総合研究所と共同で、新規鉄マンガン系正極を使った次世代リチウムイオン電池を開発しました。
この次世代リチウムイオン電池は、実用化されているマンガンスピネル系正極を使ったリチウムイオン電池の約1.7倍(定置用蓄電システムや環境対応自動車に搭載されているリチウムイオン電池の電池重量あたりエネルギー密度を基準としました。)となる、エネルギー密度271Wh/kgを実現しました。本技術は、リチウムイオン電池の低コスト化、環境対応自動車のさらなる航続距離延伸、定置用蓄電システムの小型軽量化などに貢献するものです。
(注) 本成果は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施している「リチウムイオン電池応用・実用化先端技術開発事業」の支援を受けて、㈱田中化学研究所、積水化学工業㈱、独立行政法人産業技術総合研究所および当社が共同で開発したものです。


当連結会計年度におけるNECグループ全体の研究開発費は、142,723百万円であり、セグメントごとの内訳は、次のとおりです。
パブリック事業16,084百万円
エンタープライズ事業550百万円
テレコムキャリア事業53,973百万円
システムプラットフォーム事業40,082百万円
その他32,034百万円

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01765] S10023LR)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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