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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1002AX9

有価証券報告書抜粋 パナソニックホールディングス株式会社 研究開発活動 (2014年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループは、「家電」、「住宅」、「車」の領域からインフラ関連まで、将来の快適なくらし、安全な社会に向けた技術開発に注力しました。

グループ全体の取り組みは、主に以下のとおりです。
・クラウド・コンピューティングを活用し、話し言葉による対話処理技術と人の声を選択的に集音するマイク技術を開発しました。TV、調理機器、照明などが音声で操作でき、天気予報が雨ならば洗濯機が乾燥まで行うことをお勧めする機能も実現しました。この結果、家電や住宅設備は、誰でも対話を通して簡単に使えるようになりました。
・リアルタイムに空間の位置情報が得られるセンシング技術を開発しました。4Kディスプレイの最適視聴距離(ディスプレイの高さの1.5倍)で、空中に浮かびだされた操作画面を、タッチパネルのように指先で簡単かつ正確に操作できるようになりました。この結果、ショウウインドウ越しにリアリティのあるサイネージ画像を眺めながら、空中の操作画面でお好みの商品を検索することが可能になりました。
・レーダー反射が車に比べ微弱な歩行者を正確に分離して測位する技術と、広視野に複数配置したレーダーの相互干渉を抑制するフィルタリング技術を開発しました。車両の20cm近傍にいる歩行者を40m先でも0.1秒以下で検知することが可能になりました。この結果、交差点内の事故を未然に防ぐ検知センサーとして設置することで、夜間や悪天候時でも機能する安全支援システムの進化と普及を加速します。
・二酸化チタン光触媒と沸石粒子を静電引力で結合した光触媒粒子の開発に成功しました。微粉末の光触媒が水を浄化し、沸石粒子とともに沈殿することで、光触媒粒子を小規模かつ簡便な設備で回収可能にしました。この結果、太陽光を利用した小規模の独立型水浄化装置が実現でき、新興国などで有害金属を含む地下水が飲料水源になるなど、安全で低コストの飲料水の確保へ大きく前進しました。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、4,788億円となりました。主な内訳は、「アプライアンス」678億円、「エコソリューションズ」544億円、「AVCネットワークス」1,611億円、「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ」1,700億円です。各セグメントの主な成果は以下のとおりです。

(1) アプライアンス
主に当社の研究開発部門を中心として白物家電や空調機器等の研究開発を行っています。主要な成果としては、
・「自然冷媒」のCO2(二酸化炭素)を用いた省エネ性能の高いノンフロン冷凍システムを開発しました。地球温暖化係数(GWP)の小さく、熱搬送能力の大きいCO2冷媒の特性を利用し、冷却器の冷却パイプ径を約25%細径化するとともに冷却パイプ間ピッチの最適化設定と、電子膨張弁による最適な冷媒制御技術を適用しました。この結果、熱交換効率を向上させ、業務用冷凍空調機器の省エネ性能をはかる事ができ、2013年度 省エネ大賞 省エネルギーセンター会長賞を受賞しました。
・欧州向け燃料電池コジェネレーションシステムを開発しました。発電性能が低下する要因となる不純物を多く含む欧州の天然ガスに対応する技術を適用しました。新しい触媒を用いて、天然ガス中に含まれる多くの硫黄成分を水素との反応により除去する技術と、ガス中に含まれる窒素より発生するアンモニアの量を極めて少なくできる燃焼処理機を新たに導入し、この結果、欧州の天然ガスでも安定した発電ができるようになりました。
・冷蔵庫の前面フレームレス「フルフラットガラスドア」を実現するガラス固定工法を開発しました。専用の強力接着部材に加え、ウレタンの高い密着性を活かしてガラスを冷蔵庫のフレームに直接固定する工法を新たに適用しました。この結果、ガラスの端面を見せ、ドア前面にフレームによる段差のないフラット感のあるデザインを実現し、汚れがたまらずドアをサッと拭くことができ、お手入れが簡単になるとともに、上質な輝きと透明感を併せ持った洗練されたキッチン空間の演出が可能となりました。

(2) エコソリューションズ
主に当社の研究開発部門とパナソニック エコシステムズ㈱を中心として、エネルギーマネジメントをはじめ、住宅設備や建材、環境空質機器等の研究開発を行っています。主な成果としては、
・停電時にエネファームも活用できる住宅用「創蓄連携システム」を開発しました。太陽光発電システムに加え、当社製エネファームとも連携可能なシステムとして「停電時 100/200V 出力タイプ」を新たに開発し、停電時でも、エネファームの発電電力を活用することで、より安定した電力供給を実現しました。停電時には、あらかじめ設定しておいた機器に自動での電力供給も可能となりました。この結果、「もしも」に備える安心や、環境負荷の軽減と快適な暮らしの両立が目指せるようになりました。
・本来の色味をより美しく引き立てるLED照明光のスペクトル技術を開発しました。光による物の見え方に着目した当社独自の光のスペクトル制御技術は、580nm(ナノメートル)前後の光の波長を調整することで、黄みを抑え、物の色が鮮やかに見え、肌の色も美しく見える光を実現しました。この結果、食べ物やインテリア部材は色鮮やかに、花などの植物は生き生きとして、人の肌の色を引き立たせ、顔色をよく見せることが可能となりました。
・無電化地域向けの太陽光独立電源パッケージ「パワーサプライコンテナ」を開発しました。同時に、当社製太陽電池モジュールと鉛蓄電池を採用した「パワーサプライコントロールユニット」を新たに開発しました。鉛蓄電池の残量を見ながら、需給コントロールを行うことで鉛蓄電池の劣化を極力抑制することが可能となりました。その結果、蓄電池のライフサイクルコストとメンテナンス工数を削減しました。

(3) AVCネットワークス
主に当社の研究開発部門を中心として、AVC機器等の研究開発を行っています。主な成果としては、
・独自のRGBオール印刷方式による高画質を進化させた曲面型4K OLEDを開発しました。4Kの動きの速い映像も、より美しく、忠実に再現することが可能となりました。2014年のコンシューマーエレクトロニクスショーでは、なめらかに湾曲したパネル6枚(凹面3枚、凸面3枚)を長さ約6mに渡って並べた開発品を展示し、OLEDをサイネージに活用する可能性を示すことができました。
・クラウドとペンダント型のウェアラブルデバイスが、ホームゲートウェイを介して家電とつながるプロトタイプシステムを開発しました。ユーザーとの対話などからウェアラブルデバイスは行動・嗜好を学習し、支援や助言を行うとともに、ユーザーからの語りかけにより複数機器の一括制御、遠隔操作が可能となりました。
・民生機器や業務機器で培ってきた動画圧縮技術および映像処理技術のノウハウを活かし、4Kの映像伝送で期待されている国際標準規格HEVCに準拠しつつも、標準エンコーダに比べ、処理時間約1/20、同等画質以上を可能とする画像コーデックを開発しました。この結果、機器間の連携やコンテンツ共用の利便性を上げ、4K映像の価値を高める事が可能となりました。

(4) オートモーティブ&インダストリアルシステムズ
主に当社の研究開発部門を中心として、車載向けなどのマルチメディア関連機器、二次電池、電子部品、電子材料等の研究開発を行っています。主な成果としては、
・近紫外半導体レーザと蛍光体を用いた高輝度白色光源を開発しました。発光源の近紫外レーザを当社従来比10倍に高出力化することで60ワットの光出力が可能となりました。新規開発の蛍光体を採用することにより青色発光出力を40%向上し、1種類のレーザ光から赤・緑・青の光を生成させることで、光学系を簡素化した上で、1万ルーメン級の高光束白色光源を実現することができました。
・高速伝送に最適なHDMI Ver.2.0規格準拠の通信LSIを開発しました。4Kに対応した大画面モニタなどの放送・産業機器や、車載用表示機器などの4K機器の適応分野拡大が見込まれる中、現在広く普及しているフルHD伝送と比較して4倍速い6Gbps伝送をこの通信LSIで実現しました。HDMI Ver.2.0規格準拠の4K 50/60p伝送に対応し、フルHD画質をリアルタイムに4K映像へ高解像度化する超解像回路を搭載しました。この結果、従来のカテゴリー2 HDMIケーブル1本で4K 50/60p映像伝送が容易に可能となりました。
・竹由来の「プラントオパール」を混練した樹脂振動板を用いたスピーカを開発しました。音響機器のスピーカにはひずみが小さく再生帯域が広い特性が要求されています。天然繊維である、竹に含有している植物由来オパールに着目し、独自技術により抽出した竹プラントオパールを竹材料(竹繊維、竹炭)と配合して樹脂と混練、分散させた新しい振動板を開発しました。この結果、ひずみの少ないクリアな原音に忠実な音質再生が可能となりました。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01772] S1002AX9)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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