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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10029NM

有価証券報告書抜粋 ウシオ電機株式会社 研究開発活動 (2014年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループは、産業用光源の開発・製造を中核にして光学系技術をはじめ、エレクトロニクスやメカトロニクスなど、光を利用・応用していく上で不可欠なさまざまな周辺技術の開発を推し進め、光のユニット化、光の装置・システム化へと事業を展開しております。
新市場・新技術の動向を常に把握し、戦略的な研究開発活動を行なうと共に、各研究開発部門が相互に連携・連動しながら数々の新しい光源及び光の関連装置を生み出す体制となっております。
なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は89億2千4百万円であり、光源事業及び装置事業を中心に行なっております。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりであります。

(光源事業)
・ LEDを採用したダウンライトの開発
子会社であるBLV Licht-und Vakuumtechnik GmbHは、光源にLEDを採用し、2,000ルーメンを超える光量と高い演色性、コンパクトな形状を実現したダウンライト「LEDTRION」を開発いたしました。新規に開発した専用の口金「QuickChange™ G46d」によって放熱を確保し、60,000時間の長寿命を達成いたしました。また、配光角は、12度、25度、40度、120度の4種類をラインナップしております。大手自動車メーカのショールーム向けにすでに出荷を開始しておりますが、今後は店舗やショールームのほか、ホテルや病院、博物館や美術館等への展開を進めてまいります。

(装置事業)
(1)イムノクロマト法を採用した血液検査装置の開発
当社は、毛細管現象を応用した免疫測定法であるイムノクロマト法を採用した卓上タイプの血液分析装置「ポイントリーダー®」を開発し、専用の血清フェリチン試薬である「ポイントストリップ® フェリチン」シリーズとあわせて国内販売を開始いたしました。イムノクロマト法による血清フェリチンの定量分析が可能な装置及び試薬の製品化は日本初となり、従来は高額かつ大型の装置を保有している特定の施設・機関でしか行なえなかった血清フェリチンの定量分析が、診療所や医院などの臨床現場でも正確かつ簡便・迅速に行なえるようになり、検査における患者及び医療従事者の負担を軽減することを可能にしました。

(2)プリント基板向けダイレクト・イメージング装置の開発
当社は、コンピュータ及びネットワーク機器の次世代パッケージ基板であるFC-BGA製造用の超微細・高速ダイレクト・イメージング(DI)装置「UDI-8001P」を開発いたしました。現在、FC-CSPをはじめとしたパッケージ基板の製造に使用されているDI装置は、解像力10~15 μm L/S、重ね合わせ精度±10 μm、アライメント点数が10点前後であるのに対し、「UDI-8001P」は解像力5μm L/S、重ね合わせ精度±5μm、アライメント点数が600点でありながら、従来機より速い、スループット35秒/枚を実現しました。これにより、FC-CSPはもちろん、従来のDI装置では実現できなかった高精度なデザインルールのFC-BGAプロセスをも可能にしました。

(3)4K解像度 120Hz対応 3-chip DLP® 3Dアクティブステレオ対応プロジェクタの開発
子会社であるCHRISTIE DIGITAL SYSTEMS CANADA INC.は、世界で初めて、4K解像度をもつプロジェクタでありながら、1秒間に120枚の映像を描き出す、フレームレート120Hzに対応する3-chip DLP® 3Dアクティブステレオ対応プロジェクタ「Christie Mirage 4K35 / 4K25」を開発いたしました。「Christie Mirage」シリーズは、シミュレーションシステム、バーチャルリアリティに適した立体視対応の高輝度プロジェクタとして、自動車等の製造業、建築・インテリア等のシミュレーションや大学の都市環境研究室からエンタテインメント施設まで、様々な分野で活躍しておりますが、「Christie Mirage 4K35 / 4K25」は、クリスティの高速画像処理技術「Christie TrueLife®」を用いて、動きの激しい動画やスピード感のある動画をより滑らかに、よりリアルに表現することを可能にしました。この「世界最速」の映像表示技術によって、主に設計・製造、デザイン、解析、各種シミュレーション等の分野の躍進を後押しいたします。

(4)LEDフォロースポットライトの開発
子会社であるウシオライティング株式会社は、ステージ上の特定人物・ポイントを狙って照射する演出照明用機器LEDフォロースポットライト「Xebex® ULP-150」を開発いたしました。フォロースポットライトは使用場所や投光距離等にあわせて使用する光源がクセノンランプ、メタルハライドランプ、ハロゲンランプと使い分けられておりますが、「Xebex® ULP-150」は第4の光源としてLEDを採用しており、結婚式場や学校の体育館での使用を想定しております。近年の省エネ、環境負荷低減といった流れは演出照明用機器でも加速しておりますが、高品質な光をLEDで実現することは困難でした。今回、「Xebex® ULP-150」では、160Wの白色LED光源を採用し、一般的な150Wのメタルハライドフォロースポットライト相当の出力を達成、色温度も5000Kとしたことで舞台の色彩、人物の顔色、衣装などを自然のままに再現、被照射物を鮮やかに際立たせることを可能にしました。

(5)岐阜大学、アクトリーと共同で 世界初、常温かつ無触媒でNOxを分解できる技術を開発
当社は、国立大学法人岐阜大学及び株式会社アクトリーと共同で、世界で初めて、排ガスに含まれる大気汚染物質のNOx(窒素酸化物)をVUV(真空紫外線)を利用し、常温かつ無触媒で脱硝できる「VUV直接脱硝」技術を開発いたしました。脱硝とは、船舶等のディーゼルエンジン、火力発電所、ゴミ焼却場などの排出ガスに含まれる大気汚染物質であるNOxを無害な窒素や水蒸気に分解する技術ですが、従来の技術では、消耗品となる触媒が高コストであるうえ、特定の温度域以外では性能を発揮しないという問題がありました。また、触媒を使わず、アンモニアを高温で分解し、NOxを還元する方法も開発されていますが、1000℃程度の高温で起きる反応であるため、ガスを再燃焼させる機構とエネルギーが必要となります。これに対し、当社、岐阜大学及びアクトリーは、NOx、アンモニア、酸素が共存する排気ガスに直接VUVを照射することで、世界で初めて、触媒が不要で、かつ温度にも依存せず、常温でも脱硝可能な技術を開発いたしました。

(6)世界初、紫外線でインプラントの接合能力向上と治療期間短縮を実現する紫外線照射装置を開発
当社は、歯科のインプラント治療で使用されるチタン製人工歯根の表面を紫外線照射により活性化することで、インプラントと骨との接合能力を約3倍以上改善させると共に、治癒期間を約半分に短縮できる、世界初のインプラント用紫外線照射装置「TheraBeam® SuperOsseo」を開発、欧州で販売を開始いたしました。歯科インプラント治療とは、あごの骨にチタン製の人工歯根(インプラント)を埋め込み、骨細胞とチタンを結合させることで歯を復元する施術ですが、時間経過に応じた自然現象としてインプラント表面に炭素化合物が付着することで劣化し徐々に親水性を失います。また、一方で、インプラント表面に付着した炭素化合物は特定の紫外線を照射することで除去され、親水性が改善、骨細胞との結合能力が向上できることが考案されておりましたが、当社は、半導体やMEMSなどの製造プロセス向け紫外線照射装置の開発ノウハウを活用し、独自のUV光源を搭載したインプラント用紫外線照射装置を開発、製品化することに成功いたしました。

(7)LED光の平行光変換効率90%を達成
当社は、LEDから出た光を高効率で平行光に変換する光学技術(LEDコリメーション技術)の開発に成功し、業界最高の平行光変換効率90%を実現いたしました。リソグラフィプロセスなどにおいては、光強度の高い平行光を必要とするためUV-LED光源の採用が進んでおりません。平行光の光強度を高めるには、光源の輝点サイズ(発光点)を最小化する必要がありますが、LEDは1個あたりの光出力がランプに比べて極めて低いため、ランプと同等の輝度を得るために複数のLEDを使用します。その結果、熱や配線上の問題から一定の密度以上での配列ができず、光源全体としての輝点サイズの縮小化には限界がありました。この問題に対し当社は、40年以上に渡って培ってきたレンズやミラーなどの光学技術をLEDに応用・最適化することで、従来並みのLED実装密度で業界最高の平行光変換効率90%を実現するLEDコリメーション技術の開発に成功いたしました。これにより、プロセスの低温化、シャッターレスによる装置の小型化、長寿命によるダウンタイムの削減化など、UV-LEDの特長を活かした多品種少量生産向けプロセス開発や、新たな材料開発などへの応用展開も可能にしました。

(8)フォトレジスト不要で直接かつ微細パターニングが可能な真空紫外(VUV)平行光ユニットを開発
当社は、世界で初めて、フォトレジストを使わずに、直接フレキシブル基材などに微細なパターニングができる真空紫外(VUV)平行光ユニットを開発いたしました。ウェアラブルコンピューティングやディスプレイの発展に伴い、プラスチックなどのフレキシブル基材などに対し、パターニングによってセンサーやホログラムなどの機能を直接付加するプリンテッドエレクトロニクスへの期待が高まっています。さまざま回路形成技術が試みられている中で、基材との親和性に優れた自己組織化膜(Self-Assembled Monolayer:以下 SAM)を基材に成膜し、そこに真空紫外光で直接回路を形成する方法(SAMパターニング)が有力視されておりますが、従来の真空紫外光ランプは直管型のため、光が拡散してしまうことが問題でした。当社は、真空紫外光ランプ「エキシマランプ」や「半導体リソグラフィ用UVランプ」等の独自の光源・光学技術を融合することで、最適な真空紫外光ランプとそのランプを搭載した、L/S=5/5μm以下の回路をSAM上に直接形成できる真空紫外(VUV)平行光ユニットを開発しました。プリンテッドエレクトロニクス向けの材料開発やプロセス開発をサポートするとともに、フレキシブルセンサやバイオチップ製造用など用途別の装置化も進めてまいります。


経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01929] S10029NM)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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