有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1003ONE
浜松ホトニクス株式会社 研究開発活動 (2014年9月期)
経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの研究開発活動は、「光の本質に関する研究及びその応用」をメインテーマとし、主に当社の中央研究所、筑波研究所及び各事業部において行っております。
光の世界は未だその本質すら解明されていないという、多くの可能性を秘めた分野であり、光の利用という観点からみても、光の広い波長領域のうち、ごく限られた一部しか利用することができていないのが現状であります。こうした中、当社の中央研究所及び筑波研究所においては、光についての基礎研究と光の利用に関する応用研究を進めており、また、各事業部においては、製品とその応用製品及びそれらを支える要素技術、製造技術、加工技術に関する開発を行っております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は、10,977百万円であり、これを事業のセグメントでみますと、各事業区分に配賦できない基礎的研究5,251百万円、電子管事業2,065百万円、光半導体事業3,285百万円、画像計測機器事業224百万円及びその他事業149百万円であります。
当連結会計年度における主要な研究開発の概要は次のとおりであります。
高周波放電型小型エキシマランプ光源
当社のエキシマランプ光源は、高エネルギーな紫外線を効率よく照射することで、各種材料の表面処理や洗浄を高品位に行うことができます。また、従来から用いられている方式と異なり、廃液処理が不要なことから環境に優しく、材料へのダメージや粉塵が生じないという長所があります。さらに、業界唯一の高周波放電型で発光部が長く平面なランプを開発したことにより、安定した発光と大面積で均一な照射を可能としております。この度、この特長をそのままに、生産技術開発向けに小型軽量で電源内蔵型かつ低価格なエキシマランプ光源を開発いたしました。これにより、いつでもどこでも簡易な実験で、表面処理、洗浄の評価を行うことを可能といたしました。
MEMS技術で光干渉計を指先サイズにまとめた超小型FTIRエンジン
光干渉計を指先サイズにまとめた超小型FTIR(注1)エンジンを世界で初めて開発いたしました。従来のFTIRは、高価なイメージセンサを必要としないというメリットがある一方で、高精度な光干渉計を構成する必要があり、卓上型のような大型で高価なものが主流でした。本製品は、独自のMEMS(注2)技術により、光干渉計の構成部品を一枚のシリコンウェハ上に形成することで製造工程を簡略化し、低価格化、小型化を実現するとともに、高感度で高精度な分光を可能といたしました。これにより、従来の大型プラントや研究室での測定とは異なる身近な場所で分光分析をすることが可能になり、今後、自動車運転時での呼気中のアルコール検知や農作業現場でのリアルタイム土壌モニタなど、新たな分野への応用が期待されております。
半導体故障解析装置「iPHEMOS-MP」
半導体デバイスの故障解析を効率よく行うことを可能にしたiPHEMOS-MPを開発いたしました。半導体デバイスの故障解析では、広視野で観察しておおよその故障位置を把握し、さらに対象範囲を絞り込むことで正確な故障箇所を短時間で効率よく突き止めることが求められております。当社が開発したiPHEMOS-MPは、広視野観察用に特化したレンズと、故障箇所からの微弱な発光を高感度・高解像度で検出可能なカメラを組み合わせることで、広視野かつ詳細な解析の両立を実現いたしました。これにより、故障箇所の特定精度が飛躍的に向上いたします。さらに、動作中の半導体デバイスの内部のトランジスタの状態を観察する機能を用意するなど、故障解析の幅を大きく広げる機能を実現いたしました。
医療の分野におきましては、PETを用いたミトコンドリア機能の計測法の開発を進めております。細胞内に存在するミトコンドリアの機能が損なわれますと、細胞機能に異常が生じ病気を引き起こすため、その機能を計測することは病気の診断や予防に極めて有用です。この度、当社は長年の研究により培われた技術を応用し、ミトコンドリアの機能を標識する新たなPET薬剤を開発し、老化したサルの脳では若いサルと比べてミトコンドリア機能の低下が起きていることを世界で初めて発見いたしました。今後、臨床研究へと発展させ、認知症やパーキンソン病の早期診断や治療効果判定における有用性の検証を進めてまいります。
バイオの分野におきましては、食品の機能性評価法に関する研究を進めております。食品には体の調子を整え、病気予防の助けになる成分が含まれているものもあります。当社では、蛍光・化学発光同時測定技術を用いて、食品がもつ体内の活性酸素(注3)を取り除く働き(抗酸化)と、白血球に余分な活性酸素を作らせない働き(抗炎症)、免疫を活性化させる働き(免疫賦活)を同時に識別することに成功いたしました。本技術は、食品のもつ生理的な作用の解明に貢献し、「食」による病気予防、さらに健康長寿社会実現に寄与していくものと期待されております。
光物理の分野におきましては、当社独自の空間光変調器(SLM)とホログラム技術を用いて、LGビーム(注4)の研究に取り組んでおります。その応用として、LGビームを高品位に集光して光の渦を形成し、ミクロン(注5)以下の物体を捕らえて回転させ、自在に移動させることに世界で初めて成功いたしました。光による微小物体の操作は、ナノテクノロジー等の分野におきましては既に不可欠な技術となっており、今後、様々な分野への応用が期待されております。
材料研究の分野におきましては、レーザアブレーション(注6)により放出された粒子を基板に堆積させることで、従来の技術では困難であった高出力な紫外線発光材料の成膜化に成功し、水銀を含まず長寿命な特性をもつ紫外線光源を製品化いたしました。この技術を応用して、他社にない高性能な光デバイスの研究開発を進めてまいります。
(注)1 ガスや液体等の成分分析に用いられるフーリエ変換方式の赤外分光器です。
2 半導体材料を三次元的に微細加工する最先端技術です。
3 日常の生体活動のなかでも発生するもので、余分な活性酸素は生活習慣病など、様々な病気の原因となるといわれております。
4 中心にらせん状の光波面をもつ特殊なビームです。
5 1ミクロンは1ミリの1000分の1です。
6 高密度・高強度のレーザ光を物質に照射すると、その表面から高いエネルギーをもった粒子が放出される現象です。
光の世界は未だその本質すら解明されていないという、多くの可能性を秘めた分野であり、光の利用という観点からみても、光の広い波長領域のうち、ごく限られた一部しか利用することができていないのが現状であります。こうした中、当社の中央研究所及び筑波研究所においては、光についての基礎研究と光の利用に関する応用研究を進めており、また、各事業部においては、製品とその応用製品及びそれらを支える要素技術、製造技術、加工技術に関する開発を行っております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は、10,977百万円であり、これを事業のセグメントでみますと、各事業区分に配賦できない基礎的研究5,251百万円、電子管事業2,065百万円、光半導体事業3,285百万円、画像計測機器事業224百万円及びその他事業149百万円であります。
当連結会計年度における主要な研究開発の概要は次のとおりであります。
高周波放電型小型エキシマランプ光源
当社のエキシマランプ光源は、高エネルギーな紫外線を効率よく照射することで、各種材料の表面処理や洗浄を高品位に行うことができます。また、従来から用いられている方式と異なり、廃液処理が不要なことから環境に優しく、材料へのダメージや粉塵が生じないという長所があります。さらに、業界唯一の高周波放電型で発光部が長く平面なランプを開発したことにより、安定した発光と大面積で均一な照射を可能としております。この度、この特長をそのままに、生産技術開発向けに小型軽量で電源内蔵型かつ低価格なエキシマランプ光源を開発いたしました。これにより、いつでもどこでも簡易な実験で、表面処理、洗浄の評価を行うことを可能といたしました。
MEMS技術で光干渉計を指先サイズにまとめた超小型FTIRエンジン
光干渉計を指先サイズにまとめた超小型FTIR(注1)エンジンを世界で初めて開発いたしました。従来のFTIRは、高価なイメージセンサを必要としないというメリットがある一方で、高精度な光干渉計を構成する必要があり、卓上型のような大型で高価なものが主流でした。本製品は、独自のMEMS(注2)技術により、光干渉計の構成部品を一枚のシリコンウェハ上に形成することで製造工程を簡略化し、低価格化、小型化を実現するとともに、高感度で高精度な分光を可能といたしました。これにより、従来の大型プラントや研究室での測定とは異なる身近な場所で分光分析をすることが可能になり、今後、自動車運転時での呼気中のアルコール検知や農作業現場でのリアルタイム土壌モニタなど、新たな分野への応用が期待されております。
半導体故障解析装置「iPHEMOS-MP」
半導体デバイスの故障解析を効率よく行うことを可能にしたiPHEMOS-MPを開発いたしました。半導体デバイスの故障解析では、広視野で観察しておおよその故障位置を把握し、さらに対象範囲を絞り込むことで正確な故障箇所を短時間で効率よく突き止めることが求められております。当社が開発したiPHEMOS-MPは、広視野観察用に特化したレンズと、故障箇所からの微弱な発光を高感度・高解像度で検出可能なカメラを組み合わせることで、広視野かつ詳細な解析の両立を実現いたしました。これにより、故障箇所の特定精度が飛躍的に向上いたします。さらに、動作中の半導体デバイスの内部のトランジスタの状態を観察する機能を用意するなど、故障解析の幅を大きく広げる機能を実現いたしました。
医療の分野におきましては、PETを用いたミトコンドリア機能の計測法の開発を進めております。細胞内に存在するミトコンドリアの機能が損なわれますと、細胞機能に異常が生じ病気を引き起こすため、その機能を計測することは病気の診断や予防に極めて有用です。この度、当社は長年の研究により培われた技術を応用し、ミトコンドリアの機能を標識する新たなPET薬剤を開発し、老化したサルの脳では若いサルと比べてミトコンドリア機能の低下が起きていることを世界で初めて発見いたしました。今後、臨床研究へと発展させ、認知症やパーキンソン病の早期診断や治療効果判定における有用性の検証を進めてまいります。
バイオの分野におきましては、食品の機能性評価法に関する研究を進めております。食品には体の調子を整え、病気予防の助けになる成分が含まれているものもあります。当社では、蛍光・化学発光同時測定技術を用いて、食品がもつ体内の活性酸素(注3)を取り除く働き(抗酸化)と、白血球に余分な活性酸素を作らせない働き(抗炎症)、免疫を活性化させる働き(免疫賦活)を同時に識別することに成功いたしました。本技術は、食品のもつ生理的な作用の解明に貢献し、「食」による病気予防、さらに健康長寿社会実現に寄与していくものと期待されております。
光物理の分野におきましては、当社独自の空間光変調器(SLM)とホログラム技術を用いて、LGビーム(注4)の研究に取り組んでおります。その応用として、LGビームを高品位に集光して光の渦を形成し、ミクロン(注5)以下の物体を捕らえて回転させ、自在に移動させることに世界で初めて成功いたしました。光による微小物体の操作は、ナノテクノロジー等の分野におきましては既に不可欠な技術となっており、今後、様々な分野への応用が期待されております。
材料研究の分野におきましては、レーザアブレーション(注6)により放出された粒子を基板に堆積させることで、従来の技術では困難であった高出力な紫外線発光材料の成膜化に成功し、水銀を含まず長寿命な特性をもつ紫外線光源を製品化いたしました。この技術を応用して、他社にない高性能な光デバイスの研究開発を進めてまいります。
(注)1 ガスや液体等の成分分析に用いられるフーリエ変換方式の赤外分光器です。
2 半導体材料を三次元的に微細加工する最先端技術です。
3 日常の生体活動のなかでも発生するもので、余分な活性酸素は生活習慣病など、様々な病気の原因となるといわれております。
4 中心にらせん状の光波面をもつ特殊なビームです。
5 1ミクロンは1ミリの1000分の1です。
6 高密度・高強度のレーザ光を物質に照射すると、その表面から高いエネルギーをもった粒子が放出される現象です。
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