有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10020YJ
シスメックス株式会社 研究開発活動 (2014年3月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループは、臨床検査の総合サプライヤーを目指して、常に最先端技術に対する積極的な挑戦と信頼性を追求しながら新たな診断技術の研究開発に取り組み、顧客の幅広いニーズを先取りした製品の開発を進めております。
当社グループの研究開発は、主として当社のヘマトロジープロダクトエンジニアリング本部商品開発第一部・商品開発第二部、UBプロダクトエンジニアリング本部商品開発部、免疫・生化学プロダクトエンジニアリング本部商品開発グループ、凝固プロダクトエンジニアリング本部商品開発グループ、ライフサイエンスプロダクトエンジニアリング本部商品開発部、技術開発本部及び中央研究所において臨床検査分野及びライフサイエンス分野を中心に推進しております。また、当社の研究開発企画本部において、研究開発全般の技術戦略の立案と研究開発活動の支援を行っており、戦略に基づく経営資源配分の最適化を図る体制を整備しております。
研究開発活動においては、その対象領域を「血液疾患及び免疫疾患」、「がん」、「慢性疾患」、「感染症」とし、細胞を検出するフローサイトメトリー技術、遺伝子を増幅、検出する直接遺伝子増幅技術やDNAチップ技術、抗体検査のための化学発光酵素免疫測定技術やクロマト技術、測定により得られた結果から病態をシミュレーションするシステムバイオテクノロジー技術などを技術プラットフォームとして、疾患の早期発見、患者個々に最適な治療の選択を可能とする価値の高い診断技術の創出を目指しております。
また、トータル・ソリューション・プロバイダーをコンセプトとして掲げ、検体検査機器のみならず検体検査試薬及び臨床検査情報システムを含む一貫した製品開発に取組んでおります。当連結会計年度における主な研究成果は次のとりであります。
(1) 「三日熱・四日熱マラリア感染検体のフラッグ技術」の開発
当社の多項目自動血球分析装置XNシリーズ及びXSシリーズで既に搭載されている白血球分析技術を使用し、三日熱・四日熱マラリア感染時に出現するとされている血球形態の異常をフラッグとして知らせる技術を開発しました。従来の技術では、マラリア原虫の血液侵入により白血球数が本来の値より高値になることがありましたが、このたび開発した解析技術により、白血球の計数や分類が正確にできるようになりました。本技術は、ヘマトロジー分野において、三日熱・四日熱マラリアのスクリーニング検査として活用が期待できます。
(2)「糖鎖マーカー※を用いた肝線維化検査技術」の実用化
当社は、独立行政法人産業技術総合研究所糖鎖医工学研究センターと共同で、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構のプロジェクトの成果をもとに、肝線維化の進行度を糖鎖マーカーを用いて血液検査により判定する試薬を開発し、2013年12月10日に薬事承認(製造販売承認)を取得しました。このたび共同開発した試薬により、肝臓がんの原因となる恐れがある慢性肝炎・肝硬変に至るウィルス性肝炎に起因する疾病(肝線維化)の進行を、医療機関の臨床検査室などで、短時間に測定することが可能となりました。この検査技術の実用化により、入院を必要とせず採血のみで肝臓の線維化の進行度を迅速に測定することができるため、ウィルス性慢性肝炎の治療における患者の負担軽減が期待できます。
※ 糖鎖、糖鎖マーカー:糖鎖は、細胞表面やタンパク質上に存在する糖が連なった物質で、個々の細胞に特異的な情報伝達や細胞間コミュニケーションなどの役割を果たすもの。糖鎖マーカーは、糖タンパク質に存在する糖鎖の構造変化をターゲットにしたバイオマーカー。
(3)「乳がん組織における遺伝子発現解析受託サービス(研究用)」の開始
当社は、大阪大学と共同開発した独自のアルゴリズムにより、乳がん組織における95個の遺伝子の発現量をマイクロアレイ(Affymetrix社製)を用いて解析する受託サービスを日本で開始しました。治療方針の決定においては、術後の再発リスクの判定が重要な指標となっていますが、このサービスは、患者のがん組織(検体)を用いて遺伝子の発現量を解析し、乳がんの再発予測のための研究用データとして提供します。このサービスによる検査を通じて、患者ごとの外科手術方法や抗がん剤治療の選択に貢献することが期待できます。
(4)「リンパ節前処理装置RP-10」の発売
当社は、独自の技術であるOSNA(One-Step Nucleic Acid Amplification:直接遺伝子増幅)法によるがんリンパ節転移検査のさらなる標準化・迅速化を目指し、自動でリンパ節を破砕・可溶化する「リンパ節前処理装置RP-10」を日本で発売しました。
OSNA法による検査を行うためには、検体となるリンパ節を破砕・可溶化する必要があり、現在はホモジナイザー装置※を使った用手法で前処理されていますが、RP-10を使用することにより、用手法による前処理と比較して測定時間を10%弱短縮することが可能となり、検査の効率化をさらに進め、検査担当者の作業手順の改善、引いては患者の負担軽減に寄与します。
※ ホモジナイザー装置:ホモジナイザー(乳化機、均質機)とは、機械的に液体中の粒子(固体)や小滴(液体)を微細化し、非常に小さいサイズにする装置。
今後も、医療を最適化、標準化するための価値の高い検査を提供し、シスメックスグループの企業理念である「Sysmex Way」のミッションとして掲げている「ヘルスケアの進化をデザインする。」の実現を目指した研究開発活動に取り組んでまいります。
なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は13,260百万円となっています。また、2014年3月31日現在取得の工業所有権の総数は5,756件(海外を含む)となっております。
当社グループの研究開発は、主として当社のヘマトロジープロダクトエンジニアリング本部商品開発第一部・商品開発第二部、UBプロダクトエンジニアリング本部商品開発部、免疫・生化学プロダクトエンジニアリング本部商品開発グループ、凝固プロダクトエンジニアリング本部商品開発グループ、ライフサイエンスプロダクトエンジニアリング本部商品開発部、技術開発本部及び中央研究所において臨床検査分野及びライフサイエンス分野を中心に推進しております。また、当社の研究開発企画本部において、研究開発全般の技術戦略の立案と研究開発活動の支援を行っており、戦略に基づく経営資源配分の最適化を図る体制を整備しております。
研究開発活動においては、その対象領域を「血液疾患及び免疫疾患」、「がん」、「慢性疾患」、「感染症」とし、細胞を検出するフローサイトメトリー技術、遺伝子を増幅、検出する直接遺伝子増幅技術やDNAチップ技術、抗体検査のための化学発光酵素免疫測定技術やクロマト技術、測定により得られた結果から病態をシミュレーションするシステムバイオテクノロジー技術などを技術プラットフォームとして、疾患の早期発見、患者個々に最適な治療の選択を可能とする価値の高い診断技術の創出を目指しております。
また、トータル・ソリューション・プロバイダーをコンセプトとして掲げ、検体検査機器のみならず検体検査試薬及び臨床検査情報システムを含む一貫した製品開発に取組んでおります。当連結会計年度における主な研究成果は次のとりであります。
(1) 「三日熱・四日熱マラリア感染検体のフラッグ技術」の開発
当社の多項目自動血球分析装置XNシリーズ及びXSシリーズで既に搭載されている白血球分析技術を使用し、三日熱・四日熱マラリア感染時に出現するとされている血球形態の異常をフラッグとして知らせる技術を開発しました。従来の技術では、マラリア原虫の血液侵入により白血球数が本来の値より高値になることがありましたが、このたび開発した解析技術により、白血球の計数や分類が正確にできるようになりました。本技術は、ヘマトロジー分野において、三日熱・四日熱マラリアのスクリーニング検査として活用が期待できます。
(2)「糖鎖マーカー※を用いた肝線維化検査技術」の実用化
当社は、独立行政法人産業技術総合研究所糖鎖医工学研究センターと共同で、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構のプロジェクトの成果をもとに、肝線維化の進行度を糖鎖マーカーを用いて血液検査により判定する試薬を開発し、2013年12月10日に薬事承認(製造販売承認)を取得しました。このたび共同開発した試薬により、肝臓がんの原因となる恐れがある慢性肝炎・肝硬変に至るウィルス性肝炎に起因する疾病(肝線維化)の進行を、医療機関の臨床検査室などで、短時間に測定することが可能となりました。この検査技術の実用化により、入院を必要とせず採血のみで肝臓の線維化の進行度を迅速に測定することができるため、ウィルス性慢性肝炎の治療における患者の負担軽減が期待できます。
※ 糖鎖、糖鎖マーカー:糖鎖は、細胞表面やタンパク質上に存在する糖が連なった物質で、個々の細胞に特異的な情報伝達や細胞間コミュニケーションなどの役割を果たすもの。糖鎖マーカーは、糖タンパク質に存在する糖鎖の構造変化をターゲットにしたバイオマーカー。
(3)「乳がん組織における遺伝子発現解析受託サービス(研究用)」の開始
当社は、大阪大学と共同開発した独自のアルゴリズムにより、乳がん組織における95個の遺伝子の発現量をマイクロアレイ(Affymetrix社製)を用いて解析する受託サービスを日本で開始しました。治療方針の決定においては、術後の再発リスクの判定が重要な指標となっていますが、このサービスは、患者のがん組織(検体)を用いて遺伝子の発現量を解析し、乳がんの再発予測のための研究用データとして提供します。このサービスによる検査を通じて、患者ごとの外科手術方法や抗がん剤治療の選択に貢献することが期待できます。
(4)「リンパ節前処理装置RP-10」の発売
当社は、独自の技術であるOSNA(One-Step Nucleic Acid Amplification:直接遺伝子増幅)法によるがんリンパ節転移検査のさらなる標準化・迅速化を目指し、自動でリンパ節を破砕・可溶化する「リンパ節前処理装置RP-10」を日本で発売しました。
OSNA法による検査を行うためには、検体となるリンパ節を破砕・可溶化する必要があり、現在はホモジナイザー装置※を使った用手法で前処理されていますが、RP-10を使用することにより、用手法による前処理と比較して測定時間を10%弱短縮することが可能となり、検査の効率化をさらに進め、検査担当者の作業手順の改善、引いては患者の負担軽減に寄与します。
※ ホモジナイザー装置:ホモジナイザー(乳化機、均質機)とは、機械的に液体中の粒子(固体)や小滴(液体)を微細化し、非常に小さいサイズにする装置。
今後も、医療を最適化、標準化するための価値の高い検査を提供し、シスメックスグループの企業理念である「Sysmex Way」のミッションとして掲げている「ヘルスケアの進化をデザインする。」の実現を目指した研究開発活動に取り組んでまいります。
なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は13,260百万円となっています。また、2014年3月31日現在取得の工業所有権の総数は5,756件(海外を含む)となっております。
事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
- 有価証券報告書 抜粋メニュー
- 連結経営指標等
- 提出会社の経営指標等
- 沿革
- 事業の内容
- 関係会社の状況
- 従業員の状況
- 業績等の概要
- 生産、受注及び販売の状況
- 対処すべき課題
- 事業等のリスク
- 研究開発活動
- 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
- 株式の総数等
- 発行済株式総数、資本金等の推移
- 株価の推移
- 最近6月間の月別最高・最低株価
- 株式所有者別状況
- 役員の状況
- コーポレートガバナンス状況
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02015] S10020YJ)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。