有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10022B0
ローランド ディー.ジー.株式会社 業績等の概要 (2014年3月期)
(1)業績
当期における世界経済は、米国では、緩やかな景気の回復基調が持続し、欧州では、南欧地域において景気低迷が続いたものの、ユーロ圏全体では成長率がプラスに転じる等、明るい兆しがみられました。また、アジアでは、中国やインド等の新興国において経済成長の鈍化傾向が続きましたが、わが国においては、アベノミクス効果による円安や株価の上昇を受け、景気は穏やかに回復しております。当社グループでは、変化の激しい経営環境に対応すべく、グループ一体となり総合力を発揮することを目指す構造改革「GlobalOne(グローバルワン)」に取り組んでおります。そして、その具体的な施策と数値目標を3ヶ年の「中期経営計画」にまとめ、当期より実施しております。①新たな成長機会の創出、②グローバル・ブランドの強化、③多様性に対応するマネジメントの3つを重点テーマに、GlobalOneをより一層推進していくことで、新たな成長に向けた強固な経営基盤の構築を進めております。当期には、欧州地区における資金の集中的調達・管理・運用等の機能を集約するための持株会社Roland DG Europe Holdings B.V.をオランダに設立しました。
このような状況の中、当期の品目別売上高は、主力品目であるプリンターやサプライにおいては、前期及び当期に投入した大型インクジェットプリンターの新製品を中心に好調な販売となり、前期を大きく上回りました。また、工作機器においても、デンタル加工機等が堅調に推移し、前期より大幅に伸長しました。地域別売上高は、日本では、プリンターの新製品を中心に好調な販売となり、前期を上回りました。また、北米及び欧州においては、プリンターの新製品効果やデンタル加工機の伸長に加え、円安効果もあり、大幅な増加となりました。アジアにおいても、中国で現地のサイン製作のニーズに対応した大型インクジェットプリンター等が売上を伸ばし、前期を大きく上回る結果となりました。その他地域では、オーストラリアや南米等の販売が順調に推移しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、円安効果もあり、前期比34.8%増の421億41百万円となりました。
費用面では、新規連結子会社の本格稼働や、積極的なセールス・マーケティング活動の推進により、販売費及び一般管理費は増加したものの、新規連結子会社の連結効果に加え、プリンターの新製品を中心に生産量が増加したことや、円安に伴う海外子会社の仕入コストの低減効果等により、原価率は大幅に改善しました。
これにより、営業利益は前期比329.2%増の61億11百万円、経常利益は前期比377.8%増の62億44百万円、当期純利益は前期比1,096.6%増の42億65百万円となりました。
なお、当連結会計年度における主要通貨の為替レート(海外連結子会社の事業年度は1月~12月のため2013年1月~2013年12月の平均レート)は、97.65円/米ドル(前期79.82円)、129.71円/ユーロ(前期102.65円)でした。
当社及び連結子会社の事業は、コンピュータ周辺機器の製造販売であり、区別すべき事業セグメントが存在しないため、単一セグメントとなっております。なお、品目別の売上高は、次の通りであります。
品目別売上高
品目 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 (百万円) | 構成比増減 (%) | 前期比 (%) | ||
金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | ||||
プリンター | 13,453 | 43.0 | 19,262 | 45.7 | 5,809 | 2.7 | 143.2 |
プロッタ | 1,148 | 3.7 | 1,302 | 3.1 | 154 | △0.6 | 113.4 |
工作機器 | 2,478 | 7.9 | 3,415 | 8.1 | 937 | 0.2 | 137.8 |
サプライ | 10,570 | 33.8 | 13,602 | 32.3 | 3,031 | △1.5 | 128.7 |
その他 | 3,613 | 11.6 | 4,558 | 10.8 | 944 | △0.8 | 126.1 |
合計 | 31,264 | 100.0 | 42,141 | 100.0 | 10,877 | - | 134.8 |
[プリンター]
先進国では、サイン市場が成熟化傾向にあることを受け、高付加価値製品の提案で活性化を図っております。一方、成長が見込まれる新興国市場においては、積極的なセールス・マーケティング活動を展開し、販売拡大に注力しております。また、多様な素材へ印刷できるUVプリンターの特徴を活かして新市場・用途の開拓を進めております。
当期は、主力のサイン市場に向けた大型インクジェットプリンターのプロ用機種XR-640とXF-640が売上を力強く牽引しました。XR-640は、優れたモノクロ調の色再現や美しい写真表現、メタリックインクやプリント&カット機能による付加価値の高い表現力等に評価を頂き、既存ユーザーの買い替え需要を中心に好調な販売が続きました。加えて昨年4月に発売した当社史上最速の出力スピードを実現した新製品XF-640が、仕事量の多い大手サイン業者等へ販売が進みました。
昨年10月には、プリント&カット機能を搭載したVSシリーズの新製品VS-iシリーズをリリースし、先進国を中心に付加価値の高いサイン製作の提案に注力しました。また、プリント専用機RE/RAシリーズは、中国や南米等の新興国を中心に大きく販売を伸ばしました。なお、当社プリンターの低溶剤系インク「ECO-SOL MAX 2(エコソル・マックスツー)」が、昨年6月にロンドンで開催された印刷業界の国際見本市であるFESPA 2013において、環境への配慮と優れた印刷品質が評価され「EDP Award 2013」を受賞しました。
UVプリンターでは、小型フラットベットUVプリンターLEFシリーズにおいて、昨年10月にワイドな印刷範囲と高い生産性を実現した新製品LEF-20をリリースした効果もあり、スマートフォンケースやノベルティ等のオリジナルグッズ製作用途で堅調な販売となりました。
これらの結果、プリンターの売上高は192億62百万円(前期比143.2%)となりました。
[プロッタ]
主力機種の販売が堅調に推移し、プロッタの売上高は13億2百万円(前期比113.4%)となりました。
[工作機器]
従来の主力市場である製造業や彫刻業等に加えて、デジタル化のニーズが高まる歯科医療をはじめとするヘルスケア分野やパーソナル分野に注力し、新分野での事業拡大を目指しております。
当期は、ものづくり分野に向けた主力製品である切削加工機MDXシリーズや彫刻機EGXシリーズの販売が堅調に推移しました。また、デンタル加工機DWXシリーズは、昨年10月に小規模な歯科技工所でも導入しやすいコンパクトかつ低価格な新製品DWX-4をリリースしたことに加え、義歯の製作プロセスをトータルソリューションとして提案できる体制作りや販売網の整備拡充が着実に進んだことが奏功し、北米をはじめ日本や中国において販売を大きく伸ばしました。
これらの結果、工作機器の売上高は34億15百万円(前期比137.8%)となりました。
[サプライ]
プリンターの販売が好調だった北米、欧州を中心にインクの販売が増加し、サプライの売上高は136億2百万円(前期比128.7%)となりました。
[その他]
保守やサービスパーツ等のその他売上につきましては、売上高は45億58百万円(前期比126.1%)となりました。
地域別の売上高は、以下の通りであります。
地域別売上高
地域 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 (百万円) | 構成比増減 (%) | 前期比 (%) | ||
金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | ||||
日本 | 4,232 | 13.5 | 4,727 | 11.2 | 494 | △2.3 | 111.7 |
北米 | 8,408 | 26.9 | 11,638 | 27.6 | 3,229 | 0.7 | 138.4 |
欧州 | 10,311 | 33.0 | 14,354 | 34.1 | 4,042 | 1.1 | 139.2 |
アジア | 2,694 | 8.6 | 3,633 | 8.6 | 939 | 0.0 | 134.9 |
その他 | 5,617 | 18.0 | 7,789 | 18.5 | 2,172 | 0.5 | 138.7 |
合計 | 31,264 | 100.0 | 42,141 | 100.0 | 10,877 | - | 134.8 |
[日 本]
プリンターでは、サイン市場向けのXR-640やXF-640が、既存ユーザーの買い替え需要を中心に順調な販売となりました。工作機器では、主力の切削加工機MDXシリーズの販売が堅調に推移しました。また、前期後半より本格的なセールス・マーケティング活動を開始したデンタル加工機DWXシリーズは、販売網の整備拡充が進んだことに加え、デジタルデータを用いて製作した一部の義歯に対する保険適用が2014年度よりスタートすることに伴う設備投資需要を取り込んだこともあり、売上を伸ばしました。
これらの結果、日本の売上高は47億27百万円(前期比111.7%)となりました。
[北 米]
プリンターでは、XR-640及びXF-640が好調だったことに加え、低価格機種のVSシリーズやRE-640が、積極的な営業施策の実施により堅調な販売となりました。また、小型フラットベットUVプリンターLEFシリーズがオリジナルグッズ製作用途で好調だったこともあり、プリンター全体では前期を上回りました。工作機器では、顧客へのソリューション提案やトレーニング、サポート体制の構築が進んだデンタル加工機DWXシリーズが大きく伸長しました。
これらの結果に加え、円安効果もあり、北米の売上高は116億38百万円(前期比138.4%)となりました。
[欧 州]
南欧地域では景気低迷が続きましたが、欧州全体では、XR-640が好調に推移するとともに、当期に投入したXF-640も順調な販売となる等、プリンターの新製品が売上を牽引しました。また、低価格機種のRE-640が、主に販売網の拡充が進んだロシア等において堅調な販売となりました。さらに、小型フラットベットUVプリンターLEFシリーズは、オリジナルグッズ製作用途において、複数台導入されるケースが増加する等、着実に販売を伸ばしました。
これらの結果に加え、円安効果もあり、欧州の売上高は143億54百万円(前期比139.2%)となりました。
[ア ジ ア]
中国では、現地のサイン製作で使用頻度の高い水性インクに対応したプリンターRA-640が、市場からの高い評価を得て販売を大きく伸ばしました。また、前期に設立した販売子会社Roland DG (China) Corporationにおいては、歯科医療業界の展示会に出展する等の活動に注力した結果、デンタル加工機DWXシリーズが大きく伸長しました。さらに、韓国においては、上期より販売子会社Roland DG Korea Inc.が本格的な活動をスタートする等、アジア地域全体でセールス・マーケティング活動の強化を図りました。
これらの結果、アジアの売上高は36億33百万円(前期比134.9%)となりました。
[そ の 他]
オーストラリアでは、XR-640やXF-640の販売が好調に推移しました。ブラジルでは、昨年3月に持分を取得した販売子会社Roland DG Brasil Ltd.が、プリンターの低価格機種を中心に積極的なセールス・マーケティング活動を推進し、売上を伸ばしました。また、アフリカや中近東地域も堅調な販売となりました。
これらの結果、その他地域の売上高は77億89百万円(前期比138.7%)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
連結キャッシュ・フロー計算書の要約
科目 | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 増減 (百万円) |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 1,805 | 6,353 | 4,548 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △3,544 | △1,236 | 2,307 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 1,177 | △2,242 | △3,419 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 | 269 | 941 | 672 |
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | △291 | 3,817 | 4,108 |
新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額 | 459 | - | △459 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 6,896 | 10,713 | 3,817 |
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動によるキャッシュ・フローは63億53百万円の収入となり、前連結会計年度と比べ45億48百万円の増加となりました。主な増加要因としましては、好調な業績により税金等調整前当期純利益が大幅に増加したこと、また、たな卸資産が大きく減少し、未払金等のその他の流動負債が増加したこと等によります。主な減少要因としましては、売上債権やその他の流動資産が増加したことに加え、法人税等の支払額が増加したこと等によります。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度が35億44百万円の支出であったのに対し、当連結会計年度は12億36百万円の支出となり、前連結会計年度と比べ23億7百万円の支出額の減少となりました。前連結会計年度は、ブラジル子会社の取得、少数株主からの子会社株式の買取、タイ子会社の土地、建物等を含む有形固定資産の取得等が主な支出となりました。一方、当連結会計年度は、有形固定資産や無形固定資産の通常の取得が主な支出となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度が11億77百万円の収入であったのに対し、当連結会計年度は22億42百万円の支出となり、前連結会計年度と比べ34億19百万円の減少となりました。前連結会計年度は、短期借入による調達で収入増となったのに対し、当連結会計年度は短期借入金の返済により支出増となりました。
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