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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10020ZD

有価証券報告書抜粋 ルネサスエレクトロニクス株式会社 研究開発活動 (2014年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


(1) 研究開発活動の体制および方針
当社グループの研究開発活動は、現在必要な、または近い将来に必要となるであろう製品設計、ソフトウェアおよびシステム開発などを、車載制御、車載情報に関する製品は第一ソリューション事業本部が、産業・家電、OA・ICT、汎用製品に関する製品は第二ソリューション事業本部が担当し、デバイス・プロセス技術、新規実装技術、設計手法などの部門横断的な共通技術については、主に第一ソリューション事業本部と生産本部とが協力しながら担当するという体制で取り組んでおります。
また、コンソーシアムや外部研究機関などへの研究委託や、幅広い分野やお客様へ最適なサポートを行うためのサード・パーティの活用など、自社の研究開発リソースのみならず社外のリソースも必要に応じて活用しております。
電子機器や社会インフラの急速なネットワーク化により訪れるスマート社会では、これまでマイコンが主に使われてきた制御機器と、システムLSIが主に使われてきたIT機器が急速に融合しており、マイコンを軸にした新たな制御機器市場の拡大が期待されます。当社グループは、こうした市場変化に対応するため、マイコンとアナログ&パワー半導体などを組み合わせたセットを提供するキットソリューションを強化するとともに、アプリケーションごとに共通して使用できるIP(設計資産)やOSなどのソフトウェアをプラットフォームとして提供するための研究開発活動を通じて、新市場での成長を実現してまいります。

(2) 主な研究開発の成果
① 世界に先駆けて28ナノメートルマイコンに内蔵するフラッシュメモリ技術を開発
当社グループは、28ナノメートル(注)プロセスを採用したフラッシュメモリ内蔵マイコン向けに、これまでの当社の40ナノメートルプロセス製品における高速読み出し動作や高信頼性を維持しながら、大幅なメモリ容量増加を実現するフラッシュメモリ技術を世界で初めて開発しました。
近年、自動車分野において、自動運転を可能にする先進運転支援システムの実現に向け、“走る、止まる、曲がる”などの制御技術が高度化することに加え、機能安全やセキュリティ、情報・ネットワークへの対応が必要になるなど、制御技術とIT(情報・ネットワーク)の融合が急速に進んでおり、自動車関連機器の一層の高性能化と多機能化に対する需要が高まっています。このため、自動車に搭載されるマイコンについても、内蔵されるメモリの微細化による集積度の向上など、大容量化や処理性能の向上が求められています。
このような中、当社グループでは、2014年2月に、大幅に性能を向上させた28ナノメートルプロセスのマイコン内蔵用フラッシュメモリ技術を業界で初めて開発し、発表しました。この新技術を適用することにより、プログラム格納用フラッシュメモリでは、業界最速となる高速読み出しを実現するとともに、従来品の倍以上の容量のフラッシュメモリの搭載が可能となります。
当社グループは、今回の開発成果をもとに28ナノメートルの車載用フラッシュマイコンの開発を加速し、いち早くニーズに対応した製品を市場に投入することで、安心・安全・快適なクルマ社会を実現するお客様の先端商品開発に大きく貢献してまいります。

② 自動車パワートレイン制御向けに世界初40ナノメートルプロセスを採用したマイコンと専用電源ICのキットソリューションを提供
当社グループは、自動車のエンジン制御やトランスミッション制御などのパワートレイン制御向けとして世界初の40ナノメートルプロセスを採用した32ビットマイコンを2品種開発し、2014年6月より専用の電源管理ICとともにサンプル出荷を開始します。
これらの新製品をキットで使用することにより、エンジン制御など車載制御アプリケーションの開発設計の負担を軽減し、お客様の開発期間の短縮を実現します。
近年、自動車分野では環境保全への対応として排ガス規制がますます厳しくなっています。そのため、エンジンやトランスミッションなどのパワートレイン制御機器では、低排出ガスに向けた新たな機能やよりきめ細かな制御が求められています。これに伴い、パワートレイン制御用マイコンには、電力消費の増加を抑制しつつ、より一層の処理性能向上と、プログラム容量の増大に対応した内蔵メモリの大容量化を実現するニーズが高まっています。このような状況のもと、当社グループは、従来製品で培った技術と経験をもとに、高い信頼性と低消費電力性を合わせ持つ独自の40ナノメートルプロセスを採用し、高性能かつ大容量メモリを搭載した新製品を開発しました。
また、一方ではマイコンの高性能化に伴い、マイコン電源の仕様は、電源間の起動順番や時間制約などが複雑化し、お客様における開発や検証の負担が増大しています。当社グループが提供するキットソリューションは、このような負担の軽減に大きく貢献します。

③ 産業機器向け大容量メモリ搭載マイコン「RX64Mグループ」を開発
当社グループは、産業やネットワーク、各種電子機器の様々なニーズに対応可能な40ナノメートルプロセスと新CPUコアRXv2を採用することにより、業界トップクラスのメモリ容量、性能を実現した32ビットマイコン「RX64Mグループ」を開発し、2014年2月よりサンプル出荷を開始しました。
近年、スマート社会(エネルギー資源を効率的に使用する社会)の拡大に伴い、ファクトリーオートメーションに代表される産業分野において、ネットワーク機能を組み込んだ機器の市場が急速に拡大しており、マイコンの高い演算能力やリアルタイム性能の向上とさらなる低消費電力化が求められています。また、様々なネットワーク機能をサポートするため、マイコンに搭載するメモリ容量は増大する傾向にあります。
本製品は、RXファミリとしては初めて40ナノメートルプロセスを採用することで、最大4メガバイトの大容量フラッシュメモリを搭載するとともに、動作時の消費電力については、当社従来品と比較し、約40%の大幅な低減を実現しました。また、周波数当たりの情報処理能力が組み込み向けとしてトップクラスの性能を持つ新アーキテクチャのRXv2コアをCPUとして搭載しております。さらに、同製品は産業分野の様々なアプリケーションや機能安全の要求に対応した豊富な周辺機能や通信機能、開発ツールを整備しており、お客様の開発期間の短縮に貢献します。
当社グループは、拡大を続けるスマート社会を支える産業機器やネットワークを組み込んだ機器に向け、今後も高性能マイコンを開発し、積極的な拡販活動を展開します。

(注)ナノメートル:1ナノメートルは、10億分の1メートルです。

(3)研究開発費
当連結会計年度の研究開発費の実績は、1,153億円であり、主に製品設計、システム開発、デバイス開発、プロセス技術開発、実装技術開発に使用しました。
なお、当社グループは半導体事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02081] S10020ZD)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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