有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10021D9
FCM株式会社 事業の内容 (2014年3月期)
当社は、電気機器や電子部品に使用されている材料・部品の金属メッキ加工や化学処理加工を主たる業務とする「電子機能材事業」と、電線用導体などの伸線加工を主たる業務とする「電気機能線材事業」を行っています。
また、「電子機能材事業」と「電気機能線材事業」は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
なお、当社は親会社である古河電気工業株式会社を中心とする企業グループの中で事業運営を行っております。
(1)電子機能材事業
①金属メッキ加工部門
携帯電話やパソコン、家電製品や自動車など私達の身の回りには様々な機器が存在し、さらにその内部にはコネクタやコンデンサ、各種センサや半導体など数多くの電子部品が使用されています。電子部品の材料・部品には半田付け性、耐腐食性、耐摩耗性、導電性、高周波特性、寸法精度などの機能や特性が要求されており、金や銀、ニッケルやスズ(スズ合金を含む)などのメッキ加工を行うことでその機能や特性を実現しています。
当部門では、販売先より支給された材料・部品へのメッキ加工を主たる業務としています。特に当部門においては、スズ系メッキの「低融点化」と「ウィスカー対策」、また「金メッキの代替品」として3元合金メッキ(FCM-Ⅱ)(*1)を開発し、量産を行っています。
②フィルム・特殊機能材部門
デジタル家電に代表される電気製品や電子機器の高機能化と小型化の進展に伴い、電子部品の軽薄短小化が進んでいます。電子部品を軽く、薄く、小さく、より高密度にするために、フィルム素材を利用する技術が注目されています。当部門ではセラミックなど非金属へのメッキ加工から始まった研究開発を通じて、各種の化学処理加工を精密かつ微細に行ったフィルム基材・回路を開発し、多くの製品への応用を可能としています。そのほか当部門では、小型電解コンデンサなどに使用される金属箔の表面粗化処理(*2)を行っています。
③電子機能材事業について
メッキ加工や各種の化学処理加工においては、その反応のプロセスが物理化学的に解明されていても、工業的には種々の条件(温度、濃度、配合比率、反応時間、不純物の存在など)により安定して均質な製品を生産することが困難なものが多くあります。特に当事業で行っている電子回路の加工においては、加工が均質になるように化学反応をコントロールし、回路に欠陥が生じないようミクロン単位(μ、千分の1㎜)で加工する必要があります。そのため、均質な品質で安定して生産するには、生産設備までを含めた製造プロセス全体のノウハウ蓄積が重要となります。
当社は、分析や解析を外部に依頼することなく社内で行うことができます。そのため、開発時だけでなく加工・生産条件の変更に伴うデータの収集などを適時に行えるため、製品や製造プロセスにおける諸問題の原因を早期に特定することができ速やかに改善を図ることが可能となっています。また、自社内で生産設備の開発と製作を行うため、解析で得たデータやノウハウを容易に生産設備に反映させることができ、生産効率の向上や品質の安定化に寄与しています。解析・製造・生産設備の製作までを自社内で行うことは、解析データや製造ノウハウが社内に蓄積されるだけでなく外部への漏洩を防ぐことにもなっています。
〔事業系統図〕
電子機能材事業における事業系統図は、以下のとおりです。
(2)電気機能線材事業
当事業では、電線の製造工程の1つである伸線加工を主たる事業として行っています。当社が仕入れた荒引線(直径8~15mmの銅線)若しくは販売先から支給を受けた荒引線を、各種用途に応じた形状や細さにまで加工し、販売します。その最終製品はビルや住宅などの屋内配線用ケーブル、通信用ケーブル、電柱等に設置されている配電用トランス(*3)やモーター用巻線(*4)などに使用されています。
電線の製造工程は一般的に前工程にさかのぼるほど大きな設備が必要となります。また、安定して設備を稼動させるためには、その設備に見合った操業量を確保することが不可欠です。電線加工を事業として行う多くの電線メーカーにとって、自社内で伸線加工をまかなうことは電線加工に比して大きな設備投資の負担となり、また、安定した設備稼動に必要な操業量を確保することが難しいため、品質面及びコスト面での不安定要素となっています。当社は設備の新規導入や更新を適宜行うことで伸線加工に特化し、多くの電線メーカーの伸線加工工程を担っています。
なお、当社の親会社である古河電気工業株式会社は、原材料・商品の仕入れ及び製品・商品の販売で重要な取引先となっています。
〔事業系統図〕
電気機能線材事業における事業系統図は、以下のとおりです。
用語解説
(*1)3元合金メッキ(FCM-Ⅱ)
スズ、銀、銅の3元素からなる合金で、鉛を含まないためRoHS指令への対応が可能となります。また、狭ピッチコネクタ向けの金メッキの代替品としても有効です。
(*2)表面粗化処理
物理的または化学的手法により、物体の表面を粗く(でこぼこに、ざらざらに)加工・処理する技術。加工前よりも表面積が増大します。
(*3)配電用トランス
発電所や変電所からの電気は、送電中の損失を少なくするため高電圧で送電されております。高電圧のままでは住宅などで使用するには危険なため適正な電圧にまで下げる(変圧)装置で、電柱などに設置されています。
(*4)モーター用巻線
モーター内部のコイルに使用されている銅線。モーターやトランスに使われる銅線は、芯材に巻きつけて使用されるため、一般に巻線と呼ばれています。
また、「電子機能材事業」と「電気機能線材事業」は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
なお、当社は親会社である古河電気工業株式会社を中心とする企業グループの中で事業運営を行っております。
(1)電子機能材事業
①金属メッキ加工部門
携帯電話やパソコン、家電製品や自動車など私達の身の回りには様々な機器が存在し、さらにその内部にはコネクタやコンデンサ、各種センサや半導体など数多くの電子部品が使用されています。電子部品の材料・部品には半田付け性、耐腐食性、耐摩耗性、導電性、高周波特性、寸法精度などの機能や特性が要求されており、金や銀、ニッケルやスズ(スズ合金を含む)などのメッキ加工を行うことでその機能や特性を実現しています。
当部門では、販売先より支給された材料・部品へのメッキ加工を主たる業務としています。特に当部門においては、スズ系メッキの「低融点化」と「ウィスカー対策」、また「金メッキの代替品」として3元合金メッキ(FCM-Ⅱ)(*1)を開発し、量産を行っています。
②フィルム・特殊機能材部門
デジタル家電に代表される電気製品や電子機器の高機能化と小型化の進展に伴い、電子部品の軽薄短小化が進んでいます。電子部品を軽く、薄く、小さく、より高密度にするために、フィルム素材を利用する技術が注目されています。当部門ではセラミックなど非金属へのメッキ加工から始まった研究開発を通じて、各種の化学処理加工を精密かつ微細に行ったフィルム基材・回路を開発し、多くの製品への応用を可能としています。そのほか当部門では、小型電解コンデンサなどに使用される金属箔の表面粗化処理(*2)を行っています。
③電子機能材事業について
メッキ加工や各種の化学処理加工においては、その反応のプロセスが物理化学的に解明されていても、工業的には種々の条件(温度、濃度、配合比率、反応時間、不純物の存在など)により安定して均質な製品を生産することが困難なものが多くあります。特に当事業で行っている電子回路の加工においては、加工が均質になるように化学反応をコントロールし、回路に欠陥が生じないようミクロン単位(μ、千分の1㎜)で加工する必要があります。そのため、均質な品質で安定して生産するには、生産設備までを含めた製造プロセス全体のノウハウ蓄積が重要となります。
当社は、分析や解析を外部に依頼することなく社内で行うことができます。そのため、開発時だけでなく加工・生産条件の変更に伴うデータの収集などを適時に行えるため、製品や製造プロセスにおける諸問題の原因を早期に特定することができ速やかに改善を図ることが可能となっています。また、自社内で生産設備の開発と製作を行うため、解析で得たデータやノウハウを容易に生産設備に反映させることができ、生産効率の向上や品質の安定化に寄与しています。解析・製造・生産設備の製作までを自社内で行うことは、解析データや製造ノウハウが社内に蓄積されるだけでなく外部への漏洩を防ぐことにもなっています。
〔事業系統図〕
電子機能材事業における事業系統図は、以下のとおりです。
(2)電気機能線材事業
当事業では、電線の製造工程の1つである伸線加工を主たる事業として行っています。当社が仕入れた荒引線(直径8~15mmの銅線)若しくは販売先から支給を受けた荒引線を、各種用途に応じた形状や細さにまで加工し、販売します。その最終製品はビルや住宅などの屋内配線用ケーブル、通信用ケーブル、電柱等に設置されている配電用トランス(*3)やモーター用巻線(*4)などに使用されています。
電線の製造工程は一般的に前工程にさかのぼるほど大きな設備が必要となります。また、安定して設備を稼動させるためには、その設備に見合った操業量を確保することが不可欠です。電線加工を事業として行う多くの電線メーカーにとって、自社内で伸線加工をまかなうことは電線加工に比して大きな設備投資の負担となり、また、安定した設備稼動に必要な操業量を確保することが難しいため、品質面及びコスト面での不安定要素となっています。当社は設備の新規導入や更新を適宜行うことで伸線加工に特化し、多くの電線メーカーの伸線加工工程を担っています。
なお、当社の親会社である古河電気工業株式会社は、原材料・商品の仕入れ及び製品・商品の販売で重要な取引先となっています。
〔事業系統図〕
電気機能線材事業における事業系統図は、以下のとおりです。
用語解説
(*1)3元合金メッキ(FCM-Ⅱ)
スズ、銀、銅の3元素からなる合金で、鉛を含まないためRoHS指令への対応が可能となります。また、狭ピッチコネクタ向けの金メッキの代替品としても有効です。
(*2)表面粗化処理
物理的または化学的手法により、物体の表面を粗く(でこぼこに、ざらざらに)加工・処理する技術。加工前よりも表面積が増大します。
(*3)配電用トランス
発電所や変電所からの電気は、送電中の損失を少なくするため高電圧で送電されております。高電圧のままでは住宅などで使用するには危険なため適正な電圧にまで下げる(変圧)装置で、電柱などに設置されています。
(*4)モーター用巻線
モーター内部のコイルに使用されている銅線。モーターやトランスに使われる銅線は、芯材に巻きつけて使用されるため、一般に巻線と呼ばれています。
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02115] S10021D9)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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