有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10029KD
川崎重工業株式会社 コーポレートガバナンス状況 (2014年3月期)
当社は取締役・監査役を中心として、当社グループにふさわしいコーポレート・ガバナンス体制を構築し、その充実を図っています。そして、グループ全体として、株主・顧客・従業員・地域社会等のステークホルダーの皆様に対しても透明性の高い経営を行い、円滑な関係を構築しながら、効率的で健全な経営の維持により企業価値を向上させることを、コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方としています。
ア.企業統治の体制
企業統治に関して、当社は、監査役会設置会社であり、会計監査人を設置しています。さらに、取締役会・監査役会のほか、代表取締役等関係者で構成する経営会議、及び取締役会において選任された執行役員を加えた執行役員会を設置しています。
取締役会は13名(定員18名)の取締役で構成され、議長は会長の欠員により社長が務めています。また、経営全般に対する取締役会の監督機能を強化することを目的として、業務執行から独立した社外取締役(東京証券取引所の定める独立役員)1名を選任しています。なお、全ての取締役の任期を1年とし、さらに社外取締役を除く取締役については、その報酬に業績を反映させるなど、経営責任の明確化を図っています。
監査役会は4名(定員5名)の監査役で構成され、財務報告の信頼性を確保するため財務及び会計に関する相当程度の知見を有する監査役を選任するとともに、経営監視機能の客観性及び中立性を確保することを目的として、当社との取引関係等の利害関係のない2名の社外監査役(いずれも東京証券取引所の定める独立役員)を選任しています。常勤監査役と社外監査役は緊密に情報共有を行い、経営監視機能の充実を図っています。
業務執行に関しては、当社ではグループとして経営環境の変化に迅速に対応できる体制とするため、執行役員制を採用しており、取締役会において選任された執行役員に業務を委任しています。また、グループ経営全般における社長の諮問機関として経営会議を設置し、グループ経営における重要な経営方針、経営戦略、経営課題等の審議を行うとともに、所定の事項については取締役会に諮ることとしています。さらに、取締役会・経営会議等で決定した経営方針・経営計画に基づく業務執行方針は全執行役員に直ちに示達されるとともに、グループ経営における意思統一を図る機関として設置された執行役員会において徹底を図るなど、円滑な業務執行に資する体制を構築しています。
なお、当社の企業統治の体制を図示すると、下記のとおりです。
経営の透明性を確保しながらも、効率的で健全な経営を維持し、企業価値の持続的な向上を実現するのに相応しい体制であると考え、本体制を採用しています。
当社は、以下のとおり内部統制システムの整備を進めており、当社を取り巻く環境の変化等も視野に入れ、今後も必要に応じて見直しを行うこととしています。また、内部統制システムの運用状況については、期末に評価を行い、適切に運用されていることを確認しています。
a.取締役及び使用人に関する内部統制システム
(a)取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(会社法第362条第4項第6号、会社法施行規則第100条第1項第4号)
・「川崎重工業企業倫理規則」を制定し、当社役員・従業員に対して「企業人としての倫理規範の実践」「人格・人権の尊重と差別の禁止」「環境保全の促進」「法令及び社会のルールの遵守」「適正な会計処理及び財務報告の信頼性の確保」(以下「企業倫理の基本理念」という)を義務付け、法令及び定款を始めとする当社の諸規則等を遵守することを徹底しています。
・「内部統制管理規則」を制定し、業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、法令等の遵守、資産の保全等の目的を達成し業務の適正を確保するため、内部統制に関する体制・システムの統一的運用を行っています。
・「全社CSR委員会規則」及び「事業部門CSR委員会規程」を制定し、社長総括の下、役員他で構成される全社CSR委員会及び事業部門CSR委員会を設置して、「川崎重工業企業倫理規則」に規定される企業倫理の基本理念を遵守するための各種施策及び当社グループのコンプライアンスの徹底を図るための各種施策を審議・決定し、各種法令遵守の啓蒙・教育活動の継続的実施により、法令遵守への理解と意識を常に高めるよう努めているとともに、その運用状況のモニタリングを徹底し、企業活動や個々人の行動が法令・倫理に反しないよう努めています。
・「コンプライアンス報告・相談制度規則」を制定し、職制又は関係部門を通じたコンプライアンス違反の是正が困難な場合に、コンプライアンス違反に関する情報を内部通報できる制度を適切に運用することにより、コンプライアンス体制の充実を図っています。
・取締役会において選任された執行役員に業務執行を委任する一方で、業務執行から独立した社外取締役(東京証券取引所の定める独立役員)を置くことにより、経営全般に対する取締役会の監督機能を強化し、また、2名の社外監査役(いずれも東京証券取引所の定める独立役員)を置くことで、経営監視機能の客観性及び中立性を確保し、監視機能の充実を図っています。
・内部監査部門(監査部)による業務監査を行い、業務執行の適正を確保しています。
・「財務報告に係る内部統制の基本方針書」に基づき、財務報告に係る内部統制の構築、評価及び報告を適切に行い、財務報告の信頼性を確保しています。
(b)取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
(会社法施行規則第100条第1項第1号)
・取締役の職務の執行に係る情報(議事録、決裁記録及びそれらの付属資料、会計帳簿、会計伝票及びその他の情報)は、「文書取扱規則」その他関連する規程等に従い、適切に保存及び管理を行っています。取締役、監査役及びそれらに指名された使用人はいつでもそれらの情報を閲覧できることとしています。
・秘密情報の保護については「企業秘密管理規程」、個人情報については「個人情報保護規則」により適正な取扱いを徹底し、規則等に定められた方法による検証や業務監査などにより、その実効性を確保しています。
(c)損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(会社法施行規則第100条第1項第2号)
・「リスク管理規則」に則り、社長をリスク管理最高責任者、各事業部門長をリスク管理責任者とし、想定されるリスクを当社グループ共通の尺度で網羅的に把握し、リスク又はリスクによりもたらされる損失を未然に回避・極小化するためのリスク管理体制を適切に運用しています。
・経営戦略上のリスクについては「取締役会規則」、「経営会議規則」、「決裁規則」により、事前に関連部門においてリスクの分析や対応策等の検討を行い、規則に従って取締役会又は経営会議において審議・決議を行っているほか、特に、経営に対する影響が大きい重要なプロジェクトについては、別途、「重要プロジェクトのリスク管理に関する規則」により、適切なリスク管理体制を運用しています。
・リスクが顕在化した場合の対応として、「リスク管理規則」に則り、緊急事態における行動指針や事前の対応方針を明らかにするとともに、各事業所に危機管理責任者を置き、損失を極小化するための体制を適切に運用しています。特に、大規模地震等の災害や感染症パンデミック等が発生した場合に備え、優先的に継続又は復旧する重要業務を特定の上、事業への影響を最低限に抑えるとともに復旧までの時間を短縮するための事業継続計画を定めています。
(d)取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(会社法施行規則第100条第1項第3号)
・「カワサキグループ・ミッションステートメント」の制定により、当社グループの普遍的な存在意義・役割を明確にするとともに、中期経営計画の策定に際し、全社並びに事業部門ごとに長期的ビジョンを定め、将来当社グループが到達すべきビジョン「Kawasaki 事業ビジョン 2020」を共有しています。
・「カワサキグループ・ミッションステートメント」及び中期経営計画の実現に向けて、短期経営計画を策定し、これに基づいて当社役員・従業員の業績目標を設定する制度を運用しています。これにより達成すべき目標を明確化するとともに、全ての職場隅々に至る目標の連鎖を図ることとしています。また、それぞれの計画・目標は、定期的にレビューを行うことで、より適正且つ効率的な業務執行ができる体制としています。
・役割分担・業務執行権限と責任・指揮命令系統などを「業務分掌管理規程」と「決裁規則」等に規定し、役職員の権限や裁量の範囲を明確に定めています。また、「執行役員規則」を制定し、取締役会の決議に基づき執行役員を選任し、「業務執行体制」を明確化することで、各事業・各機能分野における業務執行の効率化を図っています。
・効率的な職務執行のために、取締役会決議と社長決裁に向けての審議機関として経営会議を設置し、方針及び実行の審議を行っています。また、経営方針・計画の周知及び意思統一のための、執行役員全員を対象とした執行役員会を開催しています。
・環境の変化に適応した経営を行うとともに、各事業部門が委譲された権限と責任の下に、機動的な事業運営を行うため、カンパニー制度を採用しています。
b.企業集団における内部統制システム
(a)当社及び子会社からなる企業集団における業務の適正を確保するための体制
(会社法施行規則第100条第1項第5号)
・当社グループ各社における経営については、その自主性を尊重しつつ、「カワサキグループ・ミッションステートメント」及び中期経営計画等に示される基本的な考え方・ビジョンを共有することを通じ、企業集団全体として業務の適正を確保しています。
・「内部統制管理規則」に則り、当社は、親会社の立場で子会社の内部統制を統括・指導することにより、グループ全体として業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、法令等の遵守、資産の保全等の目的を達成し業務の適正を確保するための体制を構築し適切に運用しています。
・当社は、子会社の株主として株主総会における議決権行使による統制を行うとともに、「関連企業規則」、「決裁規則」によって子会社運営の重要事項決定等の統制を行っています。具体的には、適宜子会社へ非常勤取締役・非常勤監査役を派遣することによって経営の監督・監視を行うとともに、子会社を統轄する関連企業総括部を設置しています。また、各社の役割を明確にし、適正なグループ経営を管理する体制を確保しています。更に、「関連企業非常勤役員内規」を制定するとともに、当社から派遣する非常勤役員に対する啓蒙・教育を行っています。
・グループ内部監査を統括する監査部は、当社及び子会社の業務監査・財務報告に係る内部統制の評価の実施により、業務の適正を確保し当社グループ間の不公正な取引を防止する体制を確保しています。
・「全社CSR委員会規則」により、当社グループ全体について企業倫理の基本理念・コンプライアンスに関する方針・各種施策を審議し、運用状況をチェック・指導する体制を構築しています。
c.監査役の適正監査確保に関する内部統制システム
(a)監査役がその職務を補佐すべき使用人の設置を求めた場合の使用人に関する体制
(会社法施行規則第100条第3項第1号)
・監査役の要請に応じて必要な要員(監査役付)を配置しています。
(b)監査役の職務を補佐すべき使用人の取締役からの独立性に関する体制
(会社法施行規則第100条第3項第2号)
・監査役の職務を補佐すべき使用人(監査役付)は監査役の指揮命令に服するものとし、その人事は、監査役の同意を必要とすることとしています。
(c)取締役及び使用人が監査役会又は監査役に報告するための体制、その他監査役への報告に関する体制
(会社法施行規則第100条第3項第3号)
・監査役は、取締役会、経営会議、執行役員会や全社CSR委員会、全社リスク管理委員会などの全社会議体へ出席しており、取締役及び使用人は、これら会議を通じて内部統制・コンプライアンス・リスク管理に関する事項を含め、会社経営及び事業運営上の重要事項並びに職務遂行状況などを報告しています。また、取締役は会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見した場合は、直ちに監査役会に報告することとしています。
・使用人は、「決裁規則」に基づく社内稟議の回覧を通じて、監査役に対して業務執行に関わる報告を行っています。
・監査部並びに会計監査人は、適時、監査役に対して、各事業所・グループ各社に対する監査状況についての報告及び情報交換を行っています。
(d)その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(会社法施行規則第100条第3項第4号)
・取締役と監査役は、相互の意思疎通を図るため、定期的に会合を開催するとともに、監査役は、取締役会・経営会議などの重要な会議に出席し、取締役の職務執行に関して直接意見を述べることとしています。
・取締役は、監査役と監査部が連携を進め、より効率的な監査の実施が可能な体制の構築に協力しています。
・監査役の選任議案や監査役報酬等について、法令・定款に従い監査役の同意、あるいは監査役会の決定を得ています。
d.反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及び整備状況
当社グループは、反社会的勢力からの不当な要求に対し、毅然としてこれを拒否するとともに、反社会的勢力との一切の関係を遮断することとしています。
具体的な整備状況としては、全従業員に配布している「コンプライアンスガイドブック」の中で「反社会的勢力への利益供与」を禁止し、具体的禁止事例を列挙しています。「コンプライアンスガイドブック」記載事項については、単に配布するだけでなく、研修を行うことなどによって周知徹底を図っています。
また、社内体制としては、反社会的勢力排除に係る対応総括部署を本社に設置し、警察等外部の専門機関との緊密な連携を構築するとともに、関係部門と連携の上、反社会的勢力からの不当要求に対し組織的に対処することとしています。
当社グループでは、リスクの「見える化」とリスク対応の有効性を確保するために「全社的リスク管理体制」を構築し、経営に重大な影響を及ぼす重要リスクの把握と対応を行い、グループ経営原則に掲げているリスクマネジメントの充実を図っています。
「全社的リスク管理体制」を推進し継続的な取組みとするため、中期経営計画の重点施策の1項目に「全社的リスク管理の実施」を掲げ、リスク管理の最高責任者として社長を、リスク管理業務を統括する責任者としてCRO(Chief Risk Officer)を置くとともに、リスク管理に関する重要な事項の審議や実施状況のモニタリング機能を持ったリスク管理委員会を設置し、リスク管理体制の強化を図っています。また、本社企画本部にリスク管理部門を設置し全社的リスク管理を推進・支援するとともに、各事業部門においても事業部門長を責任者とした同様の体制を構築し、全社的リスク管理に取組む体制を整備しています。
以上のような「全社的リスク管理体制」の下、リスクの洗出し・評価、重要リスクの特定・対応すべきリスクの選定、リスク対策の策定・実行、モニタリングといった一連の作業を実施して、経営に重大な影響を及ぼす重要なリスクを毎年共通な尺度で特定し、全社的視点で合理的かつ最適な方法で管理しています。
当社グループでは、CSR活動全般の充実に取り組むなかで、コンプライアンスに対する意識向上に取り組む体制としています。具体的には、従業員に対しては「コンプライアンスガイドブック」の配布の他、e-learning等によるコンプライアンス教育も充実させており、当社グループを挙げてコンプライアンスに対する意識の向上を図っています。その他、外部の弁護士を窓口とする「コンプライアンス報告・相談制度」を定め、従業員が内部の目を気にすることなく相談できる仕組みを構築しています。
イ.内部監査、監査役監査及び会計監査の状況
内部監査については、内部監査部門である監査部(14名)が、当社グループの経営活動全般における業務執行が、法規並びに社内ルールに基づいて適切に運用されているか等の監査を定常的に行う等、内部統制機能の向上を図っています。また、監査役と監査部は情報交換を行い、それぞれの監査結果・指摘事項等の情報を共有しています。
監査役監査に関して、監査役は、取締役会及び経営会議等に出席するとともに、重要書類の閲覧や、取締役及び執行役員との会合、本社及び事業部門に対する業務監査、子会社の調査を通じて業務及び財産の状況の調査等を行っています。また、2名の社外監査役により経営監視機能の客観性及び中立性を確保するとともに、常勤監査役と社外監査役との情報共有を行い、経営監視機能の充実を図っています。
なお、常勤監査役 村上 雄二は、当社グループの経理部門及び内部監査部門等に1975年から2012年まで在籍し、通算38年にわたり決算手続き並びに財務諸表の作成や内部監査業務等に従事しており、財務及び会計に関する相当程度の知見を有しています。
会計監査については、当社の会計監査人である、有限責任 あずさ監査法人の財務諸表監査を受けています。監査役及び監査役会は、会計監査人からの監査計画の概要、監査重点項目の報告を受け、監査役会からも会計監査人に対し監査役監査計画の説明を行っています。監査結果については定期的に報告を受け、情報交換や意見交換を行うなど連携を図っています。また、必要に応じて監査役が会計監査人の監査に立ち会うほか、会計監査人から適宜監査に関する報告を受けています。有限責任 あずさ監査法人の監査の状況は以下のとおりです。
業務を執行した公認会計士の氏名、所属する監査法人名及び提出会社に係る継続監査年数
なお、継続監査年数については全員7年以内であるため記載を省略しています。
監査業務に係る補助者の構成
公認会計士 27名
そ の 他 25名
当社グループにおける内部統制は、本社企画本部がその企画立案機能を担うとともに、業務を遂行する各部門自らが、業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、法令等の遵守、資産の保全等の目的を達成し、業務の適正を確保するための活動を行う体制としています。内部監査については、本社監査部が独立的モニタリングとしての内部監査を行うほか、各事業部門におけるコンプライアンス部門が、各事業部門における自主監査を行い、監査部による内部監査機能を補完しています。また、より中立的・独立的な観点から内部統制部門に対し監査役監査を実施するとともに、さらに財務報告に関してはより専門的な見地から行う監査として会計監査人による会計監査を実施しています。
監査部が行う財務報告に係る内部統制に対する評価に対し、会計監査人による外部監査を受けるとともに評価範囲等について適宜協議するほか、監査部長が監査役と会計監査人との情報交換の場に同席するなど、必要な相互連携に努めています。
ウ.社外取締役及び社外監査役
当社では、社外取締役1名(東京証券取引所の定める独立役員)を置き、経営全般に対する取締役会の監督機能を強化しています。社外取締役は、当社とは異なる分野における豊富な経験と専門的知見をもとに、業務執行を行う経営陣から独立した客観的立場から適切な意見・助言をいただける方を候補者とし、選任しています。なお、独立性は、候補者の出身会社と当社グループ間の相互の取引関係や出資状況について、総合的に勘案して判断しています。
社外取締役の森田 嘉彦は、これまでのグローバルな視点での幅広い経営経験と見識を生かし、当社グループの経営に関する重要事項の決定に際して意見・助言を行っています。同氏は、過去に国際協力銀行の役員を務めた後、現在は一般財団法人海外投融資情報財団理事長、東京瓦斯株式会社監査役に就任していますが、当社との特別な利害関係はありません。
社外取締役は、その責任範囲を会社法第427条第1項及び定款第32条に基づき、1千万円又は会社法第425条第1項に規定する額(取締役報酬の2年分)のいずれか高い方を限度とする契約を当社と結んでいます。
<社外取締役による監督と監査役及び内部統制部門との関係>
社外取締役は、取締役会において業務執行とは独立した立場から当社グループの業務執行に対して意見・助言を述べることにより、その監督機能の強化に努めていくこととしています。また、連結経営における重要な経営方針、経営戦略、経営課題等の重要議案が上程される場合、取締役会に先立って同案件を詳細に審議する経営会議にも出席し、充分な理解に基づき取締役会に臨むこととしています。また、取締役会における監査役監査及び期末監査の実施や内部統制システムの運用評価結果等に関する報告に対し、適宜意見を述べることとしています。
<社外監査役>
当社では、社外監査役2名(いずれも東京証券取引所の定める独立役員)を置き、経営監視機能の客観性及び中立性を確保し、監査機能の充実を図っています。
社外監査役の岡 道生は、会社役員としての豊富な経験と高い見識を生かし、公正かつ独立した立場から監査を行っています。同氏は過去に川崎汽船株式会社及びその関連会社の役員に就任していましたが、川崎汽船株式会社はグループ会社のような資本関係には無く、売上高に占める割合も僅少であることから、同氏と当社との特別な利害関係はありません。
社外監査役の藤掛 伸之は、弁護士としての高い見識とさまざまな経験を生かし、公正かつ独立した立場から監査を行っています。なお、同氏と当社との特別な利害関係はありません。
社外監査役は、その責任範囲を会社法第427条第1項及び定款第42条に基づき、1千万円又は会社法第425条第1項に規定する額(監査役報酬の2年分)のいずれか高い方を限度とする契約を当社と結んでいます。
<社外監査役による監査と監査役監査、会計監査、内部監査との相互連携>
社外監査役は、取締役会に出席し必要な意見を述べるほか、取締役及び執行役員との会合、本社及び事業部門に対する業務監査、子会社の調査に直接的に関与するとともに、監査役会への出席などを通じて常勤監査役との情報共有に努めています。会計方針の変更等に際しては、その当否について会計監査人の意見を求めるほか、財務報告に関する計算関係書類について会計監査人から会計監査報告及び監査に関する資料を受領するなどの相互連携を図っています。また、内部監査部門である本社監査部とは適宜情報交換を行うほか、内部監査及び財務報告に係る内部統制の評価の実施状況に関する報告を受けています。
<社外監査役による監査と内部統制部門との関係>
内部統制については、本社企画本部が全社における基本方針を立案の上、各部門自らが、業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、法令等の遵守、資産の保全等の目的を達成し、業務の適正を確保するための活動を行う体制としています。社外監査役は、本社及び事業部門に対する業務監査の一環として、その中立的・独立的な立場より内部統制部門に対する業務監査を実施しています。
エ.役員報酬等
(ア)役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(注)退職慰労金は廃止しています。また、賞与及びストックオプションの支給はありません。
(イ)役員ごとの報酬等の総額等
報酬等の総額が1億円以上である者が存在しないため、記載していません。
(ウ)役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の内容及び決定方法
当社取締役及び監査役の報酬については、企業業績と企業価値の持続的な向上、及び優秀な人材の確保を目的として、各役員の職責に見合った報酬体系としております。取締役の報酬は、会社業績に連動して決定することを方針とし、取締役会の委任を受けて社長が決定しています。
監査役報酬は、その職務の独立性という観点から、業績連動を伴わない固定報酬とし、監査役会にて決定しています。
なお、上記取締役及び監査役の報酬は、株主総会で承認いただいた報酬枠の範囲内に収まるように設定し、運用しております。
オ.株式の保有状況
(ア)投資株式のうち保有目的が純投資目的以外の目的であるものの銘柄数及び貸借対照表計上額の合計額
(イ)保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式の保有区分、銘柄、株式数、貸借対照表計上額及び保有目的
前事業年度末(2013年3月31日現在)
特定投資株式
みなし保有株式
(注)貸借対照表計上額の上位銘柄を選定する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算していません。
当事業年度末(2014年3月31日現在)
特定投資株式
みなし保有株式
(注)貸借対照表計上額の上位銘柄を選定する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算していません。
カ.その他
当社は、取締役を18名以内とする旨を定款で定めています。
また、当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨及び累積投票によらない旨を定款で定めています。
また、当社は、株主総会の特別決議について、機動的な株主総会運営を可能とするため、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款で定めています。
また、当社は、自己の株式の取得について、会社の業務又は財産の状況に応じた機動的な自己株式の取得を行えるよう、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款で定めています。さらに当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨定款に定めています。
ア.企業統治の体制
企業統治に関して、当社は、監査役会設置会社であり、会計監査人を設置しています。さらに、取締役会・監査役会のほか、代表取締役等関係者で構成する経営会議、及び取締役会において選任された執行役員を加えた執行役員会を設置しています。
取締役会は13名(定員18名)の取締役で構成され、議長は会長の欠員により社長が務めています。また、経営全般に対する取締役会の監督機能を強化することを目的として、業務執行から独立した社外取締役(東京証券取引所の定める独立役員)1名を選任しています。なお、全ての取締役の任期を1年とし、さらに社外取締役を除く取締役については、その報酬に業績を反映させるなど、経営責任の明確化を図っています。
監査役会は4名(定員5名)の監査役で構成され、財務報告の信頼性を確保するため財務及び会計に関する相当程度の知見を有する監査役を選任するとともに、経営監視機能の客観性及び中立性を確保することを目的として、当社との取引関係等の利害関係のない2名の社外監査役(いずれも東京証券取引所の定める独立役員)を選任しています。常勤監査役と社外監査役は緊密に情報共有を行い、経営監視機能の充実を図っています。
業務執行に関しては、当社ではグループとして経営環境の変化に迅速に対応できる体制とするため、執行役員制を採用しており、取締役会において選任された執行役員に業務を委任しています。また、グループ経営全般における社長の諮問機関として経営会議を設置し、グループ経営における重要な経営方針、経営戦略、経営課題等の審議を行うとともに、所定の事項については取締役会に諮ることとしています。さらに、取締役会・経営会議等で決定した経営方針・経営計画に基づく業務執行方針は全執行役員に直ちに示達されるとともに、グループ経営における意思統一を図る機関として設置された執行役員会において徹底を図るなど、円滑な業務執行に資する体制を構築しています。
なお、当社の企業統治の体制を図示すると、下記のとおりです。
経営の透明性を確保しながらも、効率的で健全な経営を維持し、企業価値の持続的な向上を実現するのに相応しい体制であると考え、本体制を採用しています。
当社は、以下のとおり内部統制システムの整備を進めており、当社を取り巻く環境の変化等も視野に入れ、今後も必要に応じて見直しを行うこととしています。また、内部統制システムの運用状況については、期末に評価を行い、適切に運用されていることを確認しています。
a.取締役及び使用人に関する内部統制システム
(a)取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(会社法第362条第4項第6号、会社法施行規則第100条第1項第4号)
・「川崎重工業企業倫理規則」を制定し、当社役員・従業員に対して「企業人としての倫理規範の実践」「人格・人権の尊重と差別の禁止」「環境保全の促進」「法令及び社会のルールの遵守」「適正な会計処理及び財務報告の信頼性の確保」(以下「企業倫理の基本理念」という)を義務付け、法令及び定款を始めとする当社の諸規則等を遵守することを徹底しています。
・「内部統制管理規則」を制定し、業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、法令等の遵守、資産の保全等の目的を達成し業務の適正を確保するため、内部統制に関する体制・システムの統一的運用を行っています。
・「全社CSR委員会規則」及び「事業部門CSR委員会規程」を制定し、社長総括の下、役員他で構成される全社CSR委員会及び事業部門CSR委員会を設置して、「川崎重工業企業倫理規則」に規定される企業倫理の基本理念を遵守するための各種施策及び当社グループのコンプライアンスの徹底を図るための各種施策を審議・決定し、各種法令遵守の啓蒙・教育活動の継続的実施により、法令遵守への理解と意識を常に高めるよう努めているとともに、その運用状況のモニタリングを徹底し、企業活動や個々人の行動が法令・倫理に反しないよう努めています。
・「コンプライアンス報告・相談制度規則」を制定し、職制又は関係部門を通じたコンプライアンス違反の是正が困難な場合に、コンプライアンス違反に関する情報を内部通報できる制度を適切に運用することにより、コンプライアンス体制の充実を図っています。
・取締役会において選任された執行役員に業務執行を委任する一方で、業務執行から独立した社外取締役(東京証券取引所の定める独立役員)を置くことにより、経営全般に対する取締役会の監督機能を強化し、また、2名の社外監査役(いずれも東京証券取引所の定める独立役員)を置くことで、経営監視機能の客観性及び中立性を確保し、監視機能の充実を図っています。
・内部監査部門(監査部)による業務監査を行い、業務執行の適正を確保しています。
・「財務報告に係る内部統制の基本方針書」に基づき、財務報告に係る内部統制の構築、評価及び報告を適切に行い、財務報告の信頼性を確保しています。
(b)取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
(会社法施行規則第100条第1項第1号)
・取締役の職務の執行に係る情報(議事録、決裁記録及びそれらの付属資料、会計帳簿、会計伝票及びその他の情報)は、「文書取扱規則」その他関連する規程等に従い、適切に保存及び管理を行っています。取締役、監査役及びそれらに指名された使用人はいつでもそれらの情報を閲覧できることとしています。
・秘密情報の保護については「企業秘密管理規程」、個人情報については「個人情報保護規則」により適正な取扱いを徹底し、規則等に定められた方法による検証や業務監査などにより、その実効性を確保しています。
(c)損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(会社法施行規則第100条第1項第2号)
・「リスク管理規則」に則り、社長をリスク管理最高責任者、各事業部門長をリスク管理責任者とし、想定されるリスクを当社グループ共通の尺度で網羅的に把握し、リスク又はリスクによりもたらされる損失を未然に回避・極小化するためのリスク管理体制を適切に運用しています。
・経営戦略上のリスクについては「取締役会規則」、「経営会議規則」、「決裁規則」により、事前に関連部門においてリスクの分析や対応策等の検討を行い、規則に従って取締役会又は経営会議において審議・決議を行っているほか、特に、経営に対する影響が大きい重要なプロジェクトについては、別途、「重要プロジェクトのリスク管理に関する規則」により、適切なリスク管理体制を運用しています。
・リスクが顕在化した場合の対応として、「リスク管理規則」に則り、緊急事態における行動指針や事前の対応方針を明らかにするとともに、各事業所に危機管理責任者を置き、損失を極小化するための体制を適切に運用しています。特に、大規模地震等の災害や感染症パンデミック等が発生した場合に備え、優先的に継続又は復旧する重要業務を特定の上、事業への影響を最低限に抑えるとともに復旧までの時間を短縮するための事業継続計画を定めています。
(d)取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(会社法施行規則第100条第1項第3号)
・「カワサキグループ・ミッションステートメント」の制定により、当社グループの普遍的な存在意義・役割を明確にするとともに、中期経営計画の策定に際し、全社並びに事業部門ごとに長期的ビジョンを定め、将来当社グループが到達すべきビジョン「Kawasaki 事業ビジョン 2020」を共有しています。
・「カワサキグループ・ミッションステートメント」及び中期経営計画の実現に向けて、短期経営計画を策定し、これに基づいて当社役員・従業員の業績目標を設定する制度を運用しています。これにより達成すべき目標を明確化するとともに、全ての職場隅々に至る目標の連鎖を図ることとしています。また、それぞれの計画・目標は、定期的にレビューを行うことで、より適正且つ効率的な業務執行ができる体制としています。
・役割分担・業務執行権限と責任・指揮命令系統などを「業務分掌管理規程」と「決裁規則」等に規定し、役職員の権限や裁量の範囲を明確に定めています。また、「執行役員規則」を制定し、取締役会の決議に基づき執行役員を選任し、「業務執行体制」を明確化することで、各事業・各機能分野における業務執行の効率化を図っています。
・効率的な職務執行のために、取締役会決議と社長決裁に向けての審議機関として経営会議を設置し、方針及び実行の審議を行っています。また、経営方針・計画の周知及び意思統一のための、執行役員全員を対象とした執行役員会を開催しています。
・環境の変化に適応した経営を行うとともに、各事業部門が委譲された権限と責任の下に、機動的な事業運営を行うため、カンパニー制度を採用しています。
b.企業集団における内部統制システム
(a)当社及び子会社からなる企業集団における業務の適正を確保するための体制
(会社法施行規則第100条第1項第5号)
・当社グループ各社における経営については、その自主性を尊重しつつ、「カワサキグループ・ミッションステートメント」及び中期経営計画等に示される基本的な考え方・ビジョンを共有することを通じ、企業集団全体として業務の適正を確保しています。
・「内部統制管理規則」に則り、当社は、親会社の立場で子会社の内部統制を統括・指導することにより、グループ全体として業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、法令等の遵守、資産の保全等の目的を達成し業務の適正を確保するための体制を構築し適切に運用しています。
・当社は、子会社の株主として株主総会における議決権行使による統制を行うとともに、「関連企業規則」、「決裁規則」によって子会社運営の重要事項決定等の統制を行っています。具体的には、適宜子会社へ非常勤取締役・非常勤監査役を派遣することによって経営の監督・監視を行うとともに、子会社を統轄する関連企業総括部を設置しています。また、各社の役割を明確にし、適正なグループ経営を管理する体制を確保しています。更に、「関連企業非常勤役員内規」を制定するとともに、当社から派遣する非常勤役員に対する啓蒙・教育を行っています。
・グループ内部監査を統括する監査部は、当社及び子会社の業務監査・財務報告に係る内部統制の評価の実施により、業務の適正を確保し当社グループ間の不公正な取引を防止する体制を確保しています。
・「全社CSR委員会規則」により、当社グループ全体について企業倫理の基本理念・コンプライアンスに関する方針・各種施策を審議し、運用状況をチェック・指導する体制を構築しています。
c.監査役の適正監査確保に関する内部統制システム
(a)監査役がその職務を補佐すべき使用人の設置を求めた場合の使用人に関する体制
(会社法施行規則第100条第3項第1号)
・監査役の要請に応じて必要な要員(監査役付)を配置しています。
(b)監査役の職務を補佐すべき使用人の取締役からの独立性に関する体制
(会社法施行規則第100条第3項第2号)
・監査役の職務を補佐すべき使用人(監査役付)は監査役の指揮命令に服するものとし、その人事は、監査役の同意を必要とすることとしています。
(c)取締役及び使用人が監査役会又は監査役に報告するための体制、その他監査役への報告に関する体制
(会社法施行規則第100条第3項第3号)
・監査役は、取締役会、経営会議、執行役員会や全社CSR委員会、全社リスク管理委員会などの全社会議体へ出席しており、取締役及び使用人は、これら会議を通じて内部統制・コンプライアンス・リスク管理に関する事項を含め、会社経営及び事業運営上の重要事項並びに職務遂行状況などを報告しています。また、取締役は会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見した場合は、直ちに監査役会に報告することとしています。
・使用人は、「決裁規則」に基づく社内稟議の回覧を通じて、監査役に対して業務執行に関わる報告を行っています。
・監査部並びに会計監査人は、適時、監査役に対して、各事業所・グループ各社に対する監査状況についての報告及び情報交換を行っています。
(d)その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(会社法施行規則第100条第3項第4号)
・取締役と監査役は、相互の意思疎通を図るため、定期的に会合を開催するとともに、監査役は、取締役会・経営会議などの重要な会議に出席し、取締役の職務執行に関して直接意見を述べることとしています。
・取締役は、監査役と監査部が連携を進め、より効率的な監査の実施が可能な体制の構築に協力しています。
・監査役の選任議案や監査役報酬等について、法令・定款に従い監査役の同意、あるいは監査役会の決定を得ています。
d.反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及び整備状況
当社グループは、反社会的勢力からの不当な要求に対し、毅然としてこれを拒否するとともに、反社会的勢力との一切の関係を遮断することとしています。
具体的な整備状況としては、全従業員に配布している「コンプライアンスガイドブック」の中で「反社会的勢力への利益供与」を禁止し、具体的禁止事例を列挙しています。「コンプライアンスガイドブック」記載事項については、単に配布するだけでなく、研修を行うことなどによって周知徹底を図っています。
また、社内体制としては、反社会的勢力排除に係る対応総括部署を本社に設置し、警察等外部の専門機関との緊密な連携を構築するとともに、関係部門と連携の上、反社会的勢力からの不当要求に対し組織的に対処することとしています。
当社グループでは、リスクの「見える化」とリスク対応の有効性を確保するために「全社的リスク管理体制」を構築し、経営に重大な影響を及ぼす重要リスクの把握と対応を行い、グループ経営原則に掲げているリスクマネジメントの充実を図っています。
「全社的リスク管理体制」を推進し継続的な取組みとするため、中期経営計画の重点施策の1項目に「全社的リスク管理の実施」を掲げ、リスク管理の最高責任者として社長を、リスク管理業務を統括する責任者としてCRO(Chief Risk Officer)を置くとともに、リスク管理に関する重要な事項の審議や実施状況のモニタリング機能を持ったリスク管理委員会を設置し、リスク管理体制の強化を図っています。また、本社企画本部にリスク管理部門を設置し全社的リスク管理を推進・支援するとともに、各事業部門においても事業部門長を責任者とした同様の体制を構築し、全社的リスク管理に取組む体制を整備しています。
以上のような「全社的リスク管理体制」の下、リスクの洗出し・評価、重要リスクの特定・対応すべきリスクの選定、リスク対策の策定・実行、モニタリングといった一連の作業を実施して、経営に重大な影響を及ぼす重要なリスクを毎年共通な尺度で特定し、全社的視点で合理的かつ最適な方法で管理しています。
当社グループでは、CSR活動全般の充実に取り組むなかで、コンプライアンスに対する意識向上に取り組む体制としています。具体的には、従業員に対しては「コンプライアンスガイドブック」の配布の他、e-learning等によるコンプライアンス教育も充実させており、当社グループを挙げてコンプライアンスに対する意識の向上を図っています。その他、外部の弁護士を窓口とする「コンプライアンス報告・相談制度」を定め、従業員が内部の目を気にすることなく相談できる仕組みを構築しています。
イ.内部監査、監査役監査及び会計監査の状況
内部監査については、内部監査部門である監査部(14名)が、当社グループの経営活動全般における業務執行が、法規並びに社内ルールに基づいて適切に運用されているか等の監査を定常的に行う等、内部統制機能の向上を図っています。また、監査役と監査部は情報交換を行い、それぞれの監査結果・指摘事項等の情報を共有しています。
監査役監査に関して、監査役は、取締役会及び経営会議等に出席するとともに、重要書類の閲覧や、取締役及び執行役員との会合、本社及び事業部門に対する業務監査、子会社の調査を通じて業務及び財産の状況の調査等を行っています。また、2名の社外監査役により経営監視機能の客観性及び中立性を確保するとともに、常勤監査役と社外監査役との情報共有を行い、経営監視機能の充実を図っています。
なお、常勤監査役 村上 雄二は、当社グループの経理部門及び内部監査部門等に1975年から2012年まで在籍し、通算38年にわたり決算手続き並びに財務諸表の作成や内部監査業務等に従事しており、財務及び会計に関する相当程度の知見を有しています。
会計監査については、当社の会計監査人である、有限責任 あずさ監査法人の財務諸表監査を受けています。監査役及び監査役会は、会計監査人からの監査計画の概要、監査重点項目の報告を受け、監査役会からも会計監査人に対し監査役監査計画の説明を行っています。監査結果については定期的に報告を受け、情報交換や意見交換を行うなど連携を図っています。また、必要に応じて監査役が会計監査人の監査に立ち会うほか、会計監査人から適宜監査に関する報告を受けています。有限責任 あずさ監査法人の監査の状況は以下のとおりです。
業務を執行した公認会計士の氏名、所属する監査法人名及び提出会社に係る継続監査年数
有限責任 あずさ監査法人 | 指定有限責任社員 業務執行社員 | 米林 彰 |
指定有限責任社員 業務執行社員 | 北本 敏 | |
指定有限責任社員 業務執行社員 | 田中 基博 | |
指定有限責任社員 業務執行社員 | 神田 正史 |
なお、継続監査年数については全員7年以内であるため記載を省略しています。
監査業務に係る補助者の構成
公認会計士 27名
そ の 他 25名
当社グループにおける内部統制は、本社企画本部がその企画立案機能を担うとともに、業務を遂行する各部門自らが、業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、法令等の遵守、資産の保全等の目的を達成し、業務の適正を確保するための活動を行う体制としています。内部監査については、本社監査部が独立的モニタリングとしての内部監査を行うほか、各事業部門におけるコンプライアンス部門が、各事業部門における自主監査を行い、監査部による内部監査機能を補完しています。また、より中立的・独立的な観点から内部統制部門に対し監査役監査を実施するとともに、さらに財務報告に関してはより専門的な見地から行う監査として会計監査人による会計監査を実施しています。
監査部が行う財務報告に係る内部統制に対する評価に対し、会計監査人による外部監査を受けるとともに評価範囲等について適宜協議するほか、監査部長が監査役と会計監査人との情報交換の場に同席するなど、必要な相互連携に努めています。
ウ.社外取締役及び社外監査役
当社では、社外取締役1名(東京証券取引所の定める独立役員)を置き、経営全般に対する取締役会の監督機能を強化しています。社外取締役は、当社とは異なる分野における豊富な経験と専門的知見をもとに、業務執行を行う経営陣から独立した客観的立場から適切な意見・助言をいただける方を候補者とし、選任しています。なお、独立性は、候補者の出身会社と当社グループ間の相互の取引関係や出資状況について、総合的に勘案して判断しています。
社外取締役の森田 嘉彦は、これまでのグローバルな視点での幅広い経営経験と見識を生かし、当社グループの経営に関する重要事項の決定に際して意見・助言を行っています。同氏は、過去に国際協力銀行の役員を務めた後、現在は一般財団法人海外投融資情報財団理事長、東京瓦斯株式会社監査役に就任していますが、当社との特別な利害関係はありません。
社外取締役は、その責任範囲を会社法第427条第1項及び定款第32条に基づき、1千万円又は会社法第425条第1項に規定する額(取締役報酬の2年分)のいずれか高い方を限度とする契約を当社と結んでいます。
<社外取締役による監督と監査役及び内部統制部門との関係>
社外取締役は、取締役会において業務執行とは独立した立場から当社グループの業務執行に対して意見・助言を述べることにより、その監督機能の強化に努めていくこととしています。また、連結経営における重要な経営方針、経営戦略、経営課題等の重要議案が上程される場合、取締役会に先立って同案件を詳細に審議する経営会議にも出席し、充分な理解に基づき取締役会に臨むこととしています。また、取締役会における監査役監査及び期末監査の実施や内部統制システムの運用評価結果等に関する報告に対し、適宜意見を述べることとしています。
<社外監査役>
当社では、社外監査役2名(いずれも東京証券取引所の定める独立役員)を置き、経営監視機能の客観性及び中立性を確保し、監査機能の充実を図っています。
社外監査役の岡 道生は、会社役員としての豊富な経験と高い見識を生かし、公正かつ独立した立場から監査を行っています。同氏は過去に川崎汽船株式会社及びその関連会社の役員に就任していましたが、川崎汽船株式会社はグループ会社のような資本関係には無く、売上高に占める割合も僅少であることから、同氏と当社との特別な利害関係はありません。
社外監査役の藤掛 伸之は、弁護士としての高い見識とさまざまな経験を生かし、公正かつ独立した立場から監査を行っています。なお、同氏と当社との特別な利害関係はありません。
社外監査役は、その責任範囲を会社法第427条第1項及び定款第42条に基づき、1千万円又は会社法第425条第1項に規定する額(監査役報酬の2年分)のいずれか高い方を限度とする契約を当社と結んでいます。
<社外監査役による監査と監査役監査、会計監査、内部監査との相互連携>
社外監査役は、取締役会に出席し必要な意見を述べるほか、取締役及び執行役員との会合、本社及び事業部門に対する業務監査、子会社の調査に直接的に関与するとともに、監査役会への出席などを通じて常勤監査役との情報共有に努めています。会計方針の変更等に際しては、その当否について会計監査人の意見を求めるほか、財務報告に関する計算関係書類について会計監査人から会計監査報告及び監査に関する資料を受領するなどの相互連携を図っています。また、内部監査部門である本社監査部とは適宜情報交換を行うほか、内部監査及び財務報告に係る内部統制の評価の実施状況に関する報告を受けています。
<社外監査役による監査と内部統制部門との関係>
内部統制については、本社企画本部が全社における基本方針を立案の上、各部門自らが、業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、法令等の遵守、資産の保全等の目的を達成し、業務の適正を確保するための活動を行う体制としています。社外監査役は、本社及び事業部門に対する業務監査の一環として、その中立的・独立的な立場より内部統制部門に対する業務監査を実施しています。
エ.役員報酬等
(ア)役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
役員区分 | 報酬等の総額 (百万円) | 報酬等の種類別の 総額(百万円) | 対象となる 役員の員数 (人) |
年額報酬 | |||
取締役(社外取締役を除く。) | 591 | 591 | 15 |
監査役(社外監査役を除く。) | 70 | 70 | 2 |
社外役員 | 27 | 27 | 4 |
(イ)役員ごとの報酬等の総額等
報酬等の総額が1億円以上である者が存在しないため、記載していません。
(ウ)役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の内容及び決定方法
当社取締役及び監査役の報酬については、企業業績と企業価値の持続的な向上、及び優秀な人材の確保を目的として、各役員の職責に見合った報酬体系としております。取締役の報酬は、会社業績に連動して決定することを方針とし、取締役会の委任を受けて社長が決定しています。
監査役報酬は、その職務の独立性という観点から、業績連動を伴わない固定報酬とし、監査役会にて決定しています。
なお、上記取締役及び監査役の報酬は、株主総会で承認いただいた報酬枠の範囲内に収まるように設定し、運用しております。
オ.株式の保有状況
(ア)投資株式のうち保有目的が純投資目的以外の目的であるものの銘柄数及び貸借対照表計上額の合計額
銘柄数 | 150銘柄 |
貸借対照表計上額の合計額 | 10,726百万円 |
(イ)保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式の保有区分、銘柄、株式数、貸借対照表計上額及び保有目的
前事業年度末(2013年3月31日現在)
特定投資株式
銘柄 | 株式数 (株) | 貸借対照表 計上額 (百万円) | 保有目的 |
東日本旅客鉄道㈱ | 430,400 | 3,322 | 当社事業のうち主に車両事業において関係を有するため保有している。 |
ジェイ エフ イー ホールディングス㈱ | 1,731,668 | 3,059 | 当社事業全般において関係を有するため保有している。 |
井関農機㈱ | 2,622,320 | 847 | 当社事業のうち主にモーターサイクル&エンジン事業において関係を有するため保有している。 |
飯野海運㈱ | 1,181,250 | 817 | 当社事業全般において関係を有するため保有している。 |
川崎汽船㈱ | 2,923,073 | 581 | 同上 |
エア・ウォーター㈱ | 393,000 | 531 | 同上 |
㈱大垣共立銀行 | 1,365,321 | 466 | 同上 |
㈱十六銀行 | 1,142,778 | 441 | 同上 |
伊藤忠商事㈱ | 366,842 | 414 | 同上 |
中部電力㈱ | 257,715 | 297 | 同上 |
澁澤倉庫㈱ | 488,050 | 274 | 同上 |
関西電力㈱ | 291,150 | 270 | 同上 |
全日本空輸㈱ | 1,369,397 | 262 | 同上 |
NTN㈱ | 1,068,000 | 261 | 同上 |
新日鐵住金㈱ | 1,000,000 | 235 | 同上 |
㈱リンコーコーポレーション | 1,085,000 | 160 | 同上 |
㈱島津製作所 | 200,000 | 134 | 同上 |
京阪電気鉄道㈱ | 277,367 | 115 | 当社事業のうち主に車両事業において関係を有するため保有している。 |
森尾電機㈱ | 895,750 | 111 | 同上 |
台湾高鉄 | 5,512,518 | 98 | 同上 |
みなし保有株式
銘柄 | 株式数 (株) | 貸借対照表 計上額 (百万円) | 保有目的 |
ジェイ エフ イー ホールディングス㈱ | 5,831,452 | 10,304 | 委託者である当社が定める退職金規則に基づく給付にあてるため同社株式を信託している。議決権の行使にあたっては「議決権行使指図」を受託者に対して行い、それに基づき受託者が議決権を行使する。 |
川崎汽船㈱ | 30,000,000 | 5,970 | 同上 |
東日本旅客鉄道㈱ | 680,000 | 5,249 | 同上 |
東海旅客鉄道㈱ | 500,000 | 4,960 | 同上 |
㈱みずほフィナンシャルグループ | 20,857,000 | 4,150 | 同上 |
東京海上ホールディングス㈱ | 1,317,500 | 3,491 | 同上 |
西日本旅客鉄道㈱ | 770,000 | 3,476 | 同上 |
小田急電鉄㈱ | 2,884,500 | 3,377 | 同上 |
富士電機㈱ | 6,606,012 | 1,810 | 同上 |
㈱三井住友フィナンシャルグループ | 469,900 | 1,773 | 同上 |
当事業年度末(2014年3月31日現在)
特定投資株式
銘柄 | 株式数 (株) | 貸借対照表 計上額 (百万円) | 保有目的 |
井関農機㈱ | 2,622,320 | 715 | 当社事業のうち主にモーターサイクル&エンジン事業において関係を有するため保有している。 |
飯野海運㈱ | 1,181,250 | 610 | 当社事業全般において関係を有するため保有している。 |
エア・ウォーター㈱ | 393,000 | 561 | 同上 |
伊藤忠商事㈱ | 366,842 | 442 | 同上 |
㈱十六銀行 | 1,142,778 | 411 | 同上 |
㈱大垣共立銀行 | 1,365,321 | 385 | 同上 |
NTN㈱ | 1,068,000 | 374 | 同上 |
中部電力㈱ | 257,715 | 313 | 同上 |
関西電力㈱ | 291,150 | 308 | 同上 |
新日鐵住金㈱ | 700,000 | 197 | 同上 |
澁澤倉庫㈱ | 488,050 | 188 | 同上 |
㈱島津製作所 | 200,000 | 183 | 同上 |
森尾電機㈱ | 895,750 | 167 | 当社事業のうち主に車両事業において関係を有するため保有している。 |
㈱リンコーコーポレーション | 1,085,000 | 155 | 当社事業全般において関係を有するため保有している。 |
ANAホールディングス㈱ | 684,397 | 152 | 同上 |
京阪電気鉄道㈱ | 277,367 | 114 | 当社事業のうち主に車両事業において関係を有するため保有している。 |
西部瓦斯㈱ | 366,282 | 95 | 当社事業のうち主にプラント・環境事業において関係を有するため保有している。 |
台湾高鉄 | 5,512,518 | 88 | 当社事業のうち主に車両事業において関係を有するため保有している。 |
日鐵住金物産㈱ | 242,000 | 80 | 当社事業全般において関係を有するため保有している。 |
神戸電鉄㈱ | 185,011 | 62 | 当社事業のうち主に車両事業において関係を有するため保有している。 |
みなし保有株式
銘柄 | 株式数 (株) | 貸借対照表 計上額 (百万円) | 保有目的 |
ジェイ エフ イー ホールディングス㈱ | 7,563,120 | 14,695 | 委託者である当社が定める退職金規則に基づく給付にあてるため同社株式を信託している。議決権の行使にあたっては「議決権行使指図」を受託者に対して行い、それに基づき受託者が議決権を行使する。 |
東日本旅客鉄道㈱ | 1,110,400 | 8,445 | 同上 |
川崎汽船㈱ | 32,923,073 | 7,341 | 同上 |
東海旅客鉄道㈱ | 500,000 | 6,030 | 同上 |
㈱みずほフィナンシャルグループ | 20,857,000 | 4,254 | 同上 |
東京海上ホールディングス㈱ | 790,500 | 2,448 | 同上 |
西日本旅客鉄道㈱ | 770,000 | 3,244 | 同上 |
富士電機㈱ | 6,606,012 | 3,045 | 同上 |
小田急電鉄㈱ | 2,884,500 | 2,564 | 同上 |
㈱三井住友フィナンシャルグループ | 469,900 | 2,071 | 同上 |
カ.その他
当社は、取締役を18名以内とする旨を定款で定めています。
また、当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨及び累積投票によらない旨を定款で定めています。
また、当社は、株主総会の特別決議について、機動的な株主総会運営を可能とするため、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款で定めています。
また、当社は、自己の株式の取得について、会社の業務又は財産の状況に応じた機動的な自己株式の取得を行えるよう、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款で定めています。さらに当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨定款に定めています。
- 有価証券報告書 抜粋メニュー
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