株式会社ティラド 事業等のリスク (2014年3月期)

当社グループの経営成績、株価及び財政状況等に影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)海外事業展開
自動車業界を中心とする当社グループの取引先は、新しい市場への対応やコスト削減のためグローバル化が進展しており、今後もますます全世界的に進展していくものと思われます。これに対応するため当社グループは積極的な海外事業展開を進めており、すでに米国・欧州・アジア・中国に進出しております。また、今後もさらなる海外事業展開が必要となります。
一方、海外事業の拡大には以下のようなリスクが内在しております。
①税制をはじめとする法規制の予想不可能な変更
②政治的な不安定要因
③人材の確保の難しさ
④テロ・戦争・伝染病の流行などによる混乱
これらのリスクが顕在化することにより、当社グループの経営成績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(2)関連業界における競争激化
当社グループの関連業界、自動車部品・建設産業機械用部品業界においては、グローバル化による新規の競合相手の出現などにより競争が激化しております。また、空調機器用部品業界においては、取引先の内製部門が競合相手であります。当社グループは製品の差別化をはかり魅力的な商品を開発するとともに、合理化等によりコスト競争力を強化しておりますが、競合相手先において画期的な技術開発などにより非常に低価格の製品などが市場に投入された場合、取引先における当社グループのシェアが低下し当社グループの経営成績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(3)空調機器用部品における特殊性
当社グループの売上の10%を占めます空調機器用部品については、取引先の売上が夏季の気候に左右されます。したがって、夏季の天候が不順となった場合当社グループの売上も減少し、当社グループの経営成績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性があります。また、空調機器用部品の売上は、夏季需要時期の前3・4ヵ月に集中する傾向があり、この時期に当社グループや取引先において生産を阻害するような事象が起きた場合、当社グループの経営成績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(4)特定の部品供給元への依存
当社グループは、製造に使用する部品について多数の外部供給先より調達しておりますが、一部の購入部品については特定の供給業者に依存しております。その理由は、品質やコスト競争力の維持のために複数の供給先を確保することが困難なためであります。これらの特定の供給先が安定的に部品を供給できるか否かは当社グループがコントロールできない部分もあり、特定の供給先が安定的に部品を供給できない場合、当社グループの経営成績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(5)少数の取引先への依存度が高いこと
当社グループは、特定の自動車メーカ等の系列に属していない独立系でありますが、売掛金の相手先上位3社が当社グループの売掛金に占める割合は高くなっており、少数の上位取引先に対しての依存度は高いものとなっております。これら少数の相手先は大規模であり信用等に関するリスクは低いと思われますが、信用等に関するリスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績及び財政状況等に与える影響は大きなものとなります。また、これらの少数の取引先の業績等が当社グループの経営成績及び財政状況等に与える影響も大きなものと考えられます。
(6)原材料価格の上昇
当社グループが購入する主要な原材料はアルミ・銅などの非鉄金属ですが、これらの購入価格は非鉄金属市場の市況の影響により変動するリスクを持っております。国内の取引先につきましては、時期的なずれはありますが、おおむね購入価格の上昇分を販売価格に転嫁できる契約となっております。しかし、海外の取引先につきましては、購入価格の上昇分を販売価格に転嫁できない取引先もあり、これらの取引先との取引に関しては、原材料価格の上昇が当社グループの経営成績及び財政状況等に影響を与えます。
(7)訴訟、規制当局による措置その他の法的手続等
当社グループは、事業を遂行するうえで、訴訟、規制当局による措置その他の法的手続に関するリスクを有しております。訴訟、規制当局による措置その他の法的手続により、当社グループに対して損害賠償請求や規制当局による金銭的な賦課を課され、または事業の遂行に関する制約が加えられる可能性があり、かかる訴訟、規制当局による措置その他の法的手段は、当社グループの事業、経営成績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社は、当社の連結子会社T.RAD North America, Inc. (以下略、「TRA」)において、2011年7月19日、連邦反トラスト刑事法制に違反する疑いがあるとして米国司法当局の立ち入り検査を受けて以来、当局の調査に協力してまいりましたが、2013年9月26日(米国時間)、米国司法省との間で、当社の一部顧客への自動車部品(ラジエータ他)の販売に関して米国独占禁止法に違反したとして、罰金を支払うこと等を内容とする司法取引契約を締結いたしました。
本件は、公正取引委員会とほぼ同時に調査が開始されたものであり、当社は、このような結果に至ったことを厳粛に受け止め、再発防止の観点から、規定やガイドラインの見直し、従業員への教育研修、定期的な監査等の諸施策を実施し、独禁法遵守の再徹底を図っております。今後も、これまで徹底してきたコンプライアンス体制をより一層強化し、再発防止策の徹底を図るとともに、信頼回復に努めてまいります。
また、欧州・カナダの行政または司法当局から受けております質問・照会等に関しましても、専門家の助言を受けながら、引き続き全面的に協力してまいります。
なお、当社およびTRAは、カナダ国オンタリオ州上級裁判所において、SHERIDAN CHEVROLET CADILLAC LTD.ほか2社から、当社らを含む被告計8社に対し自動車用ラジエータの価格に関する違法行為があったとして損害賠償(懲罰的損害賠償を含む)を請求する訴訟(以下略、「本件訴訟」)を提起されております。
本件訴訟をはじめ、現在、当社およびTRAに対し、いくつかの同種の訴訟が提起されておりますが、何れも真摯に対応するとともに、今後開示すべき重要事項が発生した場合は、速やかに開示してまいります。