有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10027WD
スズキ株式会社 研究開発活動 (2014年3月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの研究開発活動は主に当社が行っております。環境問題や多様化するお客様のニーズに対応し独創的で競争力のある商品を提供するため、環境技術、低燃費化技術、軽量化技術、安全技術、情報通信技術、デザインなどの研究開発に積極的に取り組んでいます。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は1,271億円であり、セグメントごとの活動状況は、以下のとおりです。
(1) 二輪車
二輪車事業では、低燃費化、軽量化、環境性能に優れた二輪車の開発など、環境に配慮した技術開発に取り組んでいます。低燃費化では、燃焼効率の改善だけでなくメカニカルロス低減にも配慮した1,036㎤V型2気筒エンジンを開発し、2014年1月に発売した長距離ツーリングを快適に楽しめる大型二輪車「V-Strom1000ABS」に搭載しました。具体的には、コンパクトな燃焼室、ツインイリジウムプラグ、「Suzuki Dual Throttle Valves」(SDTV)、微粒子インジェクターの採用により燃焼効率を改善すると同時に、二輪車としては初となる三相オープンレクチファイヤの採用によりメカニカルロスの低減を実現しました。
軽量化についても「V-Strom1000ABS」においてラジエターの放熱量向上により、空冷式オイルクーラーを廃止することで約1.3kgの大幅な軽量化を実現しました。
2014年2月に発売した軽量、コンパクトで扱いやすい新型スクーター「バーグマン200」では、従来機種の「スカイウェイブ250」に比べ約25%の軽量化と、約5%の低燃費化を実現しました。また「バーグマン200」には、「スカイウェイブ650LX」で初めて搭載したエコドライブインジケーターを採用しており低燃費の走りをサポートしています。
環境性能では法規制や業界自主規制への対応にとどまらず、規制以上の目標値を自主的に設定し環境負荷の低減を推進するため、O₂センサーとメタルハニカム触媒を採用したマフラーを開発し、搭載を推進しています。
その他の研究開発としては、英国(ラフバラ)及び国内(北九州市)において「バーグマン フューエルセル スクーター」を用いて、水素を用いた空冷式燃料電池二輪車の実証実験を継続し、実用化に向けて開発を進めています。また、2012年2月に燃料電池開発会社であるIntelligent Energy Holdings PLCと合弁で㈱SMILE FCシステムを設立し、軽量、コンパクトで低コストな燃料電池の量産技術の開発、試作生産に取り組んでいます。
レース活動に関しても、2015年よりFIM(国際モーターサイクリズム連盟)のロードレース世界選手権(MotoGP)に復帰するべく準備を進めています。レースを通して得られる技術を量産車開発に還元し、より魅力的な商品の開発を進めます。
当連結会計年度における二輪車事業の研究開発費の金額は162億円です。
(2) 四輪車
四輪車事業では「トップクラスの環境性能であること」、「お客様にとってお求めやすい価格で提供できること」、「お客様が見て、使って、喜びと安心を感じていただけること」を方針として商品開発を行っています。当社グループは、国内軽自動車をはじめ、燃費の優れた小型車の普及こそが環境問題に貢献できると考え、特に次世代環境技術「スズキグリーン テクノロジー」の開発・採用拡大を進めています。「スズキグリーン テクノロジー」とは、スズキがものづくりのために開発・投入する環境技術、低燃費化技術、軽量化技術などの新技術の総称であり、具体的にはエンジンの燃焼改善や摩擦抵抗低減技術、軽量プラットフォーム技術、電動化技術などの開発に取り組んでいます。
また、新興国市場において低燃費エンジンとして要望の高いディーゼルエンジンの自主開発や、安全に配慮した車づくりを目指し先進安全技術の開発にも取り組んでいます。
ガソリンエンジンでは、燃焼効率の改善や、各種エネルギーロスの低減などにより熱効率を極限まで追求した「デュアルジェットエンジン」を開発しました。2013年7月に発売した小型乗用車「スイフト」、及び同年11月発売の小型乗用車「ソリオ」に搭載しています。
ディーゼルエンジンでは、主要な市場であるインドで販売する小さな車に搭載できる小排気量2気筒エンジンの開発を進めています。
加えて、クラッチやシフト操作が不要でイージードライブが可能でありながら高い伝達効率によって低燃費に貢献するトランスミッション「Auto Gear Shift」(AGS)を開発しました。「AGS」はインド、アセアンに加え欧州でも販売する計画のグローバルコンパクトカーである新型「セレリオ」に搭載しました。
次世代軽量プラットフォームは、軽自動車、Aセグメント、Bセグメントの各セグメントにおいて開発を進めています。これは車体重量の軽減だけでなく、複数の機種のプラットフォームを統合化することで開発の効率化、開発期間の短縮も同時にもたらすものです。
先進安全技術では、「レーダーブレーキサポート」(衝突被害軽減ブレーキ)を開発しました。2013年7月に発売した軽乗用車「ワゴンR」、「ワゴンRスティングレー」、同年9月に発売した軽乗用車「スペーシア」、「スペーシア カスタム」、更に軽ワゴンタイプの乗用車とSUV(スポーツ用多目的車)を融合させた全く新しいジャンルの軽乗用車として2014年1月に発売した「ハスラー」に搭載しました。なお、「スペーシア」「スペーシア カスタム」は技術とともに商品性が高く評価され、「2013-2014日本カー・オブ・ザ・イヤー スモールモビリティ部門賞」を受賞しました。
また、ミリ波レーダー方式の「レーダーブレーキサポートⅡ」を2014年2月発売した小型乗用車「ソリオ」に搭載しました。
電動化技術では、リチウムイオン電池を使った減速エネルギー回生システムである「エネチャージ」の開発に続き、この技術にIntegrated Starter Generator(ISG)を組み合わせ、さらに低燃費効果を高めたマイルドハイブリッドシステムの開発を進めています。また、「スイフト レンジエクステンダー」と軽商用EVについては、社会実証実験を通し、開発に取り組んでいます。更に、燃料電池四輪車については、二輪車と同様に、空冷式燃料電池を使用したシステムでの開発を進めています。
その他の新商品として、14年ぶりに全面改良した軽トラック「キャリイ」を発売しました。小回り性能と燃費はクラストップ※1を実現しました。また、デザイン、ユーティリティー、走行性能、燃費の全てを高い次元で満たした当社初のCセグメントクロスオーバー車「SX4 S-CROSS」を発売しました。
当連結会計年度における四輪車事業の研究開発費の金額は1,086億円です。
(3) 特機等
特機等事業では、マリン関係製品にかかわる環境や利便性向上技術開発などを行っています。環境技術では、リーンバーン採用機種の拡大や軽量化など、低燃費化や排ガスの低減を行いました。主な成果として、新型船外機「DF25A/30A」「DF150TG/175TG」の合計4機種のリーンバーン燃料噴射システムを搭載した船外機を開発しました。「DF25A/30A」はバッテリーの搭載を必要としないバッテリーレス燃料噴射システムとリーンバーンの採用により、「DF25A」で従来機種に比べ最大15%の低燃費化を達成しました。また、燃料系、吸気系部品の樹脂化などを行い、クラス最軽量※2を実現しました。「DF150TG/175TG」でも、運転状況に応じて吸気流量を細かく制御できる電子制御スロットル&シフトシステムとリーンバーンの採用により、「DF175TG」で従来機種に比べ最大16%の低燃費化を達成しました。
また、利便性を向上する新技術として、新しい発想の操船システム 「Suzuki Precision Maneuvering」(SPM)を開発しました。「SPM」は、ジョイスティックを用いることにより、船外機を2基搭載したボートにおいてそれぞれの船外機のスロットル、シフト、ステアリングを個別連動させる操船システムです。ジョイスティックの操作により港での離着岸時の操船性を飛躍的に向上させました。
当連結会計年度における特機事業の研究開発費の金額は23億円です。
※1 軽自動車トラッククラス。2013年8月現在、当社調べ。
※2 18.4kw(25PS)/22.1kw(30PS)クラス。2013年12月現在、当社調べ。
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