株式会社エフテック 研究開発活動 (2014年3月期)

当社グループの研究開発部門は、厳しい競合の中でも確実に成長を続けるために受注を継続的に達成することと認識し、顧客である自動車メーカーが潜在的に求める提案技術を先駆けて実現する目標を持ち、日々力強く取組みをしております。
当連結会計年度においては、新型「フィット」の軽量化設計と新型「オデッセイ」におけるクラッシュドトーションビーム技術の進化が特徴的で、FSW(摩擦撹拌接合)の大河内記念技術賞受賞とともに、軽量化、性能、コストの進化が高く評価されております。
軽量化設計技術は独自のCAE技術を更に進化させ、最適な骨格・板厚・板組を導き出す独自最適化設計で、新型「フィット」のフロントサブフレームにおいては、前モデルに対し大幅な軽量化を達成しました。
クラッシュドトーションビームは、弊社得意技術のハイドロ加工技術を更に進化させ、焼鈍加工技術と組み合わせることにより、車重の重いミニバンクラスにも適用できる技術を構築しました。また、このハイドロ加工技術を進化させ、車重の軽いエントリーカー向けに廉価なクラッシュドトーションビームを開発中です。さらに、FSW接合技術は、既存技術をより進化させ、将来の拡大にむけ最大限活用すべく取り組みを図っております。
グローバルな開発体制としては、地域統括と開発期間を短縮し、それぞれの地域のニーズにあった開発に対応すべく、日本、北米、アジア地域の研究開発メンバーの連携をもって推進しています。
北米研究開発技術センターと中国研究開発技術センターを中心とした、ゼネラルモーターズへの本格参入で、開発機種は更に拡大しており、ミシガン州トロイ市にオフィスを開設し、更にコミュニケーション良く開発を進めるよう対応しております。大型グローバル機種のサブフレーム・サスペンションアームも複数の受注が決定すると共に、ラバーブッシュ・ボールジョイント等も自主調達を行い複合機能開発から量産に向けた取り組みも拡大してきております。
東日本大震災により芳賀テクニカルセンターが甚大な被害を受けましたが、2013年11月に新管理棟が完成し、すべての復興が完了いたしました。このような環境のもと、各極の研究開発技術センターと連携し、スピード、開発効率で業界トップを目指すとともに、経営方針「圧倒的競争力を持つシャーシシステムメーカー」になり、自動車の環境・安全問題や商品性の向上に貢献すべく力強く推進してまいります。
当連結会計年度における研究開発費は一般管理費に計上した2,667百万円であり、地域別セグメントでは日本1,330百万円、北米1,169百万円、アジア167百万円となります。