有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1002B2S
オリンパス株式会社 コーポレートガバナンス状況 (2014年3月期)
(1)基本的な考え方
当社は、生活者として社会と融合し、社会と価値観を共有しながら、事業を通して新しい価値を提案し、人々の健康と幸せな生活を実現するという考え方を「Social IN(ソーシャル・イン)」と呼び、すべての活動の基本思想としています。
取締役会は、この基本思想のもと、財務報告の適正性と信頼性ならびに業務の有効性と効率性を確保するための体制を整備し、運用するとともに、継続的な改善を図ります。
[コーポレート・ガバナンス体制]
当社のコーポレート・ガバナンス体制は次の図のとおりです。
(2)企業統治の体制
① 企業統治の体制および当該体制を採用する理由
[取締役、取締役会、執行役員制、経営執行会議]
取締役会は13名の取締役で構成し、過半数の8名が社外取締役です。当社は取締役会を原則として毎月1回開催することにより、経営戦略等の経営上重要な事項についての迅速な意思決定と業務執行の適切な監督を実施することとしています。取締役会の議長は社長以外の者(=会長)が務めます。取締役の任期は1年とし、成果を毎年評価することでその責任の明確化を図っています。社外取締役8名には、取締役会において独立的な立場から意思決定や監督を行うにあたり、各取締役が有する専門知識を当社の経営に生かすことを期待しています。なお、取締役会からは、経営執行会議もしくは社長の段階で決定した事項についても報告を要請しており、情報伝達およびモニタリング面での機能強化を図り、経営の健全性が確保される仕組みを構築しています。
さらに、執行役員制により、取締役会の経営意思決定および業務執行状況の監督機能と、執行役員の業務執行機能を分離するとともに、あわせて社長等の在任期間、取締役・執行役員の上限年齢を制定することにより、役員の長期在任による不正を防止する体制を整備しました。
なお、当社の取締役の定数は15名以内とする旨を定款で定めており、取締役の選任決議は、株主総会において、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定めています。
また、当社は、重要事項についての審議を通じて、社長による意思決定を補佐するため、経営執行会議を原則として毎月3回開催することとしています。経営執行会議は社長および各事業部門等の長ならびにチーフ・コンプライアンス・オフィサー(CCO)で構成することに加え、会長および常勤監査役がオブザーバーとして参加することにより、執行部門への監督機能の強化を図っています。
[監査役、監査役会、独立委員会、内部監査体制]
当社は、監査役制度を採用しており、4名の監査役のうち2名を社外監査役とし、さらに、2名の常勤監査役のうち1名を社外から招聘することで、経営への監督機能の強化を図っています。また、監査役室を設置し、監査役の職務を補助すべき専任の使用人を配置しています。監査役会は取締役会と同じく原則として毎月1回開催することとしています。
監査役は監査役会規程および監査役監査基準に基づき、取締役会をはじめとする重要な会議に出席するほか、取締役や執行役員との定期的な意見交換を実施し、特に代表取締役とは原則年4回の意見交換を実施することとしています。さらに、会計監査人より、年度監査計画、四半期毎の決算に関する事項および期末監査報告等について定期的な説明を受けるとともに、必要に応じて意見交換を実施することとしています。
また、監査役は意思決定に係る重要事項について、取締役会において必要に応じ意見を述べており、当社の経営管理体制を監視しています。特に社外監査役はそれぞれの専門的見地から意見を述べており、経営監視機能の強化に努めています。
なお、社外監査役の名古屋信夫氏は公認会計士であり、財務・会計に関して相当程度の知見を有しています。
当社では取締役会の諮問機関として、独立委員会(指名委員会および報酬委員会)を任意で設置し、経営体制の透明性を高めています。両委員会とも委員の過半数を独立性の高い社外取締役とし、委員長も独立性の高い社外取締役が務めます。指名委員会は取締役および監査役の候補者の指名等につき、また、報酬委員会は取締役の報酬制度や個別報酬の決定等につき、それぞれ取締役会に助言を行い、取締役会はその助言を最大限尊重して決議を行なうこととしています。
当社の内部監査は、社長直轄の組織であるグループ監査室(提出日現在23名)が統括しており、欧米アジア地域統括子会社の内部監査部門と連携して、当社およびグループ会社を対象に内部監査を実施しています。グループ監査室は、年度監査計画に基づき、内部統制の整備・運用状況の評価と経営監査(業務監査、コンプライアンス監査およびシステム監査など)を実施し、その結果から必要な改善事項の指摘と改善状況のフォローアップを行っています。また、内部監査の状況および結果につき、社長および取締役会に対して定期的または適宜報告を行ない、監査役や会計監査人とは監査計画や監査結果について緊密な情報交換を行うほか、実地監査への同行など、連携を図っています。さらに、監査品質の向上に向けて、人材育成に力を入れており、現在、公認内部監査人4名、公認不正検査士、公認情報システム内部監査人、公認会計士をそれぞれ1名擁しています。
上記のとおり、当社は社外取締役および社外監査役を選任することにより経営監督機能の充実を図るとともに、監査役室およびグループ監査室を設置することで監査体制を充実させており、現在のガバナンス体制が当社にとって適切な体制であると判断しています。
[会計監査人]
当連結会計年度において会社法に基づく監査および金融商品取引法に基づく会計監査についての契約は新日本有限責任監査法人と締結しています。同監査法人および当社監査に従事する同監査法人の業務執行社員と当社の間には特別の利害関係はありません。当連結会計年度において業務を執行した公認会計士の氏名、監査業務にかかる補助者の構成については以下のとおりです。
(当社の会計監査業務にかかる補助者の構成)
公認会計士34人、その他24人
[社外取締役および社外監査役]
当社は、取締役13名のうち過半数の8名を社外取締役とすることで、客観的な視点と豊富な経験や知識を経営に反映し、コーポレート・ガバナンス体制を強化しています。更に監査役4名のうち2名を社外監査役とし、経営監視の客観性と公正性を高めています。
社外取締役および社外監査役は、取締役会においてグループ監査室による内部監査に関する報告を受けるほか、社外監査役は監査役会においてグループ監査室および会計監査人それぞれから報告等を受けることに加え、グループ監査室および会計監査人と一堂に会して意見交換を行う等の連携を図っています。また、コンプライアンス委員会の構成メンバーのうち委員長1名および委員2名の計3名を社外取締役とし、当社グループのコンプライアンス体制や取り組み内容を監視しており、社外取締役および社外監査役は、取締役会を通じ同委員会から定期的に報告を受けています。
当社は、社外取締役7名および全社外監査役2名の合計9名を独立役員として指定しています。そのうち、社外取締役蛭田史郎氏および西川元啓氏の両名は、2011年12月から2012年4月19日まで当社経営改革委員会の委員でしたが、経営改革委員会の職務自体が独立性の高い職務であることから一般株主と利益相反の生じるおそれがないと考えられるため、独立役員として指定しています。社外取締役加藤優氏は、当社の主要株主であるソニー㈱の副会長であり、当社は同社と資本提携契約および業務提携契約を締結しています。その他の社外取締役および社外監査役と当社との間に特別の利害関係はありません。
社外取締役および社外監査役の機能および役割ならびに当社の選任状況に関する考え方は次のとおりです。
社外取締役の後藤卓也、蛭田史郎、藤田純孝、今井光、藤井清孝、加藤優の各氏は、企業経営者としての豊富な経験と幅広い知識を当社の経営に反映していただくため、選任しています。
社外取締役の西川元啓氏は、企業経営者としての豊富な経験と幅広い知識および弁護士としての幅広い知識を当社の経営に反映していただくため、選任しています。
社外取締役の鵜瀞惠子氏は、過去に会社の経営に関与された経験はありませんが、公正取引委員会での豊富な経験と幅広い知識を当社の経営に反映していただくため、選任しています。
社外監査役の名古屋信夫氏は、公認会計士として財務・会計に関して相当程度の知見を有しており、その豊富な経験と幅広い知識を活かして当社経営の監査を遂行していただくため、選任しています。
社外監査役の名取勝也氏は、企業経営者および弁護士としての豊富な経験と幅広い知識を活かして当社経営の監査を遂行していただくため、選任しています。
なお、当社は、社外取締役および社外監査役の全員との間に、会社法第427条第1項の規定に基づき、会社法第423条第1項の賠償責任を限定する契約を締結しており、当該契約に基づく賠償責任限度額は、法令の規定する最低責任限度額です。
[社外取締役および社外監査役の独立性に関する考え方]
当社は、社外取締役および社外監査役の独立性に関する考え方を明確にするため、以下のとおり「社外役員の独立性に関する基準」を定めています。
(社外役員の独立性に関する基準)
当社取締役会は、社外取締役または社外監査役(以下、併せて「社外役員」)の独立性を以下の基準に基づいて判断する。
取締役会での判断に当たっては、過半数を社外取締役で構成する指名委員会があらかじめ社外役員の独立性を審査したうえで、取締役会に対し意見の陳述および助言を行う。
1. 過去10年間のいずれかの会計年度において、当社および当社の関係会社(以下、併せて「当社グループ」)から1千万円超の報酬(当社からの役員報酬を除く)またはその他の財産を直接受け取っていないこと。本人がコンサルタント、会計専門家または法律専門家の場合は、本人が所属する団体への当社グループからの報酬等支払額が1千万円超でないこと。
2. 過去10年間に、以下に該当する会社の業務執行取締役、執行役、執行役員および部長職以上の使用人でないこと。
① 過去10年間のいずれかの会計年度において、当社グループとの取引金額が、双方いずれかにおいて連結売上高の2%超である
② 当社の大株主(総議決権数の5%超の議決権数を直接または間接的に保有、以下同様)である
③ 当社グループが大株主である
④ 当社グループと実質的な利害関係がある(メインバンク、コンサルタント等)
⑤ 取締役を相互に派遣し就任させる関係がある
3. 上記1.および2.に該当する者と生計を一にしていないこと。
4. 当社グループの取締役、業務執行取締役、執行役員および部長職以上の使用人の配偶者または3親等以内の親族でないこと。
5. 当社グループの法定監査を行なう監査法人に所属する者でないこと。
6. 上記各号のほか、独立性を疑わせる重要な利害関係を有していないこと。
[株主総会決議事項を取締役会で決議することができる事項]
当社は、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行するため、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって自己の株式を取得することができる旨を定款に定めています。
また、株主への機動的な利益還元を行うため、取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として中間配当をすることができる旨を定款に定めています。
[株主総会の特別決議要件]
当社は、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営が行えるようにするため、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めています。
[役員報酬等の内容]
イ. 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象となる役員の員数
ロ. 報酬等の総額が1億円以上である者の報酬等の総額等
ハ. 使用人兼務役員の使用人分給与のうち重要なもの
該当事項はありません。
ニ.役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の内容および決定方法
役員報酬については、「企業価値の最大化を図り、株主期待に応える」「経営方針である『原点回帰』『One Olympus』『利益ある成長』に基づき、新たな企業価値の創造を果たす」というミッションに対する意識の強化とその責務に相応しい身分・処遇とすることを基本コンセプトとしています。
取締役(社外取締役を除く)の報酬は、月例報酬、賞与、株式報酬型ストックオプションにより構成されております。月例報酬は役位ごとの基準額をベースに会社への貢献度等に応じて決定され、賞与は当該期の連結営業利益額および連結当期純利益額に基づき総支給額が決定される仕組みをとっています。また、株式報酬型ストックオプションは中長期的な業績向上と企業価値向上への貢献意欲や士気を一層高めることを目的とし、当該取締役の月例報酬、賞与とは別枠の報酬として新株予約権を割り当てる仕組みとなります。なお、社外取締役については月例報酬のみを支給しており、賞与および株式報酬型ストックオプションは対象としていません。
監査役の月例報酬は監査役の協議により定めており、賞与および株式報酬型ストックオプションは対象としていません。
取締役賞与については、業績に対する連動性をより高めることを目的とし、2014年度より「利益連動給与」を導入します。具体的には、2015年6月開催予定の定時株主総会終了後、下記方法に基づき算定の上、支給額を確定し支払います。
a.総支給額
総支給額は、i)2015年6月提出予定の第147期有価証券報告書に記載される2014年度連結営業利益から150億円を控除した金額の0.0658% (連結営業利益が150億円に満たない場合は0円)と2014年度連結当期純利益から10億円を控除した金額の0.0655%(連結当期純利益が10億円に満たない場合は0円)の合計に対象となる取締役の員数増減・役位変更等に伴う一定の調整を加えた額、またはⅱ)3億5千万円、のいずれか少ない額です。この総支給額に係る具体的な算定式は次のとおりとなります。
総支給額={(2014年度連結営業利益-150億円)× 0.0658%
+(2014年度連結当期純利益-10億円)× 0.0655% }
×(対象となる取締役の役位ポイントの総和 ÷ 96 )(1万円単位四捨五入)
b.個別支給額
各取締役への個別支給額は上記a.に基づき計算された総支給額を、役位ごとに定められた下記ポイントに応じて按分された金額です(1万円単位四捨五入)。
個別支給額に係る具体的算定式は次のとおりとなります。
個別支給額 = 総支給額 ÷ 対象となる取締役の役位ポイントの総和 × 役位ポイント
なお、各取締役への個別支給額の限度額は、上述のa.ⅱ)で定めている総支給額の上限額をもって、以下の算定式により計算された金額とします。
各取締役への個別支給額の限度額 = a.ⅱ)で定めている総支給額の上限額(3億5千万円)
÷ 2014年6月26日時点の対象となる取締役の役位ポイントの総和(96) × 役位ポイント
[分社体制]
2004年10月に医療事業および映像事業を一層強化・進化させるため、オリンパスメディカルシステムズ㈱とオリンパスイメージング㈱とに分社化しました。なお、当社は、2014年4月25日付で、2015年4月での当社、オリンパスメディカルシステムズ㈱およびオリンパスイメージング㈱の三社を統合するグループ組織再編の実施に向けた検討を開始することを公表しました。これにより、各事業のグローバルな事業推進体制は維持しながらも、グループ全体で価値観・戦略を共有し、経営資源を最大活用することで、全体パフォーマンスを最大化するグループ組織構造を構築し、長期的な利益成長を加速させていきます。
[内部統制システムに関する基本的な考え方およびその整備状況]
当社は、生活者として社会と融合し、社会と価値観を共有しながら、事業を通して新しい価値を提案し、人々の健康と幸せな生活を実現するという考え方を「Social IN(ソーシャル・イン)」と呼び、すべての活動の基本思想としています。
取締役会は、この基本思想のもと、財務報告の適正性と信頼性ならびに業務の有効性と効率性を確保するための体制を整備し、運用するとともに、継続的な改善を図るものとします。
1. 取締役、使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
(1) 取締役および使用人が法令および定款を遵守して職務を執行する体制を確保するため、取締役会はオリンパスグループ企業行動憲章およびオリンパスグループ行動規範をはじめとする各種基本方針および社規則を制定します。
(2) 取締役会は、コンプライアンス体制を監督し改善するための組織として、社外取締役を委員長とする「コンプライアンス委員会」を設置します。コンプライアンス推進体制として、コンプライアンス担当役員(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)を任命するとともに、統括部門を設置します。統括部門は「グローバルコンプライアンスマネジメントシステム」に基づいたグループコンプライアンス体制の充実に向けた活動を行います。また、取締役および使用人に対する教育やアセスメントに関する取り組みを継続的に実施します。なお、コンプライアンスに関する問題を相談または通報する窓口として社内外にヘルプラインを設置し、コンプライアンス上の問題が生じた場合は、その内容等について取締役会および監査役会に報告する体制を構築します。
(3) 当社は、社長を委員長とするCSR委員会を設置し、オリンパスグループにおけるCSR活動の取り組み内容、目標設定および評価等を行うため定期的に開催します。また、CSR委員会は、高い倫理観を醸成することをはじめ、オリンパスグループ企業行動憲章およびオリンパスグループ行動規範を実現するための取り組みを推進します。
(4) 当社は、社長直轄のグループ監査室を設置し、グループ監査室は内部監査規程に基づき、業務全般に関し法令、定款および社規則の遵守状況、職務執行の手続きおよび内容の妥当性等につき、定期的に内部監査を実施します。
(5) 当社は、財務報告の適正性と信頼性を確保するために、グループ監査室において財務報告に係る内部統制制度における統制活動が有効に機能するための取り組みや運用状況を定期的に評価し、継続的な改善活動を実施します。
(6) 当社は、社会の秩序や安全を脅かす反社会的勢力や団体に対して、総務部を所管として弁護士および警察等と連携し組織的に毅然とした姿勢で対応します。また、オリンパスグループとして反社会的勢力排除の社会的責任を果たすため、関連する規程を整備し反社会的勢力排除の取り組みを継続的に実施します。
2. 取締役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
(1) 当社は、法令および文書管理規程等の社規則に従い、文書または電磁的情報の保存および管理を行います。
(2) 取締役および監査役は、取締役会議事録および決裁書等の重要な文書を常時閲覧できます。
3. 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(1) 当社は、取締役会および経営執行会議等の会議体における慎重な審議ならびに決裁手続きの適正な運用により、事業リスクの管理を行います。
(2) 当社は、品質、製品安全、輸出管理、情報セキュリティ、安全衛生、環境、災害等のリスクに関して、それぞれ所管する部署を定め、社規則や標準を制定し、教育・指導を行うことにより管理します。
(3) 当社は、CSR委員会においてリスクマネジメントに関する計画および施策の報告ならびに審議を行い、リスクマネジメント体制の確立、維持を図ります。また、リスクマネジメント規程に従い、各事業部門においてリスクの把握、予防に取り組むとともに、有事の際、速やかに対処できる体制を構築します。震災、火災および事故等の災害ならびに企業倫理違反等の重大なリスクが発生した場合、事業部門はリスク管理部を窓口として、社長をはじめとするCSR委員会メンバーおよび関係者に緊急報告を行い、社長が対策を決定します。
4. 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(1) 取締役会は、中長期の経営基本計画を策定し、経営目標を明確にすることに加え、毎年定める年度事業計画に基づき効率的な資源の分配を図ります。また、年度事業計画の進捗評価のため、業績等につき定期報告を受けます。
(2) 取締役会は、代表取締役およびその他の業務執行取締役ならびに執行役員の職務の分担を決定し、職務の執行状況を監督します。
(3) 代表取締役は取締役会付議事項以外の重要事項に関して、経営執行会議の審議を経たうえで、意思決定を行います。
(4) 決裁規程や組織規程等の社規則により、経営組織および職務分掌ならびに各職位の責任と権限を定め、適正かつ効率的な職務執行体制を確立します。
5. 当社および子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
(1) 当社は、子会社に対しオリンパスグループ企業行動憲章の内容の浸透を図り、グループにおけるコンプライアンス意識の向上を推進します。
(2) 当社は、関係会社管理規程により子会社に関する管理基準を明確化し、子会社を指導・育成することによりオリンパスグループの強化、発展を図ります。
(3) 当社は、主要な子会社に取締役および監査役を派遣するとともに、重要事項についてはオリンパスグループ内部統制規程に基づき当社が承認することにより、子会社における業務の適正性を確保します。
(4) 当社のグループ監査室は、取締役会が承認した年間監査計画に基づき子会社に対する内部監査を実施し、その結果を当社の代表取締役、取締役会および監査役会に報告します。また、主要な子会社には内部監査部門を設置して監査を実施します。
6. 監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項ならびにその使用人の取締役からの独立性に関する事項
(1) 当社は、監査役室を設置し、監査役の職務を補助すべき使用人を配置します。当該使用人は監査役の職務を補助するにあたり、取締役からの指揮・命令を受けないものとします。
(2) 監査役の職務を補助すべき使用人の任免、異動、賃金および人事評価等は監査役会の同意を得た上で決定することとし、取締役からの独立性を確保します。
7. 取締役および使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報告に関する体制
取締役は、法令に従い監査役会に報告を行います。監査役は法令および監査役会が制定する監査役会規程ならびに監査役監査基準に基づき、取締役および使用人に対して報告を求めることができます。
8. その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(1) 監査役は、取締役および使用人ならびに子会社に対し、ヒアリングや往査等の方法による調査を実施し、監査の実効性を確保します。
(2) 監査役は、取締役および各部門の長との会合を定期的に開催し、監査上の重要事項等について意見交換を行います。
(3) グループ監査室は、監査役、主要な子会社の監査役および会計監査人との間で、内部監査計画や内部監査結果等につき、密接な情報交換および連携を図ります。
[IR活動]
会社の説明責任を果たし、経営の透明性を確保するため、IRの専門部門を設置しており、投資家をはじめ多くのステークホルダーに当社グループに対する正しい理解と信頼を得るため、さらには適正な企業価値の実現を目指すため情報開示活動に注力しています。投資家やアナリスト、プレスに対し、経営方針、事業活動状況等の企業情報を代表取締役および担当役員が直接説明する決算説明会を年に数回開催しています。また、IR専門部門が四半期決算ごとに投資家、アナリスト向けのIR取材や電話会議を開催し、医療事業説明会や海外拠点の見学会なども随時行っています。同様に、海外においても、1970年代の早い時期からIR活動を実施、代表取締役および担当役員による海外投資家訪問やカンファレンスミーティングへの参加、大半の情報開示を和文と同等レベルの内容およびタイミングで英文でも実施する等、海外の投資家に対しても積極的に情報開示できる機会を設けています。2011年には医療事業のファクトブックを作成し、当社の医療事業の概要と内視鏡診断・治療について広く社会に知ってもらえるよう掲載しています。2012年からはコーポレート・ガバナンスの強化、経営の透明性向上のため、決算説明会の回数を増やし、決算発表の当日に開催するなど、さらなる情報開示の積極化・迅速化を進めています。また、個人投資家向けにもホームページにおけるIR情報の充実を図っています。
② 社会的責任(CSR)に関する取り組み
[CSRの取り組み]
当社グループのCSR活動は、「Social IN(ソーシャル・イン)」の経営理念のもと、社会からの要請・期待に応え、その義務・責任を果たすことです。お客さまやお取引先さま、株主・投資家の皆さま、従業員やその家族、さらには地域社会、国際社会といったステークホルダーとの対話を通じ、責任を果たすことで、初めてオリンパスという企業の存続が認められ、「人々の健康と幸せな生活の実現」に貢献できると考えています。様々なステークホルダーとWin - Winの関係を築くことが重要と考え、社長を委員長とするCSR委員会を2011年から設置して、議論を深めています。
グローバル企業として国際社会課題に取り組むため、国連グローバル・コンパクト(GC)に参画し、毎年、GCへCSR活動を報告しています。
貧困と飢餓の撲滅など国際社会が達成すべき目標を掲げた「ミレニアム開発目標(MDGs)」については、アフリカ開発会議(TICAD V)の記念写真展を2013年4月から6月に横浜で主催、10月に東京で開かれた外務省主催の「グローバルフェスタJAPAN2013」では、MDGs啓発写真展を出展するなど、継続して「写真のチカラ」を用いた国際課題の啓発活動を展開しています。
社員食堂および自動販売機の対象商品を購入することで、アフリカの子供達に学校給食を寄付する社会貢献活動「Table for Two」では、2013年4月にプライベートブランドの専用飲料を導入し、取り組みを強化しました。この施策も貢献し当期の寄付実績は、前年同期比2倍近くに達し、連続してゴールド・サポーターの表彰を頂きました。
米国では、2013年12月、学生を対象とした教育プログラムなどへ活用いただくことを目的として、米国立スミソニアン自然史博物館内に開設された自然科学のための教育施設「Q?rius(キュリアス)」に顕微鏡50台と周辺機器を寄贈しました。
2013年10月からは、オリンパス技術歴史館「瑞古洞(ずいこどう)」(「技術開発センター石川」内)を一般向けに公開しました。当社創業時から現在に至るまでの製品を展示、技術的変遷や発展を紹介し、未来を担う小学生の社会科見学や中学生の職場体験などに活用いただいています。
また、内視鏡のリーディングカンパニーとしての社会的責任を認識しており、近年国内で罹患率が増加している大腸がんについて検診の受診促進、早期発見を啓発する「“BRAVE CIRCLE”大腸がん撲滅キャンペーン」を2007年から展開しています。2009年には、活動推進団体であるブレイブサークル運営委員会が特定非営利法人(NPO)化され、多くの企業・団体が参加する社会活動へと発展、NPO法人ブレイブサークル運営委員会のオフィシャルサポーターとして活動を積極的に支援しています。
[コンプライアンス体制]
当社グループは、法令遵守はもちろんのこと、高い倫理観に則して公正で誠実な企業行動を行うため、「オリンパスグループ企業行動憲章」および「オリンパスグループ行動規範」を制定のうえ、価値観、行動原則をグローバルレベルで共有する体制を構築し、公正な取引・貿易管理・製品安全・環境等、企業活動のあらゆる側面において、コンプライアンスを推進する活動を展開してきました。2012年に、いま一度、経営理念「Social IN」の原点に立ち返り、「企業行動憲章」の見直しを行い、全員の行動のよりどころとしてグループ内への浸透に取り組んでいます。また、医療事業という人命に関わる製品を提供する企業の責務として、常に高いレベルでの製品安全、品質およびサービス等を保持し、世界各国の法規制を遵守すべく当社独自の標準「OIS(Olympus International Standards)」の各規程の整備を行い、周知徹底や教育を実施しています。
2012年4月からは、グローバルでのコンプライアンスの責任者としてチーフ・コンプライアンス・オフィサーを設置した他、各地域統括会社にもコンプライアンスの責任者を設置することでグローバルでのコンプライアンスの取り組みに関する責任を明確化しました。これらの責任者を集めたグローバルコンプライアンスコミッティを四半期毎に開催することで、チーフ・コンプライアンス・オフィサーの方針のグローバルでの徹底や、重要施策の討議、オリンパスグループ全体におけるコンプライアンス状況の把握と施策の推進に努め、より高い次元のコンプライアンス構築に取り組んでいます。
更に、2013年には、コンプライアンスに関するグローバルな統括部門としてグループコンプライアンス推進部の機能を充実させ、コンプライアンスの体制と推進を強化しました。主なグローバルな取り組みとして、各地域統括会社共通で展開するポリシーの制定と運用、その実行や方針の結果・実績のモニタリング、グローバル共通の施策の立案とその徹底等を行ってきました。
また、国内では、「コンプライアンス推進委員会」を通じ、国内グループ会社へのコンプライアンス施策の徹底を図っています。重要法令の設定とそれに関するOISの制定及びプロセス管理の実施、役員に対するコンプライアンス研修、eラーニングや集合研修による教育を行っています。また、職場ミーティングを実施し個々の職場におけるコンプライアンスリスクへの対応状況の確認や、コンプライアンスアンケートを通じた従業員のコンプライアンス意識の調査を行い、コンプライアンスの取り組みや意識レベルのチェックを定期的に実施しています。
これら委員会等や推進活動の結果は、オリンパスのコンプライアンスにおける諮問機関であるコンプライアンス委員会および取締役会に定期的に報告しています。
[リスクマネジメント・危機管理体制]
当社では2012年より現在に至るまでの間、リスクに対する様々な予防的対策の強化に取り組んできました。従来の危機管理室をリスク管理部に組織変更し、リスクマネジメント統括体制を強化するとともに、関連する規程を定め、グローバルに施策を展開する組織を整備し、地域単位・組織単位毎に、リスクアセスメントによる評価に基づいたリスク低減の取り組みを行っています。国内ではリスクマネジメント推進委員会を設置し、リスクマネジメント方針、評価検証・対応要領の基本施策の展開を行っています。一方海外では、地域統括会社単位でリスクマネジメントの業務統括責任者が国内同様の展開を行っています。それらの活動状況は国際会議などを通じて本社に集約され、社長が委員長であるCSR委員会を通じて、リスク低減の計画に基づく実行状況として、定期的に経営層にモニタリングされています。
また、「巨大地震に対するBCP対策」をリスク低減活動の重要な項目のひとつとして定義し、東日本大震災の経験を踏まえた対策の整備状況と首都直下型や南海トラフなどの想定される状況を整理し、対策の漏れや訓練などの強化課題を明確にしながら、有事に備えた準備を行っています。
危機管理体制としては、企業価値の維持に重大な影響を及ぼすような事件・事故が発生した際には、速やかに社長を中心とした経営体制に情報を一元化し、関連部署と連携して対応策を決定し、実行することによって、事態を迅速に収束させ、企業価値への影響を最小に留めるための対応体制を整えています。
[情報セキュリティ]
当社は、情報セキュリティ確保のため、「情報セキュリティ推進委員会」を設置し、グループ会社を含め、組織的かつ総合的に情報セキュリティレベルの向上を図っています。
物理的対策としては、社内をセキュリティ管理レベルに応じたゾーンに分類し、それに従ってIDカードや生体認証装置等による入退出管理と制限を行っています。技術的対策としては、インターネット等のネットワーク通信を使った外部攻撃からの防御をはじめ、PCやスマートフォン等、IT関連機器に対する防御策を講じています。特にWEBサイトへの攻撃に対しては、外部専門家による脆弱性診断を実施した上で対策を行っています。
人的対策としては、役員および全従業員の情報セキュリティ意識の醸成および向上を目的に、社内イントラネット上に情報セキュリティの注意事項や関連情報を掲載するとともに、eラーニング等による教育や啓発活動を定期的に実施しています。また年末年始や夏季の長期休暇に合わせての注意喚起等の啓発活動も積極的に行っています。さらに毎年2月は「情報セキュリティ月間」として、各種イベントを企画・実施し、情報セキュリティ意識の定着に努めています。
[品質・環境]
当社は、品質理念として「世界一流のトータルクオリティの実現」「最高品質の商品とサービスの提供」および環境理念として「人々の安全・健康とそれを支える自然の営みを尊重し、環境に調和する技術の開発と事業活動を通して、持続的発展が可能な人間社会と健全な環境の実現に貢献すること」を掲げており、これを実現すべく全社の組織体制を確立して従業員一人ひとりの行動指針を定めています。各分社や社内事業部毎に事業に密着した品質保証部門・環境推進部門を設け、さらにグループ全体を統括する品質環境本部がグループ全体の品質環境経営の推進に取り組んでいます。
当社では、海外現地法人を含むグループ全体の品質環境の年度方針を定め、マネジメントサイクルを継続的に回し、風通しの良い企業風土の確立を図っています。また、国際規格「ISO/IEC17025」に基づく“医療電気機器の安全試験所”“EMC試験所”“電気と長さの校正事業所”としての認定を受けた品質環境評価センターを設け、高度な技術と設備により世界に認められる製品の品質と安全性の評価を行うとともに、お客さまに満足していただける製品とサービスを提供するために、お客様の声を収集、活用する活動を行っています。環境経営においては、事業活動のすべての場面における環境負荷の削減活動とともに、低炭素・循環型社会に貢献する製品・サービスの拡大や各地域での環境貢献活動を通じて地球環境への配慮と事業成長を両立し、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいます。
万一、お客様や社会に影響を及ぼす恐れのある製品不具合や環境問題が発見された場合には、グループ全体で連携し社会規範・企業倫理に則り、迅速な情報開示や対応を行うと同時に、全社に再発防止を展開する体制を整えています。また、安全・消費者保護・環境等の法令遵守のための体制を整備し、社内規定として定め運用しています。
(3)株式の保有状況
イ. 投資株式のうち保有目的が純投資目的以外の目的であるものの銘柄数および貸借対照表計上額の合計額
61銘柄 49,370百万円
ロ. 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式の保有区分、銘柄、株式数、貸借対照表計上額及び保有目的
前事業年度
特定投資株式
(注) 株式会社ナナオは、2013年4月1日付で商号変更し、EIZO株式会社となっています。
当事業年度
特定投資株式
ハ. 保有目的が純投資目的である投資株式の前事業年度及び当事業年度における貸借対照表計上額の合計額並びに当事業年度における受取配当金、売却損益及び評価損益の合計額
該当事項はありません。
当社は、生活者として社会と融合し、社会と価値観を共有しながら、事業を通して新しい価値を提案し、人々の健康と幸せな生活を実現するという考え方を「Social IN(ソーシャル・イン)」と呼び、すべての活動の基本思想としています。
取締役会は、この基本思想のもと、財務報告の適正性と信頼性ならびに業務の有効性と効率性を確保するための体制を整備し、運用するとともに、継続的な改善を図ります。
[コーポレート・ガバナンス体制]
当社のコーポレート・ガバナンス体制は次の図のとおりです。
(2)企業統治の体制
① 企業統治の体制および当該体制を採用する理由
[取締役、取締役会、執行役員制、経営執行会議]
取締役会は13名の取締役で構成し、過半数の8名が社外取締役です。当社は取締役会を原則として毎月1回開催することにより、経営戦略等の経営上重要な事項についての迅速な意思決定と業務執行の適切な監督を実施することとしています。取締役会の議長は社長以外の者(=会長)が務めます。取締役の任期は1年とし、成果を毎年評価することでその責任の明確化を図っています。社外取締役8名には、取締役会において独立的な立場から意思決定や監督を行うにあたり、各取締役が有する専門知識を当社の経営に生かすことを期待しています。なお、取締役会からは、経営執行会議もしくは社長の段階で決定した事項についても報告を要請しており、情報伝達およびモニタリング面での機能強化を図り、経営の健全性が確保される仕組みを構築しています。
さらに、執行役員制により、取締役会の経営意思決定および業務執行状況の監督機能と、執行役員の業務執行機能を分離するとともに、あわせて社長等の在任期間、取締役・執行役員の上限年齢を制定することにより、役員の長期在任による不正を防止する体制を整備しました。
なお、当社の取締役の定数は15名以内とする旨を定款で定めており、取締役の選任決議は、株主総会において、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定めています。
また、当社は、重要事項についての審議を通じて、社長による意思決定を補佐するため、経営執行会議を原則として毎月3回開催することとしています。経営執行会議は社長および各事業部門等の長ならびにチーフ・コンプライアンス・オフィサー(CCO)で構成することに加え、会長および常勤監査役がオブザーバーとして参加することにより、執行部門への監督機能の強化を図っています。
[監査役、監査役会、独立委員会、内部監査体制]
当社は、監査役制度を採用しており、4名の監査役のうち2名を社外監査役とし、さらに、2名の常勤監査役のうち1名を社外から招聘することで、経営への監督機能の強化を図っています。また、監査役室を設置し、監査役の職務を補助すべき専任の使用人を配置しています。監査役会は取締役会と同じく原則として毎月1回開催することとしています。
監査役は監査役会規程および監査役監査基準に基づき、取締役会をはじめとする重要な会議に出席するほか、取締役や執行役員との定期的な意見交換を実施し、特に代表取締役とは原則年4回の意見交換を実施することとしています。さらに、会計監査人より、年度監査計画、四半期毎の決算に関する事項および期末監査報告等について定期的な説明を受けるとともに、必要に応じて意見交換を実施することとしています。
また、監査役は意思決定に係る重要事項について、取締役会において必要に応じ意見を述べており、当社の経営管理体制を監視しています。特に社外監査役はそれぞれの専門的見地から意見を述べており、経営監視機能の強化に努めています。
なお、社外監査役の名古屋信夫氏は公認会計士であり、財務・会計に関して相当程度の知見を有しています。
当社では取締役会の諮問機関として、独立委員会(指名委員会および報酬委員会)を任意で設置し、経営体制の透明性を高めています。両委員会とも委員の過半数を独立性の高い社外取締役とし、委員長も独立性の高い社外取締役が務めます。指名委員会は取締役および監査役の候補者の指名等につき、また、報酬委員会は取締役の報酬制度や個別報酬の決定等につき、それぞれ取締役会に助言を行い、取締役会はその助言を最大限尊重して決議を行なうこととしています。
当社の内部監査は、社長直轄の組織であるグループ監査室(提出日現在23名)が統括しており、欧米アジア地域統括子会社の内部監査部門と連携して、当社およびグループ会社を対象に内部監査を実施しています。グループ監査室は、年度監査計画に基づき、内部統制の整備・運用状況の評価と経営監査(業務監査、コンプライアンス監査およびシステム監査など)を実施し、その結果から必要な改善事項の指摘と改善状況のフォローアップを行っています。また、内部監査の状況および結果につき、社長および取締役会に対して定期的または適宜報告を行ない、監査役や会計監査人とは監査計画や監査結果について緊密な情報交換を行うほか、実地監査への同行など、連携を図っています。さらに、監査品質の向上に向けて、人材育成に力を入れており、現在、公認内部監査人4名、公認不正検査士、公認情報システム内部監査人、公認会計士をそれぞれ1名擁しています。
上記のとおり、当社は社外取締役および社外監査役を選任することにより経営監督機能の充実を図るとともに、監査役室およびグループ監査室を設置することで監査体制を充実させており、現在のガバナンス体制が当社にとって適切な体制であると判断しています。
[会計監査人]
当連結会計年度において会社法に基づく監査および金融商品取引法に基づく会計監査についての契約は新日本有限責任監査法人と締結しています。同監査法人および当社監査に従事する同監査法人の業務執行社員と当社の間には特別の利害関係はありません。当連結会計年度において業務を執行した公認会計士の氏名、監査業務にかかる補助者の構成については以下のとおりです。
業務を執行した公認会計士の氏名 | 継続監査年数 |
指定有限責任社員 業務執行社員 岡 研三 | 3年 |
指定有限責任社員 業務執行社員 芳野博之 | 3年 |
指定有限責任社員 業務執行社員 吉田哲也 | 5年 |
指定有限責任社員 業務執行社員 榎本征範 | 2年 |
公認会計士34人、その他24人
[社外取締役および社外監査役]
当社は、取締役13名のうち過半数の8名を社外取締役とすることで、客観的な視点と豊富な経験や知識を経営に反映し、コーポレート・ガバナンス体制を強化しています。更に監査役4名のうち2名を社外監査役とし、経営監視の客観性と公正性を高めています。
社外取締役および社外監査役は、取締役会においてグループ監査室による内部監査に関する報告を受けるほか、社外監査役は監査役会においてグループ監査室および会計監査人それぞれから報告等を受けることに加え、グループ監査室および会計監査人と一堂に会して意見交換を行う等の連携を図っています。また、コンプライアンス委員会の構成メンバーのうち委員長1名および委員2名の計3名を社外取締役とし、当社グループのコンプライアンス体制や取り組み内容を監視しており、社外取締役および社外監査役は、取締役会を通じ同委員会から定期的に報告を受けています。
当社は、社外取締役7名および全社外監査役2名の合計9名を独立役員として指定しています。そのうち、社外取締役蛭田史郎氏および西川元啓氏の両名は、2011年12月から2012年4月19日まで当社経営改革委員会の委員でしたが、経営改革委員会の職務自体が独立性の高い職務であることから一般株主と利益相反の生じるおそれがないと考えられるため、独立役員として指定しています。社外取締役加藤優氏は、当社の主要株主であるソニー㈱の副会長であり、当社は同社と資本提携契約および業務提携契約を締結しています。その他の社外取締役および社外監査役と当社との間に特別の利害関係はありません。
社外取締役および社外監査役の機能および役割ならびに当社の選任状況に関する考え方は次のとおりです。
社外取締役の後藤卓也、蛭田史郎、藤田純孝、今井光、藤井清孝、加藤優の各氏は、企業経営者としての豊富な経験と幅広い知識を当社の経営に反映していただくため、選任しています。
社外取締役の西川元啓氏は、企業経営者としての豊富な経験と幅広い知識および弁護士としての幅広い知識を当社の経営に反映していただくため、選任しています。
社外取締役の鵜瀞惠子氏は、過去に会社の経営に関与された経験はありませんが、公正取引委員会での豊富な経験と幅広い知識を当社の経営に反映していただくため、選任しています。
社外監査役の名古屋信夫氏は、公認会計士として財務・会計に関して相当程度の知見を有しており、その豊富な経験と幅広い知識を活かして当社経営の監査を遂行していただくため、選任しています。
社外監査役の名取勝也氏は、企業経営者および弁護士としての豊富な経験と幅広い知識を活かして当社経営の監査を遂行していただくため、選任しています。
なお、当社は、社外取締役および社外監査役の全員との間に、会社法第427条第1項の規定に基づき、会社法第423条第1項の賠償責任を限定する契約を締結しており、当該契約に基づく賠償責任限度額は、法令の規定する最低責任限度額です。
[社外取締役および社外監査役の独立性に関する考え方]
当社は、社外取締役および社外監査役の独立性に関する考え方を明確にするため、以下のとおり「社外役員の独立性に関する基準」を定めています。
(社外役員の独立性に関する基準)
当社取締役会は、社外取締役または社外監査役(以下、併せて「社外役員」)の独立性を以下の基準に基づいて判断する。
取締役会での判断に当たっては、過半数を社外取締役で構成する指名委員会があらかじめ社外役員の独立性を審査したうえで、取締役会に対し意見の陳述および助言を行う。
1. 過去10年間のいずれかの会計年度において、当社および当社の関係会社(以下、併せて「当社グループ」)から1千万円超の報酬(当社からの役員報酬を除く)またはその他の財産を直接受け取っていないこと。本人がコンサルタント、会計専門家または法律専門家の場合は、本人が所属する団体への当社グループからの報酬等支払額が1千万円超でないこと。
2. 過去10年間に、以下に該当する会社の業務執行取締役、執行役、執行役員および部長職以上の使用人でないこと。
① 過去10年間のいずれかの会計年度において、当社グループとの取引金額が、双方いずれかにおいて連結売上高の2%超である
② 当社の大株主(総議決権数の5%超の議決権数を直接または間接的に保有、以下同様)である
③ 当社グループが大株主である
④ 当社グループと実質的な利害関係がある(メインバンク、コンサルタント等)
⑤ 取締役を相互に派遣し就任させる関係がある
3. 上記1.および2.に該当する者と生計を一にしていないこと。
4. 当社グループの取締役、業務執行取締役、執行役員および部長職以上の使用人の配偶者または3親等以内の親族でないこと。
5. 当社グループの法定監査を行なう監査法人に所属する者でないこと。
6. 上記各号のほか、独立性を疑わせる重要な利害関係を有していないこと。
[株主総会決議事項を取締役会で決議することができる事項]
当社は、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行するため、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって自己の株式を取得することができる旨を定款に定めています。
また、株主への機動的な利益還元を行うため、取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として中間配当をすることができる旨を定款に定めています。
[株主総会の特別決議要件]
当社は、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営が行えるようにするため、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めています。
[役員報酬等の内容]
イ. 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象となる役員の員数
役員区分 | 報酬等の総額 (千円) | 報酬等の種類別の総額(千円) | 対象となる 役員の員数 (人) | |||
基本報酬 | 賞与 | ストック オプション | 退職慰労金 | |||
取締役 (社外取締役を除く) | 378,801 | 288,075 | 52,800 | 37,926 | ― | 5 |
監査役 (社外監査役を除く) | 56,400 | 56,400 | ― | ― | ― | 2 |
社外役員 | 105,000 | 105,000 | ― | ― | ― | 10 |
氏名 | 役員区分 | 会社区分 | 報酬等の総額 (千円) | 報酬等の種類別の総額(千円) | |||
基本報酬 | 賞与 | ストック オプション | 退職慰労金 | ||||
笹 宏行 | 取締役 | 提出会社 | 110,290 | 84,600 | 15,400 | 10,290 | ― |
該当事項はありません。
ニ.役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の内容および決定方法
役員報酬については、「企業価値の最大化を図り、株主期待に応える」「経営方針である『原点回帰』『One Olympus』『利益ある成長』に基づき、新たな企業価値の創造を果たす」というミッションに対する意識の強化とその責務に相応しい身分・処遇とすることを基本コンセプトとしています。
取締役(社外取締役を除く)の報酬は、月例報酬、賞与、株式報酬型ストックオプションにより構成されております。月例報酬は役位ごとの基準額をベースに会社への貢献度等に応じて決定され、賞与は当該期の連結営業利益額および連結当期純利益額に基づき総支給額が決定される仕組みをとっています。また、株式報酬型ストックオプションは中長期的な業績向上と企業価値向上への貢献意欲や士気を一層高めることを目的とし、当該取締役の月例報酬、賞与とは別枠の報酬として新株予約権を割り当てる仕組みとなります。なお、社外取締役については月例報酬のみを支給しており、賞与および株式報酬型ストックオプションは対象としていません。
監査役の月例報酬は監査役の協議により定めており、賞与および株式報酬型ストックオプションは対象としていません。
取締役賞与については、業績に対する連動性をより高めることを目的とし、2014年度より「利益連動給与」を導入します。具体的には、2015年6月開催予定の定時株主総会終了後、下記方法に基づき算定の上、支給額を確定し支払います。
a.総支給額
総支給額は、i)2015年6月提出予定の第147期有価証券報告書に記載される2014年度連結営業利益から150億円を控除した金額の0.0658% (連結営業利益が150億円に満たない場合は0円)と2014年度連結当期純利益から10億円を控除した金額の0.0655%(連結当期純利益が10億円に満たない場合は0円)の合計に対象となる取締役の員数増減・役位変更等に伴う一定の調整を加えた額、またはⅱ)3億5千万円、のいずれか少ない額です。この総支給額に係る具体的な算定式は次のとおりとなります。
総支給額={(2014年度連結営業利益-150億円)× 0.0658%
+(2014年度連結当期純利益-10億円)× 0.0655% }
×(対象となる取締役の役位ポイントの総和 ÷ 96 )(1万円単位四捨五入)
b.個別支給額
各取締役への個別支給額は上記a.に基づき計算された総支給額を、役位ごとに定められた下記ポイントに応じて按分された金額です(1万円単位四捨五入)。
取締役会長 | 取締役 社長執行役員 | 取締役 副社長執行役員 | 取締役 専務執行役員 | 取締役 常務執行役員 | 取締役 執行役員 |
24 | 28 | 20 | 16 | 12 | 9 |
個別支給額 = 総支給額 ÷ 対象となる取締役の役位ポイントの総和 × 役位ポイント
なお、各取締役への個別支給額の限度額は、上述のa.ⅱ)で定めている総支給額の上限額をもって、以下の算定式により計算された金額とします。
各取締役への個別支給額の限度額 = a.ⅱ)で定めている総支給額の上限額(3億5千万円)
÷ 2014年6月26日時点の対象となる取締役の役位ポイントの総和(96) × 役位ポイント
[分社体制]
2004年10月に医療事業および映像事業を一層強化・進化させるため、オリンパスメディカルシステムズ㈱とオリンパスイメージング㈱とに分社化しました。なお、当社は、2014年4月25日付で、2015年4月での当社、オリンパスメディカルシステムズ㈱およびオリンパスイメージング㈱の三社を統合するグループ組織再編の実施に向けた検討を開始することを公表しました。これにより、各事業のグローバルな事業推進体制は維持しながらも、グループ全体で価値観・戦略を共有し、経営資源を最大活用することで、全体パフォーマンスを最大化するグループ組織構造を構築し、長期的な利益成長を加速させていきます。
[内部統制システムに関する基本的な考え方およびその整備状況]
当社は、生活者として社会と融合し、社会と価値観を共有しながら、事業を通して新しい価値を提案し、人々の健康と幸せな生活を実現するという考え方を「Social IN(ソーシャル・イン)」と呼び、すべての活動の基本思想としています。
取締役会は、この基本思想のもと、財務報告の適正性と信頼性ならびに業務の有効性と効率性を確保するための体制を整備し、運用するとともに、継続的な改善を図るものとします。
1. 取締役、使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
(1) 取締役および使用人が法令および定款を遵守して職務を執行する体制を確保するため、取締役会はオリンパスグループ企業行動憲章およびオリンパスグループ行動規範をはじめとする各種基本方針および社規則を制定します。
(2) 取締役会は、コンプライアンス体制を監督し改善するための組織として、社外取締役を委員長とする「コンプライアンス委員会」を設置します。コンプライアンス推進体制として、コンプライアンス担当役員(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)を任命するとともに、統括部門を設置します。統括部門は「グローバルコンプライアンスマネジメントシステム」に基づいたグループコンプライアンス体制の充実に向けた活動を行います。また、取締役および使用人に対する教育やアセスメントに関する取り組みを継続的に実施します。なお、コンプライアンスに関する問題を相談または通報する窓口として社内外にヘルプラインを設置し、コンプライアンス上の問題が生じた場合は、その内容等について取締役会および監査役会に報告する体制を構築します。
(3) 当社は、社長を委員長とするCSR委員会を設置し、オリンパスグループにおけるCSR活動の取り組み内容、目標設定および評価等を行うため定期的に開催します。また、CSR委員会は、高い倫理観を醸成することをはじめ、オリンパスグループ企業行動憲章およびオリンパスグループ行動規範を実現するための取り組みを推進します。
(4) 当社は、社長直轄のグループ監査室を設置し、グループ監査室は内部監査規程に基づき、業務全般に関し法令、定款および社規則の遵守状況、職務執行の手続きおよび内容の妥当性等につき、定期的に内部監査を実施します。
(5) 当社は、財務報告の適正性と信頼性を確保するために、グループ監査室において財務報告に係る内部統制制度における統制活動が有効に機能するための取り組みや運用状況を定期的に評価し、継続的な改善活動を実施します。
(6) 当社は、社会の秩序や安全を脅かす反社会的勢力や団体に対して、総務部を所管として弁護士および警察等と連携し組織的に毅然とした姿勢で対応します。また、オリンパスグループとして反社会的勢力排除の社会的責任を果たすため、関連する規程を整備し反社会的勢力排除の取り組みを継続的に実施します。
2. 取締役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
(1) 当社は、法令および文書管理規程等の社規則に従い、文書または電磁的情報の保存および管理を行います。
(2) 取締役および監査役は、取締役会議事録および決裁書等の重要な文書を常時閲覧できます。
3. 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(1) 当社は、取締役会および経営執行会議等の会議体における慎重な審議ならびに決裁手続きの適正な運用により、事業リスクの管理を行います。
(2) 当社は、品質、製品安全、輸出管理、情報セキュリティ、安全衛生、環境、災害等のリスクに関して、それぞれ所管する部署を定め、社規則や標準を制定し、教育・指導を行うことにより管理します。
(3) 当社は、CSR委員会においてリスクマネジメントに関する計画および施策の報告ならびに審議を行い、リスクマネジメント体制の確立、維持を図ります。また、リスクマネジメント規程に従い、各事業部門においてリスクの把握、予防に取り組むとともに、有事の際、速やかに対処できる体制を構築します。震災、火災および事故等の災害ならびに企業倫理違反等の重大なリスクが発生した場合、事業部門はリスク管理部を窓口として、社長をはじめとするCSR委員会メンバーおよび関係者に緊急報告を行い、社長が対策を決定します。
4. 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(1) 取締役会は、中長期の経営基本計画を策定し、経営目標を明確にすることに加え、毎年定める年度事業計画に基づき効率的な資源の分配を図ります。また、年度事業計画の進捗評価のため、業績等につき定期報告を受けます。
(2) 取締役会は、代表取締役およびその他の業務執行取締役ならびに執行役員の職務の分担を決定し、職務の執行状況を監督します。
(3) 代表取締役は取締役会付議事項以外の重要事項に関して、経営執行会議の審議を経たうえで、意思決定を行います。
(4) 決裁規程や組織規程等の社規則により、経営組織および職務分掌ならびに各職位の責任と権限を定め、適正かつ効率的な職務執行体制を確立します。
5. 当社および子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
(1) 当社は、子会社に対しオリンパスグループ企業行動憲章の内容の浸透を図り、グループにおけるコンプライアンス意識の向上を推進します。
(2) 当社は、関係会社管理規程により子会社に関する管理基準を明確化し、子会社を指導・育成することによりオリンパスグループの強化、発展を図ります。
(3) 当社は、主要な子会社に取締役および監査役を派遣するとともに、重要事項についてはオリンパスグループ内部統制規程に基づき当社が承認することにより、子会社における業務の適正性を確保します。
(4) 当社のグループ監査室は、取締役会が承認した年間監査計画に基づき子会社に対する内部監査を実施し、その結果を当社の代表取締役、取締役会および監査役会に報告します。また、主要な子会社には内部監査部門を設置して監査を実施します。
6. 監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項ならびにその使用人の取締役からの独立性に関する事項
(1) 当社は、監査役室を設置し、監査役の職務を補助すべき使用人を配置します。当該使用人は監査役の職務を補助するにあたり、取締役からの指揮・命令を受けないものとします。
(2) 監査役の職務を補助すべき使用人の任免、異動、賃金および人事評価等は監査役会の同意を得た上で決定することとし、取締役からの独立性を確保します。
7. 取締役および使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報告に関する体制
取締役は、法令に従い監査役会に報告を行います。監査役は法令および監査役会が制定する監査役会規程ならびに監査役監査基準に基づき、取締役および使用人に対して報告を求めることができます。
8. その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(1) 監査役は、取締役および使用人ならびに子会社に対し、ヒアリングや往査等の方法による調査を実施し、監査の実効性を確保します。
(2) 監査役は、取締役および各部門の長との会合を定期的に開催し、監査上の重要事項等について意見交換を行います。
(3) グループ監査室は、監査役、主要な子会社の監査役および会計監査人との間で、内部監査計画や内部監査結果等につき、密接な情報交換および連携を図ります。
[IR活動]
会社の説明責任を果たし、経営の透明性を確保するため、IRの専門部門を設置しており、投資家をはじめ多くのステークホルダーに当社グループに対する正しい理解と信頼を得るため、さらには適正な企業価値の実現を目指すため情報開示活動に注力しています。投資家やアナリスト、プレスに対し、経営方針、事業活動状況等の企業情報を代表取締役および担当役員が直接説明する決算説明会を年に数回開催しています。また、IR専門部門が四半期決算ごとに投資家、アナリスト向けのIR取材や電話会議を開催し、医療事業説明会や海外拠点の見学会なども随時行っています。同様に、海外においても、1970年代の早い時期からIR活動を実施、代表取締役および担当役員による海外投資家訪問やカンファレンスミーティングへの参加、大半の情報開示を和文と同等レベルの内容およびタイミングで英文でも実施する等、海外の投資家に対しても積極的に情報開示できる機会を設けています。2011年には医療事業のファクトブックを作成し、当社の医療事業の概要と内視鏡診断・治療について広く社会に知ってもらえるよう掲載しています。2012年からはコーポレート・ガバナンスの強化、経営の透明性向上のため、決算説明会の回数を増やし、決算発表の当日に開催するなど、さらなる情報開示の積極化・迅速化を進めています。また、個人投資家向けにもホームページにおけるIR情報の充実を図っています。
② 社会的責任(CSR)に関する取り組み
[CSRの取り組み]
当社グループのCSR活動は、「Social IN(ソーシャル・イン)」の経営理念のもと、社会からの要請・期待に応え、その義務・責任を果たすことです。お客さまやお取引先さま、株主・投資家の皆さま、従業員やその家族、さらには地域社会、国際社会といったステークホルダーとの対話を通じ、責任を果たすことで、初めてオリンパスという企業の存続が認められ、「人々の健康と幸せな生活の実現」に貢献できると考えています。様々なステークホルダーとWin - Winの関係を築くことが重要と考え、社長を委員長とするCSR委員会を2011年から設置して、議論を深めています。
グローバル企業として国際社会課題に取り組むため、国連グローバル・コンパクト(GC)に参画し、毎年、GCへCSR活動を報告しています。
貧困と飢餓の撲滅など国際社会が達成すべき目標を掲げた「ミレニアム開発目標(MDGs)」については、アフリカ開発会議(TICAD V)の記念写真展を2013年4月から6月に横浜で主催、10月に東京で開かれた外務省主催の「グローバルフェスタJAPAN2013」では、MDGs啓発写真展を出展するなど、継続して「写真のチカラ」を用いた国際課題の啓発活動を展開しています。
社員食堂および自動販売機の対象商品を購入することで、アフリカの子供達に学校給食を寄付する社会貢献活動「Table for Two」では、2013年4月にプライベートブランドの専用飲料を導入し、取り組みを強化しました。この施策も貢献し当期の寄付実績は、前年同期比2倍近くに達し、連続してゴールド・サポーターの表彰を頂きました。
米国では、2013年12月、学生を対象とした教育プログラムなどへ活用いただくことを目的として、米国立スミソニアン自然史博物館内に開設された自然科学のための教育施設「Q?rius(キュリアス)」に顕微鏡50台と周辺機器を寄贈しました。
2013年10月からは、オリンパス技術歴史館「瑞古洞(ずいこどう)」(「技術開発センター石川」内)を一般向けに公開しました。当社創業時から現在に至るまでの製品を展示、技術的変遷や発展を紹介し、未来を担う小学生の社会科見学や中学生の職場体験などに活用いただいています。
また、内視鏡のリーディングカンパニーとしての社会的責任を認識しており、近年国内で罹患率が増加している大腸がんについて検診の受診促進、早期発見を啓発する「“BRAVE CIRCLE”大腸がん撲滅キャンペーン」を2007年から展開しています。2009年には、活動推進団体であるブレイブサークル運営委員会が特定非営利法人(NPO)化され、多くの企業・団体が参加する社会活動へと発展、NPO法人ブレイブサークル運営委員会のオフィシャルサポーターとして活動を積極的に支援しています。
[コンプライアンス体制]
当社グループは、法令遵守はもちろんのこと、高い倫理観に則して公正で誠実な企業行動を行うため、「オリンパスグループ企業行動憲章」および「オリンパスグループ行動規範」を制定のうえ、価値観、行動原則をグローバルレベルで共有する体制を構築し、公正な取引・貿易管理・製品安全・環境等、企業活動のあらゆる側面において、コンプライアンスを推進する活動を展開してきました。2012年に、いま一度、経営理念「Social IN」の原点に立ち返り、「企業行動憲章」の見直しを行い、全員の行動のよりどころとしてグループ内への浸透に取り組んでいます。また、医療事業という人命に関わる製品を提供する企業の責務として、常に高いレベルでの製品安全、品質およびサービス等を保持し、世界各国の法規制を遵守すべく当社独自の標準「OIS(Olympus International Standards)」の各規程の整備を行い、周知徹底や教育を実施しています。
2012年4月からは、グローバルでのコンプライアンスの責任者としてチーフ・コンプライアンス・オフィサーを設置した他、各地域統括会社にもコンプライアンスの責任者を設置することでグローバルでのコンプライアンスの取り組みに関する責任を明確化しました。これらの責任者を集めたグローバルコンプライアンスコミッティを四半期毎に開催することで、チーフ・コンプライアンス・オフィサーの方針のグローバルでの徹底や、重要施策の討議、オリンパスグループ全体におけるコンプライアンス状況の把握と施策の推進に努め、より高い次元のコンプライアンス構築に取り組んでいます。
更に、2013年には、コンプライアンスに関するグローバルな統括部門としてグループコンプライアンス推進部の機能を充実させ、コンプライアンスの体制と推進を強化しました。主なグローバルな取り組みとして、各地域統括会社共通で展開するポリシーの制定と運用、その実行や方針の結果・実績のモニタリング、グローバル共通の施策の立案とその徹底等を行ってきました。
また、国内では、「コンプライアンス推進委員会」を通じ、国内グループ会社へのコンプライアンス施策の徹底を図っています。重要法令の設定とそれに関するOISの制定及びプロセス管理の実施、役員に対するコンプライアンス研修、eラーニングや集合研修による教育を行っています。また、職場ミーティングを実施し個々の職場におけるコンプライアンスリスクへの対応状況の確認や、コンプライアンスアンケートを通じた従業員のコンプライアンス意識の調査を行い、コンプライアンスの取り組みや意識レベルのチェックを定期的に実施しています。
これら委員会等や推進活動の結果は、オリンパスのコンプライアンスにおける諮問機関であるコンプライアンス委員会および取締役会に定期的に報告しています。
[リスクマネジメント・危機管理体制]
当社では2012年より現在に至るまでの間、リスクに対する様々な予防的対策の強化に取り組んできました。従来の危機管理室をリスク管理部に組織変更し、リスクマネジメント統括体制を強化するとともに、関連する規程を定め、グローバルに施策を展開する組織を整備し、地域単位・組織単位毎に、リスクアセスメントによる評価に基づいたリスク低減の取り組みを行っています。国内ではリスクマネジメント推進委員会を設置し、リスクマネジメント方針、評価検証・対応要領の基本施策の展開を行っています。一方海外では、地域統括会社単位でリスクマネジメントの業務統括責任者が国内同様の展開を行っています。それらの活動状況は国際会議などを通じて本社に集約され、社長が委員長であるCSR委員会を通じて、リスク低減の計画に基づく実行状況として、定期的に経営層にモニタリングされています。
また、「巨大地震に対するBCP対策」をリスク低減活動の重要な項目のひとつとして定義し、東日本大震災の経験を踏まえた対策の整備状況と首都直下型や南海トラフなどの想定される状況を整理し、対策の漏れや訓練などの強化課題を明確にしながら、有事に備えた準備を行っています。
危機管理体制としては、企業価値の維持に重大な影響を及ぼすような事件・事故が発生した際には、速やかに社長を中心とした経営体制に情報を一元化し、関連部署と連携して対応策を決定し、実行することによって、事態を迅速に収束させ、企業価値への影響を最小に留めるための対応体制を整えています。
[情報セキュリティ]
当社は、情報セキュリティ確保のため、「情報セキュリティ推進委員会」を設置し、グループ会社を含め、組織的かつ総合的に情報セキュリティレベルの向上を図っています。
物理的対策としては、社内をセキュリティ管理レベルに応じたゾーンに分類し、それに従ってIDカードや生体認証装置等による入退出管理と制限を行っています。技術的対策としては、インターネット等のネットワーク通信を使った外部攻撃からの防御をはじめ、PCやスマートフォン等、IT関連機器に対する防御策を講じています。特にWEBサイトへの攻撃に対しては、外部専門家による脆弱性診断を実施した上で対策を行っています。
人的対策としては、役員および全従業員の情報セキュリティ意識の醸成および向上を目的に、社内イントラネット上に情報セキュリティの注意事項や関連情報を掲載するとともに、eラーニング等による教育や啓発活動を定期的に実施しています。また年末年始や夏季の長期休暇に合わせての注意喚起等の啓発活動も積極的に行っています。さらに毎年2月は「情報セキュリティ月間」として、各種イベントを企画・実施し、情報セキュリティ意識の定着に努めています。
[品質・環境]
当社は、品質理念として「世界一流のトータルクオリティの実現」「最高品質の商品とサービスの提供」および環境理念として「人々の安全・健康とそれを支える自然の営みを尊重し、環境に調和する技術の開発と事業活動を通して、持続的発展が可能な人間社会と健全な環境の実現に貢献すること」を掲げており、これを実現すべく全社の組織体制を確立して従業員一人ひとりの行動指針を定めています。各分社や社内事業部毎に事業に密着した品質保証部門・環境推進部門を設け、さらにグループ全体を統括する品質環境本部がグループ全体の品質環境経営の推進に取り組んでいます。
当社では、海外現地法人を含むグループ全体の品質環境の年度方針を定め、マネジメントサイクルを継続的に回し、風通しの良い企業風土の確立を図っています。また、国際規格「ISO/IEC17025」に基づく“医療電気機器の安全試験所”“EMC試験所”“電気と長さの校正事業所”としての認定を受けた品質環境評価センターを設け、高度な技術と設備により世界に認められる製品の品質と安全性の評価を行うとともに、お客さまに満足していただける製品とサービスを提供するために、お客様の声を収集、活用する活動を行っています。環境経営においては、事業活動のすべての場面における環境負荷の削減活動とともに、低炭素・循環型社会に貢献する製品・サービスの拡大や各地域での環境貢献活動を通じて地球環境への配慮と事業成長を両立し、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいます。
万一、お客様や社会に影響を及ぼす恐れのある製品不具合や環境問題が発見された場合には、グループ全体で連携し社会規範・企業倫理に則り、迅速な情報開示や対応を行うと同時に、全社に再発防止を展開する体制を整えています。また、安全・消費者保護・環境等の法令遵守のための体制を整備し、社内規定として定め運用しています。
(3)株式の保有状況
イ. 投資株式のうち保有目的が純投資目的以外の目的であるものの銘柄数および貸借対照表計上額の合計額
61銘柄 49,370百万円
ロ. 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式の保有区分、銘柄、株式数、貸借対照表計上額及び保有目的
前事業年度
特定投資株式
銘柄 | 株式数 (株) | 貸借対照表計上額 (百万円) | 保有目的 |
テルモ株式会社 | 4,715,400 | 19,097 | 業務提携推進のため |
大正製薬ホールディングス株式会社 | 272,700 | 1,860 | 新事業探索のため |
カシオ計算機株式会社 | 2,388,143 | 1,731 | 取引関係強化のため |
株式会社三井住友フィナンシャルグループ | 419,000 | 1,582 | 安定した資金調達先確保のため |
株式会社常陽銀行 | 2,168,000 | 1,143 | 安定した資金調達先確保のため |
ウシオ電機株式会社 | 1,121,575 | 1,092 | 取引関係強化のため |
株式会社三菱UFJフィナンシャルグループ | 1,943,250 | 1,084 | 安定した資金調達先確保のため |
株式会社T&Dホールディングス | 920,000 | 1,045 | 取引関係強化のため |
住友不動産株式会社 | 285,000 | 1,025 | 取引関係強化のため |
Cytori Therapeutics, Inc. | 4,013,043 | 945 | 新事業探索のため |
栗田工業株式会社 | 456,300 | 940 | 取引関係強化のため |
富士機械製造株式会社 | 873,400 | 672 | 取引関係強化のため |
ブラザー工業株式会社 | 624,000 | 614 | 新技術開発等探索のため |
株式会社八十二銀行 | 1,073,807 | 611 | 安定した資金調達先確保のため |
旭ダイヤモンド工業株式会社 | 613,000 | 561 | 取引関係強化のため |
日本電産コパル株式会社 | 876,063 | 558 | 取引関係強化のため |
マブチモーター株式会社 | 94,100 | 479 | 取引関係強化のため |
ローム株式会社 | 135,600 | 468 | 取引関係強化のため |
朝日インテック株式会社 | 84,400 | 439 | 取引関係強化のため |
大東建託株式会社 | 52,700 | 423 | 取引関係強化のため |
久光製薬株式会社 | 81,000 | 416 | 新事業探索のため |
株式会社ナナオ(注) | 247,500 | 407 | 取引関係強化のため |
三井住友トラスト・ホールディングス株式会社 | 908,000 | 402 | 取引関係強化のため |
ヒロセ電機株式会社 | 27,100 | 344 | 取引関係強化のため |
川澄化学工業株式会社 | 500,000 | 314 | 取引関係強化のため |
株式会社フジ・メディア・ホールディングス | 1,805 | 294 | 取引関係強化のため |
ゼリア新薬工業株式会社 | 193,000 | 280 | 新事業探索のため |
日本電子株式会社 | 667,000 | 274 | 取引関係強化のため |
株式会社セルシード | 147,000 | 236 | 新技術開発等探索のため |
株式会社ナカニシ | 20,200 | 233 | 取引関係強化のため |
当事業年度
特定投資株式
銘柄 | 株式数 (株) | 貸借対照表計上額 (百万円) | 保有目的 |
テルモ株式会社 | 9,430,800 | 21,248 | 業務提携推進のため |
カシオ計算機株式会社 | 2,388,143 | 2,916 | 取引関係強化のため |
大正製薬ホールディングス株式会社 | 272,700 | 2,266 | 新事業探索のため |
株式会社三井住友フィナンシャルグループ | 419,000 | 1,847 | 安定した資金調達先確保のため |
ウシオ電機株式会社 | 1,121,575 | 1,494 | 取引関係強化のため |
日本電産株式会社 | 213,758 | 1,342 | 取引関係強化のため |
住友不動産株式会社 | 285,000 | 1,152 | 取引関係強化のため |
株式会社T&Dホールディングス | 920,000 | 1,129 | 取引関係強化のため |
株式会社常陽銀行 | 2,168,000 | 1,117 | 安定した資金調達先確保のため |
Cytori Therapeutics, Inc. | 4,013,043 | 1,115 | 新事業探索のため |
株式会社三菱UFJフィナンシャルグループ | 1,943,250 | 1,102 | 安定した資金調達先確保のため |
栗田工業株式会社 | 456,300 | 1,022 | 取引関係強化のため |
ブラザー工業株式会社 | 624,000 | 900 | 新技術開発等探索のため |
旭ダイヤモンド工業株式会社 | 613,000 | 805 | 取引関係強化のため |
富士機械製造株式会社 | 873,400 | 792 | 取引関係強化のため |
朝日インテック株式会社 | 168,800 | 700 | 取引関係強化のため |
EIZO株式会社 | 247,500 | 668 | 取引関係強化のため |
マブチモーター株式会社 | 94,100 | 636 | 取引関係強化のため |
株式会社八十二銀行 | 1,073,807 | 630 | 取引関係強化のため |
ローム株式会社 | 135,600 | 624 | 取引関係強化のため |
大東建託株式会社 | 52,700 | 503 | 取引関係強化のため |
ゼリア新薬工業株式会社 | 212,300 | 445 | 新事業探索のため |
三井住友トラスト・ホールディングス株式会社 | 908,000 | 423 | 取引関係強化のため |
ヒロセ電機株式会社 | 27,100 | 384 | 取引関係強化のため |
久光製薬株式会社 | 81,000 | 378 | 新事業探索のため |
株式会社フジ・メディア・ホールディングス | 180,500 | 342 | 取引関係強化のため |
株式会社ナカニシ | 101,000 | 333 | 取引関係強化のため |
川澄化学工業株式会社 | 500,000 | 315 | 取引関係強化のため |
日本電子株式会社 | 667,000 | 261 | 取引関係強化のため |
千代田インテグレ株式会社 | 139,000 | 261 | 取引関係強化のため |
ハ. 保有目的が純投資目的である投資株式の前事業年度及び当事業年度における貸借対照表計上額の合計額並びに当事業年度における受取配当金、売却損益及び評価損益の合計額
該当事項はありません。
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