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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10024AA

有価証券報告書抜粋 株式会社リコー 研究開発活動 (2014年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


当社グループ(当社及び連結子会社)では、人と情報のかかわりを重視し、革新的な価値を生む商品の開発及び提供を通して社会に貢献することを経営の基本理念としております。この基本理念に基づき、より良いコミュニケーションのための新技術、新製品、新システムを開発するために、リコー技術研究所を核として研究部門を各地に配し、シーズレベルの技術リサーチから要素技術の研究、製品応用のための研究・開発、そして環境技術、生産技術の開発まで、グループ全体で積極的な研究開発活動を進めております。
各研究部門は、光技術、材料、デバイス、情報エレクトロニクス、環境技術、ソフトウェア技術のための基礎・応用研究、新製品のための技術開発を実施しており、さらには米国、中国及びインドにも研究所を配し、グローバルマーケットに向けた研究開発活動を行っております。それぞれの特徴を活かしながら有機的な技術の融合を図り、将来の新しいワークスタイル変化を見通した画像ソリューション商品の開発、ITソリューションのための新技術開発、また地球環境の保護を考えた研究開発も各分野で進めリコーバリュー(地球にやさしい、人にやさしい、知識創造を簡単に)の実現に取り組んでおります。
今後もリコーグループは、21世紀の快適なオフィス環境の創造を中心にイノベイティブな技術開発に積極的に取り組み、新たな顧客価値の提供を通してお客様に感動していただけるような革新的な商品・サービスの実現を目指していきます。

IFRSの適用に伴い、当社グループでは開発投資の一部について資産化を行い、無形資産に計上しております。無形資産に計上された開発費(21,850百万円)を含む当連結会計年度の研究開発投資は116,222百万円です。


(1) 画像&ソリューション分野
一般のオフィスからプロダクションプリンティング分野にわたる複写機やプリンターの電子写真技術、サプライ技術、光学設計技術、画像処理技術、インクジェット技術、次世代作像エンジン要素技術、最先端ソフトウェア技術、オフィスソリューションを支えるアプリケーション技術の開発を行っております。
当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。

■MFP(マルチファンクションプリンター)関連
・デジタルフルカラー複合機「RICOH MP C6003/C5503/C4503/C3503/C3003 シリーズ」環境性能に優れ、モバイルやクラウドに対応した、フルカラー複合機5機種19モデルを商品化し、中・高速クラス(A4ヨコ毎分60枚~30枚:カラー/モノクロ)のラインアップを一新しました。一部モデルには次世代ユーザーインターフェース「MultiLink-Panel」を搭載し、直感的で使いやすい操作を可能にしています。さらに、新たに開発した「スマートポジションモーター」技術やリコー独自のカラーQSU技術(DH定着方式)の搭載等、本体のコンパクト化と徹底的な環境配慮設計により、標準消費電力量を大幅に削減し、業界トップクラスのエネルギー消費効率を達成しました。本シリーズは、財団法人省エネルギーセンター主催 2013年度「省エネ大賞」の製品・ビジネスモデル部門において「省エネルギーセンター会長賞」を受賞しました。
・デジタルフルカラー複合機「RICOH MP C2503/C1803 シリーズ」「RICOH MP C6003/C5503/C4503/C3503/C3003シリーズ」のクラウド連携機能、使いやすさ、用紙対応力、環境性能等をそのまま引き継いだ普及機クラス機(A4ヨコ毎分25枚、18枚:カラー/モノクロ)(2機種5モデル)を商品化しました。本シリーズを加え、高速機から中速機、普及機まで7機種24モデルのデジタルフルカラー複合機ラインアップが完成しました。さらに、業界初の針なし綴じインナーフィニッシャーをオプションとして品揃えし、安全性と環境性能の両立を図っています。
・デジタルモノクロ複合機「RICOH MP C3353/C2553 シリーズ」使いやすさと環境性能を向上した普及機クラスのデジタルモノクロ複合機です。 新たにホーム画面を利用者ごとにカスタマイズすることが可能になり、操作性の向上を実現しました。また、各種クラウドサービスとの連携により、スマートデバイスを用いて受信文書を社外から閲覧・送信する等、働き方の変革にも貢献しています。

■プロダクションプリンティング関連
・カラープロダクションプリンター「RICOH Pro C5110S/C5100S」「RICOH Proシリーズ」のラインアップを強化するカラープロダクションプリンターです。商用印刷市場でのプリントオンデマンド(POD)ニーズや企業内印刷ニーズに加え、オフィス市場におけるPODやデザイン・広告市場におけるカンプ出力等の幅広いニーズに対応できる製品です。新開発技術により、凹凸紙へのトナー転写性と定着性が向上したほか、優れた用紙対応力を実現し、プリントオンデマンドビジネスの可能性拡大に貢献します。また、独自の重合法による「カラーPxP-EQトナー」の採用や、面発光型半導体レーザー VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)技術の搭載により、プロフェッショナルニーズにお応えする高画質を実現しています。
・モノクロプロダクションプリンター「RICOH Pro 8120S/8110S/8100S」「RICOH Proシリーズ」のラインアップを強化するモノクロプロダクションプリンターです。 連続印刷速度毎分135枚(A4ヨコ)という圧倒的な生産性(RICOH Pro 8120S)を誇ります。モノクロ機でありながらカラープロダクションプリンターの技術を搭載しており、面発光型半導体レーザー VCSEL技術や新微粒子トナーを採用することで高画質を実現しています。この他にも、紙の表裏印刷位置の精度向上や幅広い用紙対応力を実現しています。
・サイングラフィック用ラテックスインクジェットプリンター「RICOH Pro L4160/L4130」プロダクションプリンティング市場におけるビジネス領域拡大のための、ポスターや看板、垂れ幕等のサイングラフィック用大判インクジェットプリンターです。ラテックスインクの採用により、紙や布はもちろん、塩化ビニールやフィルム等多様なメディア(素材)にプリントが可能で制作物の幅が広がりました。また、環境にやさしく低臭気なラテックスインクは、水性ベースでVOC(Volatile Organic Compounds:揮発性有機化合物)が極めて少なく特別な換気を必要としないため、環境負荷の低減にも貢献しています。

■プリンター関連
・A4カラーレーザープリンター「RICOH SP C251/C250L」無線LAN機能を標準搭載し、スマートデバイス出力にも対応するカラーレーザープリンターです。無償アプリケーション「RICOH Smart Device Print&Scan」を利用することで、Web画面、写真、PDFデータ等各種形式のドキュメントの印刷が可能となり、スマートデバイスのビジネス活用を展開しているお客様のニーズにお応えします。
・バッテリー駆動が可能なA4ジェルジェット複合機「RICOH SG 3120B SF」災害時の電力供給が停止する状況でも事業継続を支援する、リチウムイオンバッテリーを搭載したジェルジェット複合機です。また災害時だけでなく、イベントや催事会場等電源確保に手間がかかる場面や電源ケーブルの配線が煩わしい場面でもご活用いただけます。

■ネットワーク・ソリューション関連
・持ち運びできる超短焦点プロジェクター「RICOH PJ WX4141NI/WX4141N/WX4141」近距離から投写可能な「PJ WX4130N / WX4130」の後継機種です。輝度を3,300ルーメンに引き上げ、明るい環境でも鮮明映像の投写が可能になったほか、壁掛け設置が可能になることで、教育現場やサイネージ等さらに幅広いシーンで活用いただけるようになりました。
・ディスプレイ搭載のポータブル端末「RICOH Unified Communication System P1000」ディスプレイを標準搭載した遠隔映像コミュニケーション用ポータブル端末「RICOH Unified Communication System P1000」を商品化しました。 バッテリーを内蔵することで、遠隔地やモバイルでの映像コミュニケーションがよりいっそう手軽に行えるようになりました。
・ペーパーレス会議「RICOH Smart Presenterシステム」Windows® 環境対応版ペーパーレス会議「RICOH Smart Presenterシステム」の機能を強化しWindows® 環境でも利用可能となりました。従来からサポートしていたiPad、iPhone等のタブレット端末に加えて、Windows®用ブラウザからも利用できるようになりました。合わせて、登録可能資料数増加や拡大縮小操作の連動等システム自体の機能強化も行いました。

なお、当連結会計期間中に投下した当分野に係る研究開発投資は92,293百万円です。

(2) 産業分野
FA分野向けカメラ、レンズの開発やリコー独自の書き換え表示技術を用いたリライタブルレーザシステム、車載用ボルテージレギュレータ等の産業用途システム・デバイスの技術開発を行っております。
当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。

・生産ライン検査用「リコー 被写界深度拡大カメラ」従来のカメラに比べ(当社比)被写界深度が約3倍に拡大したことで、カメラとの距離が異なる複数の被写体であっても、解像度と明るさを犠牲にせずにレンズの角度や距離等を調整することなく撮影ができます。これまで複数台のカメラや目視により確認していた生産ライン上の検査等での活用に最適なカメラで、コスト削減と生産性の向上が可能になります。焦点距離やF値の違うレンズ8機種とセンサー(撮像素子)種類の異なるカメラ本体3機種の中から組み合わせて、用途に合わせた最適なカメラをお選びいただくことができます。
・FAカメラ対応 画像処理用レンズ「RICOH FLシリーズ」多様な装置用途に活用できる2メガピクセル対応の画像処理用手動絞りレンズ「RICOH FLシリーズ」6機種を発売しました。FAカメラ対応商品で、画像計測/認識で問題となるディストーション(歪曲収差)の大幅な低減を実現させたほか、新たに開発した光学設計により、至近距離を最大0.6m(当社製品比)短縮させました。ウェハーや電子基板等精密加工品の検査に優れた性能を発揮します。
・リライタブルレーザシステム通い箱を使って配送される物流のラベルを、通い箱に貼ったまま非接触で高速に約1,000回書き換えられる技術を確立しました。屋外の過酷な条件下でも5年以上繰り返し使え、環境負荷とコスト削減に大きく貢献します。なお、本リライタブルレーザシステムは、日本画像学会より2012年度技術賞を受賞しました。本システムは、一般的なサーマルリライタブル技術を用いた製品において、利用範囲の制約となる紫外線による画像劣化を保護層の開発で防ぎ、屋外での長期の利用にも耐えうる耐光性を実現したものです。また、書き込み時の過加熱を防ぐ文字作成アルゴリズムを開発し、半導体レーザーにより非接触で約1,000回の書き換えを可能にしました。これらにより、従来のサーマルヘッド記録方式から格段の耐久性向上を達成し、サーマルリライタブル技術の応用範囲の拡大を可能とするだけでなく、CO2削減に寄与する技術として社会的な意義についても高く評価されました。
・全温度範囲±1%精度を実現した車載用ボルテージレギュレータ「R1513Sシリーズ」業界初となる全温度範囲(Ta=-40℃~125℃)で±1.0%(Ta=25℃では±0.8%)の超高精度な出力電圧を保証する36V耐圧300mAレギュレータIC「R1513S」シリーズを商品化しました。車載機器での搭載が進んでいる様々なセンサーやその信号変換等を行うADコンバータ、プロセッサーへの電源供給を高精度に行え、従来、ボルテージトラッカー等複数の部品を使用していたところを本製品一つに置き換えることが可能です。これにより、カーアクセサリーやコントロールユニット等に最適な定電圧源として、お客様のセットの高精度化やコスト削減に大きく貢献いたします。

なお、当連結会計期間中に投下した当分野に係る研究開発投資は5,084百万円です。

(3) その他分野(コンシューマ分野)
画像インプットデバイスTHETAやデジタルカメラをはじめとするイメージングシステム関連技術の開発を行っております。当連結会計期間の主な成果は次のとおりです。

■ 新画像インプットデバイス関連
・全天球イメージを撮影可能な画像インプットデバイス「RICOH THETA」一度シャッターを切るだけで撮影者を取り囲む全天球イメージを撮影することができる世界初の画像インプットデバイス「RICOH THETA(リコー・シータ)」を商品化しました。独自開発の超小型二眼屈曲光学系を採用することにより、上下を含む真の全天球画像の撮影を可能にしました。また、どんな場所へも持ち運びやすい小型・軽量(約95グラム)サイズです。RICOH THETAによって、ユーザーは周囲に存在するすべての物や人等を瞬時に撮影することのできる新しい映像体験、撮影者の意図や予測を超えた光景、斬新な全天球画像を世界の人たちと共有する楽しさを体感することができます。

■ デジタルカメラ関連(リコーイメージング株式会社)
・GRシリーズ最高画質のコンパクトデジタルカメラ「GR」「GR DIGITAL IV」の後継機として、初代「GR DIGITAL」からのコンセプトを継承しながら、基本性能、機能を高めたモデルとして開発しました。シャープでヌケの良い優れた描写を誇る新開発のレンズを搭載し、新型APS-CサイズCMOSイメージセンサー高性能画像処理エンジン“GR ENGINE V”、ローパスフィルターレス仕様を組み合わせることで、高い解像度と階調豊かな色再現性、高感度画質の向上を実現しています。
・世界最小クラスのデジタル一眼カメラ「PENTAX Q7」レンズ交換式デジタル一眼カメラ「Q」シリーズの上位機種として、手のひらにおさまる小型軽量サイズはそのままに、搭載するイメージセンサーの大型化により、さらなる高画質化を実現しました。
・本格的な撮影を簡単・快適に楽しめるデジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-50」エントリークラスで初となる防塵・防滴構造を実現した小型軽量ボディに、上位機に匹敵する本格的な撮影機能や軽快な操作性を備えました。
・Kマウントデジタル一眼レフカメラ最上位機種「PENTAX K-3」「K」シリーズの最上位機種として、新開発"ローパスセレクター"をはじめ、さまざまな新技術で画質や操作性、多彩な撮影に対応する機能・性能を大幅に強化し、高性能をさまざまな撮影フィールドで快適に楽しめる優れた機動性を備えています。
・水深14mで水中撮影が可能なコンパクトデジタルカメラ「RICOH WG-4/RICOH WG-4 GPS」防水・耐衝撃性能を備え、水中やアウトドアでの高画質な撮影が可能な防水コンパクトデジタルカメラ「WG」シリーズのラインアップを一新し、新たにリコーブランドのハイエンド防水モデル「RICOH WG-4」「RICOH WG-4 GPS」を発売いたしました。

なお、当連結会計期間中に投下した当分野に係る研究開発投資は1,119百万円です。

各事業に分類できない基礎研究分野として、ナノテクノロジー、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)、計測・分析・シミュレーション等の基盤技術の研究開発、新規材料/デバイスの研究開発、次世代画像表示技術の研究開発、生産技術開発、システムソフトウェアの開発、高速・高品位画像処理のための光技術を中核としたフォトニクス技術、環境関連技術の開発等を行っております。
なお、当連結会計期間中に投下した当分野に係る研究開発投資は17,726百万円です。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


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