有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1003360
朝日インテック株式会社 研究開発活動 (2014年6月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
研究開発型企業である当社グループは、創業時より研究開発活動を経営の重要項目の1つとして位置付けております。
当社グループは、4つのコアテクノロジー(伸線技術、ワイヤーフォーミング技術、コーティング技術、トルク技術)を主体とした、高度で独自性の高い素材加工技術を備えることに加えて、原材料から製品までの一貫生産体制を構築することによって、当社独自の素材及び機能を有した製品の開発・製造が可能となっております。
これは、同業他社ではあまり見られない医療機器分野と産業機器分野の技術循環、日本の研究開発拠点と海外の生産拠点との技術連携など、当社グループならではの強みであります。また、これら当社独自の機能を生かし、近年では、医療現場での豊富な経験を持つ各分野におけるトップドクターとの共同研究開発体制を強化しており、医療現場に密着した製品開発を展開しております。これらの融合が、医療機器分野での競合先との差別化を図り、競争優位性のある製品を供給し続けている大きな要因にもなっております。
今後も、当社グループのOnly One技術の発展と、それに伴うお客様のNumber Oneの実現を目指し、研究開発活動を進めてまいります。
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費用の総額は、27億14百万円であります。
セグメント別の研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
(メディカル事業)
主力製品であるPTCAガイドワイヤーについて、当社独自のコア技術を応用した「SION(シオン)」技術の横展開を進めるとともに、同技術の進化に向けて継続的な取り組みを実施してまいりました。
また、PTCAガイドワイヤーに続く第2の主力製品を確立することを目的として、PTCAバルーンカテーテルとPTCAガイディングカテーテルの継続的な開発を推進しております。当連結会計年度においては、狭窄病変の通過性が大幅に向上したPTCAバルーンカテーテル「KAMUI(カムイ)」や、他のデバイス操作を支える支持性(バックアップ力)と耐久力の大幅な向上を実現したPTCAガイディングカテーテルの「Hyperion(ハイペリオン)」について、ドクターからの市場のニーズに応えるべく、ラインナップの拡充に取り組みました。
またこの他、循環器系の新製品として、貫通カテーテル「Caravel(カラベル)」を開発いたしました。
既存製品である貫通カテーテル「Corsair(コルセア)」は、難易度が高く特殊な治療領域での競争優位性を確立してきたことにより、全世界で「ASAHIブランド」の認知度・浸透度の向上を実現させてまいりましたが、「Caravel(カラベル)」は、外径がより細くなったことにより追従性能が向上し、かつ内腔が広くなったことにより併用するガイドワイヤーの操作性が高くなるなど、機能優位性が高く、裾野が広い一般的な治療領域においても治療可能な製品であります。この新製品の販売により、貫通カテーテル市場の更なる市場シェアの拡大を目指してまいります。
患部・治療領域の拡大に向けては、腹部血管系治療(肝癌治療)用のマイクロカテーテル「Tellus(テルス)」や、脳動脈瘤治療用ガイドワイヤー「CHIKAI Black 18(チカイブラックイチハチ)」を開発いたしました。マイクロカテーテル「Tellus(テルス)」は、臨床現場のニーズを受け、多発性肝癌の超選択的治療(癌細胞をピンポイントで狙った治療)に対応すべく、抹消血管への到達性を大幅に向上させたカテーテルです。
また、脳動脈瘤治療用ガイドワイヤー「CHIKAI Black 18(チカイブラックイチハチ)」は、先行して開発した「CHIKAI Black(チカイブラック)」の技術を継承しつつ、PTCAガイドワイヤーで培った技術を活用し、従来の「CHIKAI(チカイ)」シリーズで対応できなかった大きな動脈瘤や入り口の広い動脈瘤の治療への適用を可能といたしました。
一方、前連結会計年度より、新たに取り組みを開始した脳動脈瘤治療用のアシストステント「AMTAS(アムタス)」の開発については、引き続き継続しております。同ステントは大きな動脈瘤や入り口の広い動脈瘤の治療においてコイルとの併用する治療用デバイスであり、さらに再発率の低減を目指して動脈瘤への血液の流れを抑制する効果をあわせ持つことを目指しております。当連結会計年度におきましては、経済産業省の支援を受け、さらに関連機関と協力し各種の評価試験を繰り返し、詳細仕様の設定に向けた検討を実施いたしました。
OEM関連製品につきましては、より一層の患部・治療領域の拡大と高付加価値製品への展開を目指して、国内外の医療機器メーカーと製品開発を進めております。当連結会計年度においては、大手医療機器メーカーとの協業により循環器系の狭窄度検査用のFFR(冠血流予備量比)測定用ガイドワイヤーの共同開発などを推進いたしました。
今後も、当社独自の技術を活用して、低侵襲治療に必要な基礎的製品の開発を継続的に強化することに加えて、将来の成長への布石として、留置用デバイスを含む付加的治療製品の開発にも着手するなどし、製品群の拡充を推進してまいります。
当連結会計年度における研究開発費は、23億5百万円であります。
(デバイス事業)
医療部材につきましては、当社独自の高機能部材である中腔のケーブルチューブ「ACTONE(アクトワン)」や、トルク伝達性や細く強度が高い「トルクコイル」、高張力の高いハイテンションワイヤーロープなどが高く評価されており、今後もより多くの高性能医療機器への採用に向けて製品開発を行っております。当連結会計年度では、これらの医療部材が、海外大手医療器具メーカーへの量産納品が開始され、また国内大手医療器具メーカーの細径内視鏡にも採用されております。前連結会計年度から引き続き、使用用途は拡大傾向にあり、米国の医療機器ベンチャー企業や国内外の大手医療機器企業からの開発依頼案件が増加しており、今後におきましても、これらの対応に向けて、研究開発活動を強化してまいります。
また、当連結会計年度では、メディカル事業の貫通カテーテル「Caravel(カラベル)」用の特殊形状シャフトの開発・生産を行うなどしており、メディカル事業における自社ブランド品の新製品開発に、当事業の技術開発力が寄与しております。
当事業では引き続き、当社のコアテクノロジーを進化させるとともに、レーザー加工技術開発、平線構造を持つ「ACTONE-UT(アクトワン ユーティ)」、成形外科分野向けの高トルクケーブルなどの新たな取り組みを行うなどし、様々な分野で採用して頂ける高機能・高付加価値の技術・製品の開発をしてまいります。
当連結会計年度における研究開発費は、4億8百万円であります。
事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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