有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1002LDF
インスペック株式会社 事業の内容 (2014年4月期)
当社は、エレクトロニクス業界の中で特にデジタル機器の製造過程で重要な役割を担っている半導体パッケージ基板や精密配線板の外観検査装置の専業メーカーとして事業活動を行っております。
携帯電話やデジタルカメラ、液晶テレビなどに代表されるデジタル家電には、多数の半導体や液晶表示装置などの電子部品が使用されておりますが、半導体は半導体パッケージ基板に、電子部品は精密なプリント基板に実装されております。それらのパッケージ基板やプリント基板には多くの配線回路が形成されており、その配線回路が一つでも切れたり(断線)、隣の線と接触(ショート)するなど、あるいは異物の付着などの欠陥が発生すると、製品自体が致命的な不良品となってしまいます。このような配線回路上の欠陥の有無を検査する装置が外観検査装置であります。
当社の外観検査装置及び検査ユニットは、上記のパッケージ基板やプリント基板の検査に使用される他、チップ部品の製造工程内でのインライン検査やロール状の電子材料のインライン検査などに検査用モジュールとして使用されております。
外観検査のニーズに対応する製品として当社は、半導体パッケージ外観検査装置、TABテープ検査装置、精密プリント基板検査装置などの開発、製造、販売及び保守サービスを行なっております。当社の製品は原則として受注生産となっております。
また、当社の検査装置には、自社開発の画像処理システムを搭載しており、次のとおり世代別にその構成及び機能が進化しております。
inspecⅠ:(2000年リリース)市販の画像処理ボードとカメラの間に取り付けて画像処理能力を向上させる前処理装置。(ディスコン)
inspecⅡ:(2001年リリース)8000画素のラインスキャンカメラ(注1)の画像を高速処理できるオリジナルの画像処理専用コンピュータ。(ディスコン)
inspecⅢ:(2004年リリース)16000画素のラインスキャンカメラの画像を高速処理できるオリジナルの画像処理専用コンピュータ。inspecⅡと比較して処理速度で約3倍、検査可能面積は理論上無制限を実現。
Inspec-SE1:(2007年リリース)8000画素のラインスキャンカメラ対応のソフトウエアベースの画像処理システム。(ディスコン)
Inspec-SE2:(2007年リリース)8000画素のラインスキャンカメラ対応のソフトウエアベースのマルチCPU画像処理システム(注2)。複数のCPUで分散処理をすることで、高速化とソフトベースによる柔軟性を両立。
Inspec-SE3:(2008年リリース)12000画素のラインスキャンカメラ対応のソフトウエアベースのマルチCPU画像処理システム。
現在の主力画像処理エンジンとして、継続的にバージョンアップを実施。
(注1) ラインスキャンカメラ
1次元のイメージセンサーの一種。線上にセンサー素子が並んでおり、カメラまたは被撮像物を少しずつずらしながら撮像する。(例:コピー機、ファックス、人工衛星など)
(注2) マルチCPU画像処理システム
1つのカメラデータを複数に分散し、それぞれのデータを別々のコンピュータで演算する方式。分散する 数に比例して処理速度が速くなる。
なお、当社は半導体検査装置の開発、製造、販売及び保守サービスを事業内容とする単一セグメントであるため、事業の内容を品目別に記載しております。
(1)基板AOI(精密プリント基板検査装置)
半導体用の精密パッケージ基板や携帯電話等に使われる精密プリント基板のパターン形成プロセスでは、大判の材料で製造されるため、それに対応したパターン検査装置が使用されております。
プリント基板市場は世界全体で約5兆円、うちファイン品の比率が高い日本及び台湾の市場で約2兆円と見積もられております(JPCAの資料より)。これに対する外観検査装置の世界市場規模は、およそ200億円から300億円と推定されております(株式会社富士経済の資料より)。
近年、半導体パッケージ基板や携帯電話等に使用される高密度基板のファイン化は進化を続けており、同時に厳しいコストダウンを要求されております。これらのニーズに対応するための高い検査性能と高スループットを併せ持つ検査装置へのニーズは高まっており、この需要は今後も拡大していくものと予想されております。
当社が販売する基板AOI(精密プリント基板検査装置)2機種、SX5300及びSX3300は高いスループットの他に2つの大きな特徴を有しております。第一はサブピクセル処理技術を用いて0.1ミクロン(1万分の1ミリ)の精度でパターン幅やスペースを計測し判定するアルゴリズムであり、きわめて高い検査精度を実現いたしました。第二は従来に無い特徴として欠陥検出箇所の画像のリアルタイム切り出し機能を付加したことで、検査と同時に欠陥個所の画像を確認することができます。
AOIシリーズは、ファイン化する基板の全数検査ニーズにいち早く対応した高性能検査装置であります。
(注3)TCP:テープ・キャリア・パッケージ
液晶やプラズマディスプレイ用の表示ドライブICに使用される半導体パッケージ
表示ドライブIC:液晶の表示を実現している多数の画素の一点一点について、光をON・OFFさせるための電気を制御する半導体。
(注4)COF:チップ・オン・フィルム
液晶用の表示ドライブICに使用されるTCPより精密な半導体パッケージ
(注5)TABテープ: TCPやCOFなど、表示ドライブIC用半導体パッケージの通称
(注6)TCSP:テープ・チップ・スケール・パッケージ
携帯電話等に使用される小型軽量の半導体パッケージ
(2)基板AVI(最終外観検査装置)
最終外観検査は、目視による検査が一般的であるため、多くのメーカーは労働コストの安い中国を始めとするアジア地域で実施しております。しかし近年、特に中国における人件費の上昇の影響等により検査コストが高騰しているため、自動最終外観検査装置(AVI)のニーズが高まってきております。
この検査は検査する項目が非常に多く、自動化するための技術的なハードルが非常に高い分野でありますが、当社はリードフレーム検査装置を発表して以来、長期にわたる最終外観検査の自動化への取り組みの経験から多くの技術とノウハウを保有しており、最終外観検査の自動化を実現しております。
上記の通り、最終外観検査装置の自動化のニーズの高まりに対応し、今後は積極的に基板AVIの販売活動を
行ってまいります。
AVIシリーズの製品及び用途は次のとおりです。
(注7)最終外観検査装置:精密プリント基板、フレキシブル基板
半導体パッケージ基板などの完成時の最終外観検査装置。金メッキ上の傷や変色、ソルダーレジストのピンホールやキズ、ムラ、異物等を検査。
(注8)FCBGA:フリップチップBGA
CPUやMPUに使用される超精密半導体パッケージ
(注9)BGA:ボール・グリッド・アレー
プリント基板に表面実装される半導体パッケージ
(注10)CSP:チップ・スケール・パッケージ
携帯電話等に使用されるBGAより小型の半導体パッケージ
(注11)リードフレーム
車載用半導体などに使用される金属薄板をベースとした半導体パッケージ
(3)インライン検査システム(ロールtoロール検査システム)
昨今、急速に普及してきたスマートフォンやタブレットPCに多用されるタッチパネルなど、印刷技術を使ってフィルムに精密な電子回路を形成するプリンタブルエレクトロニクスの分野が高い成長を示しております。また、従来からデジタルカメラや携帯電話などに多用されているフレキシブル基板も生産性の高いロールtoロール方式で生産するメーカーが増加しております。
当社では、TABテープ検査装置で培ったロールtoロールでの検査技術を活かし、前述の成長分野への製品を投入し、積極的に販売活動を行ってまいります。
(4)その他
当社は上記の製品に関する保守サービスを行っており、製品の改良、部品販売及び保守料による収入があります。
[事業系統図]
当社の事業系統図は、次のとおりであります。
携帯電話やデジタルカメラ、液晶テレビなどに代表されるデジタル家電には、多数の半導体や液晶表示装置などの電子部品が使用されておりますが、半導体は半導体パッケージ基板に、電子部品は精密なプリント基板に実装されております。それらのパッケージ基板やプリント基板には多くの配線回路が形成されており、その配線回路が一つでも切れたり(断線)、隣の線と接触(ショート)するなど、あるいは異物の付着などの欠陥が発生すると、製品自体が致命的な不良品となってしまいます。このような配線回路上の欠陥の有無を検査する装置が外観検査装置であります。
当社の外観検査装置及び検査ユニットは、上記のパッケージ基板やプリント基板の検査に使用される他、チップ部品の製造工程内でのインライン検査やロール状の電子材料のインライン検査などに検査用モジュールとして使用されております。
外観検査のニーズに対応する製品として当社は、半導体パッケージ外観検査装置、TABテープ検査装置、精密プリント基板検査装置などの開発、製造、販売及び保守サービスを行なっております。当社の製品は原則として受注生産となっております。
また、当社の検査装置には、自社開発の画像処理システムを搭載しており、次のとおり世代別にその構成及び機能が進化しております。
inspecⅠ:(2000年リリース)市販の画像処理ボードとカメラの間に取り付けて画像処理能力を向上させる前処理装置。(ディスコン)
inspecⅡ:(2001年リリース)8000画素のラインスキャンカメラ(注1)の画像を高速処理できるオリジナルの画像処理専用コンピュータ。(ディスコン)
inspecⅢ:(2004年リリース)16000画素のラインスキャンカメラの画像を高速処理できるオリジナルの画像処理専用コンピュータ。inspecⅡと比較して処理速度で約3倍、検査可能面積は理論上無制限を実現。
Inspec-SE1:(2007年リリース)8000画素のラインスキャンカメラ対応のソフトウエアベースの画像処理システム。(ディスコン)
Inspec-SE2:(2007年リリース)8000画素のラインスキャンカメラ対応のソフトウエアベースのマルチCPU画像処理システム(注2)。複数のCPUで分散処理をすることで、高速化とソフトベースによる柔軟性を両立。
Inspec-SE3:(2008年リリース)12000画素のラインスキャンカメラ対応のソフトウエアベースのマルチCPU画像処理システム。
現在の主力画像処理エンジンとして、継続的にバージョンアップを実施。
(注1) ラインスキャンカメラ
1次元のイメージセンサーの一種。線上にセンサー素子が並んでおり、カメラまたは被撮像物を少しずつずらしながら撮像する。(例:コピー機、ファックス、人工衛星など)
(注2) マルチCPU画像処理システム
1つのカメラデータを複数に分散し、それぞれのデータを別々のコンピュータで演算する方式。分散する 数に比例して処理速度が速くなる。
なお、当社は半導体検査装置の開発、製造、販売及び保守サービスを事業内容とする単一セグメントであるため、事業の内容を品目別に記載しております。
(1)基板AOI(精密プリント基板検査装置)
半導体用の精密パッケージ基板や携帯電話等に使われる精密プリント基板のパターン形成プロセスでは、大判の材料で製造されるため、それに対応したパターン検査装置が使用されております。
プリント基板市場は世界全体で約5兆円、うちファイン品の比率が高い日本及び台湾の市場で約2兆円と見積もられております(JPCAの資料より)。これに対する外観検査装置の世界市場規模は、およそ200億円から300億円と推定されております(株式会社富士経済の資料より)。
近年、半導体パッケージ基板や携帯電話等に使用される高密度基板のファイン化は進化を続けており、同時に厳しいコストダウンを要求されております。これらのニーズに対応するための高い検査性能と高スループットを併せ持つ検査装置へのニーズは高まっており、この需要は今後も拡大していくものと予想されております。
当社が販売する基板AOI(精密プリント基板検査装置)2機種、SX5300及びSX3300は高いスループットの他に2つの大きな特徴を有しております。第一はサブピクセル処理技術を用いて0.1ミクロン(1万分の1ミリ)の精度でパターン幅やスペースを計測し判定するアルゴリズムであり、きわめて高い検査精度を実現いたしました。第二は従来に無い特徴として欠陥検出箇所の画像のリアルタイム切り出し機能を付加したことで、検査と同時に欠陥個所の画像を確認することができます。
AOIシリーズは、ファイン化する基板の全数検査ニーズにいち早く対応した高性能検査装置であります。
品目名 | 製品名 | 用途 |
基板AOI(ファイン対応) | SX5300 | ハイエンドパッケージ基板のパターン検査装置 |
基板AOI(標準タイプ) | SX3300 | 一般精密基板のパターン検査装置 |
ベリファイ装置 | VP1000 | 欠陥確認装置(基板AOIの付帯設備) |
TABテープAOI | TR8000 | TCP(注3)、COF(注4)などのTABテープ(注5)及びTCSP(注6)のパターン検査に使用。 |
液晶やプラズマディスプレイ用の表示ドライブICに使用される半導体パッケージ
表示ドライブIC:液晶の表示を実現している多数の画素の一点一点について、光をON・OFFさせるための電気を制御する半導体。
(注4)COF:チップ・オン・フィルム
液晶用の表示ドライブICに使用されるTCPより精密な半導体パッケージ
(注5)TABテープ: TCPやCOFなど、表示ドライブIC用半導体パッケージの通称
(注6)TCSP:テープ・チップ・スケール・パッケージ
携帯電話等に使用される小型軽量の半導体パッケージ
(2)基板AVI(最終外観検査装置)
最終外観検査は、目視による検査が一般的であるため、多くのメーカーは労働コストの安い中国を始めとするアジア地域で実施しております。しかし近年、特に中国における人件費の上昇の影響等により検査コストが高騰しているため、自動最終外観検査装置(AVI)のニーズが高まってきております。
この検査は検査する項目が非常に多く、自動化するための技術的なハードルが非常に高い分野でありますが、当社はリードフレーム検査装置を発表して以来、長期にわたる最終外観検査の自動化への取り組みの経験から多くの技術とノウハウを保有しており、最終外観検査の自動化を実現しております。
上記の通り、最終外観検査装置の自動化のニーズの高まりに対応し、今後は積極的に基板AVIの販売活動を
行ってまいります。
AVIシリーズの製品及び用途は次のとおりです。
品目名 | 製品名 | 用途 |
小型AVI | AV500 | 主にフレキシブル基板向け最終外観検査装置(注7) |
パネル用AVI | AV3300 | パネルサイズ用精密基板向け最終外観検査装置 |
個版AVI | BP7100 | ハイエンド半導体パッケージ基板FCBGA(注8)向け最終外観検査装置 |
短冊AVI | BF8000 | BGA(注9)、CSP(注10)等パッケージ基板向け高性能最終外観検査装置 |
短冊AVI | BF1100 | パッケージ基板向け標準最終外観検査装置 |
リードフレーム検査装置 | LF8000 | リードフレーム(主にエッチング品)(注11)の変形及び外観検査に使用 |
(注7)最終外観検査装置:精密プリント基板、フレキシブル基板
半導体パッケージ基板などの完成時の最終外観検査装置。金メッキ上の傷や変色、ソルダーレジストのピンホールやキズ、ムラ、異物等を検査。
(注8)FCBGA:フリップチップBGA
CPUやMPUに使用される超精密半導体パッケージ
(注9)BGA:ボール・グリッド・アレー
プリント基板に表面実装される半導体パッケージ
(注10)CSP:チップ・スケール・パッケージ
携帯電話等に使用されるBGAより小型の半導体パッケージ
(注11)リードフレーム
車載用半導体などに使用される金属薄板をベースとした半導体パッケージ
(3)インライン検査システム(ロールtoロール検査システム)
昨今、急速に普及してきたスマートフォンやタブレットPCに多用されるタッチパネルなど、印刷技術を使ってフィルムに精密な電子回路を形成するプリンタブルエレクトロニクスの分野が高い成長を示しております。また、従来からデジタルカメラや携帯電話などに多用されているフレキシブル基板も生産性の高いロールtoロール方式で生産するメーカーが増加しております。
当社では、TABテープ検査装置で培ったロールtoロールでの検査技術を活かし、前述の成長分野への製品を投入し、積極的に販売活動を行ってまいります。
(4)その他
当社は上記の製品に関する保守サービスを行っており、製品の改良、部品販売及び保守料による収入があります。
[事業系統図]
当社の事業系統図は、次のとおりであります。
- 有価証券報告書 抜粋メニュー
- 提出会社の経営指標等
- 沿革
- 事業の内容
- 従業員の状況
- 業績等の概要
- 生産、受注及び販売の状況
- 対処すべき課題
- 事業等のリスク
- 研究開発活動
- 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
- 株式の総数等
- 発行済株式総数、資本金等の推移
- 株価の推移
- 最近6月間の月別最高・最低株価
- 株式所有者別状況
- 役員の状況
- コーポレートガバナンス状況
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02356] S1002LDF)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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