有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10022UZ
ヤマハ株式会社 研究開発活動 (2014年3月期)
経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループは、「感動を・ともに・創る」を企業目的に掲げ、高品質主義の経営理念のもと、「音・音楽」をコアとしてモノとコトの両輪で事業活動を展開しています。これを支える為に、これまでに蓄積してきた「音・音楽」に関する技術群をコア技術と定め、更なる高度化と拡張のための研究開発を進めております。取り組んでいる研究開発の領域は、音響、材料、電子デバイス、音源、信号処理、通信、ネットワークと、音の入口から出口まで、さらには音の多目的利用にわたります。
当連結会計年度は、「音・音楽・ネットワーク」を強化分野とし、「音環境、音空間」領域での成長を加速するための研究開発、音声認識・合成と楽曲認識・合成技術の獲得、ワイヤレスやネットワーク関連等の次世代楽器・次世代音響機器の要素技術開発に注力しました。
当社グループの研究開発体制は、2013年8月1日付の組織改正より、楽器・音響機器事業については当社楽器・音響開発本部、電子部品事業については当社半導体事業部の開発部門、その他の事業については当社ゴルフHS事業部及びヤマハファインテック株式会社の開発部門、全社横断的R&Dについては当社楽器・音響開発本部研究開発統括部、新規事業創出については当社事業開発部が担う形で構成しております。
当連結会計年度における主な成果をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は225億61百万円であります。
1 楽器事業
電子楽器関連では、デジタルワークステーション(自動伴奏搭載キーボード)の新たなフラッグシップモデル「Tyros5」を開発しました。シリーズ5世代目となる「Tyros5」では、定評のある高品位な音色や音楽性の高い自動伴奏コンテンツにさらに磨きをかけました。新たな音色として、弦楽器、金管楽器、木管楽器のアンサンブル音色を搭載し、アンサンブルアレンジを自動的に再現するアルゴリズムによって、表現力の高い演奏を楽しむことができます。オルガン音色では、ビンテージ、ホーム、ユーロ、コンサート、シアターといった代表的なオルガンの音色を備え、オルガンのフッテージ操作(音色セット操作)を直感的に行えるグラフィックインターフェースによって、迫真のオルガン音色を再現します。また、ビンテージギターアンプ、伝統的なギターエフェクターのデジタルモデリングといった新規DSPアルゴリズムを搭載し、リアルなギターサウンドを緻密に再現します。自動伴奏機能では、リズム演奏をフレーズとして録音したオーディオスタイルを搭載し、従来の自動伴奏コンテンツに比べて臨場感、空気感が格段に向上しました。なお、Tyrosは、欧州を主要販売地域とする海外向けモデルです。また、「Tyros5」は「Red Dotデザイン賞 プロダクトデザイン2014」(主催:ドイツ ノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンター)を受賞しました。
管楽器関連では、従来の金管楽器用消音システム「サイレントブラス™」を、当社独自の楽器音響設計技術と信号処理技術を用いて改良し、新モデル「SB3X」「SB5X」「SB7X」として商品化しました。金管楽器のベル部分に装着する消音器の内部構造を改良して、消音性、音程の安定感、吹奏感を損なわずに、装着したまま楽器ケースに収納できるサイズと演奏時の負担を軽減する軽量化を実現しています。また、消音器を付けずに演奏した時の、楽器のベルから演奏者の耳元に返ってくるまでの響きの特性をモデル化し、消音演奏時の音色を補正する、当社独自の信号処理技術「Brass Resonance Modeling™(ブラス レゾナンス モデリング)」を搭載して、ヘッドホンなどを使い、従来の消音器を付けた時のこもり感がない、リアルな音を臨場感にあふれた心地よい響きで聴くことができます。なお、「SB3X」「SB5X」「SB7X」は、「2013年度グッドデザイン金賞(経済産業大臣賞)」(主催:公益財団法人 日本デザイン振興会)、「iFプロダクトデザイン賞」(主催:ドイツ ハノーバー工業デザイン協会)、「Red Dotデザイン賞 プロダクトデザイン2014」(主催:ドイツ ノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンター)を受賞しました。
弦楽器関連では、アコースティックギターのフラッグシップモデル「Lシリーズ」において、ボディ表板裏面の響棒配置としてこれまで採用してきたノンスキャロップ・Xブレイシング構造を最新の解析・モデリング技術と熟練のクラフトマンシップによりさらに改良し、木の自然な鳴りを最大限に引き出して、より深く、豊潤な中低音を実現し、モデルチェンジを行いました。
音楽ソフト関連では、音楽情報処理の分野で以下の研究開発を進めました。作曲ノウハウのアルゴリズム化とリズムパターン・音高変化・コード進行のテンプレート化により、曲想に基づいてテンプレートを指定するだけでメロディーラインを生成する自動作曲技術、また、既存楽曲のデータベース化とメロディー照合機能により、メロディーの任意の一部を指定するだけでそれに近いメロディーを含む楽曲を見つける楽曲検索技術、さらに、楽曲演奏データを解析してコード進行を抽出するコード進行解析技術を開発しました。これらの技術を用いて、VOCALOID™曲自動作曲SaaS型サービス「VOCALODUCER™」、iPhone/iPod touch用アプリケーション「弾いちゃお検索」、iPhone/iPad用アプリケーション「Mobile Music Sequencer V3.0」として商品化しました。
研究開発費は80億78百万円であります。
2 音響機器事業
オーディオ関連では、スマートフォンやタブレットなどのBluetooth®対応機器から音楽コンテンツを手軽にワイヤレス再生できるオーディオの機能と、インテリアとしても美しいフロアスタンド間接照明の機能を融合させ、新しいスタイルのインテリアアイテムとなる、ライティングオーディオシステム「LSX-700」を開発しました。毎日の暮らしのなかに灯りとともに音楽が溶け込む、そんなオーディオのあり方を提案します。なお、「LSX-700」は、「Red Dotデザイン賞 プロダクトデザイン2014」(主催:ドイツ ノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンター)を受賞しました。また、CDプレーヤーでは、ディスク装填装置において、剛性を確保するとともに外部からの振動の影響や回路基板へのディスク回転による振動の伝播を徹底して排除し、安定した回転と高精度な信号読み取りを実現する当社独自の機構を開発し、CDプレーヤー「CD-S3000」に搭載して商品化しました。
業務用音響機器関連では、当社が培ってきた業務用音響機器のノウハウとテクノロジーの総合力を活かし、会議室や店舗・レストラン・宴会場などの商業空間向け設備音響のトータルソリューションとなる、マトリクスプロセッサー「MTXシリーズ」、パワーアンプリファイアー「XMVシリーズ」、スピーカーシステム「VXSシリーズ」「VXCシリーズ」の製品群を開発しました。プロセッサー、パワーアンプ、スピーカーの3カテゴリーから、それぞれのラインアップの機器を組み合わせて使用することで、音の入口から出口まで、商業空間における音響システムで必要とされるあらゆる機能を実現します。なお、当該製品群は、「2013年度グッドデザイン賞」(主催:公益財団法人 日本デザイン振興会)を受賞しました。
情報通信機器関連では、ネットワークのスイッチ装置において、ルーターと連携することでネットワークの設定・保守・管理などの負担を低減する機能を有したギガビット対応のスマートL2スイッチに、業務用オーディオ機器で培った自社設計技術により、大容量の給電時でも高効率で安定した動作を可能にした高出力給電機能を付与し、スマートL2スイッチ「SWX2200-8PoE」として商品化しました。また、デジタル情報を音響信号に変調して伝送する当社独自の音響通信技術「INFOSOUND™」を用いて、特定の場所のみで情報を配信する「ロケーションサービス」を行うスマートフォン用アプリケーションを開発し、O2O(Online to Offline)サービスのツールとして提供を開始しました。例えば、スタンプラリーサービスへの利用では、スタンプラリー主催者がスタンプラリーの情報と景品を用意し、ユーザーはスタンプ地点に訪れて、流れる音波をスマートフォンなどの対応端末に認識させることでスタンプを集めることができ、主催者は面倒なオペレーションなしに誘客を行うことができます。来店促進サービスへの利用では、ユーザーの位置情報を元に近隣店舗のお得情報を表示し、店内に流れる音波を検知することで、店舗に入った人にのみ自動的にポイントを付与したりクーポンを配布したりすることができ、店舗運営者は新規顧客獲得や来店頻度向上を図ることができます。
研究開発費は100億11百万円であります。
3 電子部品事業
電子楽器技術、歌声合成技術、半導体技術、インターネット技術を結集して、次世代音源LSI「NSX-1」を開発しました。「NSX-1」は、アコースティック楽器の微妙な変化を再現する当社の最新技術「AEM™(Articulation Element Modeling)」をもとに開発した、リアルなアコースティックサウンドを奏でる音源「Real Acoustic Sound」と、インターネットを中心に高い人気を誇る、バーチャルシンガーによる歌声を出力できる「VOCALOID™」の処理を組み込み用途に適した形に変更することで、極めて少ない遅延で歌声を合成する専用音源「eVocaloid™」の、どちらの音源をプリインストールするかを選択することができます。また、オープンソースで公開する、「NSX-1」を操作するためのプログラミング言語「JavaScript」のライブラリを使用して、当社のみならず外部の開発者やサプライヤーでも、「NSX-1」と連動するウェブアプリケーションや製品を高い自由度のもとで、容易に開発することができます。
研究開発費は30億94百万円であります。
4 その他の事業
ゴルフ用品では、ゴルフクラブ「inpresX」シリーズを「inpres RMX」シリーズとしてリニューアルしました。ドライバーには、3モデルのヘッド、4モデルのシャフト、13種類のウェイトをユーザーが自由に組み合わせるシステムを採用。フェアウェイウッド、ユーティリティには、2パターンのライ角調整機能を搭載し、重さの異なる2種類のシャフトとの組み合わせが選べます。常に進歩を求める“プログレッシブ・ゴルファー”を主なターゲットとして、トップアマ、中・上級者からアベレージゴルファー、ビギナーまで、幅広いゴルファーに対応します。
FA機器では、スマートフォンやタブレット端末の内部に使用される高密度・高精細なフレキシブル回路基板や薄型硬質基板向けの導通絶縁検査装置「MR252」を開発しました。CCDカメラを用いた当社独自のハードウェア機構とアルゴリズムにより、±5µmの高精度な検査治具の位置決めを実現し、微細なプローブを搭載した検査治具と組み合わせることで、超高密度、高精細な回路も安定した検査が可能です。また、基板の4隅を把持しテンションをかけることによって空中に基板を支持固定し、この把持部を可動式にすることによって、サイズの異なる、薄く柔らかなフレキシブル基板でも、基板を固定する治具を要さずに、安定した検査を可能にしました。そして、ハードウェア構造やソフトウェア、検査回路の改良により検査の高速化と装置の小型化・コストダウンも実現しました。
研究開発費は13億76百万円であります。
当社グループの当連結会計年度末における日本での特許及び実用新案の合計所有件数は5,818件であります。
(注)
・ iPhone、iPad、iPod touchは、Apple Inc.の登録商標です。
・ JavaScriptは、Oracle Corporation及びその子会社、関連会社の米国及びその他の国における商標または登録商標です。
当連結会計年度は、「音・音楽・ネットワーク」を強化分野とし、「音環境、音空間」領域での成長を加速するための研究開発、音声認識・合成と楽曲認識・合成技術の獲得、ワイヤレスやネットワーク関連等の次世代楽器・次世代音響機器の要素技術開発に注力しました。
当社グループの研究開発体制は、2013年8月1日付の組織改正より、楽器・音響機器事業については当社楽器・音響開発本部、電子部品事業については当社半導体事業部の開発部門、その他の事業については当社ゴルフHS事業部及びヤマハファインテック株式会社の開発部門、全社横断的R&Dについては当社楽器・音響開発本部研究開発統括部、新規事業創出については当社事業開発部が担う形で構成しております。
当連結会計年度における主な成果をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は225億61百万円であります。
1 楽器事業
電子楽器関連では、デジタルワークステーション(自動伴奏搭載キーボード)の新たなフラッグシップモデル「Tyros5」を開発しました。シリーズ5世代目となる「Tyros5」では、定評のある高品位な音色や音楽性の高い自動伴奏コンテンツにさらに磨きをかけました。新たな音色として、弦楽器、金管楽器、木管楽器のアンサンブル音色を搭載し、アンサンブルアレンジを自動的に再現するアルゴリズムによって、表現力の高い演奏を楽しむことができます。オルガン音色では、ビンテージ、ホーム、ユーロ、コンサート、シアターといった代表的なオルガンの音色を備え、オルガンのフッテージ操作(音色セット操作)を直感的に行えるグラフィックインターフェースによって、迫真のオルガン音色を再現します。また、ビンテージギターアンプ、伝統的なギターエフェクターのデジタルモデリングといった新規DSPアルゴリズムを搭載し、リアルなギターサウンドを緻密に再現します。自動伴奏機能では、リズム演奏をフレーズとして録音したオーディオスタイルを搭載し、従来の自動伴奏コンテンツに比べて臨場感、空気感が格段に向上しました。なお、Tyrosは、欧州を主要販売地域とする海外向けモデルです。また、「Tyros5」は「Red Dotデザイン賞 プロダクトデザイン2014」(主催:ドイツ ノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンター)を受賞しました。
管楽器関連では、従来の金管楽器用消音システム「サイレントブラス™」を、当社独自の楽器音響設計技術と信号処理技術を用いて改良し、新モデル「SB3X」「SB5X」「SB7X」として商品化しました。金管楽器のベル部分に装着する消音器の内部構造を改良して、消音性、音程の安定感、吹奏感を損なわずに、装着したまま楽器ケースに収納できるサイズと演奏時の負担を軽減する軽量化を実現しています。また、消音器を付けずに演奏した時の、楽器のベルから演奏者の耳元に返ってくるまでの響きの特性をモデル化し、消音演奏時の音色を補正する、当社独自の信号処理技術「Brass Resonance Modeling™(ブラス レゾナンス モデリング)」を搭載して、ヘッドホンなどを使い、従来の消音器を付けた時のこもり感がない、リアルな音を臨場感にあふれた心地よい響きで聴くことができます。なお、「SB3X」「SB5X」「SB7X」は、「2013年度グッドデザイン金賞(経済産業大臣賞)」(主催:公益財団法人 日本デザイン振興会)、「iFプロダクトデザイン賞」(主催:ドイツ ハノーバー工業デザイン協会)、「Red Dotデザイン賞 プロダクトデザイン2014」(主催:ドイツ ノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンター)を受賞しました。
弦楽器関連では、アコースティックギターのフラッグシップモデル「Lシリーズ」において、ボディ表板裏面の響棒配置としてこれまで採用してきたノンスキャロップ・Xブレイシング構造を最新の解析・モデリング技術と熟練のクラフトマンシップによりさらに改良し、木の自然な鳴りを最大限に引き出して、より深く、豊潤な中低音を実現し、モデルチェンジを行いました。
音楽ソフト関連では、音楽情報処理の分野で以下の研究開発を進めました。作曲ノウハウのアルゴリズム化とリズムパターン・音高変化・コード進行のテンプレート化により、曲想に基づいてテンプレートを指定するだけでメロディーラインを生成する自動作曲技術、また、既存楽曲のデータベース化とメロディー照合機能により、メロディーの任意の一部を指定するだけでそれに近いメロディーを含む楽曲を見つける楽曲検索技術、さらに、楽曲演奏データを解析してコード進行を抽出するコード進行解析技術を開発しました。これらの技術を用いて、VOCALOID™曲自動作曲SaaS型サービス「VOCALODUCER™」、iPhone/iPod touch用アプリケーション「弾いちゃお検索」、iPhone/iPad用アプリケーション「Mobile Music Sequencer V3.0」として商品化しました。
研究開発費は80億78百万円であります。
2 音響機器事業
オーディオ関連では、スマートフォンやタブレットなどのBluetooth®対応機器から音楽コンテンツを手軽にワイヤレス再生できるオーディオの機能と、インテリアとしても美しいフロアスタンド間接照明の機能を融合させ、新しいスタイルのインテリアアイテムとなる、ライティングオーディオシステム「LSX-700」を開発しました。毎日の暮らしのなかに灯りとともに音楽が溶け込む、そんなオーディオのあり方を提案します。なお、「LSX-700」は、「Red Dotデザイン賞 プロダクトデザイン2014」(主催:ドイツ ノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンター)を受賞しました。また、CDプレーヤーでは、ディスク装填装置において、剛性を確保するとともに外部からの振動の影響や回路基板へのディスク回転による振動の伝播を徹底して排除し、安定した回転と高精度な信号読み取りを実現する当社独自の機構を開発し、CDプレーヤー「CD-S3000」に搭載して商品化しました。
業務用音響機器関連では、当社が培ってきた業務用音響機器のノウハウとテクノロジーの総合力を活かし、会議室や店舗・レストラン・宴会場などの商業空間向け設備音響のトータルソリューションとなる、マトリクスプロセッサー「MTXシリーズ」、パワーアンプリファイアー「XMVシリーズ」、スピーカーシステム「VXSシリーズ」「VXCシリーズ」の製品群を開発しました。プロセッサー、パワーアンプ、スピーカーの3カテゴリーから、それぞれのラインアップの機器を組み合わせて使用することで、音の入口から出口まで、商業空間における音響システムで必要とされるあらゆる機能を実現します。なお、当該製品群は、「2013年度グッドデザイン賞」(主催:公益財団法人 日本デザイン振興会)を受賞しました。
情報通信機器関連では、ネットワークのスイッチ装置において、ルーターと連携することでネットワークの設定・保守・管理などの負担を低減する機能を有したギガビット対応のスマートL2スイッチに、業務用オーディオ機器で培った自社設計技術により、大容量の給電時でも高効率で安定した動作を可能にした高出力給電機能を付与し、スマートL2スイッチ「SWX2200-8PoE」として商品化しました。また、デジタル情報を音響信号に変調して伝送する当社独自の音響通信技術「INFOSOUND™」を用いて、特定の場所のみで情報を配信する「ロケーションサービス」を行うスマートフォン用アプリケーションを開発し、O2O(Online to Offline)サービスのツールとして提供を開始しました。例えば、スタンプラリーサービスへの利用では、スタンプラリー主催者がスタンプラリーの情報と景品を用意し、ユーザーはスタンプ地点に訪れて、流れる音波をスマートフォンなどの対応端末に認識させることでスタンプを集めることができ、主催者は面倒なオペレーションなしに誘客を行うことができます。来店促進サービスへの利用では、ユーザーの位置情報を元に近隣店舗のお得情報を表示し、店内に流れる音波を検知することで、店舗に入った人にのみ自動的にポイントを付与したりクーポンを配布したりすることができ、店舗運営者は新規顧客獲得や来店頻度向上を図ることができます。
研究開発費は100億11百万円であります。
3 電子部品事業
電子楽器技術、歌声合成技術、半導体技術、インターネット技術を結集して、次世代音源LSI「NSX-1」を開発しました。「NSX-1」は、アコースティック楽器の微妙な変化を再現する当社の最新技術「AEM™(Articulation Element Modeling)」をもとに開発した、リアルなアコースティックサウンドを奏でる音源「Real Acoustic Sound」と、インターネットを中心に高い人気を誇る、バーチャルシンガーによる歌声を出力できる「VOCALOID™」の処理を組み込み用途に適した形に変更することで、極めて少ない遅延で歌声を合成する専用音源「eVocaloid™」の、どちらの音源をプリインストールするかを選択することができます。また、オープンソースで公開する、「NSX-1」を操作するためのプログラミング言語「JavaScript」のライブラリを使用して、当社のみならず外部の開発者やサプライヤーでも、「NSX-1」と連動するウェブアプリケーションや製品を高い自由度のもとで、容易に開発することができます。
研究開発費は30億94百万円であります。
4 その他の事業
ゴルフ用品では、ゴルフクラブ「inpresX」シリーズを「inpres RMX」シリーズとしてリニューアルしました。ドライバーには、3モデルのヘッド、4モデルのシャフト、13種類のウェイトをユーザーが自由に組み合わせるシステムを採用。フェアウェイウッド、ユーティリティには、2パターンのライ角調整機能を搭載し、重さの異なる2種類のシャフトとの組み合わせが選べます。常に進歩を求める“プログレッシブ・ゴルファー”を主なターゲットとして、トップアマ、中・上級者からアベレージゴルファー、ビギナーまで、幅広いゴルファーに対応します。
FA機器では、スマートフォンやタブレット端末の内部に使用される高密度・高精細なフレキシブル回路基板や薄型硬質基板向けの導通絶縁検査装置「MR252」を開発しました。CCDカメラを用いた当社独自のハードウェア機構とアルゴリズムにより、±5µmの高精度な検査治具の位置決めを実現し、微細なプローブを搭載した検査治具と組み合わせることで、超高密度、高精細な回路も安定した検査が可能です。また、基板の4隅を把持しテンションをかけることによって空中に基板を支持固定し、この把持部を可動式にすることによって、サイズの異なる、薄く柔らかなフレキシブル基板でも、基板を固定する治具を要さずに、安定した検査を可能にしました。そして、ハードウェア構造やソフトウェア、検査回路の改良により検査の高速化と装置の小型化・コストダウンも実現しました。
研究開発費は13億76百万円であります。
当社グループの当連結会計年度末における日本での特許及び実用新案の合計所有件数は5,818件であります。
(注)
・ iPhone、iPad、iPod touchは、Apple Inc.の登録商標です。
・ JavaScriptは、Oracle Corporation及びその子会社、関連会社の米国及びその他の国における商標または登録商標です。
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02362] S10022UZ)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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