有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10027AV
テイ・エス テック株式会社 業績等の概要 (2014年3月期)
(1)業績
当期における世界経済は、新興国経済の先行き不透明感はあったものの、総じて堅調に推移しました。当グループの事業環境におきましても、タイの政情不安などによる事業への影響が懸念されましたが、北米及び中国を中心とした自動車需要の回復を背景に、概ね好調に推移しました。このような状況の中、当グループは2020年ビジョン「INNOVATIVE QUALITY COMPANY」を掲げ、「グローバル企業としての進化」を目標とする第11次中期経営計画(2011年4月1日~2014年3月31日)に引き続き取組んでまいりました。
中期経営計画の最終年度となった当期は、主要客先の生産拡大に対応した生産体制及び中国、アジア・欧州地域の現地開発体制の整備をおこなってまいりました。また、主要客先以外への拡販体制強化など将来を見据えた体制整備に取組みました。加えて、地域最適調達、地域間の部品相互補完により部品競争力を更に向上させるなど、今後も厳しさを増す受注競争に勝ち残っていくための諸施策を展開し、第12次中期経営計画(2014年4月1日~2017年3月31日)に向けた準備を着実に進めることができました。
当連結会計年度の売上高は、北米、中国を中心とした主要客先からの受注台数の増加や為替換算上の影響等により、4,570億53百万円と前連結会計年度に比べ977億22百万円(27.2%)の増収となりました。利益面では、増収効果や原価低減効果等により、営業利益は391億33百万円と前連結会計年度に比べ149億13百万円(61.6%)の増益となりました。経常利益は429億37百万円と前連結会計年度に比べ157億27百万円(57.8%)の増益、当期純利益は239億円と前連結会計年度に比べ81億59百万円(51.8%)の増益となりました。
セグメントごとの事業概況及び業績は次のとおりであります。
(日本)
当連結会計年度につきましては、ホンダ新型FIT用シート、ホンダ新型軽自動車N-WGN用シート、ホンダ新型ODYSSEY用シートなどの生産を開始しました。埼玉工場においては国内の生産体質改革の一環として、昨年稼動を開始した新シート工場に続き新内装工場を本格稼動させ、埼玉地区の内装事業の集約による更なる生産効率向上及び物流・管理コストの削減に取組みました。また、鈴鹿工場においては、N-WGN用シートに続く軽自動車用シート及び内装品の受注獲得に向け、主要客先のニーズに呼応した組織体制の整備や、生産ライン改革を進めてまいりました。
日本セグメントの業績は下記のとおりであります。
(単位:百万円)
2013年3月期 | 2014年3月期 | 前期比増減額 | 前期比増減率 | |
売上高 | 93,862 | 104,895 | 11,033 | 11.8% |
営業利益 | 5,323 | 6,893 | 1,570 | 29.5% |
前連結会計年度との主な増減理由
売上高 | 主要客先からの受注台数増加のほか、海外生産の増加に伴うロイヤリティ収入の増加による増収 |
営業利益 | 受注の増加に伴う諸経費の増加はあるものの、増収効果により増益 |
(米州)
自動車需要の回復を背景に主要客先からの受注が好調に推移したほか、継続的に展開してきた収益体質改革の効果もあり、増収増益を達成することができました。引き続き厳しい競合環境が続く米州市場で、更なる競争力の強化を目的として、四輪車用シート部品の製造を集約する新会社をメキシコに設立するなどの諸施策に取組んでまいりました。
米州セグメントの業績は下記のとおりであります。
(単位:百万円)
2013年3月期 | 2014年3月期 | 前期比増減額 | 前期比増減率 | |
売上高 | 172,063 | 214,628 | 42,564 | 24.7% |
営業利益 | 10,212 | 16,334 | 6,122 | 60.0% |
前連結会計年度との主な増減理由
売上高 | 円安による為替換算上の影響のほか、主要客先からの受注台数増加による増収 |
営業利益 | 受注の増加に伴う諸経費の増加はあるものの、増収効果や為替換算影響により増益 |
(中国)
当連結会計年度につきましては、現地専用機種であるホンダCRIDER用シート及び内装品などの生産を開始しました。また、主要客先の地域最適仕様・現地開発ニーズに対応するため、広州市に研究開発機能を担う新会社を設立し、新機種開発業務を開始するなど、今後増加が予測される現地開発機種の受注獲得に向けた体制整備を進めてまいりました。
中国セグメントの業績は下記のとおりであります。
(単位:百万円)
2013年3月期 | 2014年3月期 | 前期比増減額 | 前期比増減率 | |
売上高 | 71,911 | 104,063 | 32,151 | 44.7% |
営業利益 | 8,190 | 13,970 | 5,780 | 70.6% |
前連結会計年度との主な増減理由
売上高 | 円安による為替換算上の影響のほか、主要客先からの受注台数増加による増収 |
営業利益 | 受注の増加に伴う諸経費の増加はあるものの、為替換算影響や増収効果により増益 |
(アジア・欧州)
当連結会計年度につきましては、インドネシアでホンダ新型MOBILIO用シートを、インドでホンダCITY用シート及び内装品、AMAZE用シートなどの生産を開始しました。アジア地域においては、主要客先の生産拡大に対応するため、タイにおいて四輪車用シート生産のための新会社を設立したほか、インドやインドネシアでも新工場を立ち上げるなど、生産体制の整備を進めてまいりました。また、欧州地域においては、ハンガリーに四輪車用シート生産のための新工場の建設を推進し、フォルクスワーゲン向け製品の生産体制の構築に取組みました。
アジア・欧州セグメントの業績は下記のとおりであります。
(単位:百万円)
2013年3月期 | 2014年3月期 | 前期比増減額 | 前期比増減率 | |
売上高 | 50,207 | 67,811 | 17,603 | 35.1% |
営業利益 | 4,878 | 7,994 | 3,115 | 63.9% |
前連結会計年度との主な増減理由
売上高 | 円安による為替換算上の影響のほか、主要客先からの受注台数増加による増収 |
営業利益 | 受注の増加に伴う諸経費の増加はあるものの、増収効果や為替換算影響により増益 |
また、事業別の売上高については下記のとおりであります。
(単位:百万円)
2013年3月期 | 2014年3月期 | 前期比増減額 | 前期比増減率 | ||||
構成比 | 構成比 | ||||||
二輪事業 | 6,800 | 1.9% | 6,855 | 1.5% | 54 | 0.8% | |
四輪事業 | 349,003 | 97.1% | 445,406 | 97.5% | 96,403 | 27.6% | |
(シート) | 308,476 | 85.8% | 396,148 | 86.7% | 87,672 | 28.4% | |
(内装品) | 40,526 | 11.3% | 49,258 | 10.8% | 8,731 | 21.5% | |
その他事業 | 3,527 | 1.0% | 4,791 | 1.0% | 1,263 | 35.8% | |
合計 | 359,331 | 100.0% | 457,053 | 100.0% | 97,722 | 27.2% |
前連結会計年度との主な増減理由
二輪事業 インドにおいて主要客先からの受注台数増加による増収
四輪事業 北米や中国を中心とした各地域において、主要客先からの受注台数が増加したことにより増収
その他事業 四輪バギーやゴルフカートのシート等の受注が増加したことにより増収
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度に比べ231億11百万円増加した結果、当連結会計年度末残高は764億60百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、436億円と前連結会計年度に比べ198億27百万円の増加となりました。これは、売上債権の増減額が前連結会計年度の84億58百万円の増加から83億70百万円の減少となったものの、税金等調整前当期純利益が422億55百万円と前連結会計年度に比べ158億8百万円増加したこと、及び仕入債務の増減額が前連結会計年度の128億98百万円の減少から89億71百万円の増加となったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、182億33百万円と前連結会計年度に比べ72億57百万円の増加となりました。これは、定期預金の預入及び払戻による純増減額が1億26百万円の支出から37億40百万円の収入となったものの、有形固定資産の取得による支出が193億78百万円と前連結会計年度に比べ100億35百万円の増加となったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は、88億98百万円と前連結会計年度に比べ15億93百万円の増加となりました。これは、配当金の支払が29億91百万円と前連結会計年度に比べ12億23百万円の増加となったことなどによるものです。
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