(1)業績
当連結会計年度の経済環境を概観しますと、米国や日本では比較的堅調な回復が続きましたが、新興国での景気の減速等を背景に、世界全体としては緩やかな回復となりました。この間、原油価格は不透明な中東情勢等を反映して大きく変動しましたが、それ以外の商品については、中国の成長鈍化や米国の金融緩和縮小観測等をうけて、おおむね下落基調をたどりました。年始からは、天候要因や地政学的要因等から原油、穀物価格が上昇しました。
米国経済は、株価の上昇や雇用の回復により自動車販売や住宅販売が好調に推移する等、家計部門が下支えとなって景気の回復が続きました。政府予算や債務上限を巡る与野党の対立による不透明感や、寒波による経済活動の停滞から、回復ペースに鈍さが見られましたが、景気の回復基調は維持されました。年末には、米国連邦準備制度理事会が量的金融緩和策の縮小に着手しましたが、市場に大きな混乱は生じませんでした。
欧州経済は、ドイツ、フランス等の主要国で持ち直しの傾向が続きました。ギリシャ、スペイン、イタリア等、緊縮財政を余儀なくされている国では依然景気が低迷しましたが、緩和的な金融環境の継続等を背景に、下げ止まりの兆しも見られはじめました。一方、ウクライナ情勢の混乱を受け、地政学リスクが高まりました。
アジア経済は、内需を中心に成長が続いたものの、中国で消費や投資が伸び悩む等、全体として景気は減速しました。年度の前半には、米国の金融緩和縮小観測をうけ、インドやインドネシア等、一部の国で資本の海外流出が起こりました。その結果、為替の減価、株価の下落等が生じ、政策金利の引上げ等の対応がとられました。また、タイでは、年末から政治的に不安定な状況に見まわれました。
日本経済は、円高基調の修正、株高や景気回復の期待に基づく消費の持ち直し、公共事業を中心とした経済対策の効果により、景気の回復が続きました。また、消費税増税を前にして、消費分野で駆け込み需要が見られ、景気回復に寄与しました。
このような経済環境のなか、当連結会計年度の経営成績は次の通りとなりました。
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| 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 増減 |
売上高 | 13,633,520 | 10,674,395 | 2,959,125 |
売上総利益 | 651,063 | 539,648 | 111,415 |
営業利益 | 157,462 | 128,423 | 29,039 |
持分法による投資損益 | 99,405 | 83,031 | 16,374 |
親会社の所有者に帰属する当期利益 | 210,945 | 130,143 | 80,802 |
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収益 | 7,055,700 | 4,896,048 | 2,159,652 |
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(注)1 | 本資料においては、特に記載がない場合、百万円未満を四捨五入して表示しております。 |
2 | 「売上高」及び「営業利益」は、投資家の便宜を考慮し、日本の会計慣行に従った自主的な表示であり、IFRSで求められている表示ではありません。「売上高」は、取引形態の如何にかかわりなく当社及び連結子会社の関与する全ての取引を含んでおります。「営業利益」は、連結包括利益計算書における「売上総利益」及び「販売費及び一般管理費」(貸倒引当金繰入額を含む)の合計額として表示しております。 |
売上高は、穀物の取扱数量増加を主因として、前連結会計年度比2兆9,591億円(27.7%)増収の13兆6,335億円となりました。売上総利益は、売上高の増収に伴い、前連結会計年度比1,114億円(20.6%)増益の6,511億円となり、営業利益は290億円(22.6%)増益の1,575億円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益(以下、当期利益)は、営業利益の増益に加え、固定資産損益及び有価証券損益の改善、並びに持分法による投資損益の増益により、前連結会計年度比808億円(62.1%)増益の2,109億円となりました。
なお、IFRSに基づく「収益」は、7兆557億円と、前連結会計年度比2兆1,597億円(44.1%)の増収となりました。
当連結会計年度のオペレーティング・セグメント別の業績は次の通りです。
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| 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 増減 |
売上高 | 4,020,145 | 2,257,179 | 1,762,966 |
売上総利益 | 147,585 | 99,396 | 48,189 |
営業利益 | 39,464 | 16,434 | 23,030 |
持分法による投資損益 | 2,763 | 1,093 | 1,670 |
親会社の所有者に帰属する当期利益 | 18,336 | 17,844 | 492 |
売上高は、Gavilonの新規連結、親会社及び子会社での穀物の取扱数量増加による影響等により、前連結会計年度比1兆7,630億円(78.1%)増収の4兆201億円となりました。売上総利益は、売上高の増収及び穀物取引の採算改善等による増益により、前連結会計年度比482億円(48.5%)増益の1,476億円となりました。営業利益は、230億円(140.1%)増益の395億円となったものの、法人税負担の悪化等により、当期利益は、前連結会計年度比5億円増益(2.8%)の183億円となりました。
食糧分野ではGavilonを子会社化しました。Gavilonは米国内に約140の穀物集荷拠点を有しており、当社とGavilonの両社が持つ集荷・販売網を融合し、更なる収益の拡大を目指します。
食品分野では、米国大手の水産物販売会社であるEastern Fishを買収することに合意しました。米国内の販売力及びグループ取扱数量を拡充することで、ボリュームメリットを活かした水産物の調達強化や主要消費地である日米欧への販売拡大を推進します。
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| 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 増減 |
売上高 | 1,258,146 | 1,018,221 | 239,925 |
売上総利益 | 28,351 | 26,595 | 1,756 |
営業利益 | 4,106 | 5,033 | △927 |
持分法による投資損益 | 1,580 | 1,754 | △174 |
親会社の所有者に帰属する当期利益 | 6,414 | 5,187 | 1,227 |
売上高は、親会社での石油化学・合成樹脂製品の取扱数量増加及び円安の影響等により、前連結会計年度比2,399億円(23.6%)増収の1兆2,581億円となりました。売上総利益は、肥料原料、液晶パネル製造装置及び太陽光モジュールの取扱数量増加等により、前連結会計年度比18億円(6.6%)増益の284億円となりました。営業利益は、経費が増加したことにより、9億円(18.4%)減益の41億円となったものの、法人税負担の改善等により、当期利益は、前連結会計年度比12億円(23.7%)増益の64億円となりました。
農業化学品分野ではGavilonを含めた事業会社の業績が、北米・欧州地域を中心に旺盛な農業資材需要を背景に好調に推移しました。電子材料分野では太陽光発電固定価格買取り制度が引き続き追い風となり、ソーラーパネルの販売が堅調に推移しました。石油化学分野では全般的に市況の低迷があったものの、石油化学製品、塩化ビニル関連製品の取引がアジア地域を中心に伸張しました。また、インド国内で初となる合成ゴム製造・販売事業では、11月よりプラントが本格稼動を開始しました。
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| 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 増減 |
売上高 | 3,686,878 | 3,249,813 | 437,065 |
売上総利益 | 49,827 | 53,631 | △3,804 |
営業利益 | 20,639 | 26,022 | △5,383 |
持分法による投資損益 | 3,030 | △862 | 3,892 |
親会社の所有者に帰属する当期利益 | 36,464 | 4,512 | 31,952 |
売上高は、石油トレーディング分野における円安の影響等により、前連結会計年度比4,371億円(13.4%)増収の3兆6,869億円となりました。売上総利益は、石油トレーディング分野の売上高の増収に伴う増益等があったものの、石油・ガス開発分野での生産量減少等による減益が響き、前連結会計年度比38億円(7.1%)減益の498億円となり、営業利益は、前連結会計年度比54億円(20.7%)減益の206億円となりました。持分法による投資損益は、前連結会計年度比39億円(-%)改善の30億円となりました。当期利益は、持分法による投資損益の改善及び固定資産の減損損失等の減少により、前連結会計年度比320億円(708.2%)増益の365億円となりました。
上流資源開発・天然ガス液化事業分野では、米国メキシコ湾石油・ガス生産案件やカタールLNG事業等の既存案件が順調に推移しました。また、新規プロジェクトへの参画に努め、事業基盤の拡充を目指しました。トレーディング分野においては、国内外のトレードインフラやネットワークを駆使して石油製品やLNGトレードを強化し、取扱数量を着実に伸ばしています。新エネルギー分野では、国内最大規模となる82MWの大分メガソーラー発電事業の商業運転を開始しました。
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| 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 増減 |
売上高 | 798,727 | 786,630 | 12,097 |
売上総利益 | 15,617 | 18,898 | △3,281 |
営業利益又は損失(△) | △2,915 | 3,409 | △6,324 |
持分法による投資損益 | 21,068 | 28,632 | △7,564 |
親会社の所有者に帰属する当期利益 | 20,316 | 19,786 | 530 |
売上高は、非鉄軽金属の取扱数量の増加等により、前連結会計年度比121億円(1.5%)増収の7,987億円となりました。売上総利益は、石炭価格の下落等により、前連結会計年度比33億円(17.4%)減益の156億円、営業利益は、63億円(-%)悪化の29億円(損失)となりました。持分法による投資損益は、海外石炭事業での減損損失を主因に、前連結会計年度比76億円(26.4%)減益の211億円となりました。一方、当期利益は、固定資産損益及び法人税負担の改善等により、前連結会計年度比5億円(2.7%)増益の203億円となりました。
当連結会計年度は既保有鉱山の開発と価値向上に注力しました。豪州のロイヒル鉄鉱山とチリのアントコヤ銅鉱山は2015年の生産開始に向けて順調に開発を進めています。また、操業中のエスペランサ銅鉱山、エルテソロ銅鉱山を含むチリのセンチネラ地区での総合開発計画も推進中です。川上での中長期的な観点からの優良資源権益の積み増しに加え、川下までの幅広い分野でも、資源開発とトレードの両面からの収益拡大への取り組みを強化しています。
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| 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 増減 |
売上高 | 694,340 | 684,140 | 10,200 |
売上総利益 | 66,059 | 52,912 | 13,147 |
営業利益 | 14,865 | 11,198 | 3,667 |
持分法による投資損益 | 17,892 | 13,972 | 3,920 |
親会社の所有者に帰属する当期利益 | 23,303 | 17,858 | 5,445 |
売上高は、航空機関連事業の取扱数量増加及び自動車関連海外事業の増収により、前連結会計年度比102億円(1.5%)増収の6,943億円となりました。売上総利益は、自動車関連海外事業の増益及び新規投資事業の寄与により、前連結会計年度比131億円(24.8%)増益の661億円となり、営業利益は、37億円(32.7%)増益の149億円となりました。持分法による投資損益は、航空機リース及び自動車販売金融事業等の増益により、前連結会計年度比39億円(28.1%)増益の179億円となり、当期利益は、前連結会計年度比54億円(30.5%)増益の233億円となりました。
当連結会計年度は、安定収益基盤のさらなる積み上げを目指し、米国の大手航空機リース会社への出資や、新造LNG船の保有・運航事業への出資等、長期アセットをベースに着実に収益を上げる分野への投資実現に注力しました。また、米州の自動車販売金融事業や建設機械の販売・プロダクトサポート事業への新たな出資を行った他、設備機械・農業機械分野での販売事業の強化・拡大を行いました。これらの新規投資効果に加え、航空機エンジン開発投資や船舶の保有・運航事業の好調にも支えられ、当期利益は、前連結会計年度に引き続き増益となりました。
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| 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 増減 |
売上高 | 400,888 | 382,394 | 18,494 |
売上総利益 | 26,644 | 25,416 | 1,228 |
営業利益又は損失(△) | △3,638 | 283 | △3,921 |
持分法による投資損益 | 45,659 | 30,893 | 14,766 |
親会社の所有者に帰属する当期利益 | 27,227 | 23,536 | 3,691 |
売上高は、韓国向け案件の増収等により、前連結会計年度比185億円(4.8%)増収の4,009億円となりました。売上総利益は、売上高の増収や英国コンソリデーション事業の増益により、前連結会計年度比12億円(4.8%)増益の266億円となったものの、新規開発費の増加等により、営業利益は、39億円(-%)悪化の37億円(損失)となりました。一方、当期利益は、海外案件における一過性の損失があったものの、新規案件の持分法による投資損益の増益等により、前連結会計年度比37億円(15.7%)増益の272億円となりました。
海外電力事業分野では、ポルトガル発電事業の買収や米国での風力発電事業参画等により発電容量を拡大し、保有持分容量は出資持分換算で10,000MWを越えました。海外電力EPC(機器納入・工事請負)分野では、ベトナムで石炭火力発電所建設案件を受注しました。また、国内では、三重県、愛知県に跨る木曽岬干拓地でのメガソーラー発電事業、中袖クリーンパワー天然ガス焚き複合火力発電事業への出資や、福島復興・浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業に参画しております。水事業分野ではフィリピンのマニラ首都圏上下水道事業に前連結会計年度の出資参画に続き、当連結会計年度は人員を派遣し本格的に取り組みました。
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| 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 増減 |
売上高 | 445,971 | 257,601 | 188,370 |
売上総利益 | 35,441 | 25,559 | 9,882 |
営業利益 | 11,763 | 3,814 | 7,949 |
持分法による投資損益 | 3,150 | 3,298 | △148 |
親会社の所有者に帰属する当期利益 | 10,302 | 7,126 | 3,176 |
売上高は、中東及びアジア地域を中心としたエネルギー・化学プラント案件の取扱高増加等により、前連結会計年度比1,884億円(73.1%)増収の4,460億円となりました。売上総利益は、繊維プラント関連案件における増益等により、前連結会計年度比99億円(38.7%)増益の354億円となりました。営業利益は、売上総利益の増益に伴い、79億円(208.4%)増益の118億円となり、当期利益は、前連結会計年度比32億円(44.6%)増益の103億円となりました。
プラント分野では、ブラジルやガーナでFPSO(*)傭船事業の取り組みを拡大し、またウルグアイでは日本企業として初となる洋上LNG受入ターミナル運営事業への参画を実現しました。交通・インフラプロジェクト分野では、タイ・バンコク都市鉄道向けに鉄道システム及びメンテナンス事業を受注した他、ミャンマーのティラワ経済特別区開発事業を推進しています。
環境・産業機械の分野では、太陽光設備・部材や飲料用機械の販売が堅調に推移する他、メガソーラー発電事業、各種工場向け熱電併給(コージェネレーション)事業にも取り組んでいます。
(*)浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備
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| 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 増減 |
売上高 | 959,221 | 895,392 | 63,829 |
売上総利益 | 58,253 | 57,142 | 1,111 |
営業利益 | 12,519 | 12,812 | △293 |
持分法による投資損益 | 1,560 | △513 | 2,073 |
親会社の所有者に帰属する当期利益 | 7,184 | 6,524 | 660 |
売上高は、親会社でのゴム製品等の取扱数量増加に加え、子会社での建材、資材等の取扱数量増加等により、前連結会計年度比638億円(7.1%)増収の9,592億円となりました。売上総利益は、紙・板紙製品関連の国内製造事業会社やムシパルプ事業の採算悪化はあったものの、売上高の増収に伴う増益により、前連結会計年度比11億円(1.9%)増益の583億円となりました。持分法による投資損益は、海外パルプ製造販売会社の改善や不採算事業からの撤退により、前連結会計年度比21億円(-%)改善の16億円となり、当期利益は、前連結会計年度比7億円(10.1%)増益の72億円となりました。
当連結会計年度は、国内では、衣料・フットウェア等の販売において、素材・デザイン等の企画・開発提案力の強化を行うとともに、「PRINGLE 1815」、「LACOSTE」、「MERRELL」等ブランド商品の取り扱いによる差別化を図ることで、シェア拡大に努めました。海外では、タイにおいてタイヤ小売事業を展開するB-Quikの店舗数が100店舗を超え、順調に拡大しています。また、ミャンマーにおいて段ボール加工事業を行うOji GS Packaging(Yangon)を設立する等、成長著しいアセアン市場の需要取り込みに向けた施策を推進しました。
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| 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 増減 |
売上高 | 430,658 | 308,800 | 121,858 |
売上総利益 | 88,098 | 70,322 | 17,776 |
営業利益 | 19,645 | 17,289 | 2,356 |
持分法による投資損益 | 1,678 | 3,858 | △2,180 |
親会社の所有者に帰属する当期利益 | 15,748 | 11,655 | 4,093 |
売上高は、MXモバイリング(NECモバイリングから商号変更)の新規連結に伴う増収により、前連結会計年度比1,219億円(39.5%)増収の4,307億円となりました。売上総利益は、売上高の増収により、前連結会計年度比178億円(25.3%)増益の881億円となりました。持分法による投資損益は、ACR Capital Holdingsの大型自然災害に起因した支払保険料の増加等に伴う業績悪化等により、前連結会計年度比22億円(56.5%)減益の17億円となったものの、有価証券損益の増益等により、当期利益は、前連結会計年度比41億円(35.1%)増益の157億円となりました。
当連結会計年度は前連結会計年度に引き続き、業績が順調に推移しました。情報分野では、携帯電話販売代理店MXモバイリングを株式公開買付により子会社化しました。また、企業向けITサービス分野における競争力強化を目指して、野村総合研究所と資本・業務提携に係る契約を締結しました。不動産分野では、三菱地所レジデンスと共同で中国吉林省長春市において日系企業では初となる不動産開発事業に進出しました。
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| 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 増減 |
売上高 | 2,895,626 | 2,206,670 | 688,956 |
売上総利益 | 150,462 | 116,896 | 33,566 |
営業利益 | 42,775 | 29,345 | 13,430 |
持分法による投資損益 | 924 | 1,087 | △163 |
親会社の所有者に帰属する当期利益 | 25,281 | 12,894 | 12,387 |
売上高は、丸紅米国会社を中心とした増収及び円安の影響等により、前連結会計年度比6,890億円(31.2%)増収の2兆8,956億円となりました。売上総利益は、丸紅米国会社傘下の農薬・肥料販売事業会社Helena Chemicalの増益及び円安の影響等により、前連結会計年度比336億円(28.7%)増益の1,505億円となり、営業利益は、前連結会計年度比134億円(45.8%)増益の428億円となりました。この結果、当期利益は、前連結会計年度比124億円(96.1%)増益の253億円となりました。
一部の新興国・地域において景気の減速が続いたものの、総じて見れば先進国を中心に世界経済が持ち直しに向かったことに加え、円安の背景もあり、海外支店・現地法人の業績は、好調に推移しました。
丸紅米国会社の子会社であるHelena Chemicalの業績が堅調であった他、丸紅欧州会社や丸紅アセアン会社等も増益となりました。中期経営計画の重点国の1つに掲げているミャンマーにおいては、駐在員数を倍増させて市場開放に伴う様々なビジネスチャンスに向けた取組体制を強化しています。
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(注)1 | 当連結会計年度より、「ライフスタイル」と「紙パルプ」を統合し「ライフスタイル・紙パルプ」に、「金融・物流・情報」と「全社及び消去等」に含まれていた「開発建設」を再編し、「情報・金融・不動産」としております。また、「プラント・産業機械」の一部を「輸送機」に編入しております。これらに伴い、前連結会計年度のオペレーティング・セグメント情報を組み替えて表示しております。 |
2 | セグメント間取引は、通常の市場価格によって行われております。 |
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における「現金及び現金同等物」の残高は、前連結会計年度末から2,001億円(23.1%)減少し、6,655億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
海外子会社を中心に営業収入が堅調に推移したことにより、2,912億円の収入となりました。前連結会計年度比では511億円の収入の増加であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資不動産売却収入及び国内上場株式売却収入等があった一方で、穀物・肥料の2分野においてトレーディング及び流通事業を展開するGavilonの買収、豪州Roy Hill鉄鉱山プロジェクトへの出資、モバイルソリューションビジネス分野におけるNECモバイリング及びポルトガル発電資産の買収等により7,066億円の支出となりました。前連結会計年度比では5,138億円の支出の増加であります。
以上により、当連結会計年度におけるフリーキャッシュ・フローは4,154億円の支出となりました。前連結会計年度比では4,626億円の支出の増加であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
新規投融資に伴う資金需要を満たすべく借入金、優先株及び社債による資金調達を行った結果、1,968億円の収入となりました。前連結会計年度比では852億円の収入の増加であります。