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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10023HR

有価証券報告書抜粋 株式会社大田花き 業績等の概要 (2014年3月期)


従業員の状況メニュー生産、受注及び販売の状況

(1)業績
当事業年度における我が国経済は、政府・日銀による財政政策・金融政策によって株高と円安が進み、輸出関連産業を中心に企業業績が回復傾向となりました。このような景況感の改善に加え、東京オリンピック・パラリンピックの開催決定を受けた建設業界では、設備投資の増加、インフラのメンテナンスや新設、ビルやマンションの建て替えなどが活発になり、経済が活性化され、誰もが近未来に明るさを見出しています。反面、円安によるエネルギーコストの上昇で、貿易収支の赤字が続くなど、先行きには不透明感も残ります。
個人の消費意欲は盛んで、上期には百貨店などで高級品を中心に堅調な販売が続き、下期には次年度の消費税アップを見込んで不動産から車、白物家電にいたるまで高額商品の動きが活発になりました。また、オンラインショッピングの利用がますます拡大し、小売業界では、いかに商品を早く確実に届けるか、いかに便利に受け取れるかといった、オムニチャネル化が消費者から選ばれるポイントになってきました。そのため、物流施設への投資が活発となり、宅配便の運賃も上昇しました。
当社の事業を取り巻く環境としましては、景気は上向いているものの、生産・消費とも天候の悪さが業績に響いた年度でありました。早い初夏の陽気、猛暑と暑い秋、秋がなくすぐ冬、そして厳しい寒さと2月の大雪と、生産には厳しい天候が続き、量・質ともに課題を残しました。また暖房費が高騰しているため、今季の寒さによって、産地が負担する生産コストは大幅に上昇しました。
消費面では、景気が上を向いていることから法人需要は堅調、婚礼需要は横ばい、葬儀需要の件数は増えるものの規模は縮小傾向でした。最も重要なホームユースは、気温が25度以上で暑い、もしくは5度以下で寒いと、花の消費意欲が減退するため、これも天候に左右されました。
当社はこのような中、切花においては最も品揃えと量が豊富な中央中核市場として、鉢物においては高品質なものを扱う首都圏の専門店向けの卸売業者として営業展開をしました。
力を入れたのは、まず、専門店への花の販売サポートです。結果として、力のある専門店はさらに伸びていますが、スーパーマーケットに顧客を奪われる専門店もあり、明暗が分かれました。スーパーマーケットの花売り場は確実に進化し、専門店と競合しています。
また産地とともに新品目・新品種に取り組みましたが、天候のため本年度は一定の成果でとどまりました。切花の産地においては、輸送費の値上がりが、生産者の収支に大きな影響を及ぼしております。そのため、産地では、今まで以上に売上高に占める運賃の比率を下げていく必要があり、出荷先の集約が行われております。当社は中央中核市場として、産地に関与し入荷量の確保に努めました。
このような結果、当事業年度(2013年4月~2014年3月)の業績は、売上高26,260,253千円(前年同期比1.6%増)となり、内訳をみますと、切花の取扱高24,250,204千円(同2.3%増)、鉢物の取扱高1,889,639千円(同6.5%減)、付帯業務収益120,410千円(同3.6%増)となりました。利益につきましては、営業利益231,594千円(同2.7%増)、経常利益284,257千円(同8.4%増)、当期純利益177,008千円(同19.9%増)と増収増益となりました。

切花、鉢物に関する品目別の概況は次の通りです。

切花売上金額 24,250,204千円(前年同期比 2.3%増)
取扱数量411,067千本( 同 4.0%減)
・切花は、天候不順、円安による輸入品の減少などにより、1年を通して前年並みか、ややそれを下回る入荷状況が続きました。そのため全体的に相場は前年に比べ高めとなり、売上金額も前年を少し上回る結果となりました。
・4月は、天候や円安による影響から多くの品目で前年を下回る入荷量となりました。そのため、前年に比べ、おおむね品薄高で推移するも、キク類においては、3月のお彼岸から続く相場の低迷からなかなか抜け出せず、入荷量・販売金額とも前年を下回りました。
・母の日の需要期においては、事前の注文も多く、スタンダードタイプのカーネーションを中心に品薄感が続きました。特に定番の赤系の引き合いは強く、また、バラやシャクヤク、ヒマワリなどの人気も高まりました。しかしスプレータイプのカーネーションの受注は伸び悩みました。
・夏場の生産の主力となる高冷産地においては、7月になっても寒い日が続き、開花が遅れ出荷がまとまらず、品薄状態が続きました。そのため、7月盆の需要期には、東京都内・近郊の小売店や花束加工業者を中心に引き合いが強まりました。その後、急激な気温の上昇で、小菊は開花が進み入荷が予定より早まりました。その一方で、リンドウやトルコギキョウは主力産地における大雨の影響から、開花時期が予定より遅れ、入荷量が減少、堅調な取引となりました。
・8月を迎えてもリンドウの開花は予定より遅れ、お盆に欠かせない品目でもあることから品薄高で推移しました。小菊は7月下旬から続く開花の前倒しが止まらず、9月出荷予定で作付したものが8月中に出荷されるなどしました。そのためお盆の需要期においても、供給過剰となり販売に苦戦しました。
・9月はお彼岸がありますが、7月~8月に開花が進んだ小菊は9月になると需要に対して品薄、白菊も下位等級品を中心に入荷少なめ、鉄砲ユリは一部の産地で局地的大雨による被害があり前年に比べ入荷量が減少するなど、多くの品目で品薄となりました。そのため、代替品の提案や納期の調整などに努めました。3連休が2週続いたこともあり、敬老の日のギフト、秋のブライダルやイベント向けの需要によって、ダリア・バラなど洋花の引き合いもありました。
・10月~11月にかけては、菊類、バラ、洋ラン類、葉物・枝物など多くの品目で前年に比べ入荷量が減少しました。そのため特に11月は前年を上回る高値となりました。菊類はこの時期の作付けが減少したことや、産地の切り替わるタイミングが合わないことなどにより、バラは気温の低下などにより、また輸入品は全般的に為替の影響によって出荷を調整する動きがあり入荷減となりました。需要面では、ブライダル需要は安定しているものの、10月は毎週台風が発生するなどし、小売向けの販売は厳しい状況でした。量販店・花束加工業者などは、単価高で仕入れを抑えることもあり、当社から充分に供給することができないこともありました。
・12月の上旬は需要も落ち着いていましたが、中旬以降は、次第にクリスマス向けの赤系商材の依頼や問い合わせが増えるなどしました。下旬には年末の需要期に向け、次第に出荷が増え活発な取引となりました。季節商材では、お正月向けの松のうち、丈の短いカラゲ松は、夏場の高温・干ばつや台風の影響から入荷が減少しました。しかし門松は天候の影響をあまり受けず、丈の長いものが増え、松全体では前年を上回る入荷量となりました。同様にお正月商材である千両も、新規産地が増えたことで入荷量は増加しました。しかし事前の情報では品薄が予想されていたため、相場の上昇を期待する生産者が下位等級品まで含めて多く出荷してきたことで、安値となりました。
・1月~2月にかけては、大きな需要がなく、生産も落ち着く時期ではありますが、今年は寒さが一段と厳しかったことで開花が遅れる産地、重油高により施設内を十分に加温できない産地もあり、前年に比べ入荷量が減少する品目が多くありました。そのため、バラ・カーネーション・ラン類・ユリ類など多くの品目で前年より単価高となりました。2月には2度の大雪により、ハウスの倒壊など被害を受ける産地もあり、この影響は長引くことが予想されます。また降雪が週末だったこともあり、小売店や量販店などの店頭販売が伸び悩むなど販売面でも影響を受けました。
・3月に入っても、暖房費の上昇や寒さの影響から、多くの品目で入荷量が前年を下回る状態が続き、前年に比べ単価高となりました。桃の節句、卒業式、婚礼、お彼岸、歓送迎会など需要が多い中、集荷に努めるも入荷量は伸び悩み、販売機会を逃すこととなりました。

鉢物売上金額1,889,639千円(前年同期比 6.5%減)
取扱数量7,991千鉢( 同 5.6%減)
・鉢物は、期間を通して、主にファレノが品薄となり全体の取扱数量・販売金額を押し下げました。原油価格の高騰や為替の影響から燃料コストが増加し、十分な温度管理ができなかったことなどが主な要因です。選挙需要で年末まで好調が続いた前年と比較すると数量・販売金額ともに大幅に下回る結果となりました。その他の基幹品目においても、夏場の猛暑、長雨、台風、豪雪と予見し難い天候の影響を受け、生産施設の被害、作付数量の減少、開花の遅れ等から入荷量が減少することとなりました。
・母の日の需要期には、アジサイなどで室内用のコンパクトな商品の受注量が増加し、単価も高めに推移しました。一方で、品質を重視し、アイテムを厳選したカーネーションの取扱数量は前年を大きく下回りました。
・6月以降、株主総会や東京都議選などからファレノの需要が増加し、単価が大きく上昇しました。前年に引き続き白花に偏る品種構成であったため、色物品種の品薄感も単価に影響を与えました。7月の参院選では、再び単価が上昇し、8月上旬まで堅調に推移しました。しかし盛り上がりは限定的なものでした。
・お中元などのサマーギフトの需要期には、相対販売の強化や商材提案のスタイルを見直すなど、販売に注力をし、注文数を伸ばしました。また、この流れを敬老の日の需要期につなげ、ブーゲンビリアやベゴニアなどの一部ギフト向け商材においては、販売金額・取扱数量ともに前年を上回りました。しかし年々厳しさを増す猛暑の影響から、屋外での植栽が敬遠され、苗物類の相場が低迷しました。
・秋を迎えると、長雨による開花遅れから花鉢類でも品薄となりました。10月には、度重なる台風の接近により、出荷を見合わせる産地が多くありました。そのため、ファレノの需要期である人事異動や秋の叙勲などの際には、品薄感から大型上位等級の引き合いが強まりました。しかし入荷量の減少幅が大きく、販売金額は振るいませんでした。
・気温が下がると、花壇の植替え需要により苗物の入荷量が増え、価格も安定して推移しました。クリスマス商材では、数量限定販売したシクラメンやポインセチアの新品種が注目されました。しかし近年の単価安を受け、ギフト向けの良品を十分に集めることができませんでした。
・イベントとして定着しつつある「フラワーバレンタイン」に向くギフト商材では、耐寒性に富む球根類や多肉植物のアレンジ商品、温かみを感じる明るい色彩のバリエーションが豊富な花鉢の引き合いが強まりました。しかし2月中旬以降は、降雪や気温の低い日が連続したことで消費者の購入マインドが低下し、多くの取引で低調な相場が続きました。
・春のお彼岸の時期を過ぎると、年度末のファレノの法人需要が旺盛となり堅調に推移しました。特にミディタイプや着花30輪前後のミドルサイズの商品が品薄となり、単価が底上げされました。

(2)キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末より388,518千円減少し、1,960,386千円となっております。
当事業年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果減少した資金は、103,837千円(前年同期は485,481千円の増加)となりました。主な減少要因は、仕入債務の減少339,760千円、売上債権の増加118,387千円、法人税等の支払額92,717千円によるものです。また、主な増加要因は、税引前当期純利益284,257千円、減価償却費166,030千円によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は、193,264千円(前年同期は768,507千円の減少)となりました。主な減少要因は、定期預金の預入による支出1,200,000千円、関係会社貸付による支出124,500千円、投資有価証券の取得による支出120,000千円によるものです。また、主な増加要因は、定期預金の払戻による収入1,300,000千円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は、91,416千円(前年同期は78,925千円の減少)となりました。この主な要因は、配当金の支払額60,994千円及びリース債務の返済による支出29,718千円によるものです。

従業員の状況生産、受注及び販売の状況


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02871] S10023HR)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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