株式会社秋川牧園 業績等の概要 (2014年3月期)

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新興国経済の減速や、円安の進行による原材料価格の高騰等の懸念がありましたが、政府の経済政策や金融政策の効果が下支えする中で、企業収益の改善、設備投資の回復、雇用情勢の持ち直し等、緩やかな回復傾向で推移いたしました。
食品業界におきましては、原材料価格の高騰や、2014年4月からの消費税率引き上げなど厳しい環境にありますが、一方で緩やかに回復する景気を背景として、消費者の食の安心・安全に対する関心は再び高まりつつあります。
このような状況の中、当社の主たる販売先である産直型の生活協同組合及び宅配会社に対する主力の鶏肉の販売は、前年同期と比べ増加いたしました。また宅配事業におきましても、引き続き会員数が増加し、販売が伸長いたしました。利益面につきましては、鶏肉と宅配事業の売上増加や、鶏肉一次処理の生産性向上等の増益要因がありましたが、飼料を中心とする原材料価格の高騰の影響により減益となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、45億56百万円(前年同期比6.2%増)、営業損失は3百万円(前年同期は2百万円の利益)、経常利益は34百万円(前年同期比19.0%減)、当期純利益は17百万円(前年同期比4.7%減)となりました。(なお、営業利益が経常利益と比較して少額になっておりますが、それは飼料価格の高騰や鶏卵相場の低迷時に備えた安定基金からの補填金収入等(40百万円)を営業外収益で計上していることが主因であります。)

セグメントの業績は次のとおりであります。
(産直畜産事業)
主に産直型の生活協同組合及び宅配会社へ販売している鶏肉、冷凍加工食品、鶏卵等で構成される産直畜産事業につきましては、鶏肉、冷凍加工食品の販売が堅調に推移し、売上高は前年同期を上回りました。利益面につきましては、鶏肉一次処理の生産性向上等の増益要因がありましたが、飼料を中心とする原材料価格の高騰の影響により減益となりました。
この結果、産直畜産事業の売上高は、36億76百万円(前年同期比5.0%増)、営業利益は2億54百万円(前年同期比8.0%減)となりました。

(総合宅配事業)
当社の食品を中心に会員宅へ商品をお届けする会員制宅配事業につきましては、全国宅配の会員数が首都圏を中心に伸長したことにより、売上高は増加いたしました。利益面につきましては、売上高の増加と粗利率の向上により、損益の改善が進みました。
この結果、総合宅配事業の売上高は、7億25百万円(前年同期比10.7%増)、営業利益は16百万円(前年同期は5百万円の損失)となりました。

(牛乳製造卸売事業)
牛乳や乳製品を生産、販売している牛乳製造卸売事業につきましては、新容器による量販店での販売展開が順調に進行し、売上高は増加いたしました。利益面につきましては、販売費及び一般管理費は増加いたしましたが、売上の増加により損益は改善いたしました。
この結果、牛乳製造卸売事業の売上高は、68百万円(前年同期比16.6%増)、営業損失は16百万円(前年同期は17百万円の損失)となりました。

(その他事業)
牛乳宅配事業(クリム)や青果生産事業等で構成されているその他事業につきましては、売上高は86百万円(前年同期比14.4%増)、営業損失は7百万円(前年同期は8百万円の損失)となりました。

(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益が34百万円(前連結会計年度は39百万円の純利益)となり、長期借入れによる収入(4億70百万円)、減価償却費(2億55百万円)、たな卸資産の減少(1億13百万円)、有価証券の売却及び償還による収入(1億円)等から、長期借入金の返済による支出(3億85百万円)、有形固定資産の取得による支出(2億32百万円)、短期借入金の純減額(1億30百万円)等を控除した結果、前連結会計年度末に比べ、2億27百万円増加し、9億59百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は3億87百万円(前連結会計年度は2億59百万円の獲得)となりました。
これは主として、税金等調整前当期純利益(34百万円)、減価償却費(2億55百万円)、たな卸資産の減少(1億13百万円)等から、売上債権の増加(46百万円)、利息の支払額(18百万円)等を控除した結果によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は88百万円(前連結会計年度は3億3百万円の使用)となりました。
これは主として、有価証券の売却及び償還による収入(1億円)、投資有価証券の売却及び償還による収入(50百万円)等から、有形固定資産の取得による支出(2億32百万円)等を控除した結果によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は71百万円(前連結会計年度は21百万円の獲得)となりました。
これは主として、長期借入れによる収入(4億70百万円)等から、長期借入金の返済による支出(3億85百万円)、短期借入金の純減額(1億30百万円)等を控除した結果によるものであります。