森永製菓株式会社 研究開発活動 (2014年3月期)

当社グループにおける研究開発活動は、「世界の人々の豊かで安全な食生活の実現と健康の増進に貢献していくこと」を使命とし、パイオニアスピリットに溢れた企業活動を通して、お客様に満足していただける商品・サービス・情報を提供すべく、「食」に関連する様々な技術分野において研究を進めております。
なお、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は、19億8千4百万円であります。セグメントごとの研究開発費は「食料品製造」が18億9千1百万円,報告セグメントに含まれない「その他」が9千3百万円であります。

当連結会計年度は、中期経営計画に沿った開発体制の強化として、「既存商品のブラッシュアップ」「新商品開発・次期主力商品の創出」「独自の生産技術を背景とした価値創出」を推進いたしました。また、成長分野への取り組みとして「健康・栄養分野での食品機能の研究」に取り組みました。

(1)「既存商品のブラッシュアップ」
菓子部門では、引き続き主力ブランドの品質向上に注力し、研究開発を行ってまいりました。「ハイチュウ」ブランドでは、12粒ハイチュウ基幹4品の果汁感を向上させる風味改良に取り組むとともに、「超すッパイチュウ」「すッパイチュウ」等を発売いたしました。当社独自の技術を背景にした育成ブランド「ベイク」をさらに拡大するために、165期に発売した「ベイククリーミー」をより柔らかく濃厚なとろける食感に改良いたしました。今期20周年を迎えた「ダース」では、さくさく焼き菓子を練りこんだ「ダースクランチキューブ」を発売いたしました。また、「アントステラ」ブランドを活用した「ステラおばさんのマカダミアナッツクッキー」「ステラおばさんのチョコチップクッキー」を首都圏にて発売いたしました。
食品部門では、スティックタイプの粉末飲料市場に、ココア本来の香りと味わいを大切にしたカカオリッチな「ミルクココアまろやかカカオ」他計3品のスティックタイプの新製品を発売いたしました。伸長する甘酒市場に対しては、米麹本来の味わいが楽しめ、冷水で簡単に溶ける「冷やし麹甘酒」を発売いたしました。
冷菓部門では、主力商品である「チョコモナカジャンボ」について、チョコレートコーチング部分・アイスクリーム部分・モナカ皮部分に対して商品価値向上を目指して、様々な取り組みを進めました。同様に姉妹品である「バニラモナカジャンボ」においても、アイスクリーム部分・モナカ皮部分に改良を加え、よりおいしさにこだわった品質に仕上げました。パリパリチョコとアイスの組み合わせ商品である「サンデーカップ」、「パリパリバー」についても、食感・味わいにこだわった品質改良を行いました。また、「ビスケットサンド」についても、シンプルでリッチ感を味わえる品質へリニューアルいたしました。

健康部門では、カロリーコントロールをキーワードに「ウイダーinゼリー」のラインアップを刷新いたしました。はゼロカロリーでありながら、爽やかなグレープ味で飲みごたえのある食感のゼリー飲料に仕上げました。また飲料では、運動前に飲む「エナジードリンクアップ」、運動後に飲む「プロテインドリンクボディ」、運動中のパフォーマンスを維持する「エナジーウォーターキープ」を開発し、パフォーマンスサポート飲料シリーズとして発売いたしました。

(2)「新商品開発・次期主力商品の創出」
生ラムネに続く新食感グミとして、スムージーの食感をイメージした「スムージーグミ」の3品を発売いたしました。育成ブランドである「カレ・ド・ショコラ」ブランドでは、独自の二度焼き製法で焼き上げたゴーフレットとその食感・味わいを最大限に引き出すチョコレートを合わせた「カレ・ド・ショコラ」を発売いたしました。また、バターやマーガリン、白砂糖を使わずに自然素材にこだわった新機軸の食事系ビスケットとして「マクロビ派ビスケット」を発売いたしました。冷菓部門では、従来品質と比べて特にチョコ食感にこだわったマルチパックアイスバーである「パキシエル」を発売いたしました。健康部門では、当社が独自素材として開発したパッションフルーツ種子エキスの“パセノール™(Passienol™)”を配合した、果実酢の酸味とパッションフルーツ果汁の風味がさわやかなドリンク「ときめく果実酢ドリンク」を開発し、通信販売ルートで発売いたしました。

(3)「独自の生産技術を背景とした価値創出」
他社が容易に真似のできない独創的・差別性のある商品を開発するために165期設立された技術イノベーションセンターと研究開発センターが連携し、試作機や既存設備の設計・製作・改造を行いながら、新たな価値創造・独自の製造技術を開発しております。167期5月にこの取組みによる新製品「Jack」を発売いたしました。

(4)「健康・栄養分野での食品機能の研究」
“パセノール™”の有効成分であるピセアタンノールについて、大学と共同でアンチエイジング作用や体内吸収性に関する研究を行い、国内外の学会で効果を発表しました。特に体内吸収性に関しては、アンチエイジング素材として最も期待されているレスベラトロールよりも優れていることを解明し、学術論文としても発表し、BioTec2013やifia2013などの展示会から各種メディアに取り上げられ、原料メーカーからは取り扱いの、食品・化粧品メーカーからはサンプル提供のお問い合わせを多数いただきました。「天使の健康」ブランドの主力商品である「おいしいコラーゲンドリンク」に関連して、コラーゲンペプチドの擬似老化モデルでの有効性に関する研究成果を学会および学術論文として発表いたしました。また、機能性茶品種“べにふうき”については、独立行政法人農業・食品産業技術研究機構の「機能性を持つ農林水産物・食品開発プロジェクト」に参画し、応用研究について継続して取り組んでいます。
スポーツ栄養分野においては、「ウイダー」ブランドの主力商品である「inゼリー」に関して、大学と共同で実施した「摂取タイミングと運動パフォーマンス」に関する研究成果を学術論文として発表いたしました。