有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1002MIT
アスクル株式会社 事業等のリスク (2014年5月期)
対処すべき課題メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当有価証券報告書提出日(2014年7月31日)現在において判断したものであり、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスク全てを網羅するものではありません。
当社グループの経営成績、財政状態および株価等に影響をおよぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
(1)ヤフー株式会社との業務資本提携契約について
①業務資本提携の内容
当社およびヤフー株式会社は、それぞれの企業価値の最大化を実現するべく、それぞれがBtoCのオンライン通信販売事業およびBtoBの通信販売事業に関して有する集客能力、顧客、仕入先、決済システム、インターネットサービスに係るシステムおよびデザイン技術、物流・配送設備および物流・配送のオペレーション能力、並びに、それらに関するノウハウ、人材その他のリソースを相互に提供し合い、インターネット上のBtoCのオンライン通信販売事業を対象とした新たなeコマースビジネスにおいて、日本の消費者に新たな価値を提供するとともに、事業者に効率的な仕組みの提供を通じた事業強化の機会を提供し、本業務提携開始後2年以内に当該新たなビジネスの分野で圧倒的No.1となることを目標として、2012年4月27日付で両者間において、業務資本提携契約(以下「本業務資本提携契約」といいます。)を締結しております。
当社は本業務資本提携契約に基づき、上記物流インフラの拡充のため、ヤフー株式会社との間で策定した計画に基づき新たに倉庫を建設し、両者で別途合意する倉庫スペースを確保する義務を負い、当該義務に違反した場合には、両者間で合意した事業計画に基づく利益額と実績値との差額を補償料として支払うものとしており、当該義務違反が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
②株式の希薄化等について
本業務資本提携契約に基づく第三者割当増資により、ヤフー株式会社は当社のその他の関係会社となりました。当社およびヤフー株式会社は、それぞれが独立した上場会社として事業運営の独立性を維持して経営していることを尊重しつつ、上記目標の達成を最優先の課題として認識し、最適な事業運営体制を常に考えて参ります。
また、当社が今後、議決権希薄化行為(注)を行おうとする場合には、ヤフー株式会社に対して、議決権希薄化行為を行う旨およびその条件を書面にて通知した上で、議決権希薄化行為の直前の時点におけるヤフー株式会社の当社の株式に係る議決権割合を維持するために必要なあらゆる措置を適時かつ適切に講じるものとします。加えて、当社は、当社の新株予約権その他の潜在株式の行使又は株式への転換(以下「新株予約権行使等」といいます。)により、当該新株予約権行使等の直後の時点におけるヤフー株式会社の当社株式に係る議決権割合が、(a)本第三者割当に係る払込期日直後の時点におけるヤフー株式会社およびその子会社の当社株式に係る議決権割合よりも100分の1以上低下し、かつ、(b)直前に上記措置を講じた時点におけるヤフー株式会社およびその子会社の当社の株式に係る議決権割合よりも100分の1以上低下した場合には、ヤフー株式会社に対して、その旨を書面にて通知した上で、本第三者割当に係る払込期日直後の時点におけるヤフー株式会社およびその子会社の当社株式に係る議決権割合を回復又は維持するために必要なあらゆる措置を講じるものとしております。このため、当該措置を講じた場合、当社の株式の議決権の希薄化が生じる可能性があります。
(注)当社の株式の議決権の希薄化が生じる可能性のある一切の行為(募集株式の発行、自己株式の処分、株式の発行を伴う組織再編等、議決権の希薄化が現に生じる行為のほか、新株予約権、議決権のある株式に転換可能な種類株式その他の潜在株式の発行等、将来議決権の希薄化が生じる可能性のある行為を含みます。但し、既に発行済の新株予約権の行使による当社の株式の発行若しくはそれに伴う自己株式の交付、又は、当社の単元未満株式を有する株主から、会社法第194条第1項および当社の定款第10条に基づく単元未満株式の売渡請求がなされた場合において、当社がその保有する自己株式を当該株主に売り渡す行為を除きます。)を指します。
(2)BtoBの通信販売事業モデルについて
①事業モデルを支えるコンセプト
当社グループの主たる事業は、サプライヤーをはじめとして、実質的に当社グループに代わってお客様開拓や集金業務および債権管理を担う当社グループ独特のエージェント、運送会社、情報システムの開発および保守・運用会社等多くの協力会社によって支えられております。それぞれの機能により、役割を分担・補完し合い、お互いにパートナーとして戦略的に連携(コラボレーション)し、業務や機能の重複、時間やコストの無駄を排除して顧客価値の最大化を図るバリューチェーンの考え方が当社グループの基本スタンスにあります。当社グループでは、事業モデルを支えるパートナー企業との良好な関係の維持に努めておりますが、各社の経営状況の変化等によって、提携による業務委託等の継続ができなくなった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
②事業モデルにおけるエージェントの役割
当社グループの主たる事業モデルにおいて、エージェント制度の採用が大きな特徴となっております。お客様への販売代金回収は、担当エージェント側でその回収リスクを負い、当社グループ側ではエージェント(約1,400社)に対する売掛金について回収リスクを負う体制であります。当社グループでは、エージェントの成長力を維持・向上させるためのインセンティブプランなどによりエージェント活動の活性化を促すとともに、エージェントの経営基盤を強固にするための施策を実施しております。また、経済環境の悪化などによりエージェントに倒産等の事由が生じた場合には、当該エージェントが担当しているお客様は速やかに当社グループさらには後任の担当エージェントに引継がれますので、当社グループの経営成績に与える影響は限定的と考えられますが、潜在的な可能性として、エージェントの倒産等によって回収リスクが発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループはお客様開拓を優先するためにエージェントを無制限に増やすようなことはせず、エージェントの選定や契約に際して一定の基準および手続を設け、エージェントに対してアスクル事業を展開する財務基盤等を確認し、かつ当社グループの事業コンセプトへの理解を促しております。
③広告宣伝とエージェントとの関係
エージェントがお客様開拓を行う一方、当社グループでも新聞広告・インターネット広告等全国的な広告宣伝やキャンペーンを実施しております。広告宣伝等の効果により、お客様から当社グループへ直接登録のお申込みが数多くあり、その際は、社内の規定に従って担当エージェントを決定し、集金業務および債権管理を行っております。決定した担当エージェントからは、当社グループが実施した広告宣伝費の一部として、顧客獲得に応じて広告宣伝協力金を負担いただいておりますが、広告宣伝等の効果が低下して直接申込み比率が低下することによる広告宣伝協力金の減少や広告宣伝等のコスト増加に伴い当社グループが負担する広告宣伝費が増加した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
④カタログ発刊に関するリスク
当社では、インターネットのご利用も増加してはおりますが、多くのお客様は当社グループの発刊するカタログから必要な商品の選定を行います。取扱商品の選定とカタログ制作におきましては、表示品質を管理する専門組織を設置し、細心の注意を払っておりますが、カタログの表示内容に重大な瑕疵が発生した場合には、カタログを回収せざるを得ない事態が考えられます。その場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3)商品の仕入と在庫リスクについて
商品に関して、サプライヤーとの間では当社グループの販売力に応じて安定した商品供給体制を整えていただくよう要請しております。しかしながら、社会経済環境の変化等から生じる原材料の高騰や入手困難等による生産制限または製造原価の上昇や、為替レートの急激な変動などにより安定した商品仕入ができない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。なお、当社グループの販売数量が多い商品についてはサプライヤーの分散を図っておりますが、災害等により特定のサプライヤーからの供給がストップした場合で速やかなサプライヤーの代替が困難なときは、販売に支障をきたす可能性があります。各商品につきましては、お客様の購買動向を「需要予測システム」にて分析し「SYNCHROMART(シンクロマート)」システムで、サプライヤーと在庫・需要予測情報を共有することにより、サプライヤー側で製造や需要に応じた在庫保有が可能となり、品切れによる販売機会ロスを減らし、お客様満足度の低下の極小化を目指しております。しかし、新規取扱商品や夏場の飲料水等季節商品、感染症対策のための衛生用品、災害等で一時的に需要に供給が追い付かない商品などで品切れが生じるケースもあります。さらにBtoCのオンライン通信販売事業においては、嗜好が多岐にわたりかつトレンド変化の早い一般消費者向け商品を多数取り揃えなければならないことから、今後さらに需要予測の精度向上を図り、サプライヤーとも充分な連携を行い、品切れリスクや偏在リスクをなくすなど、適正在庫を維持するよう効率的なデマンドチェーン・マネジメントに努めますが、予測を誤った場合またはシステムトラブル等により在庫不足または過剰在庫となる可能性があります。これらの結果、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4)設備投資について
当社グループのコア・コンピタンスを支える基盤は、情報技術(IT)の活用によるところが多くあります。ITやインターネット関連の技術は著しく変化し、当社グループではそれらのテクノロジーにいち早く対応するために、ソフトウエアを中心に継続的投資を行っております。ITの進歩が著しく、投資したソフトウエア等の利用可能期間が、当初予定したものより短くなった場合、残存期間分の償却が一時に発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、継続的に実施しているソフトウエアの追加投資や大幅な改良を伴うシステムの再構築を行う場合、ソフトウエアのバグなどの要因による開発スケジュールの遅延や稼動後にソフトウエアの品質に問題が生じる可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、ソフトウエアを対象とした投資に加え、業容拡大に伴う物流センターの新設や増改築などの投資を継続的に行うと共に、BtoCのオンライン通信販売事業の拡大のため、物流インフラや情報システムについて大規模な新規設備投資を進めております。いずれの設備投資の実施に際しましても、充分な投資対効果の検証を行った上で実施しておりますが、その効果が充分でない場合、またはその効果の発現が予測より遅れた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5)インターネット通信販売について
①インターネットの障害等について
当社グループでは、FAXによるカタログ通信販売と並列して、WEB上の「アスクル・インターネットショップ」「ソロエルアリーナ」「ソロエルエンタープライズ」および個人のお客様向け専用サイト「LOHACO」等のサイトを通じてインターネットによる注文を受付けております。
インターネットの急速な普及と相俟って、当社グループにおけるインターネット注文比率は上昇しております。このような状況下、インターネットに特有な技術的または社会的なリスク要因が増大するとみられますが、当社グループではインターネットサーバーの分散化、最新化および通信回線容量の増強を図るとともに、万一の障害や事故に備えた基幹システムの二重化およびリアルタイムのバックアップ体制の整備、不正アクセスやコンピュータウィルスを防御するネットワーク・セキュリティの強化を行っております。また、当社グループでは、個人情報保護マネジメントシステムの要求事項(JIS Q 15001)の審査を受け、2006年1月に財団法人日本情報処理開発協会(JIPDEC)よりプライバシーマーク付与を認定されており、同要求事項に沿ったマネジメントシステムを確立し、お客様情報および個人情報の保護においても必要な管理体制を整えております。今後も引き続きネットワーク・セキュリティと情報管理に関しまして強化を図ってまいります。しかし、基幹システムやネットワークの障害、ウィルスの侵入等を完全に予防または回避することは困難であり、当社グループの事業運営に重大な支障が発生する可能性やお客様情報の流出等によって社会的な信用の低下や損害賠償請求を受ける可能性があります。これにより、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
②インターネット通信販売の法的規制について
当社グループは、通信販売業者として、また、「アスクル・インターネットショップ」「ソロエルアリーナ」および個人のお客様向け専用サイト「LOHACO」等はインターネットによる電子商取引に該当するため、「特定商取引に関する法律」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」等の規制を受けております。また、社団法人日本通信販売協会が制定した「通信販売業における電子商取引のガイドライン」等の自主規制に準拠して事業を運営しております。今後、これらの規制の改正や新たな法的規制が設けられる場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
(6)物流サービスについて
①物流サービス品質について
当社100%子会社のBizex株式会社において、高品質なサービスの提供に努めておりますが、重大な荷物の破損、紛失等といった不具合が発生した場合や荷札などに記載されているお客様情報が管理の不徹底などにより外部に流出した場合には、社会的な信用の低下や損害賠償請求を受ける可能性があり、この場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
②重大な交通事故の発生について
当社100%子会社のBizex株式会社において配送業務における車両の利用に際しては、交通法規遵守のための教育や安全対策を実施しておりますが、重大な交通事故や法令違反が発生した場合、社会的信用の低下や行政処分が行われる可能性があり、この場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
③燃料などの市況について
当社グループで取り組んでいる環境活動や無駄を排除する活動などにより、効率的な配送を行っておりますが、車両に用いる燃料価格が高騰した場合や災害等により燃料の調達網が被害を受けた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(7)薬事法をはじめとする関連法規等による規制
当社グループは、医療・介護施設向け用品や医療機関向けの医療専門商材、一般消費者向けの医薬品、健康食品、酒類等をはじめ多岐にわたる商材を取り扱っております。これらの商材の販売および管理は、「薬事法」をはじめとする関連法規等により規制を受けるものもあり、必要な各種許認可の取得、登録、届出等を行っております。
その他、当社グループは、特定・一般建設業の許可、第一種貨物利用運送事業の登録、一般貨物自動車運送事業の許可、貨物軽自動車運送事業の届出、倉庫業の登録、その他各種許認可の取得、登録、届出等を行っております。
これらに関連する法令の規制の改正や新たな法的規制が設けられる場合、あるいはこれらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの営業活動が制限され、業績が影響を受ける可能性があります。
(8)商品調達について
世界レベルでの原材料価格や為替レートの急激な変動により、仕入価格の上昇などの影響が発生する可能性がありますが、このような場合でも、お客様に対し仕入価格の上昇分を充分に転嫁しきれない場合があります。これに対し、当社グループではコスト削減のための企業努力に注力いたしますが、企業努力によっても仕入価格の上昇分を補いきれない場合、或いは一時的な流行や災害等による需給バランスの悪化などにより、商品の供給が不足する場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。また、当社グループでは、商品品質の管理部署を設置し、商品及び商品調達先の選定・管理に万全を期しておりますが、商品の品質問題に起因するリコール等が発生した場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
(9)カントリーリスクについて
当社グループは、輸入商品の取扱や中国における商品販売の実施など、海外での取引を行っており、諸外国政府による規制や法令の改正、政治的、経済的な不安定さ、信用経済の発達度合いおよび資金移動の制約などに起因したカントリーリスクが存在します。カントリーリスクに対しては、案件ごとにその回避策を講じてリスク管理に努めておりますが、これらカントリーリスクを完全に回避できるものではなく、リスクが顕在化した場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
(10)自然災害におけるリスクについて
当社グループは、2011年3月11日の東日本大震災により、旧本社および仙台物流センターにおいて甚大な被害を受けました。従来より、火災や感染症における新型インフルエンザや鳥インフルエンザなどを想定した事業継続計画を構築し、また、受注センター・お問合せセンター・物流センターを複数設置し、リスク分散を行っておりましたが、東日本大震災の被害を受けて、事業継続計画の見直しを継続して行っております。しかしながら、地震や台風等による自然災害の発生確率は依然として高いことから、想定以上の地震やその他自然災害が発生し、事業所が被害を受けた場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当有価証券報告書提出日(2014年7月31日)現在において判断したものであり、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスク全てを網羅するものではありません。
当社グループの経営成績、財政状態および株価等に影響をおよぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
(1)ヤフー株式会社との業務資本提携契約について
①業務資本提携の内容
当社およびヤフー株式会社は、それぞれの企業価値の最大化を実現するべく、それぞれがBtoCのオンライン通信販売事業およびBtoBの通信販売事業に関して有する集客能力、顧客、仕入先、決済システム、インターネットサービスに係るシステムおよびデザイン技術、物流・配送設備および物流・配送のオペレーション能力、並びに、それらに関するノウハウ、人材その他のリソースを相互に提供し合い、インターネット上のBtoCのオンライン通信販売事業を対象とした新たなeコマースビジネスにおいて、日本の消費者に新たな価値を提供するとともに、事業者に効率的な仕組みの提供を通じた事業強化の機会を提供し、本業務提携開始後2年以内に当該新たなビジネスの分野で圧倒的No.1となることを目標として、2012年4月27日付で両者間において、業務資本提携契約(以下「本業務資本提携契約」といいます。)を締結しております。
当社は本業務資本提携契約に基づき、上記物流インフラの拡充のため、ヤフー株式会社との間で策定した計画に基づき新たに倉庫を建設し、両者で別途合意する倉庫スペースを確保する義務を負い、当該義務に違反した場合には、両者間で合意した事業計画に基づく利益額と実績値との差額を補償料として支払うものとしており、当該義務違反が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
②株式の希薄化等について
本業務資本提携契約に基づく第三者割当増資により、ヤフー株式会社は当社のその他の関係会社となりました。当社およびヤフー株式会社は、それぞれが独立した上場会社として事業運営の独立性を維持して経営していることを尊重しつつ、上記目標の達成を最優先の課題として認識し、最適な事業運営体制を常に考えて参ります。
また、当社が今後、議決権希薄化行為(注)を行おうとする場合には、ヤフー株式会社に対して、議決権希薄化行為を行う旨およびその条件を書面にて通知した上で、議決権希薄化行為の直前の時点におけるヤフー株式会社の当社の株式に係る議決権割合を維持するために必要なあらゆる措置を適時かつ適切に講じるものとします。加えて、当社は、当社の新株予約権その他の潜在株式の行使又は株式への転換(以下「新株予約権行使等」といいます。)により、当該新株予約権行使等の直後の時点におけるヤフー株式会社の当社株式に係る議決権割合が、(a)本第三者割当に係る払込期日直後の時点におけるヤフー株式会社およびその子会社の当社株式に係る議決権割合よりも100分の1以上低下し、かつ、(b)直前に上記措置を講じた時点におけるヤフー株式会社およびその子会社の当社の株式に係る議決権割合よりも100分の1以上低下した場合には、ヤフー株式会社に対して、その旨を書面にて通知した上で、本第三者割当に係る払込期日直後の時点におけるヤフー株式会社およびその子会社の当社株式に係る議決権割合を回復又は維持するために必要なあらゆる措置を講じるものとしております。このため、当該措置を講じた場合、当社の株式の議決権の希薄化が生じる可能性があります。
(注)当社の株式の議決権の希薄化が生じる可能性のある一切の行為(募集株式の発行、自己株式の処分、株式の発行を伴う組織再編等、議決権の希薄化が現に生じる行為のほか、新株予約権、議決権のある株式に転換可能な種類株式その他の潜在株式の発行等、将来議決権の希薄化が生じる可能性のある行為を含みます。但し、既に発行済の新株予約権の行使による当社の株式の発行若しくはそれに伴う自己株式の交付、又は、当社の単元未満株式を有する株主から、会社法第194条第1項および当社の定款第10条に基づく単元未満株式の売渡請求がなされた場合において、当社がその保有する自己株式を当該株主に売り渡す行為を除きます。)を指します。
(2)BtoBの通信販売事業モデルについて
①事業モデルを支えるコンセプト
当社グループの主たる事業は、サプライヤーをはじめとして、実質的に当社グループに代わってお客様開拓や集金業務および債権管理を担う当社グループ独特のエージェント、運送会社、情報システムの開発および保守・運用会社等多くの協力会社によって支えられております。それぞれの機能により、役割を分担・補完し合い、お互いにパートナーとして戦略的に連携(コラボレーション)し、業務や機能の重複、時間やコストの無駄を排除して顧客価値の最大化を図るバリューチェーンの考え方が当社グループの基本スタンスにあります。当社グループでは、事業モデルを支えるパートナー企業との良好な関係の維持に努めておりますが、各社の経営状況の変化等によって、提携による業務委託等の継続ができなくなった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
②事業モデルにおけるエージェントの役割
当社グループの主たる事業モデルにおいて、エージェント制度の採用が大きな特徴となっております。お客様への販売代金回収は、担当エージェント側でその回収リスクを負い、当社グループ側ではエージェント(約1,400社)に対する売掛金について回収リスクを負う体制であります。当社グループでは、エージェントの成長力を維持・向上させるためのインセンティブプランなどによりエージェント活動の活性化を促すとともに、エージェントの経営基盤を強固にするための施策を実施しております。また、経済環境の悪化などによりエージェントに倒産等の事由が生じた場合には、当該エージェントが担当しているお客様は速やかに当社グループさらには後任の担当エージェントに引継がれますので、当社グループの経営成績に与える影響は限定的と考えられますが、潜在的な可能性として、エージェントの倒産等によって回収リスクが発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループはお客様開拓を優先するためにエージェントを無制限に増やすようなことはせず、エージェントの選定や契約に際して一定の基準および手続を設け、エージェントに対してアスクル事業を展開する財務基盤等を確認し、かつ当社グループの事業コンセプトへの理解を促しております。
③広告宣伝とエージェントとの関係
エージェントがお客様開拓を行う一方、当社グループでも新聞広告・インターネット広告等全国的な広告宣伝やキャンペーンを実施しております。広告宣伝等の効果により、お客様から当社グループへ直接登録のお申込みが数多くあり、その際は、社内の規定に従って担当エージェントを決定し、集金業務および債権管理を行っております。決定した担当エージェントからは、当社グループが実施した広告宣伝費の一部として、顧客獲得に応じて広告宣伝協力金を負担いただいておりますが、広告宣伝等の効果が低下して直接申込み比率が低下することによる広告宣伝協力金の減少や広告宣伝等のコスト増加に伴い当社グループが負担する広告宣伝費が増加した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
④カタログ発刊に関するリスク
当社では、インターネットのご利用も増加してはおりますが、多くのお客様は当社グループの発刊するカタログから必要な商品の選定を行います。取扱商品の選定とカタログ制作におきましては、表示品質を管理する専門組織を設置し、細心の注意を払っておりますが、カタログの表示内容に重大な瑕疵が発生した場合には、カタログを回収せざるを得ない事態が考えられます。その場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3)商品の仕入と在庫リスクについて
商品に関して、サプライヤーとの間では当社グループの販売力に応じて安定した商品供給体制を整えていただくよう要請しております。しかしながら、社会経済環境の変化等から生じる原材料の高騰や入手困難等による生産制限または製造原価の上昇や、為替レートの急激な変動などにより安定した商品仕入ができない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。なお、当社グループの販売数量が多い商品についてはサプライヤーの分散を図っておりますが、災害等により特定のサプライヤーからの供給がストップした場合で速やかなサプライヤーの代替が困難なときは、販売に支障をきたす可能性があります。各商品につきましては、お客様の購買動向を「需要予測システム」にて分析し「SYNCHROMART(シンクロマート)」システムで、サプライヤーと在庫・需要予測情報を共有することにより、サプライヤー側で製造や需要に応じた在庫保有が可能となり、品切れによる販売機会ロスを減らし、お客様満足度の低下の極小化を目指しております。しかし、新規取扱商品や夏場の飲料水等季節商品、感染症対策のための衛生用品、災害等で一時的に需要に供給が追い付かない商品などで品切れが生じるケースもあります。さらにBtoCのオンライン通信販売事業においては、嗜好が多岐にわたりかつトレンド変化の早い一般消費者向け商品を多数取り揃えなければならないことから、今後さらに需要予測の精度向上を図り、サプライヤーとも充分な連携を行い、品切れリスクや偏在リスクをなくすなど、適正在庫を維持するよう効率的なデマンドチェーン・マネジメントに努めますが、予測を誤った場合またはシステムトラブル等により在庫不足または過剰在庫となる可能性があります。これらの結果、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4)設備投資について
当社グループのコア・コンピタンスを支える基盤は、情報技術(IT)の活用によるところが多くあります。ITやインターネット関連の技術は著しく変化し、当社グループではそれらのテクノロジーにいち早く対応するために、ソフトウエアを中心に継続的投資を行っております。ITの進歩が著しく、投資したソフトウエア等の利用可能期間が、当初予定したものより短くなった場合、残存期間分の償却が一時に発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、継続的に実施しているソフトウエアの追加投資や大幅な改良を伴うシステムの再構築を行う場合、ソフトウエアのバグなどの要因による開発スケジュールの遅延や稼動後にソフトウエアの品質に問題が生じる可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、ソフトウエアを対象とした投資に加え、業容拡大に伴う物流センターの新設や増改築などの投資を継続的に行うと共に、BtoCのオンライン通信販売事業の拡大のため、物流インフラや情報システムについて大規模な新規設備投資を進めております。いずれの設備投資の実施に際しましても、充分な投資対効果の検証を行った上で実施しておりますが、その効果が充分でない場合、またはその効果の発現が予測より遅れた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5)インターネット通信販売について
①インターネットの障害等について
当社グループでは、FAXによるカタログ通信販売と並列して、WEB上の「アスクル・インターネットショップ」「ソロエルアリーナ」「ソロエルエンタープライズ」および個人のお客様向け専用サイト「LOHACO」等のサイトを通じてインターネットによる注文を受付けております。
インターネットの急速な普及と相俟って、当社グループにおけるインターネット注文比率は上昇しております。このような状況下、インターネットに特有な技術的または社会的なリスク要因が増大するとみられますが、当社グループではインターネットサーバーの分散化、最新化および通信回線容量の増強を図るとともに、万一の障害や事故に備えた基幹システムの二重化およびリアルタイムのバックアップ体制の整備、不正アクセスやコンピュータウィルスを防御するネットワーク・セキュリティの強化を行っております。また、当社グループでは、個人情報保護マネジメントシステムの要求事項(JIS Q 15001)の審査を受け、2006年1月に財団法人日本情報処理開発協会(JIPDEC)よりプライバシーマーク付与を認定されており、同要求事項に沿ったマネジメントシステムを確立し、お客様情報および個人情報の保護においても必要な管理体制を整えております。今後も引き続きネットワーク・セキュリティと情報管理に関しまして強化を図ってまいります。しかし、基幹システムやネットワークの障害、ウィルスの侵入等を完全に予防または回避することは困難であり、当社グループの事業運営に重大な支障が発生する可能性やお客様情報の流出等によって社会的な信用の低下や損害賠償請求を受ける可能性があります。これにより、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
②インターネット通信販売の法的規制について
当社グループは、通信販売業者として、また、「アスクル・インターネットショップ」「ソロエルアリーナ」および個人のお客様向け専用サイト「LOHACO」等はインターネットによる電子商取引に該当するため、「特定商取引に関する法律」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」等の規制を受けております。また、社団法人日本通信販売協会が制定した「通信販売業における電子商取引のガイドライン」等の自主規制に準拠して事業を運営しております。今後、これらの規制の改正や新たな法的規制が設けられる場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
(6)物流サービスについて
①物流サービス品質について
当社100%子会社のBizex株式会社において、高品質なサービスの提供に努めておりますが、重大な荷物の破損、紛失等といった不具合が発生した場合や荷札などに記載されているお客様情報が管理の不徹底などにより外部に流出した場合には、社会的な信用の低下や損害賠償請求を受ける可能性があり、この場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
②重大な交通事故の発生について
当社100%子会社のBizex株式会社において配送業務における車両の利用に際しては、交通法規遵守のための教育や安全対策を実施しておりますが、重大な交通事故や法令違反が発生した場合、社会的信用の低下や行政処分が行われる可能性があり、この場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
③燃料などの市況について
当社グループで取り組んでいる環境活動や無駄を排除する活動などにより、効率的な配送を行っておりますが、車両に用いる燃料価格が高騰した場合や災害等により燃料の調達網が被害を受けた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(7)薬事法をはじめとする関連法規等による規制
当社グループは、医療・介護施設向け用品や医療機関向けの医療専門商材、一般消費者向けの医薬品、健康食品、酒類等をはじめ多岐にわたる商材を取り扱っております。これらの商材の販売および管理は、「薬事法」をはじめとする関連法規等により規制を受けるものもあり、必要な各種許認可の取得、登録、届出等を行っております。
その他、当社グループは、特定・一般建設業の許可、第一種貨物利用運送事業の登録、一般貨物自動車運送事業の許可、貨物軽自動車運送事業の届出、倉庫業の登録、その他各種許認可の取得、登録、届出等を行っております。
これらに関連する法令の規制の改正や新たな法的規制が設けられる場合、あるいはこれらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの営業活動が制限され、業績が影響を受ける可能性があります。
(8)商品調達について
世界レベルでの原材料価格や為替レートの急激な変動により、仕入価格の上昇などの影響が発生する可能性がありますが、このような場合でも、お客様に対し仕入価格の上昇分を充分に転嫁しきれない場合があります。これに対し、当社グループではコスト削減のための企業努力に注力いたしますが、企業努力によっても仕入価格の上昇分を補いきれない場合、或いは一時的な流行や災害等による需給バランスの悪化などにより、商品の供給が不足する場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。また、当社グループでは、商品品質の管理部署を設置し、商品及び商品調達先の選定・管理に万全を期しておりますが、商品の品質問題に起因するリコール等が発生した場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
(9)カントリーリスクについて
当社グループは、輸入商品の取扱や中国における商品販売の実施など、海外での取引を行っており、諸外国政府による規制や法令の改正、政治的、経済的な不安定さ、信用経済の発達度合いおよび資金移動の制約などに起因したカントリーリスクが存在します。カントリーリスクに対しては、案件ごとにその回避策を講じてリスク管理に努めておりますが、これらカントリーリスクを完全に回避できるものではなく、リスクが顕在化した場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
(10)自然災害におけるリスクについて
当社グループは、2011年3月11日の東日本大震災により、旧本社および仙台物流センターにおいて甚大な被害を受けました。従来より、火災や感染症における新型インフルエンザや鳥インフルエンザなどを想定した事業継続計画を構築し、また、受注センター・お問合せセンター・物流センターを複数設置し、リスク分散を行っておりましたが、東日本大震災の被害を受けて、事業継続計画の見直しを継続して行っております。しかしながら、地震や台風等による自然災害の発生確率は依然として高いことから、想定以上の地震やその他自然災害が発生し、事業所が被害を受けた場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
対処すべき課題財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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