株式会社ニッチツ 業績等の概要 (2014年3月期)

(1)業績
当連結会計年度のわが国経済は、消費増税を前に、個人消費、住宅投資が堅調に推移するとともに、公共投資の下支えもあり、景気は全体として緩やかな回復傾向を示しました。
当社グループを取り巻く事業環境は、機械関連については、舶用機器の需要は、足許の海運市況の低迷等を背景とする国内造船所における新造船の建造ペースの減速により減少いたしましたが、産業機器の需要は、製鉄関連、重電関連とも伸長いたしました。資源関連については、住宅関連資材向け需要は総じて堅調に推移いたしましたが、半導体、情報通信関連分野の需要は、パソコン関連需要の低迷等の影響を受け全般に低調に推移し、賃貸ビル業においても、都内オフィスビルの平均空室率は依然高水準となっております。
このような状況の中で、当社グループは、生産体制の拡充や品質管理の強化により顧客ニーズへの一層の対応に努めるとともに、受注全般について引き続き採算管理の徹底を図る等、全事業部門を通じて、売上高の確保とコスト削減、業務の効率化等による収益力の強化に努め、また、営業外において中国合弁会社の業績向上に伴う持分法による投資利益の改善があったものの、舶用機器や半導体、情報通信関連分野の需要減少の影響を吸収するには至りませんでした。
この結果、当連結会計年度の売上高は87億1千2百万円(前連結会計年度比9.3%減)、営業利益は1億4千8百万円(同70.8%減)、経常利益は3億8千8百万円(同35.1%減)、当期純利益は2億4千4百万円(同31.1%減)となりました。

セグメントの業績は次のとおりであります。

①機械関連事業
舶用機器は、足許の海運市況の低迷等を背景とする国内造船所における新造船の建造ペースの減速に伴い、売上、受注とも減少いたしました。産業機器は、空気予熱機関連の需要が減少したものの、製鉄関連及び重電関連の需要が堅調であったことから、売上、受注とも増加いたしました。
この結果、機械関連事業全体では、売上高は57億7千7百万円(前連結会計年度比7.0%減)、営業利益は3億7千9百万円(同18.3%減)となりました。

②資源関連事業
結晶質石灰石の需要は、住宅関連資材向けは総じて堅調に推移したものの、出荷は、事業所の所在する埼玉県秩父地区における本年2月中旬の大雪被害により、2ヶ月弱の期間、生産停止を余儀なくされ、その影響等により前年度との対比では減少いたしました。
また、半導体封止材などの原料であるハイシリカ(精製珪石粉等)は、パソコン関連需要の低迷等の影響を受け全般に低調に推移する一方、砂利、砂等の土木建設資材の取り扱いも減少いたしました。
この結果、資源関連事業全体では、売上高は21億2千7百万円(前連結会計年度比14.9%減)、営業損失は2億9千3百万円(前連結会計年度は営業損失7千2百万円)となりました。

③不動産関連事業
賃貸ビル市況が低迷する中、稼働率の低下等により、売上高は1億2千3百万円(前連結会計年度比11.5%減)、営業利益は4千2百万円(同36.3%減)となりました。

④その他
耐熱塗料の出荷は、設備用が減少したものの、OA機器向け輸出仕様品等工業用が回復し微増となりましたが、ライナテックス(高純度天然ゴム)関連の出荷が、セメント業界向け大型案件のあった前年度との対比で減少し、この結果、「その他」合計では、売上高は6億8千3百万円(前連結会計年度比9.7%減)、営業利益は2千4百万円(同55.2%減)となりました。

(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、30億4千7百万円となり、前連結会計年度末(35億4百万円)より4億5千6百万円(前連結会計年度末比13.0%減)減少いたしました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、4億7千3百万円(同45.5%減)となりました。これは主にたな卸資産の増加が1億3千5百万円、法人税等の支払額が1億3千2百万円あったものの、税金等調整前当期純利益が2億8千2百万円、減価償却費が4億8千2百万円、売上債権の減少が2億2千2百万円、利息及び配当金の受取額が1億1千5百万円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、4億9千4百万円(同103.4%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、4億3千5百万円(同30.5%減)となりました。これは主に借入金の返済であります。