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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10020QV

有価証券報告書抜粋 株式会社SBI新生銀行 業績等の概要 (2014年3月期)


従業員の状況メニュー対処すべき課題

〔金融経済環境〕
当連結会計年度において、いわゆる「アベノミクス」効果もあって国内景気に対するマインドが改善する中、個人消費や設備投資が持ち直し、企業収益や雇用情勢の改善が見られるようになるなど、日本経済は緩やかに回復へと向かいました。
政府・日銀は各種施策を推進してきており、このうち、日銀は2013年4月4日に「量・質ともに次元の違う」金融緩和策の導入を決定し、また政府は「15ヶ月予算」等による機動的な財政出動を推進しており、さらに2014年4月から消費税増税を実施することによる景気の腰折れを回避すべく経済対策を講じております。今後は、輸出が持ち直し、各種施策の確かな実行と民間の自助努力とが相まって、家計所得や投資が増加し、景気の回復基調が続くことが期待されますが、当初の「アベノミクス」効果が薄まりつつある中、政府にはより実効性のある成長戦略の構築等が求められており、また、消費税増税による反動や海外景気の下振れが懸念されていることから、引き続きこれらの動向を注視すべき状況にあるといえます。
金融市場を概観すると、まず為替相場については、日銀による異次元の金融緩和策が発表された期初から2013年5月後半にかけては比較的急ピッチで円安が進んだ後に円が買い戻される局面となりましたが、同年6月以降は小幅な値動きとなりました。その後、同年11月から年末にかけては米国経済の回復期待等から円安が進みましたが、年明けからは若干円高に振れ、2014年3月末には米ドル円で約103円(2013年3月末比約9円の円安)、ユーロ円で約142円(同比約21円の円安)となりました。次に国内金利については、長期金利(10年国債利回り)は、2013年3月末では0.6%を下回る水準であったものが、異次元の金融緩和策発表直後に0.3%台に低下し、一方で同年5月後半には1.0%に達するなど、大きく変動しました。同年6月以降は、日銀による長期国債買い入れオペの効果が浸透してきたこともあって、長期金利は低位安定するに至り、2014年3月末には0.6%程度となりました。また、短期金利は引き続き低水準で推移しました。最後に日経平均株価については、景気の先行きに対する期待、円高是正等を背景として期初から急上昇した後、2013年5月には大きく下げる日もあるなど調整局面となりましたが、同年6月以降は落ち着いた値動きとなりました。同年11月からは再度上昇傾向を強め、同年12月末には年初来高値となる1万6,291円31銭(2013年3月末比約3,890円上昇)となりましたが、年明け以降は逆に下落傾向となり、2014年3月末の終値は1万4,827円83銭(同比約2,430円上昇)となりました。

〔企業集団の事業の経過及び成果〕
当行は、法人のお客さま向け業務を担う法人部門および金融市場部門と、個人のお客さまへのリテールバンキング業務とコンシューマーファイナンス業務を担う個人部門において、グループ全体で、幅広い金融商品・サービスを、お客さまの視点に立って、より効率よく、迅速に提供するよう努めてまいりました。
当行は、2014年3月期から2016年3月期までを対象期間として、「特色ある事業基盤の確立」、「収益の増加と財務体質の一層の改善」、「顧客から共感され、社会・市場から必要とされる金融グループへ」の三つを目標に掲げた「第二次中期経営計画」を策定しております。当連結会計年度は同計画の1年目に当たり、計画の達成に向けて各業務に邁進いたしました。各ビジネス分野における業務の取り組み状況は以下のとおりです。

(法人業務)
主として事業法人・公共法人向けファイナンス、アドバイザリービジネスを中心に行う法人部門および金融市場・金融法人向けビジネスを行う金融市場部門において緊密な連携を図りながら、法人業務を積極的に推進してまいりました。
法人部門においては、事業参画を通じた企業・産業・地域の成長支援と、専門能力の強化・実践を基本戦略とし、医療・ヘルスケア、再生可能エネルギー、創業支援・企業再生支援等の重点分野における差別化を推進するとともに、当行の専門性のある分野等の一層の強化を図っております。
事業法人業務では、伝統的なバランスシートファイナンスに加え、プロジェクトファイナンス、不動産ファイナンスやバイアウトファイナンスなど経験と専門性を有するキャッシュフローファイナンスに基づく業務とのシナジー効果を一層高め、総合的なソリューション提供力の強化を図るため、2013年4月にストラクチャードファイナンス本部と法人営業本部を統合し、一体的な運営体制に移行いたしました。さらに、西日本における地域営業の抜本的強化を図るため、2013年4月に大阪支店内に法人営業統轄部西日本統轄室を設置し、より機動的な営業活動を推進する体制を整備しました。大阪支店はこれらの機能および営業体制の強化に伴い、2013年10月に拡張移転いたしました。また、引き続き新規開拓を積極的に推進し、顧客基盤の拡充を進めるとともに、グループ内の連携を強化しながら、お客さまのニーズを踏まえた商品・サービスの提供に努めました。さらに、当連結会計年度においては、不動産ファイナンス等における不良債権処理が大きく進捗し、ポートフォリオの健全化が進展いたしました。

重点分野に対する取り組みとして、ヘルスケアファイナンスにおいては、投資家・オペレーター(介護・医療施設運営業者)等との連携強化を図りながら業務拡大に努めており、2014年4月には、ケネディクス株式会社など5社とヘルスケアREIT(Real Estate Investment Trust)の創設について合意、同REITの運用を目的とした資産運用会社を設立いたしました。今後は、同年後半を目処に同REITの組成ならびに東京証券取引所への上場を目指すなど、積極的な展開を図ってまいります。加えて、当行の独自性と特色を活かした再生可能エネルギーや企業再生ビジネスにも積極的に取り組み、いずれも具体的な案件の推進に注力しています。再生可能エネルギー分野では、前連結会計年度より大規模太陽光発電所(メガソーラー)事業に対するプロジェクトファイナンスのファイナンスアレンジ業務を引き続き推進しています。さらに、アジア・オセアニア地域等を中心とした海外のプロジェクトファイナンスにも積極的に取り組む一方、PFI(Private Finance Initiative)・PPP(Public-Private Partnership)関連では2013年10月に株式会社民間資金等活用事業推進機構への出資を行うなど、インフラファイナンスの強化も図っています。また、企業再生支援に関しては、信金中央金庫と、全国の信用金庫の取引先に対する事業承継支援に関する業務協力協定を2014年3月に締結いたしました。
クレジットトレーディング業務、プライベートエクイティ業務については、銀行本体の主管本部と傘下の子会社を再編して、新たに「新生プリンシパルインベストメンツグループ」を2013年7月に組成、急速に変化する事業環境に的確かつ機動的に対応し、クレジットトレーディング業務におけるコンサルティング機能等の高度化、プライベートエクイティ業務における共同ファンドの設立など、新たな取り組みや積極的な事業展開を進めてまいります。
また、法人のお客さまの海外展開支援については、株式会社フォーバルと業務提携を2014年3月に締結し、中小企業のASEAN(東南アジア諸国連合)進出支援を同年4月から開始いたしました。さらに、ベトナムの大手民間商業銀行Military Commercial Joint-Stock Bankと融資やビジネスマッチング業務等の法人向け業務に関する提携契約を同年3月締結、企業の現地法人向けの現地通貨建て融資に対して保証を行うスタンドバイ・クレジットの提供も予定しております。
加えて、同部門の傘下にある昭和リース株式会社(以下「昭和リース」)においては、主力の中堅・中小企業への産業・工作機械や建設機械等へのリースを中心に営業基盤の拡大を図り、そこでのアセットファイナンスをベースに、機械の売買を行うバイセル事業等のフィー収入の強化に取り組んでおります。また、建設機械など強味を発揮できる特定の分野への注力を強め、専門性を一層高めるとともに、サプライヤーの販売促進のために金融手段を提供するなど有力サプライヤーとの連携を強化、顧客基盤のさらなる拡大に努めております。さらに、2013年10月には信金中央金庫と「ABL(動産担保融資)導入サポートプログラム」に関する業務協力協定を締結して、信用金庫におけるABLの取り組みをサポートするなど、地域金融機関やそのお客さまに対するファイナンスソリューションの提供にも注力しています。
次に、金融市場部門においては、低金利環境下で資金運用難に直面している金融機関のお客さま向けに仕組預金やクレジットリンク・ローン等の提供および事業法人・公共法人営業との連携によるローンの売買・仲介に努めています。また、当行グループの持つ金融ノウハウを活かし、お客さまのビジネス展開において協働するため、再生可能エネルギー関連案件等でのキャッシュフローファイナンスや動産担保融資の組成支援等の取り組みを推進しています。金融機関のお客さまの運用ニーズに対応して、当連結会計年度は米国バンクローンを主な投資対象とする私募投資信託の販売を開始するなど、私募投資信託業務を強化しています。また、提携地域金融機関のお客さまが当行の開発した仕組預金等を自らのブランドで販売する「ホワイトラベル」ビジネスを推進するとともに、地域金融機関のお客さまとの協調による地域振興にも引き続き積極的に取り組んでおります。

(個人業務)
個人部門では、銀行本体のリテールバンキング業務と銀行本体および子会社を通じたコンシューマーファイナンス業務を推進し、当行グループの個人のお客さまに対して革新的なソリューションを提供しております。当行は、グループ各社の商品・サービスをニーズに合わせて自由に利用できるお客さまを「コア顧客」と定義し、当行グループのさまざまなリソースを活用しながら、運用・決済・融資・コンサルティング等の金融サービスを統合的に提供することで、コア顧客の拡大に注力してまいります。
その一環として、リテールバンキング業務では、当行グループの株式会社アプラス(以下「アプラス」)の取引先であるカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(以下「CCC」)と、同社の共通ポイントサービス「Tポイント」(※)を利用する「T会員」を対象とした金融商品・サービスのご案内に関する業務提携を2013年6月に締結、同年9月から、新生銀行総合口座「PowerFlex(パワーフレックス)」を新規開設したT会員へのTポイントの付与を開始しました。今後、T会員を対象に、「つかう」、「ためる」、「ふやす」、「かりる」といった、さまざまな生活シーンで当行をご利用いただくとTポイントが貯まる商品・サービスやキャンペーンを拡充するなど、Tポイントサービスと当行グループの金融商品・サービスを組み合わせた、新たな商品やサービスの開発・提供も検討し、当行グループのコア顧客の拡大に積極的に取り組んでまいります。
また、預金については、引き続き円定期預金でのキャンペーンを実施、外貨預金についても積極的な取り込み等に注力するとともに、投資信託等の投資商品では、金融市場の活発な動きを背景に顧客ニーズにマッチした商品の拡販に努めました。住宅ローンでは、「パワースマート住宅ローン」について、リフォーム(増改築)ニーズへの対応を2013年6月から開始したのに続き、女性が働き続けられる環境の支援を通じて、子育て世代、働き盛り世代を応援するべく、病児保育サービスおよび家事代行サービスを受けられるクーポンを付与する「安心パックW(ダブル)」の取り扱いを2014年1月から開始しました。さらに、2013年10月には、JR東日本の駅等のATMコーナーでATMサービスを開始するとともに、ローソン、ファミリーマートなどの主要なコンビニエンスストアチェーンにおけるATM提携を拡大、ATMネットワークの拡充を推進いたしました。また、インターネットバンキングサービス「新生パワーダイレクト」について、スマートフォンでのサービスを2014年2月から開始するなど、お客さまの利便性の向上にも努めました。
このような施策の結果、「リテール口座」は2014年3月末で270万口座を超え、個人預金残高は、円定期預金でのキャンペーンに加え、仕組預金や2週間満期預金など多様な預金商品の提供を通じ、資金調達効率を高めつつ、同3月末現在で5兆円超となり、当行の安定的な資金調達基盤の確立に貢献しております。債券、投資信託、保険投資商品、仕組債を含む個人預り資産残高は、同3月末現在、6兆円超となりました。また、住宅ローン残高についても、2014年3月末には1兆1,000億円に達しております。

コンシューマーファイナンス業務においては、当行グループを挙げて、積極的な事業展開を図っています。新生フィナンシャル株式会社(以下「新生フィナンシャル」)の事業の一部を譲り受け、2011年10月から銀行本体で開始した個人向け無担保ローン「新生銀行カードローン レイク」(以下「レイク」)については、2014年3月末時点までの実績は、顧客数約30万人、貸出残高1,188億円と順調な推移を見せております。また、新生フィナンシャルにおいては、レイクや他の金融機関との提携による個人向け無担保ローンの信用保証業務の拡大にも注力しています。
株式会社アプラスフィナンシャル(以下「アプラスフィナンシャル」)においては、事業子会社のアプラスを中心にCCCとの連携強化を図り、クレジット機能付きTカード「Tカードプラス(アプラス発行)」を2013年3月から新規発行するとともに、Tポイントを付帯したショッピングクレジットや家賃立替サービス等を推進いたしました。また、中小企業・個人事業主向けクレジットカードの発行や、当行取引先の株式会社テイツーのプリペイドカード事業における、国内では初となるビジネスモデルによる参画など、各事業に積極的に取り組んでいます。
また、ステージ別の優遇サービスを提供する総合口座「PowerFlex(パワーフレックス)」の「新生ステップアッププログラム」において、2013年6月より、「新生ゴールド」のステージ判定の条件として、レイクおよび「新生アプラス ゴールドカード」のご利用を新たに追加、さらに当行とアプラスとが連携してカード会員を対象とした各種キャンペーンを継続的に実施するなど、当行グループ内の連携強化を図っています。
過払い利息返還損失については、近時の過払い利息返還動向に基づき、将来の過払い負担をカバーするために必要となる金額を再計算した結果、2013年度は合計156億円の利息返還損失引当金の追加繰入を実施いたしました。なお、開示請求件数や利息返還額は過去のピークを大きく下回っております。
また、当行は、日本GE株式会社(以下「日本GE」)と、新生フィナンシャルの過払い利息返還に対する日本GEによる損失補償について、以下に述べる一括支払いを受けることと引き換えに、2014年3月31日をもって終了することに合意しました。これにより、新生フィナンシャルは、同日付で、今後発生が見込まれる過払い利息返還損失の額として1,750億円の現金支払いを日本GEから受けるとともに、2013年度第4四半期に同額の利息返還損失引当金を追加計上いたしました。当行は、2008年9月に日本GE(契約当時はGEジャパン・ホールディング合同会社)と株式譲渡契約を締結し、新生フィナンシャルとその子会社を取得いたしました。同契約では、日本GEは、2014年3月31日をもって、当行が今後の損失発生に対応するために見込む金額を新生フィナンシャルに一括して支払うことにより、過払い利息返還損失の補償義務を終了させる旨の一括払い精算選択権を有していました。日本GEでは、同選択権を行使することとし、これにより、損失補償が終了することとなったものです。新生フィナンシャルにおける利息返還動向は安定して低下傾向が続いていることから、当行としては、今般の利息返還損失引当金の追加計上により、今後発生が見込まれる損失に対して必要な引当水準を確保したものと考えております。
当行は、今後とも、コンシューマーファイナンス業務の前向きな営業推進に全力で取り組み、従来の消費者金融専業市場に加えて、銀行カードローン市場において業務の拡大を図るとともに、引き続き信頼される貸手として、無担保カードローン市場における地位の確立を目指してまいります。

(※)「Tポイント」とは、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社が展開する共通ポイントサービスで、2014年2月末現在、会員数は4,800万人(アクティブ・ユニーク数)、Tポイント提携企業は全国110社68,000店舗に達しています。


(財務基盤)
当連結会計年度には、当期純利益の積み上げ等によってTierI資本が増加したことに加え、資産の質の改善によりリスクアセットが減少したことから、バーゼルⅡ(国内基準)ベースでの自己資本比率については13.80%、TierI比率は12.22%と、前連結会計年度末比改善いたしました。また、当連結会計年度末より適用されたバーゼルⅢ(国内基準)ベースでの自己資本比率は13.58%となっております。

(震災への対応について)
東日本大震災で被災した地域の復興に向けた支援のため、当行およびグループ会社の社員から参加を募り、被災地でのボランティア活動を実施しております。当連結会計年度においては宮城県等の被災地域で2回に分けて実施したほか、2014年3月には、宮城県南三陸町社会福祉協議会から講師を招いた講演会も開催いたしました。また、2013年6月には、当行およびグループ各社の社員からの募金により、宮城県内の漁港等へ街灯2基を寄贈するなど、被災地の復興の進展に応じた多様な支援活動を継続して実施しております。当行では、今後も被災地の一日も早い復興のため、金融機関として円滑な金融サービスのご提供に努めてまいります。

〔業績の概況〕

(経営成績)
当連結会計年度において、経常収益は3,752億円(前連結会計年度比108億円減少)、経常費用は3,310億円(同比4億円減少)、経常利益は441億円(同比103億円減少)となりました。

資金利益は、資金利鞘は改善したものの、調達が増加する一方で、運用資産残高が伸び悩み、前連結会計年度に比べて減少しました。一方、非資金利益(ネットの役務取引等利益、特定取引利益、その他業務利益の合計)および保有株式関連のネット損益の合計については、ALM業務における市場の大幅な変動に伴う金利リスクを回避することを目的とした日本国債・米国債の売却損や市場関連取引に伴う収益の伸び悩み等があったものの、法人部門でのプリンシパルトランザクションズ業務における堅調な収益の積み上げ、個人部門での投資商品販売が堅調に推移したことや、ショッピングクレジットの取扱高増加等により、前連結会計年度に比べて増加しました。次に、人件費・物件費といった経費については、業務基盤拡充と収益力強化に向けた積極的な資源投入を進めたことから前連結会計年度より増加したものの、引き続き業務の合理化・効率化にも努めており、メリハリをつけた運営を行っております。また、与信関連費用については、従来のような大口の貸倒引当金の計上はなく、不良債権処理に伴う同引当金の取崩益の計上や保有資産の良質化もあって、前連結会計年度に比べて大きく改善しました。利息返還損失引当金については、近時の利息返還動向に基づき、将来の過払負担をカバーするために、必要額を再計算した結果、第3四半期にシンキと新生フィナンシャル、当第4四半期にはアプラスフィナンシャルにおいて、合計156億円の追加繰入を実施いたしました。
また、特別損益はネットで18億円の利益となり、さらに法人税等合計16億円(損)、少数株主利益29億円(損)を計上した結果、当連結会計年度の連結当期純利益は413億円となり、前連結会計年度に比べて97億円の減少となりました。

セグメント別では、法人部門は、顧客基盤の拡充や収益力の強化に向けた継続的な取り組みが成果を上げつつあり、さらに不良債権処理に伴う貸倒引当金取崩益の計上等によって与信関連費用が大幅に改善したこと、昭和リースも順調に利益を計上したことから、引き続き堅調な業績となりました。
金融商品部門は、引き続き顧客基盤の拡充やお客さまのニーズに即した商品・サービスの提供に努めたものの、お客さまとの取引ボリュームや市場関連取引に伴う収益が伸び悩み、さらに与信関連費用において前連結会計年度にあった大口の償却債権取立益のようなものはなく、前連結会計年度に比べて減益となりました。
個人部門では、まずリテールバンキング本部は、第二次中期経営計画を円滑に遂行するための諸施策を積極的に展開したことから経費が増加しましたが、住宅ローンは引き続き着実に積み上がったこと、投資信託等の投資商品の販売が堅調であったこと等により、相応の利益水準を確保しました。
次にコンシューマーファイナンス本部は、貸出残高は全体として前第4四半期以降増加に転じていること、アプラスフィナンシャルにおいてショッピングクレジット等の取り扱いが増加したこと、与信管理の厳格化、回収体制の強化、資産の良質化により与信関連費用の発生は抑制されていること等により、順調に利益を計上しました。
「経営勘定/その他」には、ALM業務を所管するトレジャリー本部において日本国債・米国債の売却損を計上したこと等が含まれております。
詳細は後掲の「セグメント情報」をご覧ください。


(財政状態)
当連結会計年度末において、総資産は9兆3,211億円(前連結会計年度末比2,917億円増加)、純資産は7,225億円(同比389億円増加)となりました。
主要な勘定残高について、貸出金は、法人向け貸出では資金需要の取り込みを図る上で他行との厳しい競争が続く中、不良債権の回収が進みましたが、住宅ローンが引き続き堅調に推移するとともにコンシューマーファイナンス業務における貸出残高が前第4四半期以降増加に転じていることから、全体では4兆3,198億円(同比273億円増加)となりました。有価証券は1兆5,570億円(同比2,853億円減少)となり、このうち日本国債の残高は1兆1,268億円(同比2,105億円減少)となりました。一方、預金・譲渡性預金は、2013年4月27日に財形金融債の発行を終了し、従来の財形金融債を財形預金に移行したこと、当行の安定的な資金調達の重要な柱である個人のお客さまからの預金を中心として順調に積み上がったことから、5兆8,504億円(同比3,929億円増加)となりました。債券は上述の財形金融債から財形預金への移行により減少し、これと社債を合計した残高は2,189億円(同比2,176億円減少)となりました。

不良債権については、金融再生法ベースの開示債権(単体)において、当事業年度末は1,647億円(前事業年度末は2,426億円)、不良債権比率は3.81%(前事業年度末は5.32%)となり、いずれも改善しました。
銀行法に基づく連結自己資本比率(国内基準)について、バーゼルⅡ(国内基準)ベースでの自己資本比率については13.80%、TierI比率は12.22%と、前連結会計年度末比改善しており、また、当連結会計年度末より適用されたバーゼルⅢ(国内基準)ベースでの自己資本比率は13.58%となっております。

(キャッシュ・フロー)
当連結会計年度における連結キャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、債券貸借取引受入担保金の増加、利息返還損失引当金の増加として現れている日本GE株式会社からの過払利息返還見積相当額の受領、資金運用による収入等により5,248億円の収入(前連結会計年度は1,600億円の収入)、投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却・償還による収入が、取得による支出を上回ったこと等により3,074億円の収入(同877億円の収入)、財務活動によるキャッシュ・フローは、劣後特約付社債の償還、劣後特約付借入金の返済、配当金の支払等により401億円の支出(同62億円の支出)となりました。この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末比7,922億円増加し、1兆3,667億円となりました。

国内・海外別貸出金残高の状況
○ 業種別貸出状況(末残・構成比)
業種別前連結会計年度当連結会計年度
金 額 (百万円)構成比(%)金 額 (百万円)構成比(%)
国内(除く特別国際金融取引勘定分)4,232,715100.004,288,294100.00
製造業242,9955.74212,4824.96
農業,林業2520.011880.01
漁業--500.00
鉱業,採石業,砂利採取業1130.001500.00
建設業13,9700.339,9740.23
電気・ガス・熱供給・水道業124,8252.95170,1763.97
情報通信業31,7780.7540,7010.95
運輸業,郵便業230,0725.44203,2964.74
卸売業,小売業74,4181.7689,2042.08
金融業,保険業720,04317.01662,68215.45
不動産業597,73114.12580,07313.53
各種サービス業314,2557.42317,9147.41
地方公共団体114,0732.70104,3022.43
その他1,768,18541.771,897,09744.24
海外及び特別国際金融取引勘定分59,749100.0031,535100.00
政府等1,8843.151,5154.80
金融機関8991.515361.70
その他56,96595.3429,48493.50
合計4,292,464-4,319,830-
(注)1.「国内」とは、当行及び国内連結子会社であります。
2.「海外」とは、海外連結子会社であります。
(単体情報)
(参考)当行の単体情報のうち、参考として以下の情報を掲げております。
1.損益状況(単体)
(1)損益の概要
前事業年度(百万円)当事業年度(百万円)増減(百万円)
(A)(B)(B)-(A)
業務粗利益88,14895,0696,921
経費(除く臨時処理分)67,32769,0481,720
人件費21,17621,590413
物件費42,93744,0311,094
税金3,2123,426213
業務純益(一般貸倒引当金繰入前・のれん償却前)20,95226,2615,309
のれん償却額 131240109
業務純益(一般貸倒引当金繰入前)20,82126,0215,200
一般貸倒引当金繰入額△10,054-10,054
業務純益30,87526,021△4,854
実質業務純益25,99929,8623,863
うち債券関係損益3,844△3,115△6,959
臨時損益△3,24313,08516,328
株式等関係損益1,7813,2511,470
金銭の信託運用損益5,1783,841△1,336
不良債権処理額8,797△7,270△16,067
貸出金償却6,8632,005△4,858
個別貸倒引当金純繰入額10,471-△10,471
特定海外債権引当勘定繰入額---
償却債権取立益(△)△8,537△1,9766,560
貸倒引当金戻入益(△)-△7,299△7,299
その他の債権売却損等 ---
その他臨時損益△1,404△1,277126
経常利益25,71037,66711,957
特別損益△2,303△1,821481
うち固定資産処分損益及び減損損失△810△1,718△908
税引前当期純利益23,40635,84512,438
法人税、住民税及び事業税△789△348440
法人税等調整額△460△260200
当期純利益24,65636,45411,798

(注)1.業務粗利益=(資金運用収支+金銭の信託運用見合費用)+役務取引等収支+特定取引収支+その他業務収支
2.実質業務純益=業務粗利益+金銭の信託運用損益-経費(除く臨時処理分)
金銭の信託運用損益は臨時損益に含まれますが、当行が注力している投資銀行業務部門の損益であることから、本来業務にかかる損益ととらえております。
3.業務純益=業務粗利益-経費(除く臨時処理分)-一般貸倒引当金繰入額
4.「金銭の信託運用見合費用」とは、金銭の信託取得に係る資金調達費用であり、金銭の信託運用損益が臨時損益に計上されているため、業務費用から控除されているものであります。
5.臨時損益とは、損益計算書中「その他経常収益・費用」から一般貸倒引当金繰入額を除き、退職給付費用のうち臨時費用処理分等を加えたものであります。
6.債券関係損益=国債等債券売却益+国債等債券償還益-国債等債券売却損-国債等債券償還損-国債等債券償却
7.株式等関係損益=株式等売却益-株式等売却損-株式等償却
8.前事業年度の貸倒引当金は全体で416百万円の繰入超となっております。なお当事業年度の貸倒引当金は全体で7,299百万円の取崩超(うち、一般貸倒引当金については、221百万円の繰入)のため、当該金額を貸倒引当金戻入益に計上しております。
9.前事業年度は、関係会社株式及び出資金の評価損1,220百万円及び関係会社株式の売却損379百万円を特別損失に計上しております。また当事業年度は、関係会社株式及び出資金の評価損111百万円を特別損失に計上しております。

(2)営業経費の内訳
前事業年度(百万円)当事業年度(百万円)増減(百万円)
(A)(B)(B)-(A)
給料・手当16,99417,486492
退職給付費用4,4014,018△382
福利厚生費3,0513,317265
減価償却費5,7155,231△484
土地建物機械賃借料6,2646,417152
営繕費2,7333,112378
消耗品費357465108
給水光熱費72281491
旅費32541185
通信費1,3721,299△73
広告宣伝費5,3925,851459
租税公課3,2123,426213
その他19,15819,529370
69,70171,3811,679
(注) 損益計算書中「営業経費」の内訳であります。
2.利鞘(国内業務部門)(単体)
前事業年度(%)当事業年度(%)増減(%)
(A)(B)(B)-(A)
(1)資金運用利回1.341.640.30
貸出金利回1.581.700.12
有価証券利回1.031.630.60
(2)資金調達原価1.431.35△0.08
資金調達利回0.410.35△0.06
預金利回0.390.32△0.07
債券利回0.340.23△0.11
(3)総資金利鞘①-②△0.090.290.38
(4)資金運用利回-資金調達利回①-③0.931.290.36
(注)1.「国内業務部門」とは本邦店の居住者向け円建諸取引であります(但し特別国際金融取引勘定を除く)。
2.預金には譲渡性預金を含んでおります。
3.ROE(単体)
前事業年度(%)当事業年度(%)増減(%)
(A)(B)(B)-(A)
実質業務純益ベース3.984.380.41
業務純益ベース(一般貸倒引当金繰入前・のれん償却前)3.213.850.65
業務純益ベース(一般貸倒引当金繰入前)3.183.820.63
業務純益ベース4.723.82△0.90
当期純利益ベース3.775.351.58

4.預金・債券・貸出金の状況(単体)
(1)預金・債券・貸出金の残高
前事業年度(百万円)当事業年度(百万円)増減(百万円)
(A)(B)(B)-(A)
預金(末残)5,836,2516,194,216357,965
預金(平残)5,665,4816,016,793351,311
債券(末残)265,04241,747△223,294
債券(平残)282,02964,898△217,130
貸出金(末残)4,224,4334,235,71311,279
貸出金(平残)4,169,6164,141,762△27,853
(注) 預金には譲渡性預金を含んでおります。
(2)個人・法人別預金残高(国内)
前事業年度(百万円)当事業年度(百万円)増減(百万円)
(A)(B)(B)-(A)
個人4,693,6235,090,118396,494
法人937,792986,61748,825
5,631,4166,076,736445,320
(注) 譲渡性預金及び特別国際金融取引勘定分を除いております。
(3)消費者ローン残高
前事業年度(百万円)当事業年度(百万円)増減(百万円)
(A)(B)(B)-(A)
住宅ローン残高1,085,1651,178,90493,739
その他ローン残高65,625119,70354,078
1,150,7901,298,608147,817

(4)中小企業等貸出金
前事業年度当事業年度増減
(A)(B)(B)-(A)
中小企業等貸出金残高百万円2,749,7442,829,25779,513
総貸出金残高百万円4,178,0014,205,91327,912
中小企業等貸出金比率①/②%65.8167.271.45
中小企業等貸出先件数268,439389,390120,951
総貸出先件数268,855389,839120,984
中小企業等貸出先件数比率③/④%99.8599.880.04
(注)1.貸出金残高には、海外店分及び特別国際金融取引勘定分は含まれておりません。
2.中小企業等とは、資本金3億円(ただし、卸売業は1億円、小売業、飲食業、物品賃貸業等は5千万円)以下の会社又は常用する従業員が300人(ただし、卸売業、物品賃貸業等は100人、小売業、飲食業は50人)以下の会社及び個人であります。


5.債務の保証(支払承諾)の状況(単体)
○ 支払承諾の残高内訳
種類前事業年度当事業年度
口数(件)金額(百万円)口数(件)金額(百万円)
手形引受----
信用状----
保証3412,5663211,616
3412,5663211,616

6.内国為替の状況(単体)
区分前事業年度当事業年度
口数(千口)金額(百万円)口数(千口)金額(百万円)
送金為替各地へ向けた分10,4369,400,6589,9579,670,109
各地より受けた分7,74810,088,4447,77610,710,591
代金取立各地へ向けた分05,28104,551
各地より受けた分0364011

7.外国為替の状況(単体)
区分前事業年度当事業年度
金額(百万米ドル)金額(百万米ドル)
仕向為替売渡為替4,9454,244
買入為替135
被仕向為替支払為替5,6096,441
取立為替401351
10,96911,042

(自己資本比率の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が
適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第19号。以下、「告示」という。)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては基礎的内部格付手法を採用しております。

連結自己資本比率(国内基準)
(単位:億円)
2014年3月31日
1.連結自己資本比率(2/3)13.58%
2.連結における自己資本の額8,176
3.リスク・アセットの額60,167
4.連結総所要自己資本額5,503


単体自己資本比率(国内基準)
(単位:億円)
2014年3月31日
1.自己資本比率(2/3)15.34%
2.単体における自己資本の額8,900
3.リスク・アセットの額58,018
4.単体総所要自己資本額4,961

(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。

1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3.要管理債権
要管理債権とは、3カ月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1.から3.までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
債権の区分2013年3月31日2014年3月31日
金額(億円)金額(億円)
破産更生債権及びこれらに準ずる債権386132
危険債権1,9831,467
要管理債権5749
正常債権43,17841,636

従業員の状況対処すべき課題


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