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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1001I4X

有価証券報告書抜粋 サッポロホールディングス株式会社 研究開発活動 (2013年12月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループの研究開発部門では、オープンイノベーションをベースとした事業直結型の研究開発体制を拡大させて、新たな事業創造および商品開発に貢献するような研究開発を目指しています。成長戦略の一つである食品事業等の成長エンジンとなるべく、「サッポロビール社」が創業以来培ってきた発酵技術を乳酸菌研究に活かし、関係会社である安曇野食品工房社にて「SBL88 からだにぜいたくヨーグルト」の商品を2012年から継続して発売してまいりました。SBL88は、社会問題となっているストレス性睡眠障害を予防するという、これまでにない機能を有することに関して、2012年に各種TV、新聞等に取り上げられましたが、2013年は、皮膚の保湿効果・水分蒸散抑制効果についても研究を進めてまいりました。2014年は、当研究結果を活かした「からだにぜいたくヨーグルト 続けて、うれしいコラーゲン1000mg配合(SBL88乳酸菌)」として同商品をリニューアル発売する予定です。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費は26億円です。

セグメントの状況は次のとおりです。
〔国内酒類事業〕
1.商品開発について
酒類の商品開発については、商品を通じた「お客様感動」の実現を目指して、引き続き当社グループの強みである原料へのこだわり、永年培ってきた商品開発力、技術開発力をベースに、新たな価値提案を追求してまいりました。また、お酒に求められるニーズの変化、多様化に対応するべく、酒類カテゴリーを超えた商品の多層化開発を行う「サッポロビール社 商品・技術イノベーション部 商品・多層化開発センター」を、2013年3月に静岡県焼津市より神奈川県横浜市港北区に移設し、併設する「ポッカサッポロフード&ビバレッジ社 中央研究所」とともにシナジー効果を発揮していきます。
ビールテイストについては、2月に「薫り華やぐヱビス」を発売しました。原料にフランス・シャンパーニュ地方の上質な麦芽と、香味豊かなホップである貴重なネルソンソーヴィン種を使用することにより、ヱビスビール本来の特長である熟成による深いコクに加え華やかな薫りが広がり、心地良い余韻が楽しめる味わいを実現しました。6月には、世界で初めて「プリン体0.00mg」を実現し、さらに「糖質0」も達成した機能系新ジャンル「極ZERO(ゴクゼロ)」を発売しました。工程の途中でプリン体を取り除くことなく麦芽・大麦・ホップとプリン体フリー原料を組み合わる「極ZERO製法」により、「プリン体0.00mg」、「糖質0」の実現と、爽快なうまみとすっきりした後味の両立に成功しました。
さらに、4月と9月に「麦とホップ」、11月に「麦とホップ」を数量限定発売して、「麦とホップ」ブランドを強化しました。
成長分野であるRTD市場に対しては、「ネクターサワー」、「バカルディ」ブランドの拡充に加え、「ノーベル製菓社」の人気商品である「男梅キャンデー」の独特な“しょっぱい旨さ”を忠実に再現した「サッポロ男梅サワー」を発売しました。また、8月より大手酒類メーカーでは初となる樽詰スパークリングワイン「ポールスター」を業務用市場で全国発売しました。いつでも冷えた状態で、注文された分量だけ提供でき、ボトルよりも気軽・手軽にお楽しみいただけます。

2.研究開発について
お客様のニーズを的確に捉えて、市場価値にマッチした商品を創ることがメーカーの基本です。その基盤となる技術開発を進めることが研究開発のミッションです。消費者研究の拠点として立ち上げたカスタマーインサイトラボを「サッポロビール社」と「ポッカサッポロフード&ビバレッジ社」の商品開発拠点のある横浜市港北区に移転し、開発活動との連動性を高めていきます。同ラボでは、酒離れが進む若者の味覚感度や嗜好性の研究を通じて、若者市場への新たな価値の提供を目指す他、商品開発やマーケティングへの知見提供や新たなプロセスの導入を進めていきます。
ビールの風味に非常に大きな役割を持つホップについては多様な研究を進めています。ホップの特定の香り成分がビールののどごし感に影響を与えていることを見出し、その成果をアメリカ醸造学会にて発表しました。味の面では、ホップ由来成分が人の味覚の認知に関与する味覚受容体を活性化することを初めて明らかにし、欧州ビール醸造会議で最優秀ポスター賞を獲得しました。健康機能性研究では、「京都大学」の研究シーズであるホップのアルツハイマー予防効果について、実用化の検討を開始しました。
ビールの品質管理から派生して始まった乳酸菌の利用性研究では、当社グループ独自の乳酸菌株「SBL88」が腸管細胞に作用してセロトニン(自律神経を介して様々な臓器の働きに影響を与えるホルモン)の分泌を促進する作用を見出しました。新たな切り口での商品展開を図っていきます。また、リン酸の化合物である「ポリリン酸」が乳酸菌の腸管保護効果に関与することを発見しましたが、2013年には文部科学省の「橋渡し研究加速ネットワークプログラム」に採択され、「旭川医大」らとの共同により、本シーズの実用化研究を進めています。
ビールの醸造技術を展開したバイオマスの資源化に関する技術開発において、水素・メタン発酵では、国内外にテストプラントを設置して実用化の条件検討を進めています。国内では「タカキベーカリー社」、「広島大学」、「広島ガス社」との共同研究にてパン工場における水素・メタン二段発酵の基本設計のためのデータを取得しました。ブラジルでは、「ペトロブラス社」、「エルゴステック社」との共同試験や技術指導を行いました。バイオエタノール発酵では、「NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)」の事業に参画し、タイやインドネシアでの実証事業等を進めています。

品質保証分析対応では、引き続き「サッポロビール社」およびグループ企業の製品等の放射性物質の定期測定を実施しております。また、従来から実施している残留農薬の一斉分析に加え、グループ企業と協働し動物用医薬品の一斉分析法を確立し、分析対応を可能としました。
また原料育種分野では、「サスカチュワン大学」と共同で品種開発した北米初のLOXレス大麦「CDC PolarStar」が、2011年より「旨さ長持ち麦芽」の原料として用いられ、「サッポロ生ビール黒ラベル」のより一層の高品質化に貢献しています。さらに、2012年には、「アデレード大学」と共同で豪州初LOXレス大麦「SouthernStar」が品種登録出願され、すでに現地で協働契約栽培が始まっています。また2013年には、北海道で協働契約栽培が可能な国内初のLOXレス大麦を品種登録出願しました。
今後、国内外の広い地域から、「旨さ長持ち麦芽」の供給が期待されます。
ホップでは、北海道での協働契約栽培を目指し、優良アロマタイプホップ「ふらのほのか」を2013年に品種登録出願しました。
国内酒類事業の研究開発費の金額は16億円です。

〔食品・飲料事業〕
2013年1月の「ポッカサッポロフード&ビバレッジ社」の事業開始に伴い、食品・飲料事業の研究開発体制を、研究開発本部として一本化し、商品開発や新規素材探索、加工技術、機能性研究を担う中央研究所と味の科学研究を担う味の科学研究所として活動を推進しました。

1.商品開発について
「ポッカサッポロフード&ビバレッジ社」の飲料商品として、コーヒーの基幹ブランドである「アロマックス」シリーズから、高級豆を中心とした独自の製法により、コーヒーのおいしさである「香り・コク・苦味」を引き出した「アロマックス ファンタジスタ」を発売しました。
また、当社グループの強みであるレモンのおいしさと健康感を活かした飲料の「キレートレモン」ブランドでは、「キレートレモン スパークリング500ml PET」を春にリニューアル発売したのに続き、秋には、冬場でもおいしく飲んでいただけるようしっかりとした爽やかな酸味はそのままに、完熟レモン果実のようなコク・甘みを付与した「キレートレモン スパークリング410ml PET」を発売しました。
ホット飲料では、改良により加温販売期間を1週間から2週間に延長可能とした「ぽっかぽかレモン」をリニューアル発売しました。
さらに、人工甘味料、着色料不使用で素材の自然なおいしさが味わえるとご好評をいただいている「素のままづくり」ブランドから、季節に合わせた果実の展開として「白桃」、「夏みかん」、「王林」、「ざくろ」、「真っ赤に熟したいちごソーダ」を発売し、厳選果汁を丁寧に醸造したこだわりの果実酢を使用した「フルーツビネガースパークリング りんご酢&レモン酢」および期間限定で「同 白ぶどう酢&レモン酢」を発売しました。
スープ食品では、基幹ブランドである「じっくりコトコト」シリーズをフルリニューアルし、また、新しいフレーバーとして「じっくりコトコト 牡蠣のポタージュ」を発売しました。「じっくりコトコト こんがりパン」シリーズも同様にフルリニューアルを行い、新製品として全粒粉を使用したパンを開発し、「じっくりコトコト こんがりパン バジルが香るヘルシートマトスープ」、「同 やさしい甘さのおさつポタージュ」を発売しました。また、缶入りスープでは、「じっくりコトコト つぶ入りとろ~りコーン」のリニューアルを行うとともに、新たな需要喚起のため、新製品として「同 濃厚オニオンコンソメ」を発売しました。
レモン食品では、居酒屋のおいしい酎ハイが家庭で手軽に楽しんでいただけるよう「お酒にプラス」ブランドで「お酒にプラス レモン居酒屋仕立て」、「同 ゆずレモン居酒屋仕立て」を新製品として発売しました。

2.研究開発について
『飲料、食品技術開発』
「ポッカサッポロフード&ビバレッジ社」の中央研究所では、コーヒーなどの飲料やレモン、スープなどの食品の中身設計や容器開発、素材の探索など商品の高付加価値に繋がる研究や、新たな価値を提供する素材の探索、加工技術、機能性研究など幅広い領域の研究活動に取り組みました。
機能性研究の分野では、ナトリウムを主体とするミネラル補給飲料製品を用いた熱中症対策効果について「三重大学」と共同研究を進め、6月の日本法医学会、および7月の日本未病システム学会にて発表を行い、また、共同で熱中症を予防するミネラル配合に関する特許を出願しました。
調理機能研究の分野では、生クリームにレモン果汁を加えることでホイップクリーム作製時間の短縮効果とそのメカニズムや、様々な用途に適した性質のホイップクリームを作ることが可能であることについて、8月の日本調理科学会および9月の果汁技術研究発表会にて発表しました。
製造加工技術の研究では、アクアガスを顆粒形成のバインダーに用いることで、効率的でかつ顆粒物性の良い造粒が調整できることを見出し、8月の日本食品工学会にて発表しました。
また、「独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構」(以下農研機構)により開発された交流高電界殺菌技術の実用化に向けて、「農研機構」および「フロンティアエンジニアリング社」と共同で、様々な液体食品への適用実証や、装置のスケールアップ、ランニングコストの低減・耐久性の検証を進め、12月に果汁食品の製造ラインに本技術を導入し、製品の製造を近日中に開始することを発表しました。
技術開発面では、グループ各社の研究開発部門と連携し、商品や素材の開発、品質保証等の側面において、相互に協力して課題解決にあたっており、グループシナジーを発揮するとともに、より安全・安心、魅力的な食品飲料の研究開発に注力してまいります。

『 味(おいしさ)の科学 』
「ポッカサッポロフード&ビバレッジ社」の味の科学研究所では、味・香り(おいしさ)を科学的に評価するという目標のもと、官能評価や機器分析を用いた定量化の研究を進め、その成果を商品の味・香り(おいしさ)の評価に活かし、より魅力的な商品作りに繋げています。さらにグループ各社の研究開発部門と連携し、広く商品価値を定量評価し、より一層お客様にご満足いただける商品の開発を進めてまいります。
食品・飲料事業の研究開発費の金額は9億円です。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00393] S1001I4X)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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