有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1002BBO
アイフル株式会社 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2014年3月期)
当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。なお、債権の流動化によりオフバランスとなった営業債権は含まれておりません。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1.財政状態の分析
(1)資産の状況
営業貸付金につきましては、与信強化による新規契約の減少や利息返還金の貸付金への充当などにより減少しております。
(単位:百万円及び%)
区分 | 金額 | 増減 | ||
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 金額 | 率 | |
営業貸付金 | 390,635 | 321,149 | △69,485 | △17.8 |
割賦売掛金につきましては、包括信用購入あっせん事業が好調に推移した事により増加いたしました。また、支払承諾見返につきましては、取扱高の増加及びビジネクスト株式会社への保証などにより増加しております。
(単位:百万円及び%)
区分 | 金額 | 増減 | ||
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 金額 | 率 | |
割賦売掛金 | 83,885 | 85,264 | 1,378 | 1.6 |
支払承諾見返 | 74,440 | 102,419 | 27,979 | 37.6 |
貸倒引当金につきましては、営業債権に充当した利息返還金及びその他の貸倒れへの充当により減少しております。
(単位:百万円及び%)
区分 | 金額 | 増減 | ||
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 金額 | 率 | |
貸倒引当金 | 119,427 | 102,522 | △16,905 | △14.2 |
うち流動 | 84,714 | 69,540 | △15,174 | △17.9 |
うち固定 | 34,712 | 32,981 | △1,730 | △5.0 |
営業債権(破産更生債権等含む) | 595,864 | 552,813 | △43,050 | △7.2 |
引当率 | 20.0 | 18.5 | ― | ― |
(2)負債の状況
社債の償還及び借入金の返済などの財務活動により、当連結会計年度における資金調達残高は253,916百万円となりました。
(単位:百万円及び%)
区分 | 金額 | 増減 | ||
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 金額 | 率 | |
調達残高合計 | 308,350 | 253,916 | △54,434 | △17.7 |
短期借入金 | 40,900 | 49,250 | 8,350 | 20.4 |
長期借入金 | 233,750 | 179,666 | △54,084 | △23.1 |
社債 | 33,700 | 25,000 | △8,700 | △25.8 |
利息返還損失引当金につきましては、利息返還金への充当により減少しております。
(単位:百万円及び%)
区分 | 金額 | 増減 | ||
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 金額 | 率 | |
利息返還損失引当金 | 91,421 | 59,881 | △31,539 | △34.5 |
利息返還金(引当金充当前)(注) | 34,543 | 33,424 | △1,118 | △3.2 |
(注) 一部の連結子会社において営業債権に充当した利息返還金を含んでおります。
(3)純資産の状況
当連結会計年度における純資産は、当期純利益を計上したことなどにより、前期より28,533百万円(27.2%)増加の133,541百万円となりました。また、新株予約権を除いた自己資本は133,129百万円、自己資本比率は23.1%となりました。
2.経営成績の分析
(1)営業成績
当連結会計年度の営業収益は、営業債権の減少に伴う利息収入等の減少などにより、91,858百万円(前期比7.8%減)となりました。
営業費用につきましては、利息返還損失引当金繰入額の減少などにより、69,360百万円(前期比18.3%減)となった結果、22,498百万円(前期比52.9%増)の営業利益を計上しております。
なお、セグメント別の営業収益の状況は、「第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載のとおりであります。
イ 営業収益
ローン事業は、営業貸付金の減少に伴い利息収入が減少いたしました。また、信販事業及び信用保証事業は、包括信用購入あっせん事業が好調に推移、ビジネクスト株式会社への保証などにより増加しております。
(単位:百万円及び%)
区分 | 金額 | 増減 | ||
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 金額 | 率 | |
営業貸付金利息 | 61,607 | 50,577 | △11,029 | △17.9 |
信販事業収益 | 12,746 | 13,612 | 866 | 6.8 |
包括信用購入あっせん収益 | 12,514 | 13,426 | 912 | 7.3 |
個別信用購入あっせん収益 | 231 | 185 | △46 | △19.9 |
信用保証収益 | 4,609 | 7,949 | 3,340 | 72.5 |
ロ 金融費用及びその他の営業費用
金融費用は、借入金の返済などにより調達残高の減少などにより、5,844百万円となりました。また、その他の営業費用は、利息返還損失引当金繰入額が減少したことにより、61,153百万円となりました。
(単位:百万円及び%)
区分 | 金額 | 増減 | ||
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 金額 | 率 | |
金融費用 | 6,895 | 5,844 | △1,050 | △15.2 |
その他の営業費用 | 74,804 | 61,153 | △13,650 | △18.2 |
うち貸倒関連費用 | 8,136 | 10,930 | 2,794 | 34.3 |
うち利息返還関連費用 | 17,296 | 1,885 | △15,411 | △89.1 |
ハ 営業外収益及び営業外費用
営業外収益は、為替差益などにより、2,283百万円となりました。
営業外費用は、支払利息などにより、30百万円となりました。
(単位:百万円及び%)
区分 | 金額 | 増減 | ||
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 金額 | 率 | |
営業外収益 | 3,026 | 2,283 | △742 | △24.5 |
営業外費用 | 98 | 30 | △68 | △69.1 |
ニ 特別利益及び特別損失
特別利益は、ビジネクスト株式会社に係る合弁事業の発展的解消に伴う、負ののれん発生益及び債権買取益などにより、6,398百万円となりました。
特別損失は、投資有価証券売却損などにより、42百万円となりました。
(単位:百万円及び%)
区分 | 金額 | 増減 | ||
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 金額 | 率 | |
特別利益 | 6,037 | 6,398 | 361 | 6.0 |
特別損失 | 83 | 42 | △40 | △49.0 |
ホ 当期純利益
税金等調整前当期純利益は31,108百万円、税金費用は646百万円となりました。
これらの結果、当期純利益は30,461百万円となりました。
(単位:百万円及び%)
区分 | 金額 | 増減 | ||
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 金額 | 率 | |
税金等調整前当期純利益 | 23,600 | 31,108 | 7,507 | 31.8 |
税金費用 | 443 | 646 | 203 | 45.9 |
法人税、住民税及び事業税 | 414 | 764 | 349 | 84.4 |
法人税等調整額 | 28 | △117 | △146 | △510.0 |
少数株主利益 | 451 | ― | △451 | ― |
当期純利益 | 22,705 | 30,461 | 7,756 | 34.2 |
3.キャッシュ・フローの分析
(1)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、借入金の返済や社債の償還及び営業債権に係る諸引当金の減少などによる資金の減少を、営業貸付金などの営業債権の減少による資金の増加が上回った結果、66,876百万円と前連結会計年度から5,678百万円増加しております。
営業活動によるキャッシュ・フローは、営業貸付金の減少(69,485百万円)をはじめとする営業債権の減少による資金の増加が、貸倒引当金の減少(16,905百万円)や利息返還損失引当金の減少(31,539百万円)などによる資金の減少を上回ったことなどから、55,066百万円の増加(前期は21,812百万円の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得(621百万円)及び無形固定資産の取得(650百万円)などによる資金の減少を、有形固定資産の売却(1,269百万円)及び長期貸付金の回収(1,044百万円)などによる資金の増加が上回ったことなどから、1,524百万円の増加(前期は1,175百万円の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期及び長期借入金の返済と借入れによる資金の純減額(41,894百万円)及び社債の償還(8,700百万円)などにより、50,954百万円の減少(前期は46,181百万円の減少)となりました。
(2) 流動性及び資金需要
当社グループは、以下に掲げる事項に対して流動性のある資金を必要としております。
(a)営業債権等
当社グループは、金融事業を主たる事業としており、ローン事業におけるお客様の資金需要に対する資金、信販事業における信用購入あっせんに対する資金、債権管理回収事業における金融機関等からの債権の買い取りに対する資金、ベンチャーキャピタル事業における新興企業に対する投資のための資金を必要としております。
(b)運転資金
当社グループは、支払利息等の金融費用をはじめ、人件費や賃借料等の運転資金を必要としております。
(c)設備投資
当社グループは、事業の営業基盤拡充を目的とした設備やIT機器への投資に対して資金を必要としております。
(d) 法人税等の支払い
当社グループは、法人税等の納付に対する資金を必要としております。
(e)配当金
配当金の支払額は、当社グループの業績及び経済の動向等の影響を受けますが、予定された金額を支払う上で十分な流動性を必要としております。
(3)資金調達
当連結会計年度の決算日の資金、今後の事業活動によって確保されるであろう将来のキャッシュ・フローは、2014年6月13日開催の債権者会議で対象債権者の皆様にご同意いただいた同年7月以後の新事業計画を履行するに十分な水準にあるものと考えております。
なお、ご同意いただいた金融支援の内容は、「4.重要事象等について」をご参照ください。
(4)契約債務
当社グループは、お客様へのご融資などの営業活動に対して必要な資金を、金融機関等からの借入や社債の発行等により調達しております。
(a)短期有利子負債
当社グループの短期有利子負債は、金融機関等からの借入によっております。当連結会計年度末の短期有利子負債は、49,250百万円であり、その平均利率は1.57%であります。
(b) 長期有利子負債
当社グループの長期有利子負債は、社債及び金融機関等からの借入によっております。当連結会計年度末における長期有利子負債(1年内に返済が予定されている長期借入金を含みます)は、204,666百万円であります。長期有利子負債のうち、金融機関等からの借入は179,666百万円であり、その平均利率は2.10%であります。また社債の発行による資金調達は25,000百万円であり、その平均利率は2.90%であります。社債に係る償還満期までの最長期間は1年7ヶ月(2015年10月)であります。
4.重要事象等について
当社グループには、「4.事業等のリスク」に記載のとおり、重要事象等が存在しております。
当該状況を解消すべく、当社グループは、今後の事業再生と事業継続に向け強固な収益体質の確立及び財務体質の抜本的な改善を図るため、2009年9月24日、事業再生ADR手続の申込を行い、同年12月24日に開催された債権者会議において金融支援を含む事業再生計画が承認され、事業再生ADR手続が成立いたしました。
事業再生計画に基づき、当連結会計年度に19,862百万円、手続成立以後の累計では93,890百万円を対象債権者に弁済してまいりました。
また、2014年6月10日の最終弁済履行後の残存債務161,740百万円につきましては、2014年6月13日に開催された債権者会議において、対象債権者の皆様の同意により、債務の一部を弁済したうえで、金融支援を継続していただくことが決定しております。
当社グループは、新事業計画に定める具体的な対応策を実施することで、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
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