有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1002B3I
住友不動産株式会社 業績等の概要 (2014年3月期)
(1) 業績
当連結会計年度の業績は下表の通りで、2期連続の増収と、4期連続の営業、経常増益を達成するとともに、営業収益、営業利益、経常利益、当期純利益のすべてにおいて過去最高を更新しました(営業収益は2011年3月期以来3期ぶり、営業利益、経常利益、当期純利益は2008年3月期以来6期ぶり)。当期は、オフィスビル市況の改善が続いた不動産賃貸事業や分譲マンションの販売が好調に推移した不動産販売事業など、主要4事業すべてで増収増益となった結果、営業収益は7,802億円(前期比+5.9%)、営業利益は1,604億円(同+6.0%)となりました。
支払利息の減少を主因として営業外損益が前期比64億円改善、経常利益は1,305億円(前期比+13.6%)と二桁の伸び率となり、2008年3月期の過去最高益(1,251億円)を6期ぶりに更新しました。
投資有価証券評価損の減少などにより、特別損益は前期比34億円改善、当期純利益は696億円(前期比
+16.5%)となりました。
(百万円) | |||||
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増 減 | |||
(24.4.1~25.3.31) | (25.4.1~26.3.31) | ||||
営業収益 | 736,652 | 780,273 | +43,620 | ||
営業利益 | 151,345 | 160,471 | +9,126 | ||
経常利益 | 114,916 | 130,536 | +15,620 | ||
当期純利益 | 59,825 | 69,697 | +9,871 |
部門別の営業成績は下表の通りです。
(百万円) | |||||
営業収益 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増 減 | ||
(24.4.1~25.3.31) | (25.4.1~26.3.31) | ||||
不動産賃貸 | 278,316 | 283,729 | +5,413 | ||
不動産販売 | 232,149 | 234,093 | +1,944 | ||
完成工事 | 171,081 | 201,190 | +30,108 | ||
不動産流通 | 50,957 | 57,210 | +6,253 | ||
連結計 | 736,652 | 780,273 | +43,620 | ||
(百万円) | |||||
営業利益 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増 減 | ||
(24.4.1~25.3.31) | (25.4.1~26.3.31) | ||||
不動産賃貸 | 94,186 | 97,951 | +3,764 | ||
不動産販売 | 38,923 | 39,208 | +284 | ||
完成工事 | 15,758 | 18,708 | +2,950 | ||
不動産流通 | 14,494 | 17,961 | +3,467 | ||
連結計 | 151,345 | 160,471 | +9,126 |
当社の賃貸資産の9割以上が集中する東京のオフィスビル市場では、景況感の改善や企業業績の回復を背景にテナント需要が堅調に推移、空室率の改善傾向が続くとともに、新築のみならず既存ビルでも新規成約賃料が上昇し始めております。拡張移転や増床などの新規需要も増加基調となっており、市況の回復感が市場全体に広がってきました。
このような環境下、当連結会計年度は、既存ビルの空室率改善と、前期に竣工した「住友不動産渋谷ガーデンタワー」、「住友不動産田町ファーストビル」などの通期稼働が業績に寄与、増収増益となりました。
既存ビルの空室率は5.9%(前期末7.1%)と引き続き改善基調で推移、当期竣工の「住友不動産千代田ファーストウイング」、「住友不動産元赤坂ビル」をはじめ、次期竣工予定の「日本橋二丁目計画」、「半蔵門建替計画」など、新規ビルのテナント募集も順調に進捗しております。
前連結会計年度末 | 第3四半期末 | 当連結会計年度末 | ||
(25.3月末) | (25.12月末) | (26.3月末) | ||
既存ビル空室率 | 7.1 % | 6.3 % | 5.9 % |
当事業部門の9割以上を占める分譲マンション市場では、首都圏で新規発売戸数が6年ぶりに5万戸を超えるなど、景況感の改善を受け良好な販売環境が続きました。住宅ローン金利や販売価格の先高感を背景に消費者の購入意欲は旺盛で、モデルルームへの来場者数も引き続き高水準で推移しています。
このような環境下、当連結会計年度は、「シティタワー神戸三宮」、「シティタワー上尾駅前」、「シティテラス加賀」など、マンション、戸建、宅地の合計で4,958戸(前期比+270戸)を販売計上しました。計上戸数の増加により営業収益は2期連続で増収を確保、営業利益は4期連続の増益となりました。
マンションの契約戸数は5,634戸(前期比+483戸)と、期初計画(5,500戸)を上回り、過去最高となりました。
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増 減 | ||||
(24.4.1~25.3.31) | (25.4.1~26.3.31) | |||||
マンション契約戸数 | 5,151 | 5,634 | +483 | |||
計上戸数 | 4,688 | 4,958 | +270 | |||
マンション・戸建 | 4,618 | 4,900 | +282 | |||
宅地 | 70 | 58 | △12 | |||
売上高(百万円) | 232,149 | 234,093 | +1,944 | |||
マンション・戸建 | 222,186 | 226,470 | +4,283 | |||
宅地 | 7,168 | 5,334 | △1,833 | |||
その他 | 2,794 | 2,288 | △505 |
当連結会計年度は、「新築そっくりさん」事業、注文住宅事業ともに、消費税増税に伴う経過措置期限後の反動減により下半期の受注棟数が前年に比べ減少したため、当期の受注棟数は両事業ともほぼ前期並みの水準にとどまりました。一方、計上棟数と売上高は、「新築そっくりさん」事業で初めて8千棟、1,000億円を突破して過去最高を更新、注文住宅事業とともに前期実績を大幅に上回りました。
その結果、当事業部門の業績は、営業収益、営業利益ともに過去最高を更新、前期比で二桁の伸び率となる大幅な増収増益となりました。
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増 減 | ||||
(24.4.1~25.3.31) | (25.4.1~26.3.31) | |||||
受注棟数 | 10,040 | 10,053 | +13 | |||
新築そっくりさん | 7,651 | 7,623 | △28 | |||
注文住宅 | 2,389 | 2,430 | +41 | |||
計上棟数 | 9,129 | 10,414 | +1,285 | |||
新築そっくりさん | 7,260 | 8,038 | +778 | |||
注文住宅 | 1,869 | 2,376 | +507 | |||
売上高(百万円) | 145,510 | 174,702 | +29,191 | |||
新築そっくりさん | 92,834 | 105,354 | +12,520 | |||
注文住宅 | 52,676 | 69,347 | +16,671 |
中古住宅流通市場では、首都圏で成約件数が3期連続の増加となったほか、平均取扱価格も3期ぶりに上昇に転じるなど、低金利環境下で価格の先高感を背景に取引が堅調に推移しました。
このような環境下、住友不動産販売㈱が担当する当事業部門の業績は、主力の仲介事業で個人の中古住宅取引を中心に仲介件数が35,455件(前期比+6.9%)と、5期連続で過去最高を更新したほか、大型の法人取引が増加して取扱単価上昇に寄与、取扱高は前期比15.0%の増加となりました。
その結果、当事業部門の業績は、営業収益、営業利益ともに二桁の伸び率となる大幅な増収増益を達成しました。
なお、直営仲介店舗は2店舗(札幌市、名古屋市)を新規出店し、当期末時点で全国計251店舗となりました。
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増 減 | |||
(24.4.1~25.3.31) | (25.4.1~26.3.31) | ||||
仲介件数 | 33,180 | 35,455 | +2,275 | ||
取扱高 (百万円) | 858,924 | 987,799 | +128,874 | ||
取扱単価(百万円) | 25.8 | 27.8 | +1.9 |
フィットネスクラブ事業、飲食業などその他の事業は、営業収益16,089百万円(前期比+298百万円)、営業利益1,910百万円(同+244百万円)を計上いたしました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フロー 116,993百万円(前期比 + 83,398百万円)
投資活動によるキャッシュ・フロー △295,449百万円(前期比 △242,917百万円)
財務活動によるキャッシュ・フロー 97,454百万円(前期比 △ 5,302百万円)
となり、現金及び現金同等物は78,508百万円減少して146,223百万円となりました。
当期の経常利益が1,305億円となり、営業キャッシュ・フローは1,169億円の収入となりました。前期比では833億円の改善となりましたが、経常利益の増加に加え、たな卸資産のキャッシュ・フロー改善が主な要因です。
主に賃貸事業の増強を目的として合計1,814億円の有形固定資産投資を行ったほか、共同投資事業出資預託金を差引1,032億円返還いたしました。その結果、投資キャッシュ・フローは2,954億円の支出となりました。
調達資金の長期安定化を進めるため、社債償還および長期借入金返済の合計額2,833億円を上回る、4,945億円の社債発行および長期借入を実施し、合計525億円のコマーシャル・ペーパーの償還および短期借入金の返済をしました。また、SPCが調達するノンリコース長期借入金およびノンリコース社債を差引91億円返済(償還)しました。その結果、財務キャッシュ・フローは974億円の収入となりました。
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