有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100264X
株式会社J-オイルミルズ 研究開発活動 (2014年3月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの研究開発活動は、当社および㈱J-ケミカルで行っております。
当社におきましては、事業分野毎に、油脂開発研究所、加工油脂開発研究所、油糧蛋白研究室、スターチ研究所、ファイン研究所および生化学研究所において、研究開発活動を行っております。
油脂開発研究所では、油脂の分析・製法・評価・利用等の幅広い基盤研究および商品開発を行っております。
加工油脂開発研究所では、油脂の新規加工技術開発、加工油脂の物性利用、製菓・製パン向け業務用油脂開発および粉末油脂開発等の研究開発を行っております。
油糧蛋白研究室では、油糧製品の付加価値化を目指した研究開発を行っております。
スターチ研究所では、スターチの加工技術を中心とした新規素材の開発および食品への応用研究を行っております。
ファイン研究所では、油脂副産物からの機能性成分・栄養素材の研究開発を行っております。
生化学研究所では、レクチンを中心とした糖鎖医工学関連の研究開発を行っております。
なお、当社では2014年4月1日付で研究部門の組織変革を行い、上記6研究所を1部門に集約しております。
㈱J-ケミカルにおきましては、住宅建材用を中心とする合成樹脂接着剤の技術改良および新規機能性樹脂の研究開発を行っております。
なお、研究開発費の総額は、15億33百万円であります。
セグメント別の研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
(製油事業)
家庭用油脂分野では、“ちょっとdeちょうどいい!®”シリーズ商品で、昨年度春季に発売し、好評を頂いております「AJINOMOTOオリーブ&ガーリック フレーバーオイル」70g瓶に、今年度はオリーブオイルと相性のよい“バジル”と“レッドペパー”を活用した「AJINOMOTO オリーブ&バジル フレーバーオイル」70g瓶 、「AJINOMOTO オリーブ&レッドペパー フレーバーオイル」70g瓶を新たに開発し、秋季に発売しました。更にオリーブオイルをもっと気軽にたくさん使って頂くための商品として、オレイン酸が多くすっきり軽いハイオレイックひまわり油と豊かな香りと風味を持つエクストラバージンオリーブオイルをベストブレンドしたヨーロピアンスタイルのオイル「AJINOMOTO Eurolive®」(ユーロリーブ)910gエコペットを新たに開発・販売し、オリーブオイル全体のバラエティ強化にもつなげました。また、春季の新製品としては、素材がもつ風味の特長に加え、新たにビタミンEを配合することで、栄養機能食品(ビタミンE)として明確な健康価値を持つ 「AJINOMOTO ヘルシーグレープシードオイル」400g瓶を開発し、発売しました。
業務用油脂分野では、揚げ物調理時の“泡立ち”“ニオイの発生”が少なく“長く使える”をコンセプトに開発した「長調得徳®」シリーズが大変ご好評を頂いております。業務用市場の現場では、労働力として高齢者や女性比率が高まっており、軽量小型で扱いやすい商品へのニーズが増えてきていることから、「長調得徳®」シリーズのラインナップに「長調得徳®」キャノーラ油1350gボトルを新たに開発し、商品化しました。更に中食市場では、その大きな割合を占めるおにぎりや弁当向け米飯類の品質向上ニーズに合わせて、炊飯油シリーズに「J-オイルミルズ 炊飯油F 16kg缶」を新たに開発し発売しました。また、油脂によるおいしさ提案という視点では、アラキドン酸を活用して料理のコクを高める「美味得徳®」シリーズ、料理をおいしくする風味油「SavorUp®」シリーズの拡販対応にも努め、市場の様々なニーズ・用途に応じた製品開発を積極的に行いました。
加工油脂分野では、家庭用マーガリンは、新規商品の開発及び既存商品のリニューアル検討を進めました。業務用マーガリンは、バターコンパウンドマーガリンの新ブランド「グランマスター®」を立ち上げ、商品ラインナップを揃えました。スイス産に限定したバターを用いて、その乳風味の特徴を活かした新商品「グランマスター®スイッツァー®」を開発し、加えて主要コンパウンド商品を新ブランドに統一、リニューアルして全国発売を開始いたしました。
粉末油脂分野では、安定生産への条件整備や体制づくりを精力的に進め、設備能力に見合った本格生産へ移行しました。
油糧蛋白分野では、油糧種子成分を食品・飼料・肥料・工業用途等に、より有効に利用するための開発を行いました。蛋白質の消化吸収および栄養についての開発を推進しており、大豆胚芽蛋白質の効果に関する大学との共同研究では、鶏のムネ肉を増加させる効果を見出して学術誌に発表した内容に関し、その機構解明を行っております。また、当社の膨化脱脂大豆製品の発酵培地原料としての優れた効果を確認した共同研究についても、学術誌に発表しております。
なお、当事業の研究開発費の金額は、8億86百万円であります。
(その他)
食品素材スターチ分野では、すでに上市している「アミロファイバー®」の栄養健康機能について大学などの研究機関と共同で評価を進めました。また、コーンスターチを弊社独自の方法で粒状に加工した「ネオトラスト®」は畜肉製品などに幅広く採用されました。さらに、粉末タイプも取りそろえ、惣菜、フィリング、ソース類などへ離水防止やボディ感付与の目的で幅広く利用できるよう商品ラインナップを充実しました。
食品素材ファイン分野では、脂質代謝改善作用および美容効果が期待される大豆サポニンBグループのプロセス開発において、生産性の高い製法を実用化しました。また、大豆サポニンBグループが他のサポニンよりも吸収性が高いことを証明し、栄養学の国際誌に発表しました。
生化学分野のレクチンでは、独自に見出した癌化に特徴的な糖鎖の変化と特異的に結合するレクチンを用いた癌の診断法の特許権を取得しました。現在は肝臓癌及び膵臓癌診断薬の臨床試験を進めており、10月の癌治療学会で肝臓癌診断薬の予備臨床試験の成果を発表しました。また、開発した診断薬を自社で製造・販売するために、製造業及び製造販売業の許可を取得しました。
㈱J-ケミカルでは、国産木材の利用促進政策に対応して、木質建材用接着剤や木材表面処理剤、針葉樹塗装型枠合板用塗料の改良に注力してきました。また、水溶性銀系抗菌剤やホットメルト接着剤等、住宅建材以外への商品展開に向けた技術開発にも積極的に取組んでいます。
なお、当事業の研究開発費の金額は、6億46百万円であります。
事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
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