有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10026ZL
株式会社西武ホールディングス 事業等のリスク (2014年3月期)
当社グループの事業に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、次のようなものがあります。当社グループは、これらのリスクを十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に最大限の努力をいたします。また、リスクには該当しないと思われる事項についても、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、下記事項には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は原則として当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経済情勢に関するリスク
当社グループは、日本国内を主たるマーケットとして事業を展開しており、各種経済情勢の影響を受けております。消費の低迷、雇用状況の悪化、企業活動の停滞、需要の減少、民間工事及び公共工事の減少、不動産市況の低迷、消費税率の上昇等が、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
② 法的規制等に関するリスク
当社グループの各事業においては、それぞれ法的規制を受けております。
都市交通・沿線事業等においては鉄道事業法、道路運送法等の法的規制を受けております。鉄道業では、鉄道事業法の定めにより、経営しようとする路線及び鉄道事業の種別毎に国土交通大臣の許可を受けなければならず(鉄道事業法第3条)、また、上限運賃の設定及び変更につき、国土交通大臣の認可を受けなければなりません(同第16条)。現在、鉄道業における当社グループの運賃は上限運賃に設定されているため、運賃の引上げには国土交通大臣の認可が必要となります。そのため、営業コストが増加した場合等であっても、その影響を適切な時期や程度において運賃に転嫁できない可能性があります。
なお、当社グループが現在受けている上記鉄道業の許可及び認可については、期間の定めはありません。また、これら鉄道業の許可もしくは認可について、鉄道事業法、同法に基づく命令もしくはこれらに基づく処分又は許可・認可に付した条件への違反等に該当した場合には、国土交通大臣は事業の停止を命じ又は許可を取り消すことができるとされております(同第30条)。現時点におきまして、当社が知りうる限りこれらの違反等に該当する事実は存在せず、鉄道業の継続に支障を来す要因は発生しておりません。しかしながら、これらの違反等に該当し国土交通大臣から事業の停止を命じられ、又は許可が取り消された場合には、当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。バス業やタクシー業においても、道路運送法の定めにより、一般旅客自動車運送事業の許可(道路運送法第4条)等を受けなければなりません。
また、安全、バリアフリー化、省エネルギー、環境等に関する規制の強化に対応するための投資が必要となる可能性があります。
ホテル・レジャー事業では、旅館業法や食品衛生法等の法的規制を受けております。具体的にはホテル業における旅館業法による事業経営の許可(旅館業法第3条)等があります。
不動産事業では、宅地建物取引業法、都市計画法、建築基準法、建設業法、土壌汚染対策法等の法的規制を受けております。例えば、当社グループの保有するいずれかの不動産でアスベストを含む有害・有毒物質が発見された場合、その不動産の価値が下落する可能性があり、また、有害物質の対策をおこない、関連する環境責任を果たすために多大な費用の計上が必要となる可能性があります。さらに、これらの法制が変更された場合には、新たな義務の発生、費用負担の増加、保有不動産に関する権利の制限等により、保有不動産の価値低下や事業範囲の制限、大幅な開発計画の見直し等が生じる可能性があります。
また、建設事業では建設業法、建築基準法等の法的規制を受けております。
これら現在の規制に重要な変更や新たな規制が設けられた場合には、規制を遵守するために必要な費用が増加する可能性があり、また、規制に対応できなかった場合は、当社グループの活動が制限される等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
また、新たな会計基準や税制の導入・変更により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
③ 自然災害・事故等に関するリスク
当社グループの事業においては、「安全・安心」を最重要課題と認識し、運輸安全マネジメント体制をはじめとする都市交通・沿線事業における安全性向上の取り組みやホテル・レジャー事業における食の安全確保の施策の推進、施設の安全対策の実施等安全管理には万全の注意を払っております。しかしながら、大規模な事故、地震や台風等の自然災害、テロ行為等が発生した場合、その対策費用の発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
また、台風や冷夏、降雪の状況等天候不順によりホテル・レジャー事業においてお客さまの減少等が見込まれるほか、新型インフルエンザ等治療方法が確立されていない感染症が流行した場合、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等において休業や出控え等が懸念され、営業収益の減少や対策費用の発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
④ 少子高齢化に関するリスク
当社グループでは、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等お客さまの生活に密着した事業を展開しております。そのため、少子高齢化による就業・就学人口の減少や現在又は将来における人口の減少により鉄道業やバス業等における輸送人員の減少、レジャー施設の利用人員の減少等が懸念されます。特に鉄道業においては西武鉄道沿線地域に経営資源が集中しており、同地域の人口の減少等による影響が懸念されます。また、当社グループは、鉄道業の営業収益の相当部分を通勤・通学で利用されるお客さまから得ており、東京の昼間人口の減少は当社グループの都市交通・沿線事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業及び建設事業では特に多くの労働力を必要としており、今後、若年層の人材確保がさらに困難になることが懸念されます。これらの場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑤ 観光客の減少に関するリスク
当社グループのホテル・レジャー事業は、海外からの観光客の増減を含む日本の観光市場の動向により大きな影響を受けます。日本の観光市場は、日本の経済状況、為替相場の状況、諸外国における対日感情、自然災害、事故、疫病等の影響を受ける可能性があります。
また、当社グループでは、海外においては主として米国ハワイ州においてハワイ事業を運営しております。ハワイ事業は、上記の要因による影響を受けるほか、米国景気をはじめとして国際情勢に変動が生じた場合には、ハワイ州への渡航者数が減少することにより、営業収益が減少する可能性があります。
日本又はハワイにおける観光客の減少は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑥ 「西武グループ中期事業計画」等に関するリスク
当社グループは、当社グループが概ね10年間で目指していくべき方向性を示した「西武グループ長期戦略」とともに、2014年2月に「西武グループ中期事業計画」を策定し、そのなかで、2014年度から2016年度までの経営戦略及び経営目標を設定いたしました。当社グループがこれらの経営戦略及び経営目標又はその他の開発計画等を達成できない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。「西武グループ中期事業計画」の内容については、「3 対処すべき課題」をご参照ください。
⑦ 重要な訴訟に関するリスク
当社グループの西武鉄道株式会社及び株式会社プリンスホテルは、2014年6月18日現在、西武鉄道株式会社の元株主の一部から、以下に述べる西武鉄道株式会社の株式(以下「西武鉄道株式」といいます。)に関する有価証券報告書等の記載問題に関連して損害を被ったとして、複数の損害賠償請求訴訟(請求額合計358億49百万円)の提起を受けております。
西武鉄道株式会社は、かつて東京証券取引所に上場しておりましたが、有価証券報告書等に、旧株式会社コクド所有の西武鉄道株式数を過小に記載しておりました。なお、旧株式会社コクドは、当社グループの再編に関連して2006年2月に株式会社プリンスホテルに合併されるまで当社の前身の一つであった非上場会社であります。2004年10月にかかる記載問題の公表により、西武鉄道株式会社の少数特定者持株数が上場株式数の80%を超えていることが判明し、東京証券取引所の定める当時の上場廃止事由に該当する可能性が生じたことから、西武鉄道株式の株価は下落し、その後、2004年12月に西武鉄道株式は上場廃止に至りました。上記訴訟における原告らの多くは、2004年10月の西武鉄道株式会社による記載問題の公表から同年12月の西武鉄道株式上場廃止までの間に西武鉄道株式を売却した元株主であり、上記訴訟においては、原告らが被った損害の算定方法が主要な争点となりました。2011年9月、最高裁判所より、上場廃止前に株式を売却した原告らの損害については、株式の購入価格と売却価格との差から、株式購入時以降2004年10月の虚偽記載の公表までの間の虚偽記載とは無関係な要因による株価下落分を差し引いて算出すべきであると判断され、事件は東京高等裁判所に差し戻されました。当社は、最高裁判所の上記判示を考慮しつつ、西武鉄道株式購入時以降2004年10月の虚偽記載の公表までの間の株価下落は100%上記虚偽記載以外の要因に基づくものであるとの前提に基づき2012年3月期の第2四半期末において181億91百万円を訴訟損失引当金として計上し、その後、当該引当金の大部分は既に原告らに支払われております。現在は、最高裁判所で示された計算方法による損害の額が争われておりますが、そのうち、一つの訴訟について、2014年1月、東京高等裁判所より、判決が言い渡されており、各元株主による株式購入時以降2004年10月の虚偽記載の公表までの間の株価下落分のうち、90%は上記虚偽記載とは無関係な要因によるものと判断されております。ただし、当該判決は、原告らの一部と被告らが上告しており、確定には至っておりません。また、他の一つの訴訟においても、2014年3月、東京高等裁判所より、判決が言い渡されており、当該判決においては、当該訴訟の原告である各元株主による株式購入時以降2004年10月の虚偽記載の公表までの間の株価下落分のうち、15%が上記虚偽記載に起因する損害であると判断されております。ただし、当該判決は、被告らが上告しており、確定には至っておりませんが、当該判決を踏まえ、他の訴訟も含めた同様の損害賠償請求訴訟に対する損失に備えるため、今後発生する可能性のある損失を見積り、当連結会計年度において訴訟損失引当金として52億16百万円を追加で計上いたしました。かかる2件の訴訟以外の訴訟においても、一つの訴訟については2014年6月25日に、また他の一つの訴訟については2014年7月16日に判決が言い渡される予定であり、さらには残りの他の一つの訴訟についても、近い将来において判決が言い渡されることが見込まれており、これらの訴訟で、被告らに不利な判決がなされたり、再上告審で被告らに不利な判決がなされたりすること等により、裁判所によって最終的に決定される原告らの損害額が引当金の額や既に原告らに支払われている額を超える場合には、さらなる追加の引当金の計上を余儀なくされたり、当該損害額及び遅延損害金を支払うこととなり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
また、2014年6月18日現在、当社グループ再編前の旧株式会社コクドについて株主権を主張する者の一部から、当社、株式会社プリンスホテル及び当社の大株主である株式会社NWコーポレーションに対し、グループ再編に関する株主総会決議不存在確認等請求訴訟が提起されております。当該訴訟では、旧西武グループ創業者の相続人の一人である原告が、2005年11月から2006年2月になされた、当社グループの前身の組織再編(当社の設立を含みます。)を承認した株主総会決議は不存在か、又は取り消されるべきであり、それに引き続く組織再編も無効とすべきであると主張しております。原告は、その理由として、当該株主総会における議決権は株主名簿上の株主によって行使されているが、実際には旧西武グループ創業者が旧株式会社コクドの総議決権の過半数を大きく上回る議決権を保有していたものであって、同氏から相続により原告がその一部を承継したものであり、株主名簿上の株主の多くは、旧西武グループ創業者と合意の上、名義上のみ株主とされていたに過ぎない等の主張をしております。2012年12月、東京高等裁判所は、原告の請求をすべて退けましたが、原告は上告しており、現在、当該訴訟は最高裁判所に係属中であります。当社は、一連の当社グループ再編手続に瑕疵がないものと考えておりますが、上記訴訟の結果、万一瑕疵が認定された場合、一連の当社グループ再編のうち、株式会社NWコーポレーションの設立の効力に影響が生じ、当社の株主構成に変更が生ずる可能性があります。
さらに、2014年6月18日現在、西武鉄道株式会社及び株式会社プリンスホテルに対し、当社グループ再編に関連して損害を被ったとして、損害賠償請求訴訟(第一審における請求金額合計125億円。ただし、上告時点で1億円に減額されております。)が提起されております。当該訴訟は、上記組織再編に関する訴訟における原告と、同じく旧西武グループ創業者から相続により承継したとして旧株式会社コクドにつき株主持分を有していると主張する者らが、西武鉄道株式会社及び株式会社プリンスホテルを含む多くの被告に対し、原告らの株主権が侵害されたことによって生じたとされる損害の賠償を求めているものであります。2013年1月、東京高等裁判所は原告らの請求をすべて退けましたが、原告らは上告しており、現在、最高裁判所に係属中であります。当社は、一連の当社グループ再編手続に瑕疵がないものと考えておりますが、上記訴訟の結果によっては当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
以上のほか、当社グループは、通常の業務過程において、契約を巡る紛争、損害賠償、労働紛争、環境汚染等に関連して第三者から訴訟その他の法的手続を提起されたり、政府から調査を受けたりする可能性があります。法的手続対応の負担に加え、仮に当社グループに不利な判決、決定等が下された場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑧ 有利子負債に関するリスク
当社グループは、鉄道業、ホテル業等継続して多額の設備投資を必要とする事業をおこなっており、有利子負債についてはその削減に努めておりますが、有利子負債から現預金を差し引いたネット有利子負債残高は当連結会計年度末現在8,155億76百万円となっております。資金調達にあたっては、長期かつ固定金利での借入を主とすることにより、短期的な金利上昇リスクへの対応をはかっておりますが、今後の金利の上昇や金融市場の変化又は当社グループの財務状況等の悪化にともなう格付けの引下げ等によっては支払利息が増加したり、返済期限を迎える有利子負債の借換えに必要な資金を含む追加的な資金を望ましい条件で調達することが困難になる可能性があります。これらの事情により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、借入の返済に充てるため、充分な資金を設備投資等に使用することができなくなる可能性もあります。
⑨ 保有資産の価値に関するリスク
鉄道業やホテル業等の事業を展開する当社グループは、その事業の性質上、多くの不動産等の固定資産を保有しております。当社グループが保有している不動産、有価証券等の資産には、価格変動リスクが存在するため、経済情勢又は景気の動向、保有資産のキャッシュ・フロー創出能力の低下等によって保有資産の価値が毀損し、減損損失が発生し、又は売却により売却損が発生する等当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑩ 競争激化に関するリスク
当社グループは、多くの事業で厳しい競争に直面しております。
当社グループのホテル・レジャー事業は、外資系や宿泊特化型ホテルの進出等により客室数は大幅に増加する一方で、需要が大幅に増加しない可能性があるため、業界として競争が激化しております。
当社グループでは、MICEビジネスの推進や日本最大級のネットワークを活かしたチェーンオペレーション等により、競争力の維持及び強化に努めておりますが、競合他社が新築又は改築・改装したホテルに対して競争力を維持及び強化するためには、改築・改装を含む多額の設備投資等の負担が必要となります。また、こうした施策が有効に機能しない場合、価格引下げ等により営業収益が減少し、ひいてはホテルの閉鎖又は売却により売却損が発生する等当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
また、当社グループの不動産事業は、不動産賃貸業における商業施設等の運営において、競合他社との価格、立地等での厳しい競争に直面しております。さらに、当社グループの建設事業は、一般に競争入札に基づいて受注がおこなわれており、多くの競合他社との間で競争がおこなわれております。
当社グループの各種事業における競争力を維持・強化するための値下げ、設備投資及び資産の処分は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑪ 情報システム・情報管理に関するリスク
当社グループでは、都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業等様々な事業分野で、多くのⅠTシステムを使用しております。これらのシステムについて事故・災害、人為的ミス等によりその機能に重大な障害が発生した場合、当社グループの業務運営に影響を与え、営業収益の減少又は対策費用の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、他の鉄道事業者、鉄道関連サービス提供業者等他社のシステム障害による影響を受ける可能性があります。さらに、当社グループでは、ホテル・レジャー事業における宿泊者名簿や会員制サービス、都市交通・沿線事業における定期乗車券やIC乗車券の販売、不動産事業やグループポイントカード運営等における顧客データ等個人情報を含むデータベースを管理しております。当社グループでは個人情報の管理に十分留意しておりますが、万一、個人情報の流出等の問題が発生した場合、当社グループへの損害賠償請求や当社グループの信用の低下により当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑫ 燃料費・電気料金・原材料価格の高騰に関するリスク
都市交通・沿線事業においては、原油価格が高騰するとバス業やタクシー業等において燃料費が、鉄道業においても電気動力費が増加する場合があります。また、原油価格の上昇以外の原因による電力費用の上昇も、当社グループの、特に鉄道業に影響を与えます。当社グループは、特に東京電力株式会社から供給される電力に依存しておりますが、東京電力株式会社は2011年3月11日に発生した東日本大震災による被害等を理由として2012年4月以降当社グループの鉄道業を含む大口顧客向け料金を引き上げており、今後、さらなる電気料金の引き上げが実施された場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
建設事業においては、受注・着工から竣工までの工事期間が長期間となるものが多くあり、工事期間中に原材料の価格が高騰すると工事原価が上昇する場合があります。また、建築原材料が高騰すると、不動産事業及び建設事業においてこれら原材料の価格変動を販売価格及び請負価格に反映することが困難な場合、想定した利益を確保できない場合があります。また、設備投資においても投資額が増加し、減価償却費及び資金調達コストが増加したり、必要な設備投資の延期を余儀なくされる可能性があります。
従って、効率的な事業運営をはかってまいりますが、原油価格や電気料金、原材料の価格が高騰した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑬ 収益構造に関するリスク
当社グループの事業のうち、特に都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業及び不動産事業においては、営業コストの相当部分が、人件費、減価償却費等の固定費で構成されているため、営業収益の比較的小幅な減少であっても、営業利益に大きな影響を及ぼすことになります。このような収益構造が、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があり、特に、ホテル・レジャー事業については、営業収益の変動が比較的大きいことから、より大きな影響を受ける可能性があります。
⑭ 風評に関するリスク
当社グループの事業の多くは「西武」と「プリンス」等のブランドでサービスと製品をお客さまに直接提供しております。「事業等のリスク」に記載のいずれかのリスクが現実となった場合を含め、当社グループのブランドイメージが損なわれた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。さらに、これらのブランドと同一又は類似のブランドを使用する第三者も存在するため、これらのブランドイメージを損なうような第三者の行為・言動等が間接的に当社グループの評判を損なう可能性があります。
⑮ 食中毒や食品管理に関するリスク
当社グループにおいてはホテルやレストラン、店舗等において食事の提供や食品の販売をおこなっております。品質管理や食品衛生には十分注意しておりますが、食中毒事故が発生した場合は営業停止の処分を受けるほか、当社グループの信用やブランドを毀損し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
その他、ノロウイルスによる食中毒や家畜の伝染病の発生等食品衛生や食の安全、安心に関する問題が発生した場合、営業収益の減少や在庫の廃棄ロス等の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑯ 与信管理に関するリスク
当社グループでは、与信管理体制の強化に努めておりますが、特に建設事業においては工事期間が長期にわたり、かつ債権額が大きいことから、取引先の資金繰りの悪化等により請負代金の回収に支障を来した場合等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑰ 協力業者・取引先に関するリスク
当社グループの建設事業では、建設プロジェクトの施工管理業務を除くすべてを協力業者に依拠しておりますが、当社グループがお客さまに対する一義的な責任を負っております。当社グループは協力業者のサービスが確実に高い基準を満たすように努めておりますが、協力業者の工事がそうした基準を満たすことができなかった場合や協力業者が工事を完成できなかった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑱ 退職給付費用・退職給付債務に関するリスク
当社グループの従業員の退職給付費用及び債務は、割引率や年金資産の長期期待運用収益率等の数理計算で設定される前提条件に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と相違した場合又は前提条件が変更された場合は、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑲ 為替変動に関するリスク
為替の変動により営業利益が減少し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
また、当社は、連結財務諸表を円表示で作成しているため、外貨表示で作成されている在外子会社の財務諸表の日本円表示への換算に際して、為替相場の状況により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑳ サーベラス・グループによる影響に関するリスク
当社株式の上場に関する意見の相違等から、サーベラス・グループの関連事業体であるエス-エイチ ジャパン・エルピーは2013年3月12日付で当社株式の一部の買付けを目的とした公開買付けを開始し、また、サーベラス・グループは当社の株主総会において当社取締役・監査役の追加選任等を求める株主提案をおこないました。当社は当該公開買付け及び株主提案に反対し、当社取締役・監査役の再任及び追加選任を求める会社提案をおこないました。2013年5月31日に終了した当該公開買付けによるエス-エイチ ジャパン・エルピーの当社株式の追加取得は議決権割合で3.04%相当分となり、また、2013年6月に開催された当社定時株主総会においてサーベラス・グループの当社取締役・監査役の追加選任等を求める株主提案は否決され、当社取締役・監査役の再任及び追加選任を求める会社提案は可決されました。当該公開買付け後の当社の発行済株式総数に対するサーベラス・グループが所有する株式数の割合は35.45%に、当社の議決権の総数(2014年3月31日現在、3,420,387個)に対するサーベラス・グループが所有する議決権の割合は35.46%となりました。その後、当社とサーベラス・グループの関係は改善し、現在、サーベラス・グループは、当社に対する経営関与や当社株式のさらなる買い増しをおこなう意向はなく、当社の事業計画を支持しております。しかしながら、サーベラス・グループとその他の株主との利益が一致しない可能性があります。サーベラス・グループは、引き続き、当社発行済株式総数の35.45%を保有しており、当社グループにおける合併等の組織再編、重要な資産・事業の譲渡、定款の変更等の当社の株主総会における重要事項の決定に影響を与える可能性があり、その場合、当社の事業戦略等に影響を与える可能性があります。
また、サーベラス・グループが当社株式を売却する場合、又はサーベラス・グループが保有する当社株式に付されている担保権の実行により当社株式が売却される場合、当社の株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
① 経済情勢に関するリスク
当社グループは、日本国内を主たるマーケットとして事業を展開しており、各種経済情勢の影響を受けております。消費の低迷、雇用状況の悪化、企業活動の停滞、需要の減少、民間工事及び公共工事の減少、不動産市況の低迷、消費税率の上昇等が、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
② 法的規制等に関するリスク
当社グループの各事業においては、それぞれ法的規制を受けております。
都市交通・沿線事業等においては鉄道事業法、道路運送法等の法的規制を受けております。鉄道業では、鉄道事業法の定めにより、経営しようとする路線及び鉄道事業の種別毎に国土交通大臣の許可を受けなければならず(鉄道事業法第3条)、また、上限運賃の設定及び変更につき、国土交通大臣の認可を受けなければなりません(同第16条)。現在、鉄道業における当社グループの運賃は上限運賃に設定されているため、運賃の引上げには国土交通大臣の認可が必要となります。そのため、営業コストが増加した場合等であっても、その影響を適切な時期や程度において運賃に転嫁できない可能性があります。
なお、当社グループが現在受けている上記鉄道業の許可及び認可については、期間の定めはありません。また、これら鉄道業の許可もしくは認可について、鉄道事業法、同法に基づく命令もしくはこれらに基づく処分又は許可・認可に付した条件への違反等に該当した場合には、国土交通大臣は事業の停止を命じ又は許可を取り消すことができるとされております(同第30条)。現時点におきまして、当社が知りうる限りこれらの違反等に該当する事実は存在せず、鉄道業の継続に支障を来す要因は発生しておりません。しかしながら、これらの違反等に該当し国土交通大臣から事業の停止を命じられ、又は許可が取り消された場合には、当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。バス業やタクシー業においても、道路運送法の定めにより、一般旅客自動車運送事業の許可(道路運送法第4条)等を受けなければなりません。
また、安全、バリアフリー化、省エネルギー、環境等に関する規制の強化に対応するための投資が必要となる可能性があります。
ホテル・レジャー事業では、旅館業法や食品衛生法等の法的規制を受けております。具体的にはホテル業における旅館業法による事業経営の許可(旅館業法第3条)等があります。
不動産事業では、宅地建物取引業法、都市計画法、建築基準法、建設業法、土壌汚染対策法等の法的規制を受けております。例えば、当社グループの保有するいずれかの不動産でアスベストを含む有害・有毒物質が発見された場合、その不動産の価値が下落する可能性があり、また、有害物質の対策をおこない、関連する環境責任を果たすために多大な費用の計上が必要となる可能性があります。さらに、これらの法制が変更された場合には、新たな義務の発生、費用負担の増加、保有不動産に関する権利の制限等により、保有不動産の価値低下や事業範囲の制限、大幅な開発計画の見直し等が生じる可能性があります。
また、建設事業では建設業法、建築基準法等の法的規制を受けております。
これら現在の規制に重要な変更や新たな規制が設けられた場合には、規制を遵守するために必要な費用が増加する可能性があり、また、規制に対応できなかった場合は、当社グループの活動が制限される等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
また、新たな会計基準や税制の導入・変更により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
③ 自然災害・事故等に関するリスク
当社グループの事業においては、「安全・安心」を最重要課題と認識し、運輸安全マネジメント体制をはじめとする都市交通・沿線事業における安全性向上の取り組みやホテル・レジャー事業における食の安全確保の施策の推進、施設の安全対策の実施等安全管理には万全の注意を払っております。しかしながら、大規模な事故、地震や台風等の自然災害、テロ行為等が発生した場合、その対策費用の発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
また、台風や冷夏、降雪の状況等天候不順によりホテル・レジャー事業においてお客さまの減少等が見込まれるほか、新型インフルエンザ等治療方法が確立されていない感染症が流行した場合、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等において休業や出控え等が懸念され、営業収益の減少や対策費用の発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
④ 少子高齢化に関するリスク
当社グループでは、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等お客さまの生活に密着した事業を展開しております。そのため、少子高齢化による就業・就学人口の減少や現在又は将来における人口の減少により鉄道業やバス業等における輸送人員の減少、レジャー施設の利用人員の減少等が懸念されます。特に鉄道業においては西武鉄道沿線地域に経営資源が集中しており、同地域の人口の減少等による影響が懸念されます。また、当社グループは、鉄道業の営業収益の相当部分を通勤・通学で利用されるお客さまから得ており、東京の昼間人口の減少は当社グループの都市交通・沿線事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業及び建設事業では特に多くの労働力を必要としており、今後、若年層の人材確保がさらに困難になることが懸念されます。これらの場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑤ 観光客の減少に関するリスク
当社グループのホテル・レジャー事業は、海外からの観光客の増減を含む日本の観光市場の動向により大きな影響を受けます。日本の観光市場は、日本の経済状況、為替相場の状況、諸外国における対日感情、自然災害、事故、疫病等の影響を受ける可能性があります。
また、当社グループでは、海外においては主として米国ハワイ州においてハワイ事業を運営しております。ハワイ事業は、上記の要因による影響を受けるほか、米国景気をはじめとして国際情勢に変動が生じた場合には、ハワイ州への渡航者数が減少することにより、営業収益が減少する可能性があります。
日本又はハワイにおける観光客の減少は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑥ 「西武グループ中期事業計画」等に関するリスク
当社グループは、当社グループが概ね10年間で目指していくべき方向性を示した「西武グループ長期戦略」とともに、2014年2月に「西武グループ中期事業計画」を策定し、そのなかで、2014年度から2016年度までの経営戦略及び経営目標を設定いたしました。当社グループがこれらの経営戦略及び経営目標又はその他の開発計画等を達成できない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。「西武グループ中期事業計画」の内容については、「3 対処すべき課題」をご参照ください。
⑦ 重要な訴訟に関するリスク
当社グループの西武鉄道株式会社及び株式会社プリンスホテルは、2014年6月18日現在、西武鉄道株式会社の元株主の一部から、以下に述べる西武鉄道株式会社の株式(以下「西武鉄道株式」といいます。)に関する有価証券報告書等の記載問題に関連して損害を被ったとして、複数の損害賠償請求訴訟(請求額合計358億49百万円)の提起を受けております。
西武鉄道株式会社は、かつて東京証券取引所に上場しておりましたが、有価証券報告書等に、旧株式会社コクド所有の西武鉄道株式数を過小に記載しておりました。なお、旧株式会社コクドは、当社グループの再編に関連して2006年2月に株式会社プリンスホテルに合併されるまで当社の前身の一つであった非上場会社であります。2004年10月にかかる記載問題の公表により、西武鉄道株式会社の少数特定者持株数が上場株式数の80%を超えていることが判明し、東京証券取引所の定める当時の上場廃止事由に該当する可能性が生じたことから、西武鉄道株式の株価は下落し、その後、2004年12月に西武鉄道株式は上場廃止に至りました。上記訴訟における原告らの多くは、2004年10月の西武鉄道株式会社による記載問題の公表から同年12月の西武鉄道株式上場廃止までの間に西武鉄道株式を売却した元株主であり、上記訴訟においては、原告らが被った損害の算定方法が主要な争点となりました。2011年9月、最高裁判所より、上場廃止前に株式を売却した原告らの損害については、株式の購入価格と売却価格との差から、株式購入時以降2004年10月の虚偽記載の公表までの間の虚偽記載とは無関係な要因による株価下落分を差し引いて算出すべきであると判断され、事件は東京高等裁判所に差し戻されました。当社は、最高裁判所の上記判示を考慮しつつ、西武鉄道株式購入時以降2004年10月の虚偽記載の公表までの間の株価下落は100%上記虚偽記載以外の要因に基づくものであるとの前提に基づき2012年3月期の第2四半期末において181億91百万円を訴訟損失引当金として計上し、その後、当該引当金の大部分は既に原告らに支払われております。現在は、最高裁判所で示された計算方法による損害の額が争われておりますが、そのうち、一つの訴訟について、2014年1月、東京高等裁判所より、判決が言い渡されており、各元株主による株式購入時以降2004年10月の虚偽記載の公表までの間の株価下落分のうち、90%は上記虚偽記載とは無関係な要因によるものと判断されております。ただし、当該判決は、原告らの一部と被告らが上告しており、確定には至っておりません。また、他の一つの訴訟においても、2014年3月、東京高等裁判所より、判決が言い渡されており、当該判決においては、当該訴訟の原告である各元株主による株式購入時以降2004年10月の虚偽記載の公表までの間の株価下落分のうち、15%が上記虚偽記載に起因する損害であると判断されております。ただし、当該判決は、被告らが上告しており、確定には至っておりませんが、当該判決を踏まえ、他の訴訟も含めた同様の損害賠償請求訴訟に対する損失に備えるため、今後発生する可能性のある損失を見積り、当連結会計年度において訴訟損失引当金として52億16百万円を追加で計上いたしました。かかる2件の訴訟以外の訴訟においても、一つの訴訟については2014年6月25日に、また他の一つの訴訟については2014年7月16日に判決が言い渡される予定であり、さらには残りの他の一つの訴訟についても、近い将来において判決が言い渡されることが見込まれており、これらの訴訟で、被告らに不利な判決がなされたり、再上告審で被告らに不利な判決がなされたりすること等により、裁判所によって最終的に決定される原告らの損害額が引当金の額や既に原告らに支払われている額を超える場合には、さらなる追加の引当金の計上を余儀なくされたり、当該損害額及び遅延損害金を支払うこととなり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
また、2014年6月18日現在、当社グループ再編前の旧株式会社コクドについて株主権を主張する者の一部から、当社、株式会社プリンスホテル及び当社の大株主である株式会社NWコーポレーションに対し、グループ再編に関する株主総会決議不存在確認等請求訴訟が提起されております。当該訴訟では、旧西武グループ創業者の相続人の一人である原告が、2005年11月から2006年2月になされた、当社グループの前身の組織再編(当社の設立を含みます。)を承認した株主総会決議は不存在か、又は取り消されるべきであり、それに引き続く組織再編も無効とすべきであると主張しております。原告は、その理由として、当該株主総会における議決権は株主名簿上の株主によって行使されているが、実際には旧西武グループ創業者が旧株式会社コクドの総議決権の過半数を大きく上回る議決権を保有していたものであって、同氏から相続により原告がその一部を承継したものであり、株主名簿上の株主の多くは、旧西武グループ創業者と合意の上、名義上のみ株主とされていたに過ぎない等の主張をしております。2012年12月、東京高等裁判所は、原告の請求をすべて退けましたが、原告は上告しており、現在、当該訴訟は最高裁判所に係属中であります。当社は、一連の当社グループ再編手続に瑕疵がないものと考えておりますが、上記訴訟の結果、万一瑕疵が認定された場合、一連の当社グループ再編のうち、株式会社NWコーポレーションの設立の効力に影響が生じ、当社の株主構成に変更が生ずる可能性があります。
さらに、2014年6月18日現在、西武鉄道株式会社及び株式会社プリンスホテルに対し、当社グループ再編に関連して損害を被ったとして、損害賠償請求訴訟(第一審における請求金額合計125億円。ただし、上告時点で1億円に減額されております。)が提起されております。当該訴訟は、上記組織再編に関する訴訟における原告と、同じく旧西武グループ創業者から相続により承継したとして旧株式会社コクドにつき株主持分を有していると主張する者らが、西武鉄道株式会社及び株式会社プリンスホテルを含む多くの被告に対し、原告らの株主権が侵害されたことによって生じたとされる損害の賠償を求めているものであります。2013年1月、東京高等裁判所は原告らの請求をすべて退けましたが、原告らは上告しており、現在、最高裁判所に係属中であります。当社は、一連の当社グループ再編手続に瑕疵がないものと考えておりますが、上記訴訟の結果によっては当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
以上のほか、当社グループは、通常の業務過程において、契約を巡る紛争、損害賠償、労働紛争、環境汚染等に関連して第三者から訴訟その他の法的手続を提起されたり、政府から調査を受けたりする可能性があります。法的手続対応の負担に加え、仮に当社グループに不利な判決、決定等が下された場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑧ 有利子負債に関するリスク
当社グループは、鉄道業、ホテル業等継続して多額の設備投資を必要とする事業をおこなっており、有利子負債についてはその削減に努めておりますが、有利子負債から現預金を差し引いたネット有利子負債残高は当連結会計年度末現在8,155億76百万円となっております。資金調達にあたっては、長期かつ固定金利での借入を主とすることにより、短期的な金利上昇リスクへの対応をはかっておりますが、今後の金利の上昇や金融市場の変化又は当社グループの財務状況等の悪化にともなう格付けの引下げ等によっては支払利息が増加したり、返済期限を迎える有利子負債の借換えに必要な資金を含む追加的な資金を望ましい条件で調達することが困難になる可能性があります。これらの事情により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、借入の返済に充てるため、充分な資金を設備投資等に使用することができなくなる可能性もあります。
⑨ 保有資産の価値に関するリスク
鉄道業やホテル業等の事業を展開する当社グループは、その事業の性質上、多くの不動産等の固定資産を保有しております。当社グループが保有している不動産、有価証券等の資産には、価格変動リスクが存在するため、経済情勢又は景気の動向、保有資産のキャッシュ・フロー創出能力の低下等によって保有資産の価値が毀損し、減損損失が発生し、又は売却により売却損が発生する等当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑩ 競争激化に関するリスク
当社グループは、多くの事業で厳しい競争に直面しております。
当社グループのホテル・レジャー事業は、外資系や宿泊特化型ホテルの進出等により客室数は大幅に増加する一方で、需要が大幅に増加しない可能性があるため、業界として競争が激化しております。
当社グループでは、MICEビジネスの推進や日本最大級のネットワークを活かしたチェーンオペレーション等により、競争力の維持及び強化に努めておりますが、競合他社が新築又は改築・改装したホテルに対して競争力を維持及び強化するためには、改築・改装を含む多額の設備投資等の負担が必要となります。また、こうした施策が有効に機能しない場合、価格引下げ等により営業収益が減少し、ひいてはホテルの閉鎖又は売却により売却損が発生する等当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
また、当社グループの不動産事業は、不動産賃貸業における商業施設等の運営において、競合他社との価格、立地等での厳しい競争に直面しております。さらに、当社グループの建設事業は、一般に競争入札に基づいて受注がおこなわれており、多くの競合他社との間で競争がおこなわれております。
当社グループの各種事業における競争力を維持・強化するための値下げ、設備投資及び資産の処分は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑪ 情報システム・情報管理に関するリスク
当社グループでは、都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業等様々な事業分野で、多くのⅠTシステムを使用しております。これらのシステムについて事故・災害、人為的ミス等によりその機能に重大な障害が発生した場合、当社グループの業務運営に影響を与え、営業収益の減少又は対策費用の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、他の鉄道事業者、鉄道関連サービス提供業者等他社のシステム障害による影響を受ける可能性があります。さらに、当社グループでは、ホテル・レジャー事業における宿泊者名簿や会員制サービス、都市交通・沿線事業における定期乗車券やIC乗車券の販売、不動産事業やグループポイントカード運営等における顧客データ等個人情報を含むデータベースを管理しております。当社グループでは個人情報の管理に十分留意しておりますが、万一、個人情報の流出等の問題が発生した場合、当社グループへの損害賠償請求や当社グループの信用の低下により当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑫ 燃料費・電気料金・原材料価格の高騰に関するリスク
都市交通・沿線事業においては、原油価格が高騰するとバス業やタクシー業等において燃料費が、鉄道業においても電気動力費が増加する場合があります。また、原油価格の上昇以外の原因による電力費用の上昇も、当社グループの、特に鉄道業に影響を与えます。当社グループは、特に東京電力株式会社から供給される電力に依存しておりますが、東京電力株式会社は2011年3月11日に発生した東日本大震災による被害等を理由として2012年4月以降当社グループの鉄道業を含む大口顧客向け料金を引き上げており、今後、さらなる電気料金の引き上げが実施された場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
建設事業においては、受注・着工から竣工までの工事期間が長期間となるものが多くあり、工事期間中に原材料の価格が高騰すると工事原価が上昇する場合があります。また、建築原材料が高騰すると、不動産事業及び建設事業においてこれら原材料の価格変動を販売価格及び請負価格に反映することが困難な場合、想定した利益を確保できない場合があります。また、設備投資においても投資額が増加し、減価償却費及び資金調達コストが増加したり、必要な設備投資の延期を余儀なくされる可能性があります。
従って、効率的な事業運営をはかってまいりますが、原油価格や電気料金、原材料の価格が高騰した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑬ 収益構造に関するリスク
当社グループの事業のうち、特に都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業及び不動産事業においては、営業コストの相当部分が、人件費、減価償却費等の固定費で構成されているため、営業収益の比較的小幅な減少であっても、営業利益に大きな影響を及ぼすことになります。このような収益構造が、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があり、特に、ホテル・レジャー事業については、営業収益の変動が比較的大きいことから、より大きな影響を受ける可能性があります。
⑭ 風評に関するリスク
当社グループの事業の多くは「西武」と「プリンス」等のブランドでサービスと製品をお客さまに直接提供しております。「事業等のリスク」に記載のいずれかのリスクが現実となった場合を含め、当社グループのブランドイメージが損なわれた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。さらに、これらのブランドと同一又は類似のブランドを使用する第三者も存在するため、これらのブランドイメージを損なうような第三者の行為・言動等が間接的に当社グループの評判を損なう可能性があります。
⑮ 食中毒や食品管理に関するリスク
当社グループにおいてはホテルやレストラン、店舗等において食事の提供や食品の販売をおこなっております。品質管理や食品衛生には十分注意しておりますが、食中毒事故が発生した場合は営業停止の処分を受けるほか、当社グループの信用やブランドを毀損し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
その他、ノロウイルスによる食中毒や家畜の伝染病の発生等食品衛生や食の安全、安心に関する問題が発生した場合、営業収益の減少や在庫の廃棄ロス等の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑯ 与信管理に関するリスク
当社グループでは、与信管理体制の強化に努めておりますが、特に建設事業においては工事期間が長期にわたり、かつ債権額が大きいことから、取引先の資金繰りの悪化等により請負代金の回収に支障を来した場合等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑰ 協力業者・取引先に関するリスク
当社グループの建設事業では、建設プロジェクトの施工管理業務を除くすべてを協力業者に依拠しておりますが、当社グループがお客さまに対する一義的な責任を負っております。当社グループは協力業者のサービスが確実に高い基準を満たすように努めておりますが、協力業者の工事がそうした基準を満たすことができなかった場合や協力業者が工事を完成できなかった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑱ 退職給付費用・退職給付債務に関するリスク
当社グループの従業員の退職給付費用及び債務は、割引率や年金資産の長期期待運用収益率等の数理計算で設定される前提条件に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と相違した場合又は前提条件が変更された場合は、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑲ 為替変動に関するリスク
為替の変動により営業利益が減少し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
また、当社は、連結財務諸表を円表示で作成しているため、外貨表示で作成されている在外子会社の財務諸表の日本円表示への換算に際して、為替相場の状況により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑳ サーベラス・グループによる影響に関するリスク
当社株式の上場に関する意見の相違等から、サーベラス・グループの関連事業体であるエス-エイチ ジャパン・エルピーは2013年3月12日付で当社株式の一部の買付けを目的とした公開買付けを開始し、また、サーベラス・グループは当社の株主総会において当社取締役・監査役の追加選任等を求める株主提案をおこないました。当社は当該公開買付け及び株主提案に反対し、当社取締役・監査役の再任及び追加選任を求める会社提案をおこないました。2013年5月31日に終了した当該公開買付けによるエス-エイチ ジャパン・エルピーの当社株式の追加取得は議決権割合で3.04%相当分となり、また、2013年6月に開催された当社定時株主総会においてサーベラス・グループの当社取締役・監査役の追加選任等を求める株主提案は否決され、当社取締役・監査役の再任及び追加選任を求める会社提案は可決されました。当該公開買付け後の当社の発行済株式総数に対するサーベラス・グループが所有する株式数の割合は35.45%に、当社の議決権の総数(2014年3月31日現在、3,420,387個)に対するサーベラス・グループが所有する議決権の割合は35.46%となりました。その後、当社とサーベラス・グループの関係は改善し、現在、サーベラス・グループは、当社に対する経営関与や当社株式のさらなる買い増しをおこなう意向はなく、当社の事業計画を支持しております。しかしながら、サーベラス・グループとその他の株主との利益が一致しない可能性があります。サーベラス・グループは、引き続き、当社発行済株式総数の35.45%を保有しており、当社グループにおける合併等の組織再編、重要な資産・事業の譲渡、定款の変更等の当社の株主総会における重要事項の決定に影響を与える可能性があり、その場合、当社の事業戦略等に影響を与える可能性があります。
また、サーベラス・グループが当社株式を売却する場合、又はサーベラス・グループが保有する当社株式に付されている担保権の実行により当社株式が売却される場合、当社の株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E04154] S10026ZL)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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