有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10025IK
日本郵船株式会社 事業等のリスク (2014年3月期)
当社グループの主たる事業である海上輸送及び総合物流事業、客船事業、航空運送事業などの事業活動において、世界各国の経済情勢、政治的又は社会的な要因等により、当社グループの事業や業績が悪影響を受ける可能性があります。当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)重大な事故等による影響について
当社グループは、海・陸・空にまたがるグローバルな総合物流企業グループとして、安全・確実な「モノ運び」を通じ、人々の生活を支えるという企業理念のもと、世界中で船舶及び航空機を運航・管理しています。これらの安全運航及び環境保護対策を最重要課題と認識し、船舶においては独自の安全管理システム「NAV9000」による品質保証活動を実施するなど、安全運航に努めています。船舶をはじめ各現場での実行状況は、社長を委員長とする「安全環境対策推進委員会」で定期的にレビューされ、安全品質レベルを更に向上・改善させるシステムが構築されており、また、緊急事態に際しては、適切な対応ができる体制を整えています。しかしながら、もし不測の事故、特に油濁その他の環境汚染、乗務員又は乗客の死亡又は傷害、船舶の喪失又は損傷等につながる重大な事故等が発生した場合、もしくは海賊・テロ事案等保安事件が発生した場合には、貨物輸送の遅延・不能、運送契約の解除・債務不履行、過料、訴訟、罰金又は営業制限、保険料の引き上げ、評判及び顧客関係の悪化といった事態に直面する可能性があり、かかるリスク又は損失を保険で適切にカバーできない場合には、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
(2)一般的な海運市況・荷動き等の変動による影響について
当社グループは、一般的な海運市況の変動に左右されない安定的な営業収益の確保に努めていますが、一般的な経済動向、国際間の荷動き需要減退、競争激化又は船舶需給バランス等の影響により、運賃収入及び貸船料収入などが大きく変動する可能性があり、その結果として当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
また、運賃は、近年の船腹需給の不均衡により、大幅に変動する傾向にあります。需給間の不均衡は、今後も海運業界に影響を及ぼすと見込まれ、その結果、当社グループの売上高は大幅に変動する可能性があります。また、当社グループの船舶の価値にも影響を及ぼす可能性があります。
海運業界における需要に影響を及ぼす要因には、以下のものが含まれます。
・世界的及び地域的な経済環境
・当社グループが運搬するエネルギー資源、原材料及び商品の需要並びに消費動向
・工場のグローバル化
・在庫水準
・海上輸送及びその他の輸送方法の変化並びに代替輸送手段の発展
・国際貿易の進展並びに世界的、地域的な政治動向及び経済情勢
・環境開発及びその他の規制の動向
また、船腹過剰が、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。船舶の供給に影響を及ぼす可能性のある要因には、以下のものが含まれます。
・新造船の隻数又は船腹量
・中古船のスクラップ価格
・港及び運河の混雑又は閉鎖
・定期点検又は係船により運航を休止している船舶の隻数
・環境規制及び船舶の耐用年数を制限する可能性のあるその他の規制の変更又は基準を充たす船舶の減少
供給過剰によって、市場における傭船料の水準及び当社グループの船舶の価値が下落し、当社グループの事業、業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
当社グループは、船隊の一部を新造船の建造・保有によって調達しています。当社グループの新造船に関連する長期固定費用には、減価償却費、借入金の支払利息及び船舶の運営・維持費が含まれます。当社グループはまた、船隊のうち一部の船舶を長期傭船により調達しており、傭船期間にわたり一定の傭船料支払いを行います。しかし、その一方で、船舶に対する需要や運賃水準は、短期間に大きく変動します。当社グループは、需要動向及び必要な船腹の予測に基づき、新規船舶の建造を発注し、又は長期傭船契約を締結していますが、仮に当社グループが一定以上の稼働率で船舶を運航することができず、又は短期の契約により船舶を運航に供する場合でその後市場の運賃水準が大幅に下落した場合、船舶の運航により得られる収益が費用をまかなうのに十分でない可能性があり、その結果として当社グループの事業、業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
(3)競合他社との競争による影響について
当社グループは、日本における海運業者のみならず、国際的海運業を営む世界中の競合他社と競争関係にあり、競争状況は激化しています。当社グループがいずれかの事業において競争優位性を維持できなくなった場合、当社グループの事業、業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
(4)為替レートの変動による影響について
当社グループの事業においては、外貨建て取引が多く、為替レートの変動が損益に影響を与える可能性があります。収入と費用の通貨の一致を進めるとともに、為替予約や通貨スワップ等のヘッジ取引により、為替レート変動の影響の軽減に努めています。また、当社グループの連結財務諸表作成にあたっては、海外の連結子会社の財務諸表を円換算しており、為替レートが変動した場合、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
(5)燃料油価格の変動による影響について
当社グループは、世界中で当社グループが運航する船舶及び航空機に使用される燃料油を常時購入しています。燃料油費用は、当社グループの定期船事業、不定期専用船事業及び航空運送事業における費用の大きな割合を占めています。燃料油の価格水準及び入手可能量は、世界的な原油需給、外国為替市場の変動、産油国やOPECの動向、環境規制の状況、戦争その他の多くの要因により変動し、これらの動向を正確に予測することは困難です。当社グループとして、燃料油調達地域の分散及びデリバティブ取引を利用した燃料油の価格ヘッジ、燃料油の消費量節減等の対策を講じて業績に与える影響の軽減に努めていますが、かかる対策は限定的であり、価格の変動又は供給不足から十分に保護されない可能性があります。また、今後も環境規制の拡大・強化に伴い、船舶は環境負荷の低い良質な燃料の使用が求められ、結果として価格が割高な燃料を調達せざるを得ない可能性があります。当社グループは通常燃料油の価格上昇の全てを、運賃値上げ又は燃油サーチャージの適用といった方法で転嫁できているわけではありません。このため、燃料価格の上昇が、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6)グローバルな事業展開における各地域の経済状況等による影響について
当社グループの活動の範囲は、世界各地に及んでおり、各々の地域における経済状況等により影響を受ける可能性があります。具体的には、以下に掲げるいくつかのリスクが内在しています。これらリスクに対しては、グループ内での情報収集、外部コンサルタント起用等を通じ、その予防・回避に努めていますが、これらの事象が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
① 不利な政治的又は経済的要因
② 事業・投資許可、租税、為替管制、国際資産の没収、独占禁止、通商制限など公的規制の影響
③ 他社と合弁・提携する事業の動向により生じる影響
④ 戦争、暴動、テロ、海賊、伝染病、ストライキ、コンピューターウイルス、その他の要因による社会的混乱
⑤ 地震、津波、台風等の自然災害の影響
⑥ 国際的業務における人員配置及び管理の困難性
⑦ 日本とは異なる責任の基準及び予測困難な法体制
これらの要因は特定の国際市場での当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があり、その結果として当社グループのビジネスに悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、コンテナ船事業において、他の海外海運会社との戦略的提携であるグランドアライアンス及びG6アライアンスのメンバーとなっています。当社グループは、コンテナ船事業の効率的かつグローバルなネットワークを保つために、かかるアライアンスが必要であると考えています。しかしながら、アライアンスの活動には、均一の安全・運航基準及び管理方針・手続を維持する難しさ、アライアンス統合及び解散の可能性、アライアンスに加盟している会社の撤退又はアライアンスによって必ずしも期待していた結果が得られない可能性といったリスクを伴います。当社グループがかかる要因に適切に対処できない場合、当社グループの事業、業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
当社グループの事業は、十分な数の海上従業員に依存しています。船舶の安全な運航のためには、質の高い従業員を確保することが特に重要となります。当社グループの海上従業員のほとんどは、アジアの国々(例えばフィリピンやインド)の外国人です。当社グループは、質の高い海上従業員を確保するために、教育及び訓練の提供及び他の国からの採用など、様々な手段を取ってきましたが、適切な費用で必要な技術水準を持った海上従業員を十分に採用し維持できるという保証はありません。例えば、2008年のリーマン・ショック前の数年間、海上輸送への需要が高かった時期においては、海上従業員を雇用するための人件費が大幅に増加しました。十分な数の海上従業員を合理的な費用で雇用、維持できない場合、当社グループの事業、業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。また、配乗船員の約70%をフィリピン人船員に頼っている現状があります。加えて、戦争や政治的な要因が、当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があり、さらに海上従業員を含む当社グループの従業員の一部は、労働組合に所属しており、当社グループの従業員によってストライキ、業務停止又はサボタージュが行われた場合、当社グループの事業、業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。また、当社グループ従業員以外の第三者によるストライキ又は業務停止によっても、当社グループの事業、業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
当社グループは、中東を含め世界中の紛争に関するリスクによる影響を受けます。当社グループが保有又は傭船する一部の船舶は核開発に関して緊張があるイランの沿岸域、特にペルシャ湾への通航路となるホルムズ海峡を定常的に航行しています。また、海賊行為が度々発生するマラッカ・シンガポール海峡、西アフリカ沿岸及びソマリア海賊襲撃エリアであるアデン湾、アラビア海、インド洋などを航行しています。当社グループでは、関係機関からの情報収集及びアデン湾地域では海上自衛隊の護衛を受けるなど、海賊行為について対策を講じていますが、テロ及び海賊の襲撃を受けた場合、あるいは政情不安及び戦闘などが起こった場合、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。今後、これら水域が通常の戦争保険除外地域として指定された場合(一部水域は既に指定されています。)には、保険料の水準及び保険金の支払いに影響を与える可能性があります。
(7)システム開発・運用における事故等による影響について
当社グループにおいても、その業務遂行には、ITの円滑な運用は今や欠かせない企業基盤となっており、地震・火災等の罹災に際しても、システムの安定稼動の確保ないしシステムダウンに至った場合でも、その速やかな復旧を図るべく、努めています。しかし、システムダウンが一定期間以上におよび、お客様への情報提供及び業務処理が滞ることとなった場合には、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
(8)環境保全、安全・保安対策に係る規制強化等による影響について
当社グループが事業を行う各地域において、当社グループの船舶は安全運航及び海難事故の防止に関する国際法を遵守する必要があります。加えて、環境保護、輸出入、税金及び為替に関する地域固有の法令及び規制を遵守する必要があります。
当社グループは、環境保全活動及び物流サプライチェーンの安全・保安対策の重要性を認識しつつ、グローバルに事業を展開・拡大しています。例えば、バラスト水管理のための処置装置の搭載、藻、貝類、蛾等の船体付着物の移動防止に関する規制への対応、燃費節減によるCO2排出量削減、低硫黄燃料使用によるSOx排出量削減、NOx排出低減のため電子制御エンジン導入などの環境保全対策を実施しています。
今後、地球温暖化や大気汚染の防止、生物多様性の保全など環境保全、安全・保安対策に対する規制の強化及び社会の期待の高まりなどにより、これらに関連する対策費用が増加した場合、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。また、特定の地域における法令又は規制を遵守することが困難となった場合には、当該地域における当社グループの事業運営が制限され、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
(9)航空運送事業に係る影響について
当社グループは、ボーイング社に対して新型の航空機であるボーイング747-8F型機14機を発注しており、2013年度までに5機受領、残り9機は2014年度以降の引き渡し予定となっています。しかしながら、納期が遅れる可能性があり、それにより当社グループに損失が発生する可能性があります。また、航空貨物市場が低迷している場合には、かかる航空機が使用可能になったとしても、その全てを活用することができなくなる可能性があり、その場合、航空機の運航休止、リース又は売却を行わなければならなくなることにより損失を被る可能性があります。
加えて、当社グループの航空運送事業は、海運業と同様の下記のようなリスクにもさらされており、これらの要因が当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
・飛行機事故
・環境規制及びその他の規制の進展
・競争の激化及び需要の低迷による航空運賃の下落
・航空燃料油価格の変動
・通貨変動
・保険による補償範囲の不足
・法規制及び当局より付与される発着枠
・ITシステムの不具合
・固定費用の硬直化
・テロ、政情不安及び自然災害
(10)取引先との関係に係る影響について
当社グループのドライバルカー部門及びタンカー部門においては、特に大型の船舶について、取引先との長期契約に重点を置いています。かかる長期契約には、決定された運賃、使用船腹量及び費用調整条項が定められ、市場環境の変化による影響を安定化させるのに役立っています。しかしながら、当社グループが長期契約を結んでいる一部の取引先の経営状態等が悪化し、取引先が契約条項の全部又は一部の履行を継続できなくなる可能性があります。一方当社グループは、かかる長期契約上の義務を履行するにあたって、第三者からの傭船によって船舶を調達する場合があります。傭船先の一部が、傭船期間終了前に当社グループとの契約を履行できなくなる可能性があり、これによって他の船舶を調達するための損失が発生する可能性もあります。今後このような事態が生じた場合、当社グループの事業、業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。また、長期契約は市況の変動による影響を軽減できる反面、市況の上昇局面においても直ちに高い運賃を請求できなくなる場合があります。
当社グループの重要な取引先には、日本の主要な自動車メーカー、製紙会社、電機メーカー、製鉄会社、公共事業会社及び米国を拠点とする小売業者等が含まれています。仮に、重要な取引先との間の取引規模が縮小したり、重要な取引先を失うようなことがあれば、当社グループの財務状況が影響を受ける可能性があります。
(11)事業再編等による影響について
当社グループは、必要に応じ事業再編等を実施しています。今後とも事業再編等を実施した場合、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
(12)中期経営計画について
当社グループは、2014年3月に5ヵ年の新たな中期経営計画“More Than Shipping 2018 ~Stage 2 きらり技術力~”を策定しました。しかし、かかる中期経営計画は、様々な要因により影響を受ける可能性があり、必ずしも達成できる保証はありません。
(13)投資計画に係る影響について
当社グループは、船隊や航空機の整備等に係る投資を計画していますが、今後の市況及び公的規制等の動向によって、これらが計画どおりに進捗しない場合、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
当社グループは、新造船のための設備投資に相当程度の金額を投じています。大型の造船計画に伴う遅延の可能性や、造船所における労働争議、造船所の経営難など造船所自体に関わる要因によっても左右されます。新造船が納入される時点でもなお貨物輸送への需要が低迷している場合、又は需要が増加した場合において予定されていた船舶の納入が遅れた場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
(14)金利動向による影響について
当社グループは、船舶や航空機、輸送関連施設等の取得に係る設備投資需要や事業活動に係る運転資金需要に対し、内部資金を充当する他、外部から資金を調達しています。これらの外部資金については、現在、変動金利で調達する部分もあり、金利環境を勘案の上、金利固定化等により、金利変動による影響の軽減に努めていますが、将来の金利変動によっては、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。また、将来の資金調達コストが金利変動により、影響を受ける可能性があります。
(15)船舶等の売却等における影響について
当社グループは、海運市況の需給関係により、又は船舶及び航空機の新技術開発・導入に起因する陳腐化ないし安全規制・諸規則の変更等による物理的使用制限等により、当社グループが保有する船舶や航空機を売却する場合、又は当社グループが傭船する船舶の傭船契約解約を実施する場合があります。その結果、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
通常、当社グループは減価償却済みの船舶又は航空機を売却します。しかしながら、当社グループに有利な条件でこれらを売却できる保証はなく、またそもそも売却できない可能性もあります。景気が低迷し、船舶及び航空機の市場価格が下落しているときに、古い船舶及び航空機を売却する必要性が高まる可能性もあります。減価償却が完了していない船舶又は航空機を簿価より低い価格で売却しなければならない場合もあり、その場合売却損を被る可能性もあります。また、現在の市場低迷が回復せず、又は更に悪化した場合、船舶、航空機その他の資産について評価損を被る可能性があります。
(16)投資有価証券における評価損による影響について
当社グループは、有価証券の評価基準及び評価方法として、投資有価証券のうち時価のあるものについては決算日前1ヶ月の市場価格の平均等に基づく時価法を採用しています。その結果、株式市況の変動等が当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(17)退職給付制度による影響について
当社グループは、確定給付型の制度として、確定給付企業年金制度、厚生年金基金制度及び退職一時金制度を設けています。年金制度の変更、年金資産運用の状況及び退職給付会計において設定される前提条件の変更等が当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(18)繰延税金資産の回収可能性の評価における影響について
当社グループは、将来の課税所得の見積りに基づいて、繰延税金資産の回収可能性を評価していますので、その見積額が減少し繰延税金資産の一部又は全部を将来実現できないと判断した場合、あるいは税率変動等を含む各国税制の変更等があった場合、その判断を行った期間に繰延税金資産を減額し、税金費用を計上することになります。
その結果、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
(19)訴訟その他の法定手続の発生について
当社グループの主たる事業である海上輸送及び総合物流事業、客船事業、航空運送事業などの事業活動において、各種の訴訟や規制当局による調査及び処分に関するリスクを有しています。以下の事例も含め、訴訟等の内容及び結果によっては、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
日本貨物航空㈱は米国において、価格カルテルによって生じた損害を賠償するよう、請求金額を特定しないまま損害賠償請求訴訟(集団訴訟)を提起されていますが、現時点でその結果を合理的に予測することは困難であるため、引当金を計上していません。
郵船ロジスティクス㈱及び同社連結子会社1社は、国際航空貨物利用運送サービスに係る米国反トラスト法違反に関連して、米国において国際利用運送業者60社超とともに請求金額を特定しないまま損害賠償請求訴訟(集団訴訟)を提起されていますが、現時点でその結果を合理的に予測することは困難であるため、引当金を計上していません。
郵船ロジスティクス㈱及び同社連結子会社1社は、シンガポール競争委員会より日本発シンガポール向け国際航空貨物利用運送サービスに係る競争法違反の嫌疑に関する調査を受けており、2014年4月1日に同嫌疑に関する暫定的な見解を示す通知を受けていますが、現時点でその結果を合理的に予測することは困難です。
当社及び連結子会社1社は、2012年9月より自動車等の貨物輸送に関して独占禁止法違反の疑いがあるとして、日米の当局よりそれぞれ調査を受け、欧州当局から質問状を受領し、これらの調査に全面的に協力しています。当社は、このうち日本の公正取引委員会から2014年3月18日に排除措置命令及び課徴金納付命令(13,101百万円)を受けました。他方、現時点では日本以外における米欧の当局による調査の結果を合理的に予測することは困難です。
また、当社及び一部の子会社は、完成自動車車両等の海上輸送について、主要自動車船社と共同して運賃を設定したとして、請求金額を特定しないまま損害賠償及び差し止め等を求める集団民事訴訟を、米国その他の地域にて提起されていますが、現時点ではこれらの訴訟の結果を合理的に予測することは困難です。
なお、上記は当社グループが事業を継続する上で、予想される主なリスクを具体的に例示したものであり、これらに限定されるものではありません。
(1)重大な事故等による影響について
当社グループは、海・陸・空にまたがるグローバルな総合物流企業グループとして、安全・確実な「モノ運び」を通じ、人々の生活を支えるという企業理念のもと、世界中で船舶及び航空機を運航・管理しています。これらの安全運航及び環境保護対策を最重要課題と認識し、船舶においては独自の安全管理システム「NAV9000」による品質保証活動を実施するなど、安全運航に努めています。船舶をはじめ各現場での実行状況は、社長を委員長とする「安全環境対策推進委員会」で定期的にレビューされ、安全品質レベルを更に向上・改善させるシステムが構築されており、また、緊急事態に際しては、適切な対応ができる体制を整えています。しかしながら、もし不測の事故、特に油濁その他の環境汚染、乗務員又は乗客の死亡又は傷害、船舶の喪失又は損傷等につながる重大な事故等が発生した場合、もしくは海賊・テロ事案等保安事件が発生した場合には、貨物輸送の遅延・不能、運送契約の解除・債務不履行、過料、訴訟、罰金又は営業制限、保険料の引き上げ、評判及び顧客関係の悪化といった事態に直面する可能性があり、かかるリスク又は損失を保険で適切にカバーできない場合には、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
(2)一般的な海運市況・荷動き等の変動による影響について
当社グループは、一般的な海運市況の変動に左右されない安定的な営業収益の確保に努めていますが、一般的な経済動向、国際間の荷動き需要減退、競争激化又は船舶需給バランス等の影響により、運賃収入及び貸船料収入などが大きく変動する可能性があり、その結果として当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
また、運賃は、近年の船腹需給の不均衡により、大幅に変動する傾向にあります。需給間の不均衡は、今後も海運業界に影響を及ぼすと見込まれ、その結果、当社グループの売上高は大幅に変動する可能性があります。また、当社グループの船舶の価値にも影響を及ぼす可能性があります。
海運業界における需要に影響を及ぼす要因には、以下のものが含まれます。
・世界的及び地域的な経済環境
・当社グループが運搬するエネルギー資源、原材料及び商品の需要並びに消費動向
・工場のグローバル化
・在庫水準
・海上輸送及びその他の輸送方法の変化並びに代替輸送手段の発展
・国際貿易の進展並びに世界的、地域的な政治動向及び経済情勢
・環境開発及びその他の規制の動向
また、船腹過剰が、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。船舶の供給に影響を及ぼす可能性のある要因には、以下のものが含まれます。
・新造船の隻数又は船腹量
・中古船のスクラップ価格
・港及び運河の混雑又は閉鎖
・定期点検又は係船により運航を休止している船舶の隻数
・環境規制及び船舶の耐用年数を制限する可能性のあるその他の規制の変更又は基準を充たす船舶の減少
供給過剰によって、市場における傭船料の水準及び当社グループの船舶の価値が下落し、当社グループの事業、業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
当社グループは、船隊の一部を新造船の建造・保有によって調達しています。当社グループの新造船に関連する長期固定費用には、減価償却費、借入金の支払利息及び船舶の運営・維持費が含まれます。当社グループはまた、船隊のうち一部の船舶を長期傭船により調達しており、傭船期間にわたり一定の傭船料支払いを行います。しかし、その一方で、船舶に対する需要や運賃水準は、短期間に大きく変動します。当社グループは、需要動向及び必要な船腹の予測に基づき、新規船舶の建造を発注し、又は長期傭船契約を締結していますが、仮に当社グループが一定以上の稼働率で船舶を運航することができず、又は短期の契約により船舶を運航に供する場合でその後市場の運賃水準が大幅に下落した場合、船舶の運航により得られる収益が費用をまかなうのに十分でない可能性があり、その結果として当社グループの事業、業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
(3)競合他社との競争による影響について
当社グループは、日本における海運業者のみならず、国際的海運業を営む世界中の競合他社と競争関係にあり、競争状況は激化しています。当社グループがいずれかの事業において競争優位性を維持できなくなった場合、当社グループの事業、業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
(4)為替レートの変動による影響について
当社グループの事業においては、外貨建て取引が多く、為替レートの変動が損益に影響を与える可能性があります。収入と費用の通貨の一致を進めるとともに、為替予約や通貨スワップ等のヘッジ取引により、為替レート変動の影響の軽減に努めています。また、当社グループの連結財務諸表作成にあたっては、海外の連結子会社の財務諸表を円換算しており、為替レートが変動した場合、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
(5)燃料油価格の変動による影響について
当社グループは、世界中で当社グループが運航する船舶及び航空機に使用される燃料油を常時購入しています。燃料油費用は、当社グループの定期船事業、不定期専用船事業及び航空運送事業における費用の大きな割合を占めています。燃料油の価格水準及び入手可能量は、世界的な原油需給、外国為替市場の変動、産油国やOPECの動向、環境規制の状況、戦争その他の多くの要因により変動し、これらの動向を正確に予測することは困難です。当社グループとして、燃料油調達地域の分散及びデリバティブ取引を利用した燃料油の価格ヘッジ、燃料油の消費量節減等の対策を講じて業績に与える影響の軽減に努めていますが、かかる対策は限定的であり、価格の変動又は供給不足から十分に保護されない可能性があります。また、今後も環境規制の拡大・強化に伴い、船舶は環境負荷の低い良質な燃料の使用が求められ、結果として価格が割高な燃料を調達せざるを得ない可能性があります。当社グループは通常燃料油の価格上昇の全てを、運賃値上げ又は燃油サーチャージの適用といった方法で転嫁できているわけではありません。このため、燃料価格の上昇が、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6)グローバルな事業展開における各地域の経済状況等による影響について
当社グループの活動の範囲は、世界各地に及んでおり、各々の地域における経済状況等により影響を受ける可能性があります。具体的には、以下に掲げるいくつかのリスクが内在しています。これらリスクに対しては、グループ内での情報収集、外部コンサルタント起用等を通じ、その予防・回避に努めていますが、これらの事象が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
① 不利な政治的又は経済的要因
② 事業・投資許可、租税、為替管制、国際資産の没収、独占禁止、通商制限など公的規制の影響
③ 他社と合弁・提携する事業の動向により生じる影響
④ 戦争、暴動、テロ、海賊、伝染病、ストライキ、コンピューターウイルス、その他の要因による社会的混乱
⑤ 地震、津波、台風等の自然災害の影響
⑥ 国際的業務における人員配置及び管理の困難性
⑦ 日本とは異なる責任の基準及び予測困難な法体制
これらの要因は特定の国際市場での当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があり、その結果として当社グループのビジネスに悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、コンテナ船事業において、他の海外海運会社との戦略的提携であるグランドアライアンス及びG6アライアンスのメンバーとなっています。当社グループは、コンテナ船事業の効率的かつグローバルなネットワークを保つために、かかるアライアンスが必要であると考えています。しかしながら、アライアンスの活動には、均一の安全・運航基準及び管理方針・手続を維持する難しさ、アライアンス統合及び解散の可能性、アライアンスに加盟している会社の撤退又はアライアンスによって必ずしも期待していた結果が得られない可能性といったリスクを伴います。当社グループがかかる要因に適切に対処できない場合、当社グループの事業、業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
当社グループの事業は、十分な数の海上従業員に依存しています。船舶の安全な運航のためには、質の高い従業員を確保することが特に重要となります。当社グループの海上従業員のほとんどは、アジアの国々(例えばフィリピンやインド)の外国人です。当社グループは、質の高い海上従業員を確保するために、教育及び訓練の提供及び他の国からの採用など、様々な手段を取ってきましたが、適切な費用で必要な技術水準を持った海上従業員を十分に採用し維持できるという保証はありません。例えば、2008年のリーマン・ショック前の数年間、海上輸送への需要が高かった時期においては、海上従業員を雇用するための人件費が大幅に増加しました。十分な数の海上従業員を合理的な費用で雇用、維持できない場合、当社グループの事業、業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。また、配乗船員の約70%をフィリピン人船員に頼っている現状があります。加えて、戦争や政治的な要因が、当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があり、さらに海上従業員を含む当社グループの従業員の一部は、労働組合に所属しており、当社グループの従業員によってストライキ、業務停止又はサボタージュが行われた場合、当社グループの事業、業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。また、当社グループ従業員以外の第三者によるストライキ又は業務停止によっても、当社グループの事業、業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
当社グループは、中東を含め世界中の紛争に関するリスクによる影響を受けます。当社グループが保有又は傭船する一部の船舶は核開発に関して緊張があるイランの沿岸域、特にペルシャ湾への通航路となるホルムズ海峡を定常的に航行しています。また、海賊行為が度々発生するマラッカ・シンガポール海峡、西アフリカ沿岸及びソマリア海賊襲撃エリアであるアデン湾、アラビア海、インド洋などを航行しています。当社グループでは、関係機関からの情報収集及びアデン湾地域では海上自衛隊の護衛を受けるなど、海賊行為について対策を講じていますが、テロ及び海賊の襲撃を受けた場合、あるいは政情不安及び戦闘などが起こった場合、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。今後、これら水域が通常の戦争保険除外地域として指定された場合(一部水域は既に指定されています。)には、保険料の水準及び保険金の支払いに影響を与える可能性があります。
(7)システム開発・運用における事故等による影響について
当社グループにおいても、その業務遂行には、ITの円滑な運用は今や欠かせない企業基盤となっており、地震・火災等の罹災に際しても、システムの安定稼動の確保ないしシステムダウンに至った場合でも、その速やかな復旧を図るべく、努めています。しかし、システムダウンが一定期間以上におよび、お客様への情報提供及び業務処理が滞ることとなった場合には、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
(8)環境保全、安全・保安対策に係る規制強化等による影響について
当社グループが事業を行う各地域において、当社グループの船舶は安全運航及び海難事故の防止に関する国際法を遵守する必要があります。加えて、環境保護、輸出入、税金及び為替に関する地域固有の法令及び規制を遵守する必要があります。
当社グループは、環境保全活動及び物流サプライチェーンの安全・保安対策の重要性を認識しつつ、グローバルに事業を展開・拡大しています。例えば、バラスト水管理のための処置装置の搭載、藻、貝類、蛾等の船体付着物の移動防止に関する規制への対応、燃費節減によるCO2排出量削減、低硫黄燃料使用によるSOx排出量削減、NOx排出低減のため電子制御エンジン導入などの環境保全対策を実施しています。
今後、地球温暖化や大気汚染の防止、生物多様性の保全など環境保全、安全・保安対策に対する規制の強化及び社会の期待の高まりなどにより、これらに関連する対策費用が増加した場合、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。また、特定の地域における法令又は規制を遵守することが困難となった場合には、当該地域における当社グループの事業運営が制限され、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
(9)航空運送事業に係る影響について
当社グループは、ボーイング社に対して新型の航空機であるボーイング747-8F型機14機を発注しており、2013年度までに5機受領、残り9機は2014年度以降の引き渡し予定となっています。しかしながら、納期が遅れる可能性があり、それにより当社グループに損失が発生する可能性があります。また、航空貨物市場が低迷している場合には、かかる航空機が使用可能になったとしても、その全てを活用することができなくなる可能性があり、その場合、航空機の運航休止、リース又は売却を行わなければならなくなることにより損失を被る可能性があります。
加えて、当社グループの航空運送事業は、海運業と同様の下記のようなリスクにもさらされており、これらの要因が当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
・飛行機事故
・環境規制及びその他の規制の進展
・競争の激化及び需要の低迷による航空運賃の下落
・航空燃料油価格の変動
・通貨変動
・保険による補償範囲の不足
・法規制及び当局より付与される発着枠
・ITシステムの不具合
・固定費用の硬直化
・テロ、政情不安及び自然災害
(10)取引先との関係に係る影響について
当社グループのドライバルカー部門及びタンカー部門においては、特に大型の船舶について、取引先との長期契約に重点を置いています。かかる長期契約には、決定された運賃、使用船腹量及び費用調整条項が定められ、市場環境の変化による影響を安定化させるのに役立っています。しかしながら、当社グループが長期契約を結んでいる一部の取引先の経営状態等が悪化し、取引先が契約条項の全部又は一部の履行を継続できなくなる可能性があります。一方当社グループは、かかる長期契約上の義務を履行するにあたって、第三者からの傭船によって船舶を調達する場合があります。傭船先の一部が、傭船期間終了前に当社グループとの契約を履行できなくなる可能性があり、これによって他の船舶を調達するための損失が発生する可能性もあります。今後このような事態が生じた場合、当社グループの事業、業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。また、長期契約は市況の変動による影響を軽減できる反面、市況の上昇局面においても直ちに高い運賃を請求できなくなる場合があります。
当社グループの重要な取引先には、日本の主要な自動車メーカー、製紙会社、電機メーカー、製鉄会社、公共事業会社及び米国を拠点とする小売業者等が含まれています。仮に、重要な取引先との間の取引規模が縮小したり、重要な取引先を失うようなことがあれば、当社グループの財務状況が影響を受ける可能性があります。
(11)事業再編等による影響について
当社グループは、必要に応じ事業再編等を実施しています。今後とも事業再編等を実施した場合、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
(12)中期経営計画について
当社グループは、2014年3月に5ヵ年の新たな中期経営計画“More Than Shipping 2018 ~Stage 2 きらり技術力~”を策定しました。しかし、かかる中期経営計画は、様々な要因により影響を受ける可能性があり、必ずしも達成できる保証はありません。
(13)投資計画に係る影響について
当社グループは、船隊や航空機の整備等に係る投資を計画していますが、今後の市況及び公的規制等の動向によって、これらが計画どおりに進捗しない場合、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
当社グループは、新造船のための設備投資に相当程度の金額を投じています。大型の造船計画に伴う遅延の可能性や、造船所における労働争議、造船所の経営難など造船所自体に関わる要因によっても左右されます。新造船が納入される時点でもなお貨物輸送への需要が低迷している場合、又は需要が増加した場合において予定されていた船舶の納入が遅れた場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
(14)金利動向による影響について
当社グループは、船舶や航空機、輸送関連施設等の取得に係る設備投資需要や事業活動に係る運転資金需要に対し、内部資金を充当する他、外部から資金を調達しています。これらの外部資金については、現在、変動金利で調達する部分もあり、金利環境を勘案の上、金利固定化等により、金利変動による影響の軽減に努めていますが、将来の金利変動によっては、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。また、将来の資金調達コストが金利変動により、影響を受ける可能性があります。
(15)船舶等の売却等における影響について
当社グループは、海運市況の需給関係により、又は船舶及び航空機の新技術開発・導入に起因する陳腐化ないし安全規制・諸規則の変更等による物理的使用制限等により、当社グループが保有する船舶や航空機を売却する場合、又は当社グループが傭船する船舶の傭船契約解約を実施する場合があります。その結果、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
通常、当社グループは減価償却済みの船舶又は航空機を売却します。しかしながら、当社グループに有利な条件でこれらを売却できる保証はなく、またそもそも売却できない可能性もあります。景気が低迷し、船舶及び航空機の市場価格が下落しているときに、古い船舶及び航空機を売却する必要性が高まる可能性もあります。減価償却が完了していない船舶又は航空機を簿価より低い価格で売却しなければならない場合もあり、その場合売却損を被る可能性もあります。また、現在の市場低迷が回復せず、又は更に悪化した場合、船舶、航空機その他の資産について評価損を被る可能性があります。
(16)投資有価証券における評価損による影響について
当社グループは、有価証券の評価基準及び評価方法として、投資有価証券のうち時価のあるものについては決算日前1ヶ月の市場価格の平均等に基づく時価法を採用しています。その結果、株式市況の変動等が当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(17)退職給付制度による影響について
当社グループは、確定給付型の制度として、確定給付企業年金制度、厚生年金基金制度及び退職一時金制度を設けています。年金制度の変更、年金資産運用の状況及び退職給付会計において設定される前提条件の変更等が当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(18)繰延税金資産の回収可能性の評価における影響について
当社グループは、将来の課税所得の見積りに基づいて、繰延税金資産の回収可能性を評価していますので、その見積額が減少し繰延税金資産の一部又は全部を将来実現できないと判断した場合、あるいは税率変動等を含む各国税制の変更等があった場合、その判断を行った期間に繰延税金資産を減額し、税金費用を計上することになります。
その結果、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
(19)訴訟その他の法定手続の発生について
当社グループの主たる事業である海上輸送及び総合物流事業、客船事業、航空運送事業などの事業活動において、各種の訴訟や規制当局による調査及び処分に関するリスクを有しています。以下の事例も含め、訴訟等の内容及び結果によっては、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
日本貨物航空㈱は米国において、価格カルテルによって生じた損害を賠償するよう、請求金額を特定しないまま損害賠償請求訴訟(集団訴訟)を提起されていますが、現時点でその結果を合理的に予測することは困難であるため、引当金を計上していません。
郵船ロジスティクス㈱及び同社連結子会社1社は、国際航空貨物利用運送サービスに係る米国反トラスト法違反に関連して、米国において国際利用運送業者60社超とともに請求金額を特定しないまま損害賠償請求訴訟(集団訴訟)を提起されていますが、現時点でその結果を合理的に予測することは困難であるため、引当金を計上していません。
郵船ロジスティクス㈱及び同社連結子会社1社は、シンガポール競争委員会より日本発シンガポール向け国際航空貨物利用運送サービスに係る競争法違反の嫌疑に関する調査を受けており、2014年4月1日に同嫌疑に関する暫定的な見解を示す通知を受けていますが、現時点でその結果を合理的に予測することは困難です。
当社及び連結子会社1社は、2012年9月より自動車等の貨物輸送に関して独占禁止法違反の疑いがあるとして、日米の当局よりそれぞれ調査を受け、欧州当局から質問状を受領し、これらの調査に全面的に協力しています。当社は、このうち日本の公正取引委員会から2014年3月18日に排除措置命令及び課徴金納付命令(13,101百万円)を受けました。他方、現時点では日本以外における米欧の当局による調査の結果を合理的に予測することは困難です。
また、当社及び一部の子会社は、完成自動車車両等の海上輸送について、主要自動車船社と共同して運賃を設定したとして、請求金額を特定しないまま損害賠償及び差し止め等を求める集団民事訴訟を、米国その他の地域にて提起されていますが、現時点ではこれらの訴訟の結果を合理的に予測することは困難です。
なお、上記は当社グループが事業を継続する上で、予想される主なリスクを具体的に例示したものであり、これらに限定されるものではありません。
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