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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100214G

有価証券報告書抜粋 KDDI株式会社 研究開発活動 (2014年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループは、LTE、Wi-Fi、WiMAX、FTTH、CATVなどを有機的に組み合わせた高品質・高信頼なネットワーク上で、時代を先取りした新しい価値や体験をあらゆるデバイスを通じて提供し、豊かなコミュニケーション社会の実現を目指しております。その実現に向けて、ネットワークインフラ、プラットフォーム、端末・アプリケーションの各重点技術分野において、実用的な研究開発と先端的・長期的な研究開発の両面で、研究開発を進めてまいりました。
この結果、当連結会計年度における研究開発費の総額は、24,086百万円となりました。なお、当社グループの 行っております研究開発活動は各セグメントに共通するものであり、各セグメントに関連づけて記載しておりません。
研究開発活動の主なトピックスをご紹介します。
1.ネットワークインフラ技術
より高速で大容量な通信を実現する次世代の無線ネットワークや爆発的に増加する通信トラフィックを経済的に収容するデータ通信ネットワークの研究開発を推進しております。
3.5GHz帯を用いた無線ネットワークの構築に向けて、電波伝搬実験を実施しました。7月から9月にかけて、東京23区内で無変調波の電波伝搬実験を実施し、その測定データを用いて、3.5GHz帯小セル局と既存バンド帯マクロ局の併設を想定したエリア構築のシミュレーションを行いました。その後、12月から1月にかけて、栃木県小山市で、マクロ局と小セル局とのハンドオーバ時の通信断時間を最小にするC/U分離技術(制御信号とユーザデータを分離する技術)の検証を目的とした実証実験を行い、ハンドオーバ時に発生する通信断時間をほぼゼロにできることを確認しました。なお、3月にはマスコミ向けの見学会を行い、本技術に関する取り組みをアピールいたしました。
また、マルチコアファイバとマルチコア光増幅器を用いた100Gbit/s信号の201チャネル×7コア伝送実験(総容量:毎秒140テラビット)を実施し、7,326km伝送に成功しました。実験では、偏波多重直交デュオバイナリ信号※1を用いて周波数利用効率を高め、伝送効率を4bit/s/Hzと従来の2倍まで向上することに成功しました。さらに最尤系列推定法※2をセットで用いることにより受信感度を改善しました。伝送容量の実力を評価する尺度として用いられる、伝送容量と伝送距離の積(容量距離積)については、毎秒1.03エクサビット・キロメーター(<エクサ>は10の18乗)となり、世界で初めて毎秒1エクサビット・キロメーターを超える長距離大容量伝送を実証しました。
※1 偏波多重直交デュオバイナリ信号とは、デジタル信号処理技術を用いて、従来よりも狭い帯域でデータ伝送を可能とする
信号形式の一つです。
※2 最尤系列推定法とは、デジタル信号処理技術を用いて、受信したデータから送信した元データを推定する方式であり、信号特性の劣化を防ぎ、受信感度を改善します。

2.プラットフォーム技術
タブレット端末の普及や相次ぐウェアラブル端末の新製品発表、また、家庭用エネルギー管理システム(HEMS:Home Energy Management System)の普及のきざしなど、今後、ICTはより多くの生活シーンに浸透していくことが予想されます。そこで、高度なICTサービスを、どなたにも簡単に安心して利活用していただくためのプラットフォーム技術の研究開発に取り組んでおります。
スマートフォンの普及に伴い、利用者の承諾なく利用者情報を外部に送信するスマートフォンアプリの存在が、プライバシー保護の観点から懸念されています。総務省は2012年に「スマートフォンプライバシーイニシアティブ」(以下SPI)を公表し、スマートフォンアプリの開発者に対して、アプリが情報送信機能を備える場合の適切なプライバシーポリシーの開示および利用者の承諾を得ることを求めています。しかし、情報送信を伴うアプリのうち、プライバシーポリシーを開示しているものは25%といった状況にあります。そこで、この問題を改善するため、SPI提唱項目に準拠したプライバシーポリシーの作成を支援するツールを開発し、9月よりKDDI研究所ホームページにて無償公開を開始しました。本ツールの利用により、スマートフォンアプリの開発者は、短時間かつ簡単に正確なプライバシーポリシーを作成することが可能となります。
また、次世代公開鍵暗号技術を対象とした世界的な暗号解読コンテスト「Technische Universität Darmstadt Ideal Lattice Challenge」において、世界記録を達成しました。次世代公開鍵暗号技術の1つである格子暗号では、安全性と実用的な計算速度を両立する最適な次元数(鍵の長さ)を求め多くの研究機関で高速な解読方法の研究が進められています。今回、解読アルゴリズムの高速化並びに並列化に成功し、総当たり方式による計算では数万年かかると言われている格子暗号用の格子の1種を、2週間で解読いたしました。今後、より高速で安全な次世代公開鍵実現に向けた次世代公開鍵実現に向けた研究を推進します。

3.端末・アプリケーション技術
近年のWeb技術である「HTML5」の応用技術や、より多くの方に手軽にICTサービスをご利用いただくためのユーザインタフェース技術など、ICTがもたらす利便性やICTが導く新たなライフスタイルをより多くの方が享受できるよう、端末・アプリケーション技術の研究開発に取り組んでおります。
10月に開催されたITS世界会議に「HTML5インフォテインメント」を出展しました。HTML5技術を活用し、スマートフォン内に取り込まれた目的地などの情報を手間なく車載器に設定できるほか、連携するスマートフォンに応じて車載器をカスタマイズでき、更に運転手のスマートフォンだけでなく助手席のスマートフォンとも簡単に連携することができます。
また、同会議には利用者の関心や趣味・嗜好をスマートフォン上のキャラクターとの対話から抽出し、ナビゲーションに繋げるスマートフォンアプリ「パーソナルアシスタント」も出展しました。利用者の様々な言葉からその意図を抽出する「意図推定」と、抽出された意図に対して対話応答を決定する「対話制御処理」は、処理量の問題でこれまでサーバへのアクセスを必要としていました。本アプリでは、限られた性能のCPU上でも高速に動作させることに成功しました。この結果、キャラクターとの対話から、利用者の関心・趣味嗜好・生活習慣など様々な属性を端末内部に記憶し、対話応答の際に利用者個人に合わせた情報や機器操作環境の提供が可能になります。
また、シニア及びスマートフォン初心者のスマートフォン操作習熟を支援する「スマートフォン基本操作支援技術」を開発し、それを活用して利用者の操作レベルに応じて音声・アニメーション等で適切に支援しながらスマートフォン画面上での地図操作方法などをスムーズに習得できる操作支援アプリ「スマホ道場」のトライアル提供を開始しました。

* 「Wi-Fi」は、Wi-Fi Alliance®の登録商標です。
* WiMAXは、WiMAXフォーラムの商標または登録商標です。


事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E04425] S100214G)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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