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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1002FC3

有価証券報告書抜粋 日本電信電話株式会社 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2014年3月期)


研究開発活動メニュー株式の総数等

文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

(1)営業実績
①電気通信回線設備等
NTTグループ(当社及び連結子会社)は、良質な電気通信サービスを提供するため、多種多様な電気通信回線設備等を保有し、運用しておりますが、最近における主要サービス別の回線設備等の状況は次のとおりであります。

2013年
3月31日現在
2014年
3月31日現在
増減増減率
加入電話(千加入)25,04223,000△2,043△8.2%
NTT東日本(千加入)12,28911,272△1,017△8.3%
NTT西日本(千加入)12,75311,727△1,026△8.0%
INSネット(千回線)3,7243,366△358△9.6%
NTT東日本(千回線)1,9141,719△195△10.2%
NTT西日本(千回線)1,8101,647△163△9.0%
加入電話+INSネット(千回線)28,76626,366△2,401△8.3%
NTT東日本(千回線)14,20312,992△1,211△8.5%
NTT西日本(千回線)14,56313,374△1,189△8.2%
公衆電話(個)210,448195,514△14,934△7.1%
NTT東日本(個)100,56493,424△7,140△7.1%
NTT西日本(個)109,884102,090△7,794△7.1%
フレッツ・ISDN(千回線)127109△18△14.1%
NTT東日本(千回線)5848△10△16.7%
NTT西日本(千回線)6961△8△12.0%
フレッツ・ADSL(千回線)1,8481,483△365△19.7%
NTT東日本(千回線)858667△191△22.2%
NTT西日本(千回線)990816△174△17.6%
フレッツ光(千回線)17,30018,0507504.3%
NTT東日本(千回線)9,75010,1874374.5%
NTT西日本(千回線)7,5507,8633134.1%
(再)フレッツ 光ライト(千回線)66187521432.4%
NTT東日本(千回線)43754210524.1%
NTT西日本(千回線)22433310948.6%
ひかり電話(千チャネル)15,16916,2561,0877.2%
NTT東日本(千チャネル)8,0858,6946107.5%
NTT西日本(千チャネル)7,0847,5624776.7%
一般専用サービス(千回線)260250△10△3.8%
NTT東日本(千回線)128122△6△4.5%
NTT西日本(千回線)132128△4△3.2%
高速ディジタル伝送サービス(千回線)152144△8△5.3%
NTT東日本(千回線)8074△5△6.8%
NTT西日本(千回線)7269△3△3.8%
グループ主要ISP(千契約)11,61111,466△145△1.3%
(再)OCN(千契約)8,2078,155△53△0.6%
(再)ぷらら(千契約)3,0712,974△97△3.2%


2013年
3月31日現在
2014年
3月31日現在
増減増減率
ひかりTV(千契約)2,4532,82337015.1%
フレッツ・テレビ伝送サービス(千契約)1,0031,16115815.7%
NTT東日本(千契約)7148028712.2%
NTT西日本(千契約)2893597024.3%
携帯電話(千契約)61,53663,1051,5692.6%
Xi(千契約)11,56621,96510,39989.9%
FOMA(千契約)49,97041,140△8,830△17.7%
spモード(千契約)18,28523,7815,49730.1%
iモード(千契約)32,68826,415△6,273△19.2%

(注)1.「加入電話」は、一般加入電話とビル電話を合算しております(加入電話・ライトプランを含む)。
2.「INSネット」には、「INSネット64」及び「INSネット1500」が含まれております。「INSネット1500」は、チャネル数、伝送速度、回線使用料(基本料)いずれについても「INSネット64」の10倍程度であることから、「INSネット1500」の1契約を「INSネット64」の10倍に換算しております(INSネット64・ライトを含む)。
3.「フレッツ光」は、NTT東日本の「Bフレッツ」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」及び「フレッツ 光WiFiアクセス」、NTT西日本の「Bフレッツ」、「フレッツ・光プレミアム」、「フレッツ・光マイタウン」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」及び「フレッツ 光WiFiアクセス」を含めて記載しております。
4.「グループ主要ISP」には、「OCN」、「ぷらら」の他、「WAKWAK」、「InfoSphere」が含まれております。
5.携帯電話(「FOMA」を含む)契約数には、通信モジュールサービス契約数を含めて掲載しております。
6.2008年3月3日より、「2in1」を利用する際にはその前提として原則「FOMA」契約を締結することが条件となっており、携帯電話(「FOMA」を含む)契約数にはその場合の当該「FOMA」契約も含まれております。

②営業収支等の状況
(単位:億円)
前連結会計年度(注)
(2012年4月1日から
2013年3月31日まで)
当連結会計年度
(2013年4月1日から
2014年3月31日まで)
増減増減率
営業収益107,007109,2522,2442.1%
固定音声関連収入17,12915,789△1,339△7.8%
移動音声関連収入12,57510,526△2,049△16.3%
IP系・パケット通信収入37,12837,119△9△0.0%
通信端末機器販売収入8,4499,6971,24814.8%
システムインテグレーション収入20,10022,7502,65113.2%
その他の営業収入11,62813,3701,74315.0%
営業費用94,98897,1152,1272.2%
営業利益12,02012,1371171.0%
営業外損益△43805849-
税引前当期純利益11,97612,9429658.1%
法人税等4,7404,8651262.7%
持分法による投資利益(△損失)△161△508△347-
当期純利益7,0767,5694937.0%
控除:非支配持分に帰属する当期純利益1,8571,714△143△7.7%
当社に帰属する当期純利益5,2195,85563512.2%
(注)前連結会計年度については、「第5 経理の状況 注記事項 注3.重要な会計方針の要約」及び「第5 経理の状況 注記事項 注7.関連会社投資」に記載のとおり、既公表値から変更しております。
営業収益
NTTグループの営業収益は、固定音声関連、移動音声関連、IP系・パケット通信、通信端末機器販売、システムインテグレーション及びその他の6つのサービス分野に区分しております。
2014年3月期の営業収益は、前期比2.1%増加し、10兆9,252億円となりました。これは、引き続き音声関連収入の減少はあるものの、スマートフォンの販売増等により端末機器販売収入が増加したこと、海外売上高の増加に伴うシステムインテグレーション収入が増加したこと等によるものです。
2014年3月期における各サービス分野における営業収益の概要は、次のとおりです。

・固定音声関連収入
固定音声関連サービスには、加入電話、INSネット、一般専用、高速ディジタル伝送等、地域通信事業セグメントと長距離・国際通信事業セグメントの一部が含まれております。
2014年3月期における固定音声関連収入は、前期比7.8%減少し、1兆5,789億円(営業収益の14.5%に相当)となりました。これは、携帯電話の普及拡大及び光IP電話や他事業者が提供する固定電話サービスとの競争の進展により、加入電話やINSネットの契約数が引き続き減少したこと等によるものです。

・移動音声関連収入
移動音声関連サービスには、「Xi」、「FOMA」における音声通話サービス等の移動通信事業セグメントの一部が含まれております。
2014年3月期における移動音声関連収入は、前期比16.3%減少し、1兆526億円(営業収益の9.6%に相当)となりました。これは、課金MOUの減少やスマートフォンの販売拡大に伴う「月々サポート」の割引影響等による音声ARPUの減少によるものです。

・IP系・パケット通信収入
IP系・パケット通信サービスには、「フレッツ光」、「フレッツ・ADSL」等の地域通信事業セグメントの一部、IP-VPN、広域イーサネット、OCN等の長距離・国際通信事業セグメントの一部、「Xi」「FOMA」におけるパケット通信サービス等の移動通信事業セグメントの一部が含まれております。
2014年3月期におけるIP系・パケット通信収入は、前期比微減の3兆7,119億円(営業収益の34.0%に相当)となりました。これは、地域通信事業における「フレッツ光」契約数ならびに「ひかり電話」契約数の増加による収入の増加や移動通信事業におけるスマートフォン利用者拡大による収入の増加はあるものの、長距離・国際通信事業における低価格サービスへの移行による収入の減少や、移動通信事業における「月々サポート」の割引影響等によるものです。

・通信端末機器販売収入
通信端末機器販売には、地域通信事業セグメント、移動通信事業セグメントの一部等が含まれております。
2014年3月期における通信端末機器販売収入は、前期比14.8%増加し、9,697億円(営業収益の8.9%に相当)となりました。これは、移動通信事業におけるスマートフォン等の携帯電話端末の販売が順調だったことなどによるものです。

・システムインテグレーション収入
システムインテグレーションには、データ通信事業セグメント及び長距離・国際通信事業セグメント、地域通信事業セグメントの一部が含まれております。
2014年3月期のシステムインテグレーション収入は、前期比13.2%増加し、2兆2,750億円(営業収益の20.8%に相当)となりました。これは、海外売上が増加したこと等によるものです。

・その他の営業収入
その他のサービスには、主に建築物の保守、不動産賃貸、システム開発、リース、研究開発等が含まれております。
2014年3月期のその他の営業収入は、前期比15.0%増加し、1兆3,370億円(営業収益の12.2%に相当)となりました。これは、主に移動通信事業における新領域に関する収益が増加したことや、不動産事業や建築・電力事業における収益が増加したこと等によるものです

営業費用
2014年3月期の営業費用は前期比2.2%増加し、9兆7,115億円となりました。主な要因は以下のとおりであり、下記の人件費、経費は、連結損益計算書上のサービス原価、通信端末機器原価、システムインテグレーション原価、販売費及び一般管理費に含まれております。

・人件費
2014年3月期の人件費は、前期比1.3%増加し、2兆1,586億円となりました。地域通信事業セグメントでは引き続き従業員数は減少しておりますが、海外子会社の為替変動影響等により、人件費は前期と比較して増加しております。

・経費
2014年3月期の経費は、前期比4.6%増加し、5兆2,595億円となりました。地域通信事業セグメント、長距離・国際通信事業セグメント、移動通信事業セグメントにおける業務効率化の取り組みなどによる経費の削減はあったものの、移動通信事業セグメントにおいてスマートフォンの販売が拡大したことなどにより通信端末機器原価が210億円増加したことや海外子会社の為替変動影響等により、経費は前期と比較して増加しております。

・減価償却費
2014年3月期の減価償却費は、前期比1.0%減少し、1兆8,803億円となりました。これは、設備投資の効率化により投資額が減少したことに伴って減価償却費が減少したことや、メタルケーブル設備の耐用年数を見直したことにより見直し前と比較して減価償却費が233億円減少したことなどによるものです。

営業利益
以上の結果、2014年3月期の営業利益は、前期比1.0%増加し、1兆2,137億円となりました。

営業外損益
2014年3月期の営業外損益は、前期の△43億円に対し805億円となりました。これは、当社が保有する借地権と建物取得権の交換差益が600億円生じたこと及び有価証券評価損が83億円減少したこと等によるものです。

税引前当期純利益
以上の結果、2014年3月期の税引前当期純利益は前期比8.1%増加し、1兆2,942億円となりました。

法人税等
2014年3月期の法人税等は、前期比2.7%増加し、4,865億円となりました。これは、2014年3月20日に「所得税法等の一部を改正する法律」等が成立し2014年4月1日以降開始する連結会計年度より法人税率等が変更されることに伴い繰延税金資産及び負債の算定に用いる法定実効税率が約38%から約36%に低下したことから、繰延税金資産(純額)が126億円減少し「法人税等:繰延税額」に計上したことなどによるものです。2013年3月期と2014年3月期の税負担率は、それぞれ39.57%、37.59%でした。税負担率の減少は、主に税務上損金算入されない費用、評価性引当金の変動額、持分法による投資損益の税負担率と法定実効税率との差が減少したことなどによるものです。

持分法による投資利益(損失)
2014年3月期の持分法による投資利益(損失)は、前期の△161億円に対し△508億円となりました。これは、インドの通信事業者Tata Teleservices Limited(TTSL)に係る関連会社投資の減損損失が、前期の△68億円に対し△512億円となったことなどによるものです。

当社に帰属する当期純利益
以上の結果、2014年3月期の当期純利益は前期比7.0%増加し、7,569億円となりました。また、非支配持分に帰属する当期純利益を控除した当社に帰属する当期純利益は、前期比12.2%増加し、5,855億円となりました。
(2)セグメント情報
NTTグループの事業は5つのオペレーティング・セグメント、すなわち、地域通信事業セグメント、長距離・国際通信事業セグメント、移動通信事業セグメント、データ通信事業セグメント及びその他の事業セグメントに区分しております。(連結財務諸表の注記16参照)
地域通信事業セグメントには、固定音声関連サービス、IP系・パケット通信サービス、通信端末機器販売、システムインテグレーションサービス、その他が含まれております。
長距離・国際通信事業セグメントには、主に固定音声関連サービス、IP系・パケット通信サービス、システムインテグレーションサービス、その他が含まれております。
移動通信事業セグメントには、移動音声関連サービス、IP系・パケット通信サービス、通信端末機器販売、その他が含まれております。
データ通信事業セグメントには、システムインテグレーションサービスが含まれております。
また、その他の事業セグメントには、主に建築物の保守、不動産賃貸、システム開発、リース、研究開発等に係るその他のサービスが含まれております。

各セグメントの営業実績の概要は、次のとおりです。

サービス種別当連結会計年度
(2013年4月1日から
2014年3月31日まで)
金額(百万円)前期比(%)
地域通信事業固定音声関連サービス1,519,643△7.9
IP系・パケット通信サービス1,516,4831.5
システムインテグレーションサービス165,16811.2
その他371,0161.3
小計3,572,310△2.4
セグメント間取引442,948△2.8
地域通信事業計3,129,362△2.3
長距離・国際通信事業固定音声関連サービス347,296△7.2
IP系・パケット通信サービス373,340△1.2
システムインテグレーションサービス919,34023.7
その他169,9264.7
小計1,809,9029.2
セグメント間取引96,463△6.6
長距離・国際通信事業計1,713,43910.2
移動通信事業移動音声関連サービス1,065,196△16.4
IP系・パケット通信サービス1,890,592△0.2
その他1,505,41515.7
小計4,461,203△0.2
セグメント間取引38,589△1.3
移動通信事業計4,422,614△0.2


サービス種別当連結会計年度
(2013年4月1日から
2014年3月31日まで)
金額(百万円)前期比(%)
データ
通信事業
システムインテグレーションサービス1,343,8553.1
セグメント間取引122,374△18.1
データ通信事業計1,221,4815.8
その他の事業その他1,328,5266.1
セグメント間取引890,248△0.6
その他事業計438,27822.9
合計10,925,1742.1
(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.前連結会計年度については、「第5 経理の状況 注記事項 注3.重要な会計方針の要約」に記載のとおり、既公表値から変更しております。

①地域通信事業セグメント
地域通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、「フレッツ光」、「ひかり電話」契約数の増加によりIP系・パケット通信収入が増加しましたが、固定電話契約数の減に伴う固定音声関連収入の減少分を補えず3兆5,723億円(前期比2.4%減)となりました。
一方、当連結会計年度の営業費用は、人員減に伴う人件費の減少や経費の削減ならびにメタルケーブル設備の見積もり耐用年数を見直したことにより見直し前と比較して減価償却費が233億円減少したことなどにより3兆4,451億円(前期比3.4%減)となりました。
この結果、当連結会計年度の営業利益は1,272億円(前期比36.9%増)となりました。

地域通信事業セグメントにおける各サービス分野別の営業の状況は以下のとおりです。

(固定音声関連サービス)
加入電話については、お客様のニーズが、これまでの加入電話やINSネットから携帯電話やIP電話等へと移行したこと等に伴い、2014年3月31日現在の加入電話の契約数は、前期比2,043千契約減少し、23,000千契約となりました。
INSネットについては、ブロードバンドアクセスサービスの普及により需要の減少が続いており、2014年3月31日現在の契約数は、前期比358千契約減少し、3,366千契約となりました。
加入電話とINSネットの契約数は、次のとおりです。
(単位:千加入/回線)
サービスの種類2013年3月31日
現在
2014年3月31日
現在
増減増減率
(NTT東日本)
加入電話12,28911,272△1,017△8.3%
INSネット1,9141,719△195△10.2%
(NTT西日本)
加入電話12,75311,727△1,026△8.0%
INSネット1,8101,647△163△9.0%

2014年3月期の加入電話ARPUは、NTT東日本が2,400円、NTT西日本が2,380円となり、前期に比べ、それぞれ50円(2.0%)、30円(1.2%)減少しました。また、2014年3月期のINSネットARPUは、NTT東日本が5,030円、NTT西日本が4,890円となり、前期に比べ、NTT東日本は30円(0.6%)の減少、NTT西日本は増減がなく横ばいとなりました。この結果、2014年3月期における固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)は、前期に比べ、NTT東日本が50円(1.8%)減少し2,760円、NTT西日本が30円(1.1%)減少し2,690円となりました。これらの原因は、移動体通話への移行、高利用者層のIP電話等への移行等によるものです。
なお、ARPUについては、「(注)2.ARPU(Average monthly Revenue Per Unit)」をご参照ください。また、加入電話及びINSネットにおけるARPUの算定式については、「(注)3.ARPUの算定式 (a)NTT東日本、NTT西日本」をご参照下さい。マイライン登録数シェアは、以下のとおりです。

区分2013年3月31日
現在
2014年3月31日
現在
増減
市内通話:
NTT東日本54.9%55.7%0.8ポイント
NTT西日本52.2%52.9%0.7ポイント
NTTコミュニケーションズ33.9%33.3%△0.6ポイント
県内市外通話:
NTT東日本51.2%52.0%0.8ポイント
NTT西日本48.8%49.7%0.9ポイント
NTTコミュニケーションズ34.8%34.2%△0.6ポイント

公衆網の大宗を占める長期増分費用方式(LRIC)対象の2014年3月期におけるアクセスチャージの水準は、GC接続が5.29円、IC接続が6.81円(いずれも3分間あたり)とされております。なお、2014年3月期におけるNTT東日本及びNTT西日本のアクセスチャージ収入は、前期に比べ、それぞれ92億円減少、97億円減少(東西交付金の受入を含む)し、632億円、704億円となっております。
専用サービスについては、定額・高品質なビジネスユーザ向けアクセスサービスとして提供していますが、NGNを活用した「ビジネスイーサワイド」の提供等、より低廉な価格で信頼性の高いLAN通信に適したイーサネット系のサービスをはじめ、「フレッツ・VPN ワイド」等のIP系サービスへの需要シフトが進展したことにより、専用サービスの契約数は減少傾向が続いております。

地域通信事業セグメントにおける専用サービスの契約数は、次のとおりです。
(単位:千契約)
サービスの種類2013年3月31日
現在
2014年3月31日
現在
増減増減率
(NTT東日本)
一般専用サービス128122△6△4.5%
高速ディジタル伝送サービス8074△5△6.8%
(NTT西日本)
一般専用サービス132128△4△3.2%
高速ディジタル伝送サービス7269△3△3.8%

(IP系・パケット通信サービス)
地域通信事業セグメントにおいて、「フレッツ光」を中心としたブロードバンドサービスの充実による収益基盤の確保を図りました。具体的には、東日本において、法人のお客様を対象に、最大概ね1Gbpsの通信速度と安定的な通信を実現する帯域優先型の光ブロードバンドサービスである「フレッツ 光ネクスト プライオ」の提供を開始しました。また、「フレッツ光」のご利用者を対象に、写真や動画等のデータをインターネット経由でオンラインストレージに格納し、共有・閲覧を可能とする「フレッツ・あずけ~る」の提供を開始しました。西日本では、「フレッツ光ネクスト」の新規加入の促進を目的に、「フレッツ光」の月額利用料をご利用開始当初から最大2年間、「光もっと²割」適用後の月額利用料金よりもさらに割引く料金サービス「どーんと割」の提供を開始するとともに、非現金決済の更なる普及と利用拡大を担い、街の店舗活性化へ寄与することを目的とした、「フレッツ光」のご利用店舗を対象とする、シンプルで導入しやすい決済サービス「フレッツ・スマートペイ」の提供を開始しました。2014年3月31日現在の「フレッツ光」の契約数は、前期比750千契約増加し18,050千契約となりました。
また、「ひかり電話」の契約数は、前期比1,087千チャネル増加し16,256千チャネル、「フレッツ・テレビ」の契約数は、前期比158千契約増加し1,161千契約となりました。

「フレッツ光」、「フレッツADSL」及び光IP電話「ひかり電話」、「フレッツ・テレビ伝送サービス」の契約数は、次のとおりです。
(単位:千契約)
サービスの種類2013年3月31日
現在
2014年3月31日
現在
増減増減率
(NTT東日本)
フレッツ光9,75010,1874374.5%
フレッツ・ADSL858667△191△22.2%
ひかり電話(千チャネル)8,0858,6946107.5%
フレッツ・テレビ伝送サービス7148028712.2%
(NTT西日本)
フレッツ光7,5507,8633134.1%
フレッツ・ADSL990816△174△17.6%
ひかり電話(千チャネル)7,0847,5624776.7%
フレッツ・テレビ伝送サービス2893597024.3%
(注)フレッツ光はNTT東日本の「Bフレッツ」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」及び「フレッツ 光WiFiアクセス」、NTT西日本の「Bフレッツ」、「フレッツ・光プレミアム」、「フレッツ・光マイタウン」、「フレッツ光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」及び「フレッツ 光WiFiアクセス」を含めて記載しております。

2014年3月期におけるフレッツ光ARPUは、NTT東日本が5,660円、NTT西日本が5,830円となり、前期に比べ、それぞれ200円(3.4%)、50円(0.9%)減少しました。この原因は、主として割安な料金プランや割引サービスの拡大によるものです。
フレッツ光ARPUの算定式については、「(注)3.ARPUの算定式 (a)NTT東日本、NTT西日本」をご参照下さい。

(システムインテグレーションサービス)
医療、教育、行政等の分野に対し、業界の特性や動向を踏まえた業界特化型のソリューションを中心に、ICTの利活用により地域のお客様に喜んでいただけるよう、効率的かつ効果的な営業活動を展開しました。
医療分野については、診療所における電子カルテの導入促進を目的とした、ペンを用いたアイコン操作と手書き入力により簡単かつスピーディに操作でき、初期導入コストを抑えて手軽に導入しやすい診療所向け電子カルテサービス「Bizひかりクラウド Future Clinic 21ワープ」の提供を開始いたしました。
教育分野については、強固なセキュリティを有するNTT東日本のクラウド環境上で校務アプリケーションを提供することで、サーバー機器等のハードウェアを購入する必要がなく、安心・安全かつ手軽にご利用いただける小中学校向け校務支援サービス(注)「Bizひかりクラウド おまかせ校務」の提供を開始いたしました。
行政分野については、大規模災害時等に職員等の安否状況が確認できる「Bizひかりクラウド 安否確認サービス」の提供を開始したほか、住民自らが地域の防災マップを簡単に作成・共有できる「地域防災ハザードマップ」を「Bizひかりクラウド」のサービスラインナップに追加しました。
(注)校務支援サービスとは、小中学校の教職員の方々が職員室で行う事務処理をICT化し、これまで手書きでやり取りしていた情報資産(児童生徒情報や成績情報等)をデータベース化することによって業務を一元化し、業務効率を向上させるシステムです。

(通信端末機器販売)
通信端末機器については、ご家庭向けの電話機、ファックスや、法人向けのビジネスホン、デジタル複合機、ビジネスファクスを始めとした商品のラインナップの充実や魅力あふれる商品の開発、提供に取り組んでおります。

②長距離・国際通信事業セグメント
長距離・国際通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、固定音声関連収入の減少はあったものの、海外売上高の増加や連結子会社の拡大等によるシステムインテグレーション収入の増加ならびに為替変動の影響等により1兆8,099億円(前期比9.2%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、業務効率化の取り組み等による経費の減少はあったものの、収益連動経費の増加や連結子会社の増加ならびに為替変動の影響等により、1兆6,824億円(前期比9.5%増)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は1,275億円(前期比5.1%増)となりました。

長距離・国際通信事業セグメントにおける各サービス分野別の営業の状況は次のとおりです。

(固定音声関連サービス)
電話サービスについては、引き続き「プラチナ・ライン」等の国内・国際電話サービスにより多様なお客様ニーズに応えました。
長距離・国際通信事業セグメントにおけるマイライン登録数シェアは、次のとおりです。
区分2013年3月31日
現在
2014年3月31日
現在
増減
県外への通話81.9%82.3%0.4ポイント
国際通話80.6%80.9%0.3ポイント

(IP系・パケット通信サービス)
個人のお客様向けには、「OCN モバイル エントリー d LTE 980」を、通信容量や速度の異なる5つのコースを揃えたNTTドコモのLTE対応モバイルデータ通信サービス「OCN モバイル ONE」として2013年8月にリニューアルするとともに、お客さまがより身近にお求めやすくなるよう、コンビニエンスストアでの販売を国内で初めて2013年12月に開始しました。また、050IP電話アプリ「050 plus」の機能拡充・品質改善を図りました。
法人のお客様向けには、国内外シームレスな企業向けクラウド型ユニファイドコミュニケーションサービス「Arcstar UCaaS」の新たなプラットフォーム(通信設備)を欧州及び米国に開設・運用開始し、お客様の海外の拠点においてもグローバルシームレスなコミュニケーションを実現したいというニーズの高まりに対応しました。

長距離・国際通信事業セグメントにおけるIP系・パケット通信関連サービスの契約数は、次のとおりです。
(単位:千契約)
サービスの種類2013年3月31日
現在
2014年3月31日
現在
増減増減率
IP-VPN10587△17△16.7%
OCN(ISP)8,2078,155△53△0.6%
ぷらら(ISP)(注)3,0712,974△97△3.2%
ひかりTV(注)2,4532,82337015.1%
(注)「ぷらら」及び「ひかりTV」に係る収入は、その他の営業収入に含まれております。

(システムインテグレーションサービス)
クラウド化に向けたシステムコンサルティングから設計・構築・システム移行までワンストップで提供する、クラウドマイグレーションサービスにおいて、クラウドサービス上でERPパッケージを導入する基幹系システムソリューションを国内外で提供する等、サービスの高度化とグローバル化を積極的に推進しました。また企業向けクラウドサービス「Bizホスティング Enterprise Cloud」において、オンプレミスからクラウドへの円滑かつ柔軟な移行を実現する世界初のクラウドマイグレーションサービス「オンプレミス接続サービス」の提供を開始しました。
グローバルビジネスに関しては、ネットワーク構築とデータセンター、セキュリティーサーバマネジメントを統合し付加価値を高めた総合的なICTサービスを強化することで、グローバル企業のニーズに応えました。特に、58以上の国々に拠点を保有するDimension Dataを中心に、総合的ICTサービスをグローバルワンストップに提供しました。
Dimension Data社は2013年に5ヶ年の中期経営計画を発表し、システムインテグレーションサービス、ICTアウトソーシング、ITaaSの3つのサービスユニットを設立する等営業体制を刷新しました。効率的かつ効果的な提案活動を推進するとともに、投資から利用へと変化するシステムに関する顧客ニーズへの対応能力の増強を図っております。また、これまでのサービスメニューを拡大し、事業領域を拡大しより一層の顧客からの信頼獲得を目的として、ネットワーク、コミュニケーション、データセンター、エンドユーザコンピューティング、セキュリティの5つのビジネスユニットを設立しました。同時に、システムインテグレーションビジネスにマトリックス組織を取り入れ、成長のモチベーションを高めるとともに、事業展開のスピード向上、集中領域の特定、事業責任の明確化を図っております。
Dimension Dataは、市場の変化への対応、現在のシステムインテグレーションサービスの収益性の向上、顧客満足度の向上、事業運営の効率化、ウィニング・カルチャーの構築に優先的に取り組んでいます。新たな取り組みのうち重要なものとしては、収入の源泉である遠隔保守サービスの強化、市場競争力の強化とネットワーク、セキュリティ、コミュニケーション分野でのマーケットシェアの獲得、ICTアウトソーシング分野の事業拡大等が挙げられます。
③移動通信事業セグメント
移動通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、スマートフォンの積極的な販売に伴う通信機器販売収入の増加や新領域の拡大に伴うその他の営業収入の増加はあったものの、「月々サポート」の割引影響や課金MOU*1の減少等の影響により移動音声関連収入が減少したため、4兆4,612億円(前期比0.2%減)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、コスト削減の推進による経費の減はあったものの、「Xi」サービスの基地局拡大やネットワーク設備の充実にともなう減価償却費の増加、スマートフォンの販売増に伴う端末機器原価の増加、新領域の拡大に伴う費用の増加等により3兆6,440億円(前期比0.3%増)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は8,172億円(前期比2.3%減)となりました。
*1 MOU(Minutes Of Use):1契約当たり月間平均通話時間

移動通信事業セグメントにおける各サービス分野別の営業の状況は次のとおりです。

(移動音声関連サービス/IP系・パケット通信サービス)
2014年3月期は、モバイル領域の徹底的な磨き上げによる競争力の強化と新領域における魅力的なサービスの提供に取り組みました。具体的には、「デバイス(端末)」、「ネットワーク」、「サービス」、「料金・チャネル」の4つの総合力の強化に努めるとともに、新領域の拡大をさらに推し進め、「健康」や「学習」等様々な分野での協業や提携を行いました。
2014年3月31日現在、NTTドコモの携帯電話サービスの契約数は、6,311万契約と前期末時点の6,154万契約から1年間で157万契約(2.6%)増加いたしました。携帯電話サービスのうち「Xi」サービス契約数は、前期末時点の1,157万契約から2014年3月31日現在で2,197万契約と1,040万契約(89.9%)増加し、「FOMA」サービス契約数は、前期末時点の4,997万契約から2014年3月31日現在で4,114万契約と883万契約(17.7%)減少いたしました。
NTTドコモは、スマートフォンの普及拡大を目指し、新サービス・新料金サービスの投入、端末ラインナップの充実等の取り組みの結果、スマートフォンの販売台数は、前期に比べ3.7%増の1,378万台となりました。

移動通信事業の契約数及び市場シェアは、次のとおりです。
(単位:千契約)
サービスの種類2013年3月31日
現在
2014年3月31日
現在
増減増減率
携帯電話サービス(注1)61,53663,1051,5692.6%
Xi11,56621,96510,39989.9%
FOMA(注1)49,97041,140△8,830△17.7%
携帯電話市場シェア(注1)(注2)45.2%43.8%△1.4ポイント-
spモードサービス18,28523,7815,49730.1%
iモードサービス32,68826,415△6,273△19.2%

(注1) 通信モジュールサービス契約数を含めて算出しております。また、2008年3月3日より、「2in1」を利用する際にはその前提として原則「FOMA」契約を締結することが条件となっており、その場合の当該「FOMA」契約を含んでおります。
(注2) 他社契約数については、一般社団法人電気通信事業者協会及び各社が発表した数値を基に算出しております。

2014年3月期における携帯電話サービスのMOUは106分と、前期の117分を下回りました。MOUのうち、課金対象となる通話の分数を示す課金MOUについては、家族間通話無料の普及や、VoIPサービス・SNS等の音声通話の代替手段の普及により、2013年3月期の89分から2014年3月期の74分に減少しております。また、2014年3月期における携帯電話総合ARPUは4,500円と、前期の4,840円に比べ340円(7.0%)減少しました。これは、スマートフォンの販売強化に伴う「月々サポート」の影響や課金MOUの減少により音声ARPUが1,370円と前期の1,730円に比べて360円(20.8%)減少したことが原因です。また、パケットARPUについても、「月々サポート」の影響等により、2,640円と前期の2,690円に比べて50円(1.9%)減少しております。また、スマートARPUについては、dマーケット収入等の増加により、490円と前期の420円に比べて70円(16.7%)増加しております。
携帯電話サービスにおけるMOUについては「(注)1.MOU(Minutes Of Use)」を、また、ARPUの算定式については「(注)3.ARPUの算定式(b)NTTドコモ」をご参照下さい。
下の表は、携帯電話サービスにおけるMOU及びARPUに関するデータを示しております。
区分前連結会計年度当連結会計年度増減増減率
MOU(分)117106△11△9.4%
課金MOU(分)8974△15△16.9%
総合ARPU(円)4,8404,500△340△7.0%
音声ARPU(円)1,7301,370△360△20.8%
パケットARPU(円)2,6902,640△50△1.9%
スマートARPU(円)4204907016.7%

なお、「FOMA」の収入の一部については、IP系・パケット通信収入に含まれております。

(通信端末機器販売)
幅広いお客様の多様なニーズにお応えする豊富な端末ラインナップを更に充実するとともに、お客様の幅広いニーズにお答えするため、iPhone(注)の販売を開始するとともに、「らくらくスマートフォン」や「スマートフォン for ジュニア」等、シニア層からお子さままで幅広い世代の方々に向けたデザインや特徴を持つスマートフォンを発売しました。
2014年3月期における通信端末機器販売収入については、スマートフォンの販売台数の伸びにより、前期比15.0%増加し8,720億円となりました。
(注)TM and © 2014 Apple Inc. All rights reserved. iPhoneはApple Inc.の商標です。iPhoneの商標は、アイホン株式会社のライセンスに基づき使用されています。

④データ通信事業セグメント
データ通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、既存大規模システムの規模縮小による減収はあるものの、海外子会社の増収や為替変動の影響により1兆3,439億円(前期比3.1%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、不採算案件の増加、為替変動の影響等により1兆2,759億円(前期比4.8%増)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は679億円(前期比20.9%減)となりました。

データ通信事業セグメントにおける主な内訳は以下のとおりです。

行政、医療、金融、決済等の社会的な基盤を担う高付加価値なITサービスの提供を行うパブリック&フィナンシャルについては、既存大規模システムの規模縮小による減収、不採算案件の影響がありました。製造、流通、サービス、メディア、通信等の事業活動を支える高付加価値なITサービスの提供を行うエンタープライズITサービスについては、既存顧客向けシステム・ソフト開発の規模縮小等による減収に加え、不採算案件の影響がありました。

⑤その他の事業セグメント
その他の事業においては、金融事業の増収、不動産事業におけるマンション引渡し戸数の増加等による増収、建築・電力事業の増収により、当連結会計年度の営業収益は1兆3,285億円(前期比6.1%増)となりました。一方、当連結会計年度における営業費用は、収益連動経費の増加等により、1兆2,724億円(前期比6.2%増)となりました。この結果、営業利益は561億円(前期比5.3%増)となりました。

(参考)国内売上高及び海外売上高に関する情報
(単位:億円)
前連結会計年度
(2012年4月1日から
2013年3月31日まで)
当連結会計年度
(2013年4月1日から
2014年3月31日まで)
増減増減率
営業収益107,007109,2522,2442.1%
国内97,46797,292△175△0.2%
海外9,54111,9602,41925.4%
(注)営業収益は、製品及びサービスの提供先別に国内・海外を分類しております。

国内における当連結会計年度の営業収益は、固定音声関連収入の減収などにより9兆7,292億円(前期比0.2%減)となりました。海外における当連結会計年度の営業収益は、連結子会社の増加や為替変動影響などによる増収により1兆1,960億円(前期比25.4%増)となりました。
(注)
1.MOU(Minutes Of Use):1契約当たり月間平均通話時間
NTTドコモにおけるMOU算出時の稼動契約数の計算式は以下のとおりです。
通期実績:4月~3月までの各月稼動契約数{(前月末契約数+当月末契約数)/2}の合計

2.ARPU(Average monthly Revenue Per Unit):1契約当たり月間平均収入
1契約当たりの月間平均収入(ARPU)は、契約者1人当たりの各サービスにおける平均的な月間営業収益を計るために使われます。固定通信事業の場合、ARPUは、地域通信事業セグメントの営業収益のうち、「加入電話」、「INSネット」、及び「フレッツ光」の提供により毎月発生する収入を、当該サービスの稼動契約数で除して計算されます。移動通信事業の場合、ARPUは、移動通信事業セグメントの営業収益のうち、携帯電話(「FOMA」)と携帯電話(「Xi」)のサービス提供により毎月発生する収入(基本使用料、通信料/通話料)を、当該サービスの稼動契約数で除して計算されます。これら数字の計算からは、各月の平均的な利用状況を表さない端末機器販売、契約事務手数料、ユニバーサルサービス料等は除いております。こうして得られたARPUは各月のお客様の平均的な利用状況を把握する上で有用な情報を提供するものであると考えております。なお、ARPUの分子に含まれる収入は米国会計基準による連結決算値を構成する財務数値により算定しております。

3.ARPUの算定式
(a) NTT東日本、NTT西日本
NTT東日本及びNTT西日本のARPUは、以下の4種類に分けて計算をしております。
・音声伝送収入(IP系除く)に含まれる加入電話とINSネットの基本料、通信・通話料、及びIP系収入に含まれる「フレッツ・ADSL」、「フレッツ・ISDN」からの収入に基づいて計算される固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)。
・加入電話の基本料、通話料、「フレッツ・ADSL」からの収入に基づいて計算される加入電話ARPU。
・「INSネット」の基本料、通信・通話料、「フレッツ・ISDN」からの収入に基づいて計算されるINSネットARPU。
・IP系収入に含まれる「フレッツ光」、「フレッツ光」のオプションサービスからの収入、「ひかり電話」における基本料・通信料・機器利用料、及び附帯事業営業収益に含まれる「フレッツ光」のオプションサービス収入に基づいて計算されるフレッツ光ARPU。
※1 「フレッツ光」は、NTT東日本の「Bフレッツ」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」及び「フレッツ 光WiFiアクセス」、NTT西日本の「Bフレッツ」、「フレッツ・光プレミアム」、「フレッツ・光マイタウン」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」及び「フレッツ 光WiFiアクセス」を含めて記載しております。
※2 固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)、加入電話ARPU、INSネットARPU及びフレッツ光ARPUには相互接続通話料が含まれておりません。
※3 固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)、加入電話ARPU及びINSネットARPU算定上の契約数は、各サービスの契約数です。
※4 固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)及びINSネットARPUの算定上、「INSネット1500」の契約数は、チャネル数、伝送速度、回線使用料(基本料)いずれについても「INSネット64」の10倍程度であることから、「INSネット1500」の1契約を「INSネット64」の10倍に換算しております。
※5 フレッツ光ARPU算定上の契約数は、「フレッツ光」の契約数(「フレッツ光」はNTT東日本の「Bフレッツ」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」及び「フレッツ 光WiFiアクセス」、NTT西日本の「Bフレッツ」、「フレッツ・光プレミアム」、「フレッツ・光マイタウン」、「フレッツ光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」及び「フレッツ 光WiFiアクセス」を含む)であります。
※6 NTT東日本及びNTT西日本におけるARPU算出時の稼動契約数の計算式は以下のとおりです。
通期実績:4月~3月までの各月稼動契約数{(前月末契約数+当月末契約数)/2}の合計
(b) NTTドコモ
NTTドコモのARPU算出時の計算式は、以下のとおりであります。
・携帯電話総合ARPU= 音声ARPU+パケットARPU+スマートARPU
※1 音声ARPUは、音声サービスの基本使用料と通話料の収入に基づいており、また、パケットARPUは、「FOMA」及び「Xi」サービスによるパケットサービス月額定額料と通信料の収入に基づいており、スマートARPUは、「FOMA」及び「Xi」の無線通信サービスに附随するサービスの収入(コンテンツ関連収入、料金回収代行手数料、端末補償サービス収入、広告収入等)に基いております。
※2 2013年3月期よりスマートARPUを創設しております。これに伴い、携帯電話総合ARPUにはスマートARPUが含まれております。また、従来パケットARPUに含めていた要素の一部(コンテンツ関連収入等)をスマートARPUに組み替えて算出しており、その対象額は、2013年3月期通期実績のパケットARPUのうち80円となります。
※3 通信モジュールサービス、電話番号保管サービス、メールアドレス保管サービス及びドコモビジネストランシーバーは、携帯電話ARPUの算定上、収入、契約数ともに含めておりません。
※4 NTTドコモにおけるARPU算出時の稼動契約数の計算式は以下のとおりです。
通期実績:4月~3月までの各月稼動契約数{(前月末契約数+当月末契約数)/2}の合計

(3)流動性及び資金の源泉

資金調達及び資金の源泉と使途
当連結会計年度の営業活動によって得たキャッシュ・フローは、2兆7,279億円となり、2013年3月期の2兆4,537億円から2,742億円増加しております。これは、2013年3月期の金融機関の休業日影響により電話料金等の回収が前期に比べて増加したことに加え、代理店手数料の支払が減少したこと等によるものであります。
NTTグループは、営業活動によって得たキャッシュ・フローを主に設備の取得、有利子負債の返済、配当金の支払いに充てました。
当連結会計年度の投資活動に充てたキャッシュ・フローは2兆1,068億円となり、2013年3月期の1兆7,763億円から3,306億円増加しております。これは、有形固定資産、無形固定資産に対する投資が現金支出ベースで815億円減少した一方で、期間3ヶ月超の資金運用に伴う短期投資の償還による収入が純額で2,219億円減少したことや新規連結子会社の取得による支出が1,727億円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度の有形固定資産、無形固定資産に対する投資の減少は、地域通信事業においてIPマイグレーション投資が完了したことに加え、移動通信事業においてネットワーク構築の効率化により投資が減少したこと等によります。なお、2014年3月期の発生主義に基づく設備投資額1兆8,928億円の主な内訳は地域通信事業が7,228億円、移動通信事業が7,031億円でした。
当連結会計年度に財務活動に充てたキャッシュ・フローは、6,224億円となり、2013年3月期の7,452億円から1,227億円減少しております。これは、自己株式の取得による支出が2,566億円増加した一方で、短期借入債務及び長期借入債務による収入が純額で3,475億円増加したこと等によります。なお、2014年3月期の長期借入による資金調達額の内訳は、社債による調達2,519億円、金融機関借入による調達3,854億円となっております。
また、2014年3月31日現在のNTTグループの有利子負債は4兆2,000億円であり、2013年3月期から1,640億円増加しました(2013年3月期は2,380億円の減少)。有利子負債の株主資本に対する比率は49.3%(2013年3月期末は49.0%(注))となりました。なお、有利子負債は、連結財務諸表の注記10に記載されている短期借入債務及び長期借入債務に加え、金銭消費寄託契約に基づく預り金215億円を含んでおります。
NTTグループは、営業活動によって得られるキャッシュ・フロー、銀行やその他の金融機関からの借入金、あるいは、資本市場における株式や債券の発行により、将来にわたって現在予測される設備投資とその他の支出や負債の支払に必要な財源が確保できると確信しております。
翌連結会計年度は、地域通信事業において光開通の効率化により投資が減少すること、移動通信事業において基地局構築の効率化により投資が減少すること等により、発生主義に基づく設備投資額を2014年3月期実績から428億円減少の1兆8,500億円と見込んでおります。その内訳は、地域通信事業(NTT東日本、NTT西日本の合計)が約6,400億円、移動通信事業が約6,900億円等となっております。設備投資は確実な予測が困難な需要動向、競争環境及びその他の要因に影響を受けるため、予想とは異なることもありえます。なお、NTTグループの実際の資金調達額は、将来の事業運営、市場状況、その他の要因によって変化するため、正確に予測することは困難であります。

(注)過年度遡及適用を反映しております。詳細については、連結財務諸表の注記7をご参照ください。

流動性
2014年3月31日現在で、NTTグループの現預金及び現金同等物(期間3ヶ月以内の短期投資を含む)は、9,845億円になっております(前期末は、9,614億円)。現金同等物とは、負債の返済や投資等に利用される予定の一時的な余剰金のことで、運転資金として使用されます。したがって、現金同等物の残高は、その時点の資金調達や運転資金の状況に応じて毎年度変化します。


契約上の債務
下記の表は、2014年3月31日現在におけるNTTグループの契約上の債務をまとめたものであります。
(単位:百万円)

負債・債務の内訳支払い期限ごとの債務額
総 額1年以内1年超
3年以内
3年超
5年以内
5年超
契約上の債務
長期借入債務 (注)1
社債1,978,540179,997485,830600,906711,807
銀行からの借入金1,930,484245,354358,164471,489855,477
長期借入債務に係る支払利息276,63247,45680,11057,33191,735
キャピタル・リース債務 (注)267,99321,06428,40211,0817,446
オペレーティング・リース債務116,89731,38641,56921,04122,901
購入債務 (注)31,015,685775,674233,1964,4732,342
その他の固定負債 (注)4-----
合 計5,386,2311,300,9311,227,2711,166,3211,691,708
(注)1.長期借入債務の詳細については、連結財務諸表の注記10参照。
2. キャピタル・リース債務には利息相当額を含んでおります。
3.購入債務には有形固定資産その他の資産の購入に関する契約債務を含んでおります。
4.その他の固定負債は重要性がない、あるいは支払時期が不確実であるため、上表に金額を記載しておりません。なお、連結財務諸表の注記11に記載のとおり、NTTグループの年金制度に対して、翌連結会計年度に合計16,807百万円の拠出を見込んでおります。

2014年3月31日現在、NTTグループの有形固定資産及びその他資産の購入に係る契約債務残高は約10,157億円となっており、営業活動によって得たキャッシュ・フローによりこれらの売買契約代金の支払をする予定であります。

(4)オフバランスシートアレンジメント(簿外取引)
2014年3月31日現在、保証債務等に関する偶発債務は543億円であります。

(5)最近公表された会計基準
2014年5月28日、FASBはASU2014-09「顧客との契約から生じる収益」を公表しました。当該基準は、企業が、約束した財又はサービスの顧客への移転の対価として権利を得ると見込んでいる金額を認識することを要求しております。当該基準が適用になると、現在の米国会計基準の収益認識に係るガイダンスの大部分が当該基準の内容に置き換わります。当該基準は、NTTグループにおいて、2017年4月1日に開始する連結会計年度より適用されます。なお、早期適用は認められておりません。
当社は、当該基準がNTTグループの連結財務諸表及び関連する注記に与える影響の検討を行っておりますが、移行方法の選択は実施しておらず、NTTグループの現行の財務報告に与える影響の算定も実施しておりません。

(6)最重要の会計方針
NTTグループの連結財務諸表は、米国において一般に公正妥当と認められた会計基準(米国会計基準)に準拠して作成しております。連結財務諸表の注記3には、財務諸表作成に用いられた重要な会計方針の要約が記載されております。当社は、重要な会計方針のうち以下に記載した事項は、より高度な判断もしくは複雑さを伴うものと考えております。

・収益の認識
固定音声関連収入、移動音声関連収入、IP系・パケット通信収入及びその他の通信サービスに係る収益は、顧客にサービスが提供された時点で認識しております。契約事務手数料等の初期一括収入は繰り延べ、サービス毎に最終顧客(契約者)の見積平均契約期間にわたって収益として認識しております。また、関連する直接費用も、初期一括収入の金額を限度として繰り延べ、同期間で償却しております。当該処理方法は、当期純利益には重要な影響を与えないものの、収益及び原価の計上額は、初期一括収入及び関連する直接費用、ならびに収益・費用の繰り延べの基礎となる顧客の見積平均契約期間によって影響を受けます。顧客の平均契約期間の見積りに影響を与える要因としては、解約率、新規のまたは予想されうる競合商品・サービス・技術等があげられます。現在の償却期間は、過去のトレンドの分析と経験に基づき算定されております。NTTグループが販売したテレホンカードのうち、今後使用が見込まれる分について、収益を繰り延べており、実際に使用された時点で収益として認識しております。今後使用が見込まれる分については、過去の使用実績と経験に基づき算定しており、顧客によるテレホンカードの使用状況の変化によって影響を受けます。通信端末機器販売収入は、顧客(販売代理店等)への引渡時に代理店手数料及びお客様に対するインセンティブの一部を控除した額を収益として認識しております。当該引渡日とは、製品の所有権が販売代理店に移転し、所有によるリスクと便益が実質的に移転したとみなされる日であります。システムインテグレーション収入に関しては、損失の発生が予測される場合の損失引当は、損失の発生が最初に予測され、損失の額が合理的に見積り可能となった日の属する連結会計年度において行っております。NTTグループは、給付完了時に見込まれる全ての収益及び費用の見積りに基づいて損失を認識しております。これにより、給付が完了するまでの様々な段階で収益及び費用の合理的見積りが可能となります。認識された損失は、契約の進捗にしたがって見直すことがあり、その原因となる事実が判明した連結会計年度において計上されます。

・有形固定資産、ソフトウェアその他の償却可能無形資産の見積耐用年数及び減損
NTTグループは、連結会計年度に計上すべき減価償却費を決定するために、有形固定資産、ソフトウェアその他の償却可能無形資産の耐用年数及び残存価額を見積っております。耐用年数及び残存価額は、資産が取得された時点で、類似資産における過去の経験に基づくほか、予想される技術その他の変化を考慮に入れて見積っております。技術上の変化が予想より急速に、あるいは予想とは異なった様相で発生した場合には、当該資産に適用された耐用年数を短縮する必要が生じる可能性があります。その場合、結果として、将来において減価償却費を増加修正する必要が生じる可能性があります。また、こうした技術上の変化は、資産価値の下落を反映するため、減損の認識をもたらす可能性もあります。NTTグループは、その帳簿価額が回復不能であることを示唆する事象や環境の変化がある場合、常に減損の検討を行っております。仮に、割引前将来キャッシュ・フロー見積額が資産の帳簿価額を下回る場合には、当該資産の帳簿価額と割引キャッシュ・フロー、市場価額及び独立した第三者による評価額等により測定した公正価値との差額を減損損失として計上することとしております。なお、2011年度、前連結会計年度及び当連結会計年度に計上された減損損失は、それぞれ96億円、54億円及び57億円であります。

・営業権及び耐用年数を特定できない無形資産
営業権については、少なくとも年に一度、減損の兆候があればそれ以上の頻度で、事業セグメントまたはそれより一段低いレベルの報告単位毎に、当該報告単位の公正価値の見積りから始まる二段階の減損テストを行っております。減損テストの第一段階では、報告単位の公正価値と営業権を含む帳簿価額を比較し、報告単位の公正価値については、割引キャッシュ・フロー等に基づき算定しております。第二段階では、報告単位の営業権の帳簿価額とこの時点で改めて算定された営業権の公正価値を比較し、帳簿価額が公正価値を上回っている金額を減損損失として計上することとしております。二段階の減損テストの前に、報告単位の公正価値が帳簿価額を下回る可能性が50%以下であると結論づける場合、当該報告単位の二段階の手続きによる減損テストは要求されません。
営業権の公正価値の測定にあたっては、当該報告単位の将来の事業利益及びキャッシュ・フローの創出能力に対する経営陣の見通し、ならびに当社の事業目標における報告単位の戦略的重要性等がその決定要素となっております。また、耐用年数を特定できない無形資産は償却をせず、年1回以上、減損テストを実施することとしております。NTTグループは、現時点で合理的であると判断される一定の前提に基づき公正価値の測定を行っておりますが、将来の予測不能な事業上の環境の変化により見通しと異なることがあります。なお、2011年度、前連結会計年度及び当連結会計年度に計上された「営業権及びその他の無形資産の一時償却」は、それぞれ55億円、313億円及び62億円であります。2014年3月31日現在、重要な報告単位のうち、長距離・国際通信事業セグメントにおけるDimension Dataに帰属する営業権は2,352億円、データ通信事業セグメントにおけるグローバルビジネスに帰属する営業権は、2,136億円であります。当連結会計年度の年次減損テストの結果、Dimension Dataに帰属する報告単位及びグローバルビジネスに帰属する報告単位の公正価値は帳簿価額をそれぞれ8.9%、14.0%上回っております。

・投資
NTTグループは、他企業に対して投資を行っており、原価法、持分法及び公正価値に基づいて会計処理しております。また、NTTグループは、投資価値が帳簿価額を下回り、その下落が一時的でない場合は減損損失を認識し、新たな取得原価を計上しております。一時的な下落か否かを判断するにあたっては、投資価値が帳簿価額を下回る程度及び期間、出資先企業及び事業分野の財務状況、ならびに投資を維持する能力及び意図を考慮しております。NTTグループは、投資の簿価が回復できない可能性を示唆する事象や環境の変化が発生したときは、常に減損の要否について検討を行っております。さらに、NTTグループは、評価を行うにあたり、キャッシュ・フロー予測、外部の第三者による評価、ならびに適用可能である場合は株価分析を含む様々な情報を活用しております。
当該予測及び評価には、統計(人口、普及率及び普及速度、解約率等)、技術革新、設備投資、市場の成長及びシェア、ARPU及び残存価値に係る推定が必要になります。2011年度、前連結会計年度及び当連結会計年度に計上された「市場性のある投資有価証券及びその他の投資」の減損損失は、それぞれ約40億円、約110億円及び約30億円であります。また、関連会社の市場を取り巻く最近の経済、財政状況により、投資先の価値が一時的ではない下落が生じていないか判断するため、投資先の事業の見通しを検討しております。
TTSLにおいては、業界を取り巻く最近の経済、金融状況により、投資の価値に一時的ではない下落が生じていないかを判断するため、TTSLの事業の見通しを検討しました。前連結会計年度においてインドの移動通信事業者間の料金競争が激化したことやNTTドコモにおけるその当時の長期的な見通しを踏まえると、TTSLの見積将来キャッシュ・フローは著しい下方修正となり、回収可能価額は投資簿価を著しく下回り減損が一時的でないと判断したため、減損損失を認識しました。
当連結会計年度は、インドにおける周波数の入札価格高騰により周波数の維持・獲得に伴うコストが増大する等、事業リスクが高まったことにより、TTSLの見積将来キャッシュ・フローは更なる下方修正となりました。また、高まる事業リスクと直近のTTSLの業績を反映して加重平均資本コストは12.6%に増加し、TTSLの見積りキャッシュ・フローに当該加重平均資本コストを適用した結果、一時的ではない価値の下落があると判断し、更なる減損損失を認識しました。
当該検討・評価の結果、前連結会計年度及び当連結会計年度において、TTSLを含む一定の投資について一時的でない価値の下落が見られると判断し、それぞれ、259億円及び513億円の減損額を計上しております。
過去において、NTTグループはいくつかの「関連会社投資」について多額の減損処理を実施し、その減損額はそれぞれの会計期間における「持分法による投資損益」に計上されました。今後においても「市場性のある有価証券及びその他の投資」及び「関連会社投資」について同様の減損が発生する可能性があります。また、今後、投資持分の売却に際して多額の売却損益を計上する可能性もあります。

・退職給付会計
NTTグループにおける前連結会計年度及び当連結会計年度の退職給付費用は、それぞれ営業費用合計の概ね1.6%及び1.2%となっております。従業員に対する退職給付制度に係る費用及び債務の連結財務諸表計上額は、多くの仮定を用いた数理計算により決定されております。退職給付費用及び退職給付債務の決定に用いられる仮定には、長期期待運用収益率、割引率、予定昇給率、平均残存勤務期間等があり、そのなかでも長期期待運用収益率と割引率は重要な仮定といえます。これらの仮定は、少なくとも年1回は見直され、また重要な仮定に大きな影響を与えることが想定される出来事が起こるか、あるいは環境が変化した場合にも見直しが行われます。仮定と実績との差異は、米国会計基準にしたがい、数理計算上の差異として将来にわたって繰延償却処理されます。2014年3月31日現在、NTTグループの退職給付制度に関連する数理計算上の差異の合計額は2,893億円であり、このうち退職給付債務又は年金資産の公正価値の10%を超える金額は、平均残存勤務期間(約10年)にわたって償却するため、将来の年金費用に対し増加影響が生じることとなります。
NTTグループは、年金資産の長期期待運用収益率として、前連結会計年度においては2.0-2.5%を採用しており、当連結会計年度においては2.0-2.5%を採用しております。NTTグループは、年金資産の長期期待運用収益率の決定に際し、現在及び将来の年金資産のポートフォリオや、各種長期投資の過去の実績利回り分析を基にした期待収益とリスクを考慮しております。NTTグループ及びエヌ・ティ・ティ企業年金基金(以下、「NTT企業年金基金」)は、年金資産のポートフォリオについて、年金資産の種類別の期待収益を考慮するとともに、年金資産から生ずる収益を安定化させリスクを軽減するため、制度毎に資産構成割合を定めております。退職一時金及び規約型企業年金においては、国内債券、国内株式、外国債券、外国株式、生保一般勘定に、それぞれ47.0%、13.0%、10.0%、10.0%、20.0%の年金資産の配分を、NTT企業年金基金においては、国内債券、国内株式、外国債券、外国株式、生保一般勘定に、それぞれ42.9%、20.9%、10.0%、14.4%、11.8%(加重平均)の年金資産の配分を行うこととしており、2014年3月31日現在の年金資産残高は、概ね目標配分比率に整合するものとなっております。また、前連結会計年度及び当連結会計年度における年金資産の実際運用収益率は、それぞれ約11%、約8%となっており、将来においても、その時々の市場環境により、大きく増減する可能性があります。年金資産の市場価格は測定日現在の公正価値を用いて測定しております。
もう一つの重要な仮定は、退職給付費用及び退職給付債務の決定に用いられる割引率であります。NTTグループは、退職給付費用の決定に際して、前連結会計年度においては1.9%の割引率を使用し、当連結会計年度においては1.5%の割引率を使用しております。また、退職給付債務の決定に際して、2013年3月31日現在においては1.5%の割引率を使用し、2014年3月31日現在においては1.4%の割引率を使用しております。NTTグループは、割引率の決定に際して、年金給付満期までの見積り期間と同じ期間の優良確定利付債券の利率に関し利用可能な情報を考慮しております。

2014年3月31日現在のNTTグループの年金制度において、その他全ての仮定を一定としたままで、割引率及び長期期待運用収益率を変更した場合の状況を示すと次のとおりであります。
(単位:億円)

仮定の変更退職給付債務退職給付費用
(税効果考慮前)
その他の包括利益
(損失)累積額
(税効果考慮後)
割引率が0.5%増加/低下△/+2,300+/△50+/△1,500
長期期待運用収益率が0.5%
増加/低下
-△/+100-

・法人税等
NTTグループは、資産・負債の帳簿価額と税務申告上の価額との間の一時差異及び繰越欠損金に対する税効果について、繰延税金資産及び負債を認識しております。繰延税金資産及び負債の金額は、一時差異が解消する期間及び繰越欠損金が利用可能な期間において適用が見込まれる法定実効税率を用いて計算しております。法定実効税率が変更された場合には、税率変更のあった日が属する連結会計年度において、税金費用の計上を通じて繰延税金資産及び負債を調整しております。
2011年11月30日、「経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律」及び「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」が成立し、2012年4月1日以降開始する連結会計年度より法人税率が変更されることとなりました。この税率変更による繰延税金資産(純額)の減少額は899億円であり、2011年度の連結損益計算書「法人税等:繰延税額」に計上しております。また、2011年度の当社に帰属する当期純利益は802億円減少しております。
2014年3月20日、「所得税法等の一部を改正する法律」等が成立し、2014年4月1日以降開始する連結会計年度より法人税率等が変更されることとなりました。この税率変更による繰延税金資産(純額)の減少額は126億円であり、当連結会計年度の連結損益計算書「法人税等:繰延税額」に計上しております。また、当社に帰属する当期純利益は96億円減少しております。

NTTグループは、将来の実現可能性を考慮し、繰延税金資産に対して評価性引当金を計上しております。評価性引当金を適切に決定するため、予想される将来の課税所得水準及び利用可能なタックスプランニングを考慮に入れております。将来の課税所得が予想を下回った場合、またはタックスプランニングが期待通りに利用可能とならなかった場合には、その判断がなされた連結会計年度において、税金費用の計上を通じて評価性引当金を追加計上する可能性があります。2013年3月31日及び2014年3月31日現在、NTTグループは、それぞれ1兆5,577億円及び1兆5,326億円の繰延税金資産を有しており、その資産に対して、それぞれ2,537億円及び2,599億円の評価性引当金を計上しております。当該評価性引当金は、主に将来の実現が見込めない税務上の欠損金を有する当社及び特定の子会社の繰延税金資産に関するものであります。これらの評価性引当金の変動額が税金費用に与える影響に重要性はありません。なお、繰越可能期間を経過した繰越欠損金に係る繰延税金資産の減少は財務諸表に反映されております。

・ポイントプログラム引当金
NTTグループは、携帯電話やフレッツ光等の利用に応じて付与するポイントと引き換えに、商品購入時の割引等の特典等を提供しており、顧客が獲得したポイントについてポイントプログラム引当金を計上しております。2013年3月31日現在及び2014年3月31日時点におけるポイントプログラム引当金は短期、長期合わせてそれぞれ1,600億円及び1,346億円であります。また、前連結会計年度及び当連結会計年度において計上されたポイントプログラム経費は、それぞれ818億円、790億円であります。
ポイントプログラム引当金の算定においては、将来の解約等による失効部分を反映したポイント利用率等の見積りが必要となります。実際のポイント利用率が当初見積りよりも多い場合等において、将来において追加的な費用の計上や引当金の計上を実施する必要が生じる可能性があります。
2014年3月31日現在の携帯電話の利用に応じて付与するポイントに対する引当金において、その他全ての仮定を一定としたままで、ポイント利用率が1%上昇した場合、約14億円の引当金の追加計上が必要となります。

研究開発活動株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E04430] S1002FC3)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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