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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1002AQ5

有価証券報告書抜粋 東京瓦斯株式会社 研究開発活動 (2014年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループは、研究開発を経営戦略の一つとして位置付け、技術開発本部を中心として、主に以下の観点から取り組んでいる。
・省エネ性・環境調和性等低炭素社会の実現に貢献する天然ガス利用の高度化
・新しい事業機会の創出
・天然ガス事業基盤の拡充(効率的な製造・貯蔵・輸送・供給システムの構築等)
研究開発の推進にあたっては、投入原資の選択と集中を図るとともに、スピードと採算性を重視して取り組んでい
る。
当連結会計年度の研究開発費総額は9,056百万円である。
主な研究開発活動は、次のとおり主力事業であるガス事業を中心に行われており、8,475百万円である。

(1) 環境技術と天然ガス利用の高度化
① 当社は、パナソニックエコシステムズ㈱、大阪ガス㈱及び東邦ガス㈱と共同で、日本で初めて排水工事が不要な「スプラッシュ&マイクロミストサウナ機能付き浴室暖房乾燥機」を開発した。本製品では、新たに開発したマイクロミスト発生方式を採用している。新開発のマイクロミスト発生方式は、高速回転する破砕ディスクにより吸い上げた水を遠心力で破砕面に衝突させて微細化する「遠心破砕方式」を適用したもので、マイクロミスト発生時に従来方式では微細化出来なかった水も再使用して微細化している。これにより、現行品では微細化出来なかった水を排水するために必要だった排水工事が不要になり、施工性が向上した。また、現行品に対して、マイクロミスト運転時の水使用量で約90%の低減、ランニングコストで約25%の低減を達成した。
② 当社は、パナソニック㈱と共同で、マンション向けの家庭用燃料電池「エネファーム」を開発した。マンションのパイプシャフト内に燃料電池ユニット、貯湯ユニット、バックアップ熱源機を全て設置できる仕様として製品化したのは、世界初となる。機器本体の気密性を高めること等により、戸建て住宅に比べて設置条件に制約があるマンションにおいても、開放廊下側のパイプシャフト内への設置が可能となった。また、機器本体をアンカー固定する脚部の強度を向上させて耐震性を高めることで、マンションの設置基準に対応するとともに、給排気構成の変更等により強風時でも運転できるように耐風性を高め、高層階への設置も可能にした。本製品は、火力発電所からの電気と都市ガス給湯器からの給湯を行う方式と比べ、定格発電時にCO2排出量を約49%、一次エネルギー消費量を約37%削減することが可能で、モデルケースでは年間光熱費を約3~4万円節約、年間CO2排出量を約1トン削減することが可能となる。
③ 当社は、三菱重工業㈱と共同で、発電出力1,000kWのガスコージェネレーションシステムを開発した。ガスエンジンを従来品の1,500回転/分から1,000回転/分へ低回転化することによって、部品の摩耗速度を低下させてメンテナンスの周期を延長し、メンテナンスコストの低減を実現した。また、シリンダ内をピストンが上下する行程距離(ストローク)を従来品よりも長くすること等により、エンジンを低回転化させながら発電出力を増大させることに成功した。加えて、従来品で使用されていた制御技術をさらに高度化して適用すること等により、定格出力1,000kWクラスで最高水準の発電効率42.3%(LHV)、総合効率78.5%(LHV)を達成した。
④ 当社は、大阪ガス㈱、東邦ガス㈱及び三浦工業㈱と共同で、低燃焼時の出力低減を可能にした、高効率な簡易貫流ボイラを開発した。本製品では、最低出力を25%(従来機は50%)まで低減することを実現した。また、燃焼排ガスを利用して給水加熱する「エコノマイザ」の伝熱面積を増やすことで、定格ボイラ効率を97%まで向上させた。この他に、送風機モータのインバータによる制御等により、従来機と比べてボイラ運転効率の約1~5%向上、送風機の消費電力の約25~50%低減を実現した。
⑤ 当社は、細山熱器㈱及び日本洗浄機㈱と共同で、燃焼式小型ヒーター「エコンバスター」(細山熱器㈱の登録商標)を内蔵した、省エネ性に優れた業務用食器洗浄機を日本で初めて開発した。従来は、機器外側に設置された「ガスブースター」で60℃の洗浄湯(すすぎ湯は80℃以上)を事前に作り、洗浄タンク内で食器を洗浄するとともに、洗浄タンク内の電気ヒーター等で洗浄湯の保温を行う方式が一般的であった。これに対して本製品では、ガスバーナーとそれを覆うステンレス製の筒で構成した燃焼式小型ヒーター「エコンバスター」をすすぎタンク内に設置することで、高温の筒壁面からの伝熱によってすすぎタンク内の温水を加温し、高温のすすぎタンクの壁面からの伝熱によって洗浄タンク内の洗浄湯を保温する。その他にも、従来と比較して、立ち上がり時間の短縮(21分→11分)や、機器本体の全幅の削減(880mm→690mm)による設置性の向上、洗浄タンク内の清掃性向上を実現した。試算では、従来品と比べてCO2排出量を約12%、一次エネルギー消費量を約12%、年間光熱費を約12%削減することが可能となる。
⑥ 当社は、パナソニック㈱と共同で、停電時でも家庭用燃料電池「エネファーム」の発電を継続し、停電時専用コンセントを通じて電力を家庭内に供給できる「停電時発電機能」を開発した。停電等で系統電力が供給停止になると「エネファーム」は運転を停止するが、本機能により、停電時でも「エネファーム」は発電を継続し、発電した電力は分電盤を通さず専用コンセントに直接供給される。本機能により、停電時でも700W以下の電力を最長約4日間に渡って利用することが可能となる。

(2) 天然ガス事業基盤の拡充
① 当社は、大阪ガス㈱、東邦ガス㈱、富士電機㈱、パナソニック㈱及び東光東芝メーターシステムズ㈱と共同で、低消費電力の多段中継無線機を開発した。本無線機は、複数のガスメーターを経由しながらガスメーターの指示数等のデータをリレー伝送(多段中継)する近距離通信型の無線機で、無線機間の信号の送受信方式を間欠動作方式にしたこと等により、単三型リチウム一次電池2本で10年間長期駆動を日本で初めて実現した。また、現行の無線機は、路上から無線電波が届く5階建て以下の建物のみに適用可能だったのに対し、本無線機ではデータを多段中継するため、6階建て以上のビルやマンション等においても無線検針が可能となった。さらに、無線状況に応じて経路を自動選択する機能により、高い通信信頼性を実現するとともに、920MHz帯周波数の使用により、通信速度が従来の40倍向上した。本無線機は、NPO法人テレメータリング推進協議会で標準化された無線用通信規格である「Uバスエア」に日本で初めて適合し、将来的にはLPガスや水道のメーター等他のインフラ事業者のメーターにも装着することができる。2014年3月26日から、当社社宅に本無線機を導入し、無線検針の試験を行っている

都市ガス以外の事業については、当該事業を営む連結子会社が中心となって、商品化開発等を行っている。器具及びガス工事事業に係る研究開発費は475百万円、その他エネルギー事業に係る研究開発費は14百万円、その他の事業に係る研究開発費は91百万円である。

経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E04514] S1002AQ5)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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