アイサンテクノロジー株式会社 業績等の概要 (2014年3月期)

(1)業績
当連結会計年度における我が国経済は、米国経済の順調な回復を背景に、一部地域では不安定さが残るものの、世界経済の新たな成長に向けた流れが見られる中、国及び金融当局によるデフレ経済からの脱却に向けた財政、金融政策にともなう景気回復期待とあわせ、消費税率引き上げに向けた個人消費を中心とした需要の増加も見られ、長期デフレ環境からの脱却に向けた流れが期待される状況にありました。
当社グループの主たる販売市場であります測量市場におきましては、東日本大震災からの復興に向けた予算執行が順調に進んだこととあわせ、国が進める国土強靭化計画の中で社会インフラに係る点検事業が全国自治体主導のもとに実施され、測量業務を含めた位置情報関連事業の業況は改善に向けて進みつつある状況にありました。
こうした状況の中で当社グループは、主力製品のバージョンアップ提案を進めると共にソリューション営業を展開してまいりました。
以上の結果、2014年3月期連結期間における売上高は2,227百万円(前期比17.2%増)となり、営業利益181百万円(前期比172.8%増)、経常利益176百万円(前期比201.0%増)、当期純利益156百万円(前期比296.6%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。

①測量土木関連システム事業
こうした状況の中で当社グループは主力ソフトウェア製品「WingNeoINFINITY Ver.4(ウィングネオ インフィニティ バージョン4)」のリリースと共に、お客様のご利用環境にあった最新OS搭載のパソコンを組み合わせたWindowsXP対策ソリューションを展開してまいりました。また、ライカジオシステムズ株式会社とのアライアンスから誕生した「ATStation(エーティーステーション)」も発売から3年目に入り、製品の認知度が市場で高まる中、当社グループが得意とする測量の観測業務の効率化を目指すソリューション提案は、着実にお客様から高い評価を頂きました。他方、移動式高精度三次元計測システム(以下、MMS)事業においては、民間から始まった高精度位置情報活用のニーズが、国が進める国土強靭化計画の実施により、全国自治体による社会インフラ点検事業へと拡大しつつあり、MMS事業の順調な拡大となりました。また、自動車メーカーを中心としたITS(高度道路交通システム)実証実験等では当社グループが保有するMMSを用いて生成した三次元の高精度地図や、国産初の準天頂衛星「みちびき」の配信データを用いた高精度な位置情報解析技術に係る研究活動の成果など「高精度位置情報解析技術」が多く利用されており、2013年10月に開催されました「ITS世界会議 東京2013」ではMMS及び高精度の三次元地図ソリューションを出展し、実用化に向けた様々な取り組みを紹介しました。
以上の結果、2014年3月期連結期間における売上高は2,217百万円(前年同期比17.3%増)となり、営業利益は232百万円(前年同期比97.6%増)となりました。

②不動産賃貸事業
不動産賃貸事業は当社が所有するビルの賃貸収入であります。当連結会計年度の売上高は9百万円(前年比増減なし)となり、営業利益は6百万円(同4.7%増)となりました。

(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度と比べ235百万円増加し、873百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、獲得した資金は346百万円(前年同期比179百万円増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が176百万円、減価償却費が83百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、支出した資金は85百万円(前年同期比54百万円増)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出61百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、支出した資金は25百万円(前年同期比150百万円減)となりました。これは主に長期借入れによる収入が100百万円あるものの、長期借入金の返済による支出64百万円、社債の償還による支出20百万円等によるものであります。