有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10029VC
大成建設株式会社 研究開発活動 (2014年3月期)
経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループは、社会や顧客のニーズへの的確な対応、及び技術による新たな市場の開拓を目的に、都市再生、環境・エンジニアリング、エネルギー、設計・施工基盤技術及び新材料・先端技術の分野に重点を置き、技術の研究開発を推進している。実施に際しては、技術ニーズの高度化・多様化に対応し、また技術開発への投資効率を高めるべく、大学をはじめとした研究機関、異業種企業、同業他社等との社外アライアンスを積極的に推進している。
当連結会計年度における研究開発費は95億円である。このうち、主な研究開発事例とその成果は次のとおりである。
当連結会計年度における研究開発費は95億円である。このうち、主な研究開発事例とその成果は次のとおりである。
(土木事業)
(1) 液状化対策工法の開発
これまでセメントミルクや薬液を用いた固化体の構築や地下水位低下による液状化の発生を抑制する工法の研究開発を行い、新しい施工方法や評価方法を実用化してきた。2013年度には、開閉式の撹拌翼を用いて固化体を構築するWinBLADE工法を、斜め施工を行える利点から盛土斜面の補強工事に初適用した。今後、沿岸部の軟弱地盤や道路・鉄道盛土等への適用拡大を目指す。同時に、本格的な対応が見込まれる産業施設や交通インフラを対象とした耐震補強工事に対し、当社独自技術の適用を目指す。(2) 駅舎掘削工事における計測・管理技術の開発
ボスポラス海峡横断鉄道トンネルのシルケジ駅舎を構築する掘削工事においては、遺跡調査に伴い工程や施工条件が多大な影響を受けた。過去のトンネル工事で培った三次元掘削解析技術と高密度な計測・管理技術を高度化し、情報化施工管理に適用した。大規模で複雑なトンネル形状と施工手順をできるだけ忠実に反映し、地表面沈下及び既存建物の変形予測を綿密に行って日々の施工を管理し、2013年10月29日に海峡横断鉄道の全線開通に至った。今後は、歴史・観光・商業地区直下における大規模掘削工事などに活用を図る。(3) 鉄筋コンクリート構造物の耐震性能向上技術の開発
鉄筋コンクリート構造物の耐震性能等を高めるためには、せん断補強鉄筋が使用される。当社は独自のせん断補強鉄筋として、機械式定着技術「ヘッドバー」を開発し、1999年に土木研究センターの技術審査証明を取得した。その後、国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録し、幅広い分野で累計2,800万本を達成した。2013年の技術審査証明の更新によって、より高強度の鉄筋への適用、主鉄筋(軸方向鉄筋)への適用が可能となった。既存構造物の耐震補強に使用する「ポストヘッドバー工法」を含め、国土強靭化に資するべく需要拡大を図る。(4) 次世代無人化施工システムの開発
ショベルカーや転圧ローラー車などの建設機械を自動制御するシステムを開発した。作業内容を指示するだけで、建機が予め装備した各種センサー情報から自ら判断し、目的の作業をやり遂げる。これにより、従来の無人化施工のようにテレビモニターを見ながら絶えず操縦桿を操作しなくても済むようになる。この自動制御システムは、様々な作業をする建機に広く応用できる。2012年度から3年計画で国土交通省の支援を受けて開発を進めている。今後は様々な建機に本システムを適用し、実用化を図る。(5) ハーモニカ工法の適用拡大
幹線道路の交差点等の交通渋滞解消を目的としてアンダーパスによる立体交差化が全国各地で計画、実施されている。当社は、小型の矩形断面を上下左右に繋ぎ合わせて大断面トンネルを構築する技術「ハーモニカ工法」を開発した。2013年度には、ハーモニカ工法を補助工法として使用した開削工法とのハイブリッド施工技術を開発し、鉄道営業線の直下に初めて適用した。アンダーパスの直下に埋設されている下水幹線との間はわずか1mの離隔しかなく、軌道と地下埋設物に挟まれた非常に狭い場所の掘削を高精度に実現するために考案された。今後、立体交差事業等においてハーモニカ工法のさらなる適用拡大を図る。(6) 除染事業に寄与する技術の開発
現在、本格除染工事が進められており、当社開発技術が活用されている。例えば、除染工事の膨大な管理業務をタブレットPCにより効率化した除染サポートシステム「T-DECOS」、放射性物質を含んだ汚染水を処理できる車載移動式の汚染水処理システム、大量の枝葉を特殊圧縮袋に収納して可燃物を減容化する技術など、復興に貢献できる技術を開発した。また、ナノ磁性除染剤を利用した焼却飛灰からの放射性セシウム回収技術の開発、放射性セシウムが付着した草木を低コストで処理する技術などの基礎研究を進め、今後の除染事業への活用を図る。(7) 連結子会社における研究開発の主なもの
大成ロテック㈱において、舗装の維持修繕に関わる技術として、環境にやさしい「常温補修材の開発」や「耐久性の高いひび割れ補修材の開発」、循環型社会の構築へ向けた舗装技術からのアプローチとして「繰り返し再生されたアスファルト混合物の望ましい再生方法の検討」、寒冷地の冬季路面対策として「車道用凍結抑制舗装技術の開発」や「歩道用の除雪補助機能を有する舗装の開発」などの研究を行っている。(建築事業)
(1) 設計基準強度300N/mm2のコンクリートを世界初適用
世界最高強度Fc300のコンクリート(大成スーパーコンクリート)を開発し、技術センター「ZEB実証棟」の柱に適用した。本柱は、当社保有プレキャスト工場にて製造した。Fc300のコンクリートを用いることで通常の柱断面寸法の約1/3の細い柱とすることができ、開放感のある空間を実現した。本技術を中心に、安全・安心かつ長寿命な建築の実現を目指す。(2) 都市型小変位免震の開発と実用化
免震建物は地震時に免震装置が作動し基礎と建物との間でずれが生じるため、建物周囲にスペースを確保しておく必要がある。通常この幅は60cm程度であるが、新開発の装置を用いることでこの幅を半分程度とすることが可能となった。揺れの大きさに応じて抵抗力を切替える「切換型オイルダンパー」の大臣認定を取得し、技術センター「ZEB実証棟」に適用した。本技術により、高密度な市街地にも免震建物の建設が可能となる。(3) T-Flexible Cleanroom Type-Rの開発
空気を清浄化して吹出すファン・フィルタ・ユニット(FFU)を既存建物の天井下に設置し、クリーンルーム化する空調制御技術を実用化した。高い清浄度が要求される生産設備の上部には通常の下吹きで設置し、空気の滞留や発塵が多いエリアではFFUを反転させた上吹き設置を組み合わせて気流を制御し、フレキシブルなクリーンルーム環境を構築する。2013年3月に完成した技術センター「クリーンテクノロジー実験施設」に導入した新築タイプ(Type-N)と合わせ、国内外のリニューアル案件に展開していく。(4) 水質保全技術「アクアトープ」の開発
都市部において、せせらぎや池など水辺空間の構築に際し、生態系に配慮しながら水質保全をローコストで可能とするシステムを開発した。自然由来の吸着材を効果的に用いて、窒素、リンを水中から除去し、藻類の異常発生を抑止して生態系に悪影響を与えることなく、安定的に水質を保全することができる。豊かな緑地空間の創造等に活用していく。(日本植生㈱と共同開発)(5) 球体パノラマ画像システム「T-Siteview」の開発
既設建物の天井裏にある設備機器や天井部材などの状況を短時間で可視化する球体パノラマ画像システムを開発した。これまで狭小な開口部からの撮影など作業の煩雑さがネックになっていた天井裏の調査に活用する。東日本大震災時の天井崩落事故を受け、地震対策ニーズが高まっている天井の耐震補強計画、施工に活用していく。(6) あらゆる太陽高度に対応した採光装置の開発
省エネルギーを実現するため照明エネルギーの削減を目的として太陽光を有効利用するべく、建物外壁面の開口部から室内奥深くまで光を導く装置を開発した。装置内部の鏡面は8種類の放物線を組み合わせた特殊な形状とし、あらゆる太陽高度に対応し、かつ、少ない反射回数で光の減衰を防ぎ室内に光を導く。技術センター「ZEB実証棟」に導入し、効果を検証する。経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00052] S10029VC)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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