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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1002BT8

有価証券報告書抜粋 ユニチカ株式会社 研究開発活動 (2014年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループの研究開発活動は、長年にわたり蓄積してきた技術力を基盤とし、新技術の開発、応用を進めて、多様化する社会のニーズに応える商品開発を図り、もって事業基盤の強化と新規事業の拡大を行うことを目標としている。
当連結会計年度の研究開発費は、3,881百万円であり、この中には中央研究所で行っている全社共通テーマの各事業部門に配賦できない費用1,026百万円が含まれている。
(1)高分子事業
フィルム関連において、当社独自のシリコーンフリー離型PETフィルム「ユニピール」は、表面平滑タイプ、粗面タイプ、帯電防止タイプなどのラインナップ拡充により電子部材の製造工程などへの採用を拡大している。新たに軽剥離タイプを開発したので、商品紹介を始めた。パッケージ用途では、マット調ナイロンフィルム「エンブレムNZ」、その高性能ガスバリアタイプ「セービックスYNZ」を開発した。一部の商品では、すでに採用されており、ユーザーニーズに十分に応えられるように生産能力を増強したので、本格的な販売を始める。
樹脂関連では、当社固有のエンジニアリングプラスチックであるポリアリレート樹脂が、その広い温度域における性能、寸法の安定性から、スマートフォン、タブレット用途で適用が進んでいる。高耐熱性ポリアミド樹脂である「ゼコット(XecoT)」は電気・電子用途、自動車用途を中心に高評価なことから、今年度、宇治事業所(京都府)内の中量産プラント拡大工事を実施している。溶剤可溶タイプのポリアリレート樹脂「ユニファイナー」の開発が進み、耐熱フィルム等での展開を目指している。オレフィン系エマルションである「アローベース」は接着層、コーティング層としての高い汎用性、機能性から、食品、医療用包装材用途のみならず、電機、自動車分野にも広く適用されている。ポリエステル樹脂としては、ダイレクトブロー用に開発した共重合品の採用が拡大しており、増産体制の拡充を進めている。接着剤・コート剤用共重合ポリエステルである「エリーテル」は電気・電子用途の海外需用の増加に伴い、海外での用途展開が進んでいる。ナイロン樹脂はユニチカ独自技術との組み合わせによる、メタリック着色、ピアノブラック着色等の高外観グレード、発泡成形技術とマッチングさせた発泡成形用グレード等、樹脂の付加価値を高めた製品の展開を進めている。
不織布関連では、フィルムや樹脂といった異素材の特性を活かすような複合品の開発を継続的に行っている。複合繊維「エルベス」のニードルパンチタイプ不織布でポリエチレン微多孔フィルムをサンドイッチしたガス透過性防水シートは、その性能の優位性から東北地方の除染廃棄物仮置き場に採用され、販売は順調に推移している。また、院内感染防護には、「エルベス」が微多孔フィルムやメルトブローン不織布と積層されてメディカルドレープ用途やメディカルガウン用途に採用されている。不織布単体としては、異形断面の極太繊維からなる不織布を「Dilla」の商標で上市する運びとなった。非常に高い剛性を有する事を特徴とした不織布で、既に多くのユーザーから好評を得ており、今後の展開が期待される。一方、コットンスパンレースは国内のみならず、国外の衛材用途にも積極的に展開を行う一方、樹脂ネットとの複合による簡易担架の開発など、新たな用途への展開を順次図っている。
バイオマスプラスチック関連としては、これまで同様ポリ乳酸を用いた環境素材「テラマック」の機能向上と、さらなる市場ニーズへの適応に注力している。また、上記「ゼコット(XecoT)」もバイオマス由来の原料から成るため、バイオマスプラスチックとしての展開も図っている。さらに、二酸化炭素とバイオマス由来ジアミンから製造されるポリ尿素の開発を進めている。このポリ尿素は、原料に石油由来の物質を使用せず、かつ地球温暖化の原因とされる二酸化炭素を直接固定化してなる世界初の究極の環境配慮型素材であるだけでなく、高い耐熱性を示すエンジニアリングプラスチックとしても注目されている。
当事業に係る研究開発費は1,462百万円である。
(2)機能材事業
ガラス繊維関連では、顧客ニーズに応えたガラス繊維、ガラスクロス及びそれらの処理加工品等を各種開発し、ユーザーから好評価をいただいている。また、建材向けや各種産業資材用途の展開を進めている。
ICクロス関連では、超極薄クロスなどの生産技術革新に取り組むと共に、高性能化された新規ICクロスを開発中である。
活性炭繊維関連では、浄水分野において、市場要求の強いフィルターの小型化、高性能化の開発を更に進める事で採用拡大を図っている。また、気相分野においては、自動車用途に加え、住宅生活関連などの空気脱臭用途での高機能化の開発を更に進める。
当事業に係る研究開発費は442百万円である。
(3)繊維事業
繊維事業においては、婦人衣料対応素材として、高発色性で優しいタッチのナイロン芯鞘複合糸の芯部に、光エネルギーを熱に変換する特殊セラミックを練り込んだ吸光熱変換ナイロン素材「サーモフィット (Thermofit)」を開発した。ナイロンの特性と保温性能を兼ね備えた秋冬シーズンに最適な素材で、2014年秋冬向けに販売予定である。
スポーツ衣料対応素材、カジュアル衣料対応素材としては、独自の複重層紡績技術を応用し、紡績糸としては極めて少ないレベルまで毛羽を抑え、さらに糸に太細を付与して意匠性を持たせた複重層スラブ紡績糸「パルパーCS (PALPA CS)」を開発した。太細による肌への点接触効果と毛羽抑制の相乗効果により、ドライタッチと清涼感を有し、さらに吸水拡散性、形態安定性にも優れている。
ユニフォーム対応素材としては、国内外の安全性基準をクリアした高機能安全素材「プロテクサ」シリーズに、新たに高性能導電糸と制電加工技術を駆使して開発した高制電素材「プロテクサAS (Protexa AS)」を追加した。IEC基準をクリアした高い制電性を有し、その耐久性にも優れるため、半導体工場などで使用される静電気対策が必要な作業服用途に展開中である。
産業資材用素材としては、ポリエステルモノフィラメントをループ糸として用いた立体編地を塗材用、塗り床材均し用ペイントローラー材として応用し、「キュービックロール」を開発した。ループ糸の起立保持性が高く、かつループ間に適度な空隙を設けているため、高粘度の塗材を容易に均一塗布することが可能で、使用後にローラー材に付着した塗材を容易に除去でき、繰り返し使用が可能である。
また、除染廃棄物の最終処分場用に環境省直轄除染事業を中心に拡販しているガス透過性防水シート「エルベスキャッピングシート」が、2013年度繊研合繊賞のニューフロンティア部門賞を受賞した。
当事業に係る研究開発費は529百万円である。
(4)その他
生活健康事業関連では、美容素材として幅広く展開している「こんにゃくセラミド」の機能性を分子レベルで解明し、「こんにゃくセラミド」に多く含まれる構造(スフィンゴイド)が、セラミド合成系を活性化して角質層セラミド量を増加させるのに加えて、顆粒層や角質層に作用して、皮膚のバリア機能を改善することを見出した。2013年秋に開催されたセラミド研究会において、この結果を報告し、高く評価された。
メディカル事業関連では、抗血栓性カテーテルの更なる拡充を図ると共に、救急・防災用途として簡便に圧迫止血を可能とする止血帯「EMSバンデージ」を製品化し、また、創傷被覆保護材「ベスキチンF」の中国での販売を開始した。酵素事業では臨床検査用途や合成反応用途でのユーザー求評活動や受託開発を引き続き進めている。
当事業に係る研究開発費は420百万円である。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00527] S1002BT8)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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