有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10029A1
株式会社Eストアー 業績等の概要 (2014年3月期)
(1) 業績
Eコマース市場が引き続き拡大しているなかで、ヤフーショッピングの完全無料化や、業者数の増加など、環境の変化も引き続き大きなものとなっています。このような環境変化の中、当社はこれまでも、サーバー業からEC業へ、ストック収益軸からフロウ収益軸へと、環境の変化に飲み込まれない収益軸転換を図ってまいりました。当期を含む現在の施策は、開示のとおり、システム事業主体の体制から、マーケティング事業の拡充を図り、そこに投資の軸を置いておりますが、投資に伴う行動が不足し、当期においては未だ収益化が進んでいない状況にあります。また同様に、価格競争という変化からの離脱の一環として、連結子会社である株式会社プレシジョンマーケティングについても、前期に引き続き、安定的な案件獲得や資金繰りの改善を受け、利益率の低い大手依存度を下げております。以上の結果、当連結会計年度における売上高は 5,871百万円(対前期比 1.5%減)、営業利益は 551百万円(対前期比 14.5%減)、経常利益は 554百万円(対前期比 16.0%減)となり、当期純利益は 323百万円(対前期比 16.9%減)となりました。
また、第1四半期連結会計期間において、ヤフー株式会社の保有する株式 13,800株のうち 12,380株を自己株式として取得したこと、2013年10月1日付けで普通株式1株につき普通株式 100株の割合で株式分割を行い、自己株式が 2,123,649株増加したことなどにより、当連結会計年度末での当社の自己株式保有数は 2,145,100株となっております。
報告セグメントの業績は、次のとおりです。
(システム事業)
現在は未だ、当社収益の大きな面積である、当該事業は、業界の無料化圧力と、業者数の増大から、マーケットは顧客醸成よりも顧客争奪の図式に変化しており、獲得件数での苦戦を強いられています。もちろんこれを予測し収益軸を転換している戦略が本事業の行動ポイントとなっています。その結果、前述のとおり投資効果が出るまでの行動成果には達していませんが、目的とする「量」から「質」への転換を進める中で、顧客店舗業績は、注力サービスでは、受注数 685万回、流通額 792億円となり、契約件数が減少したものの、個々の店舗業績を着実に成長させることができ始め、対前期比でそれぞれ約5%前後の伸びとなりました。一方、終了したOEM提供(織り込み済み)などを加味した総量では、受注数 766万回、流通額 891億円と前期を下回りました。この結果、当社のフロウ(店舗業績に連動)売上は 1,779百万円(対前期比 1.1%増、システム事業全体の43.0%)となり、前年並みの売上を確保しております。
また、新規獲得営業面でも、戦略に合わせ、当社が狙う方向に合致する店舗を中心にシフトしたことで数より質に偏重したことと、OEM提供が終了したことにより、サービス全体での累計契約件数は 21,733件(前期末比 7,132契約減)と大きく減少し、契約店舗数に連動する売上は 2,298百万円(対前期比 3.1%減、システム事業全体の55.6%)となりました。引き続きより成長が期待でき、フロウ売上への貢献が見込まれる店舗様の増加を目指してまいります。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は 4,136百万円(対前期比 2.4%減)、営業利益は 851百万円(対前期比 6.8%増)となりました。
なお、前連結会計年度まで「EC事業」というセグメント名称で表記しておりました同事業について、当連結会計年度より、より事業内容に則した「システム事業」という名称に変更しております。
(マーケティング事業)
当連結会計年度より、当社において提供しているマーケティングサービスにつき、管理区分をシステム事業からマーケティング事業へと変更しております。なお、前連結会計年度まで「集客事業」というセグメント名称で表記しておりました同事業について、当連結会計年度より、より事業内容に則した「マーケティング事業」という名称に変更しております。
首記のとおり、マーケティング事業への収益シフトや、これに伴う数の競争から離脱し、質の世界への転換を担うのが当社のマーケティング事業の役割となっています。集客ハブであるPARKでは、これまで主にショップサーブの店舗向けに提供してきましたが、ここのSEO効果を増大し、総数で増量することを目的として、対象を国内すべてのECサイトにし、送客のための集客数を増大させてきました。また、マーケティングに不可欠なノウハウは店舗運営の中でも高度なため、より簡易なマーケティングを提供することを目的としたサービス「シングルハンド」のリリースなど、引き続き、店舗への集客を図るための投資を積極的に進め、そのための体制を整えてまいりました。これらについて、未だ投資が続き、収益化していないことが、利益面での成果に結んでいない理由です。
WEBマーケティングサービスを提供する連結子会社である株式会社プレシジョンマーケティングにおいては、利益率の低い大手クライアントへの依存度を下げたため、広告取扱総量は減少したものの、これは、上述のとおり、グループ全体の施策として、利益率を上げる方向にシフトを進めている一環というのが理由となります。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は 1,734百万円(対前期比 0.5%増)、営業損失は 296百万円となり、広告取扱総量の減少と先行した投資が影響しております。
(ご参考)
○販路別契約件数(四半期推移)
自社販路件数推移
第16期 第1四半期 | 第16期 第2四半期 | 第16期 第3四半期 | 第16期 第4四半期 | |
新規契約件数 (内 ショップ系) (内 ホスティング系) | 920 (903) (17) | 881 (865) (16) | 696 (680) (16) | 579 (566) (13) |
解約件数 (内 ショップ系) (内 ホスティング系) | 1,073 (1,035) (38) | 996 (958) (38) | 1,057 (1,030) (27) | 1,006 (971) (35) |
累計件数 (内 ショップ系) (内 ホスティング系) | 18,580 (17,308) (1,272) | 18,465 (17,215) (1,250) | 18,104 (16,865) (1,239) | 17,677 (16,460) (1,217) |
依存販路件数推移
第16期 第1四半期 | 第16期 第2四半期 | 第16期 第3四半期 | 第16期 第4四半期 | |
新規契約件数 (内 ショップ系) (内 ホスティング系) | 5 (1) (4) | 7 (0) (7) | 2 (0) (2) | 6 (0) (6) |
解約件数 (内 ショップ系) (内 ホスティング系) | 540 (487) (53) | 477 (426) (51) | 4,958 (4,920) (38) | 121 (71) (50) |
累計件数 (内 ショップ系) (内 ホスティング系) | 9,597 (7,891) (1,706) | 9,127 (7,465) (1,662) | 4,171 (2,545) (1,626) | 4,056 (2,474) (1,582) |
○販路別契約件数(年度推移)
自社販路件数推移
第13期 | 第14期 | 第15期 | 第16期 | |
新規契約件数 (内 ショップ系) (内 ホスティング系) | 5,727 (5,553) (174) | 4,869 (4,754) (115) | 3,559 (3,483) (76) | 3,076 (3,014) (62) |
解約件数 (内 ショップ系) (内 ホスティング系) | 4,152 (3,972) (180) | 4,360 (4,208) (152) | 4,293 (4,147) (146) | 4,132 (3,994) (138) |
累計件数 (内 ショップ系) (内 ホスティング系) | 18,958 (17,558) (1,400) | 19,467 (18,104) (1,363) | 18,733 (17,440) (1,293) | 17,677 (16,460) (1,212) |
依存販路件数推移
第13期 | 第14期 | 第15期 | 第16期 | |
新規契約件数 (内 ショップ系) (内 ホスティング系) | 2,839 (1,871) (968) | 679 (505) (174) | 20 (1) (19) | 20 (1) (19) |
解約件数 (内 ショップ系) (内 ホスティング系) | 5,485 (2,794) (2,691) | 15,677 (2,564) (13,113) | 3,194 (2,630) (564) | 6,096 (5,904) (192) |
累計件数 (内 ショップ系) (内 ホスティング系) | 28,304 (13,065) (15,239) | 13,306 (11,006) (2,300) | 10,132 (8,377) (1,755) | 4,056 (2,474) (1,582) |
※本頁表中の「ショップ系」はショッピングカート付きシステムをいいます。
また「ホスティング系」はショッピングカートのないシステムをいいます。
○主要サービス別の契約件数(四半期推移)
サイトサーブ(レンタルサーバー)件数推移
第16期 第1四半期 | 第16期 第2四半期 | 第16期 第3四半期 | 第16期 第4四半期 | |
新規契約件数 (内 直販件数) (内 代理店販売件数) (内 OEM販売件数) | 25 (12) (13) (0) | 25 (12) (13) (0) | 23 (15) (8) (0) | 20 (12) (8) (0) |
解約件数 (内 直販件数) (内 代理店販売件数) (内 OEM販売件数) | 308 (115) (193) (0) | 280 (84) (196) (0) | 237 (79) (158) (0) | 240 (81) (159) (0) |
累計件数 (内 直販件数) (内 代理店販売件数) (内 OEM販売件数) | 8,089 (2,459) (5,630) (0) | 7,834 (2,387) (5,447) (0) | 7,620 (2,323) (5,297) (0) | 7,400 (2,254) (5,146) (0) |
ストアツール(ショッピングカートASP)件数推移
第16期 第1四半期 | 第16期 第2四半期 | 第16期 第3四半期 | 第16期 第4四半期 | |
新規契約件数 (内 直販件数) (内 代理店販売件数) (内 OEM販売件数) | 3 (3) (0) (-) | 0 (0) (0) (-) | 1 (1) (0) (-) | 0 (0) (0) (-) |
解約件数 (内 直販件数) (内 代理店販売件数) (内 OEM販売件数) | 21 (17) (4) (-) | 17 (13) (4) (-) | 14 (10) (4) (-) | 12 (10) (2) (-) |
累計件数 (内 直販件数) (内 代理店販売件数) (内 OEM販売件数) | 446 (293) (153) (-) | 429 (280) (149) (-) | 416 (271) (145) (-) | 404 (261) (143) (-) |
ショップサーブ(ネットショップ総合パッケージ)件数推移
第16期 第1四半期 | 第16期 第2四半期 | 第16期 第3四半期 | 第16期 第4四半期 | |
新規契約件数 (内 直販件数) (内 代理店販売件数) (内 OEM販売件数) | 897 (724) (173) (0) | 863 (702) (161) (0) | 674 (527) (147) (0) | 565 (448) (117) (0) |
解約件数 (内 直販件数) (内 代理店販売件数) (内 OEM販売件数) | 1,284 (746) (149) (389) | 1,176 (687) (156) (333) | 5,764 (780) (144) (4,840) | 875 (744) (131) (0) |
累計件数 (内 直販件数) (内 代理店販売件数) (内 OEM販売件数) | 19,642 (11,295) (3,174) (5,173) | 19,329 (11,310) (3,179) (4,840) | 14,239 (11,057) (3,182) (0) | 13,929 (10,761) (3,168) (0) |
○主要サービス別の契約件数(年度推移)
サイトサーブ(レンタルサーバー)件数推移
第13期 | 第14期 | 第15期 | 第16期 | |
新規契約件数 (内 直販件数) (内 代理店販売件数) (内 OEM販売件数) | 1,219 (133) (153) (933) | 343 (96) (106) (141) | 120 (51) (69) (0) | 93 (51) (42) (0) |
解約件数 (内 直販件数) (内 代理店販売件数) (内 OEM販売件数) | 6,148 (746) (1,393) (4,009) | 15,930 (581) (1,066) (14,283) | 2,622 (414) (859) (1,349) | 1,065 (359) (706) (0) |
累計件数 (内 直販件数) (内 代理店販売件数) (内 OEM販売件数) | 26,461 (3,410) (7,560) (15,491) | 10,874 (2,925) (6,600) (1,349) | 8,372 (2,562) (5,810) (0) | 7,400 (2,254) (5,146) (0) |
ストアツール(ショッピングカートASP)件数推移
第13期 | 第14期 | 第15期 | 第16期 | |
新規契約件数 (内 直販件数) (内 代理店販売件数) (内 OEM販売件数) | 52 (51) (1) (-) | 11 (11) (0) (-) | 8 (8) (0) (-) | 4 (4) (0) (-) |
解約件数 (内 直販件数) (内 代理店販売件数) (内 OEM販売件数) | 241 (186) (55) (-) | 137 (84) (53) (-) | 103 (60) (43) (-) | 64 (50) (14) (-) |
累計件数 (内 直販件数) (内 代理店販売件数) (内 OEM販売件数) | 685 (432) (253) (-) | 559 (359) (200) (-) | 464 (307) (157) (-) | 404 (261) (143) (-) |
ショップサーブ(ネットショップ総合パッケージ)件数推移
第13期 | 第14期 | 第15期 | 第16期 | |
新規契約件数 (内 直販件数) (内 代理店販売件数) (内 OEM販売件数) | 7,295 (4,370) (1,065) (1,860) | 5,194 (3,824) (870) (500) | 3,451 (2,772) (679) (0) | 2,999 (2,401) (598) (0) |
解約件数 (内 直販件数) (内 代理店販売件数) (内 OEM販売件数) | 3,248 (2,379) (526) (343) | 3,970 (2,794) (622) (554) | 4,762 (2,971) (609) (1,182) | 9,099 (2,957) (580) (5,562) |
累計件数 (内 直販件数) (内 代理店販売件数) (内 OEM販売件数) | 20,116 (10,486) (2,832) (6,798) | 21,340 (11,516) (3,080) (6,744) | 20,029 (11,317) (3,150) (5,562) | 13,929 (10,761) (3,168) (0) |
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末比で 468百万円減少し、2,005百万円(前連結会計年度末比 18.9%減)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローは次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、443百万円(前連結会計年度は 828百万円の増加)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益 558百万円、減価償却費 190百万円であり、減少要因は、法人税等の支払額 290百万円、売上債権の増加 78百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の増加は、283百万円(前連結会計年度は 587百万円の減少)となりました。主な増加要因は、定期預金の払戻による収入 400百万円であり、減少要因は、サーバー等の購入に伴う有形固定資産の取得による支出 56百万円、ソフトウエア開発に伴う無形固定資産の取得による支出 45百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、1,197百万円(前連結会計年度は 103百万円の減少)となりました。主な増加要因は、長期借入れによる収入 300百万円であり、減少要因は、自己株式の取得による支出 1,299百万円、配当金の支払額 119百万円によるものです。
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