日本ファルコム株式会社 業績等の概要 (2014年9月期)

(1)業績

当事業年度のゲームソフト関連業界におきましては、モバイル向けアプリ市場が拡大するなか、携帯型ゲーム機、据え置き型ゲーム機向けのゲームソフト市場も底堅く推移しました。競争は厳しい一方で、優良なコンテンツの引き合いは総じて堅調に推移しました。
当社におきましては、引き続きユーザーの方々に喜んで頂けるゲームソフトづくりにこだわり、昨年発売した据え置き型ゲーム機PlayStation®3及び携帯型ゲーム機PlayStation®Vita向けゲームソフト「英雄伝説 閃の軌跡」は、「プレイステーションアワード」「ファミ通アワード」「日本ゲーム大賞」など様々な賞を受賞いたしました。
そして当期は、これまでライセンス供与によって進めていた当社タイトルのアジア展開について、「英雄伝説 閃の軌跡」で当社初の自社展開を進めました。さらには「英雄伝説 閃の軌跡」の続編で「軌跡」シリーズ生誕10周年記念タイトルである「英雄伝説 閃の軌跡Ⅱ」を国内及びアジア地域において発売しました。
また、オンラインゲーム、スマートフォンアプリなど、多方面で当社コンテンツが活用され、TVアニメ、コミック、ノベルズなどのメディア展開も進みました。その他、「軌跡」シリーズ展開から10周年となる今年は、国内外において記念ライブやイベントを実施し、様々な展開を推し進めました。
以上の結果、当事業年度の売上高は2,541百万円(前期比38.1%増)、経常利益は1,303百万円(同83.2%増)、当期純利益は773百万円(同77.5%増)となりました。
部門別の概況は以下の通りであります。

<製品部門>
当事業年度は、2014年6月に「英雄伝説 閃の軌跡」繁体中国語版及び韓国語版を香港・台湾・韓国及び東南アジア地域において発売しました。当社のゲームソフトはアジア地域のユーザーとの親和性が高く、特に香港・台湾・韓国では初回出荷分が完売するなど、多くの方々に受け入れられました。そして、2014年9月には「英雄伝説 閃の軌跡Ⅱ」を国内において発売し、同時に「英雄伝説 閃の軌跡Ⅱ」繁体中国語版及び韓国語版を香港・台湾・韓国及び東南アジア地域において発売しました。
据え置き型ゲーム機PlayStation®3及び携帯型ゲーム機PlayStation®Vitaの2機種向けに発売した「英雄伝説 閃の軌跡Ⅱ」は、超ロングセラー作品として多くのユーザーから支持を受け続けている「軌跡」シリーズ最新作であり、「軌跡」シリーズ生誕10周年記念作品です。2014年9月に開催された東京ゲームショウにおいては日本ゲーム大賞フューチャー部門を受賞するなど人気を集め、国内のみならずアジア地域のユーザーからも高い評価を受け、シリーズ最高の初期出荷実績となりました。
以上の結果、製品部門の当事業年度の売上高は1,895百万円(前期比26.4%増)となりました。

<ライセンス部門>
当社コンテンツの様々なプラットフォームへの展開、当社キャラクターを利用した商品へのラインセンス許諾などを行うライセンス部門では、海外においてPCゲームの大手ダウンロード販売サイトであるSTEAMでの当社英語版ゲームソフトの販売が好調だった他、「イース セルセタの樹海」英語版を北米及び欧州地域で発売し、堅調に推移しました。国内においては、携帯型ゲーム機PlayStation®Vita向けゲームソフト「英雄伝説 碧の軌跡 Evolution」を発売しました。
また、「英雄伝説 閃の軌跡Ⅱ」の発売に合わせて様々な企画も実施し、「モンスターハンター フロンティアG」(株式会社カプコン)や累計250万ダウンロードの人気アプリ「ロード・トゥ・ドラゴン」(株式会社アクワイア)の他、アニメ作品で地域振興を進めている東京都立川市商店街とのオリジナルバナーフラッグ展開などとのコラボ企画によりユーザー層は更に拡大しました。
以上の結果、ライセンス部門の当事業年度の売上高は、646百万円(前期比89.4%増)となりました。

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比較して630百万円増加し、2,465百万円となりました。
営業活動の結果増加した資金は、704百万円(前期は76百万円の支出)となりました。投資活動の結果支出した資金は、3百万円(前期は2百万円の支出)となりました。財務活動の結果支出した資金は、70百万円(前期は50百万円の支出)となりました。
なお、キャッシュ・フローの状況の詳細は、「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) キャッシュ・フローの状況の分析」に記載しております。