有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1002E0N
株式会社新日本科学 研究開発活動 (2014年3月期)
経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度の研究開発活動は、科学技術の急速な進展により医薬品の開発環境が大きく変化している中、新しい環境にも迅速に対応した質の高い開発支援ができるよう、当社グループの各セグメントにおいて最先端と思われる技術を開発利用しております。
当連結会計年度における研究開発費は、747,079千円であり、各セグメント別の研究開発活動は、次のとおりであります。
(1) 前臨床事業
当社の安全性研究所及び薬物代謝分析センター並びにSNBL U.S.A., Ltd.で実施する前臨床事業における研究開発活動は、迅速で質の高い試験成績を委託者に提供できるよう、事前の予備検討試験の実施及び進行中の試験データを比較検証するためのバックグラウンドデータの蓄積や解析並びに将来における新技術の研究や技術改良を目的に行っております。医薬品の主流が、抗体医薬に代表されるバイオ医薬品の開発及びiPS細胞に代表される再生医療に移行する中で、当社は、これらの業界の動きに対応するため、種々の検討を先駆けて実施しております。例えば、抗体医薬ではこれまで日本では受託できる機関がなかった組織交差性試験を受託できるようになり、サイトカイン等を少量の試料で他項目測定できる機器や抗体の特性評価をより詳細に実施するためのキャピラリー電気泳動を導入するとともに、ELISAの自動測定装置であるGyrolabでの受託も開始しております。また、抗体医薬は霊長類のみに効果がみられるものが多く、霊長類を用いて生殖機能への影響を評価することが必須となりますので、評価に関する基礎的なデータを解析・発表しております。また、霊長類の感染実験が実施可能な施設を活用し、インフルエンザやエイズワクチンなどに関して企業や大学との共同研究を行っており、フェレットやマウスを用いた感染実験も確立しております。更に、霊長類を用いた骨粗しょう症モデルやパーキンソン病モデルの作製を積極的に実施しており、黄斑変性モデルや緑内障モデルについても検討を開始しております。
その他、ヒトでの薬効や毒性の指標となるバイオマーカーについても検討しており、骨、肝臓や腎臓におけるバイオマーカーの測定法の研究も積極的に行っております。また、循環器、皮膚の実験に有用なミニブタ及びマイクロミニブタを用いた研究を行っており、医療機器の埋植試験への応用が期待されています。
なお、研究成果については海外や国内の多くの学会等において発表したり、国内外の学術雑誌へ論文として掲載されたりしております。
以上の活動における研究開発費は、627,860千円であります。
(2) 臨床事業
当社の臨床事業部は、開発業務受託機関として製薬企業等が実施する臨床試験の運営及び管理に関する業務を製薬企業等から受託しております。当社は製薬企業等から臨床試験を受託するにあたり、当該臨床試験に関する対象疾患等についての情報並びにデータを得て支援業務にあたっております。こうした臨床試験に携わる上での事前の検討及び情報収集に関わる費用を研究開発費として、1,522千円を計上しております。
(3) トランスレーショナル リサーチ事業
ⅰ)経鼻投与技術
当社が独自に開発した経鼻投与基盤技術(Nasal Delivery System: NDS)について、米国でPhaseⅡ臨床試験を完了したグラニセトロン経鼻剤(開発コード:TRG,制吐薬)、米国でPhaseⅠ臨床試験を完了したゾルミトリプタン経鼻剤(開発コード:TRZ,偏頭痛薬)における臨床実績が高く評価され、2011年2月にPastorus Pharma, LLC.(本社:米国ワイオミング州)にオキシトシン、2013年4月にBesins Healthcareグループ(本社:ベルギー)にプロゲステロン、2013年9月にはTranscept Pharmaceuticals, Inc.(本社:米国カルフォルニア州)にジヒドロエルゴタミンを対象とする粉末経鼻製剤の全世界における独占的開発権及び販売権の導出契約をそれぞれ締結しております。また、国内外の複数の製薬企業が保有する化合物に応用するための技術評価試験(フィジビリティ試験)の実施も増えております。
併せて、インフルエンザワクチンの注射液剤を固化して粉体で安定的に鼻腔に投与する新技術の研究開発に成功しています。インフルエンザ経鼻ワクチン(開発コード:TR-Flu)は、注射器や針が不要であるだけでなく、室温で保管できることに加えて、経鼻ワクチンは、感染予防に重要である粘膜免疫(分泌型IgA産生)を高めることから、注射ワクチンよりも高い感染予防効果が期待されており、更にウィルスがある程度変異しても有効性が維持できると推測されています。このような優位性により、インフルエンザウイルス各種に対し幅広い交叉性を示し、より強力な免疫が誘導される効果が期待されております。
これまでの研究開発実績から当社の経鼻投与基盤技術が種々の薬剤に対して幅広く応用できることが実証されたことにより、大手を含む国内外の複数の製薬企業が保有する化合物に当社の技術を応用するフィジビリティ試験の実施が活発化しております。フィジビリティ試験における良好な成績をもとに、現在、技術供与のライセンス契約や共同研究の契約締結に向けた交渉を積極的に進めております。
ⅱ)核酸医薬開発
核酸医薬開発に関しては、持分法適用関連会社のWAVE LIFE SCIENCES PTE. LTD.と共同で、核酸医薬の立体制御技術(キラル核酸合成技術)を用いて創製した新規のキラル核酸アジュバントの研究開発にも取り組んでおります。対象となる疾患領域としては、がん、アレルギー、自己免疫疾患、感染症などが視野にあり、現在、候補化合物の安全性と有効性を調べる試験を実施しております。
以上の活動における研究開発費は、115,400千円であります。
(4) その他の事業
その他の事業に係る研究開発費は、2,295千円であります。
当連結会計年度における研究開発費は、747,079千円であり、各セグメント別の研究開発活動は、次のとおりであります。
(1) 前臨床事業
当社の安全性研究所及び薬物代謝分析センター並びにSNBL U.S.A., Ltd.で実施する前臨床事業における研究開発活動は、迅速で質の高い試験成績を委託者に提供できるよう、事前の予備検討試験の実施及び進行中の試験データを比較検証するためのバックグラウンドデータの蓄積や解析並びに将来における新技術の研究や技術改良を目的に行っております。医薬品の主流が、抗体医薬に代表されるバイオ医薬品の開発及びiPS細胞に代表される再生医療に移行する中で、当社は、これらの業界の動きに対応するため、種々の検討を先駆けて実施しております。例えば、抗体医薬ではこれまで日本では受託できる機関がなかった組織交差性試験を受託できるようになり、サイトカイン等を少量の試料で他項目測定できる機器や抗体の特性評価をより詳細に実施するためのキャピラリー電気泳動を導入するとともに、ELISAの自動測定装置であるGyrolabでの受託も開始しております。また、抗体医薬は霊長類のみに効果がみられるものが多く、霊長類を用いて生殖機能への影響を評価することが必須となりますので、評価に関する基礎的なデータを解析・発表しております。また、霊長類の感染実験が実施可能な施設を活用し、インフルエンザやエイズワクチンなどに関して企業や大学との共同研究を行っており、フェレットやマウスを用いた感染実験も確立しております。更に、霊長類を用いた骨粗しょう症モデルやパーキンソン病モデルの作製を積極的に実施しており、黄斑変性モデルや緑内障モデルについても検討を開始しております。
その他、ヒトでの薬効や毒性の指標となるバイオマーカーについても検討しており、骨、肝臓や腎臓におけるバイオマーカーの測定法の研究も積極的に行っております。また、循環器、皮膚の実験に有用なミニブタ及びマイクロミニブタを用いた研究を行っており、医療機器の埋植試験への応用が期待されています。
なお、研究成果については海外や国内の多くの学会等において発表したり、国内外の学術雑誌へ論文として掲載されたりしております。
以上の活動における研究開発費は、627,860千円であります。
(2) 臨床事業
当社の臨床事業部は、開発業務受託機関として製薬企業等が実施する臨床試験の運営及び管理に関する業務を製薬企業等から受託しております。当社は製薬企業等から臨床試験を受託するにあたり、当該臨床試験に関する対象疾患等についての情報並びにデータを得て支援業務にあたっております。こうした臨床試験に携わる上での事前の検討及び情報収集に関わる費用を研究開発費として、1,522千円を計上しております。
(3) トランスレーショナル リサーチ事業
ⅰ)経鼻投与技術
当社が独自に開発した経鼻投与基盤技術(Nasal Delivery System: NDS)について、米国でPhaseⅡ臨床試験を完了したグラニセトロン経鼻剤(開発コード:TRG,制吐薬)、米国でPhaseⅠ臨床試験を完了したゾルミトリプタン経鼻剤(開発コード:TRZ,偏頭痛薬)における臨床実績が高く評価され、2011年2月にPastorus Pharma, LLC.(本社:米国ワイオミング州)にオキシトシン、2013年4月にBesins Healthcareグループ(本社:ベルギー)にプロゲステロン、2013年9月にはTranscept Pharmaceuticals, Inc.(本社:米国カルフォルニア州)にジヒドロエルゴタミンを対象とする粉末経鼻製剤の全世界における独占的開発権及び販売権の導出契約をそれぞれ締結しております。また、国内外の複数の製薬企業が保有する化合物に応用するための技術評価試験(フィジビリティ試験)の実施も増えております。
併せて、インフルエンザワクチンの注射液剤を固化して粉体で安定的に鼻腔に投与する新技術の研究開発に成功しています。インフルエンザ経鼻ワクチン(開発コード:TR-Flu)は、注射器や針が不要であるだけでなく、室温で保管できることに加えて、経鼻ワクチンは、感染予防に重要である粘膜免疫(分泌型IgA産生)を高めることから、注射ワクチンよりも高い感染予防効果が期待されており、更にウィルスがある程度変異しても有効性が維持できると推測されています。このような優位性により、インフルエンザウイルス各種に対し幅広い交叉性を示し、より強力な免疫が誘導される効果が期待されております。
これまでの研究開発実績から当社の経鼻投与基盤技術が種々の薬剤に対して幅広く応用できることが実証されたことにより、大手を含む国内外の複数の製薬企業が保有する化合物に当社の技術を応用するフィジビリティ試験の実施が活発化しております。フィジビリティ試験における良好な成績をもとに、現在、技術供与のライセンス契約や共同研究の契約締結に向けた交渉を積極的に進めております。
ⅱ)核酸医薬開発
核酸医薬開発に関しては、持分法適用関連会社のWAVE LIFE SCIENCES PTE. LTD.と共同で、核酸医薬の立体制御技術(キラル核酸合成技術)を用いて創製した新規のキラル核酸アジュバントの研究開発にも取り組んでおります。対象となる疾患領域としては、がん、アレルギー、自己免疫疾患、感染症などが視野にあり、現在、候補化合物の安全性と有効性を調べる試験を実施しております。
以上の活動における研究開発費は、115,400千円であります。
(4) その他の事業
その他の事業に係る研究開発費は、2,295千円であります。
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