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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10026XI

有価証券報告書抜粋 株式会社テクノマセマティカル 研究開発活動 (2014年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)研究開発活動の概要
当社の基幹技術はDMNA(Digital Media New Algorithm)という愛称の数学的な手法を応用した信号処理に最適化されたアルゴリズムです。当社は、このDMNAを使用した映像・音響・音声関連の信号処理技術を中心に研究、並びに開発を進めております。特に、大画面映像分野や周辺技術を取り込んだ製品にもDMNA技術を水平展開しており、ソフトウェア、ハードウェアのより効果的なビジネス拡大を目指して研究、開発を行っております。
またDMNA自体の研究開発も進んでおり、新しい製品分野はもちろんのこと、既存製品も含めた高機能・高性能化に成果を挙げています。
(2)当事業年度(自 2013年4月1日 至 2014年3月31日)における研究開発活動の成果
(ソフトウェアライセンス事業)
映像分野では全世界のモバイル向け地上デジタル放送において必須であるH.264ビデオエンコーダ/デコーダ、WMV9(注21)ビデオデコーダ及びJPEG/Motion JPEGエンコーダ/デコーダの高性能化を行っております。ワンセグ対応需要に応えるため、ワンセグ受信を最適化できるワンセグ・パッケージに加え、エリアワンセグ放送(注22)を低コストで行えるエリアワンセグ送信用エリアワンセグ・ミドルウェアを製品化いたしました。また、国内のワンセグ放送のみならず、海外のモバイル向け地上デジタル放送に対応可能な製品の開発を進めており、市場・顧客の広がりが期待できます。加えて、独自規格のフルHD対応エンコーダ/デコーダ「DMNA-V2」の開発にも成功しています。この独自規格は標準的なH.264の2倍以上の圧縮率を実現できております。また、画像配信分野で必須の技術ともされるH.264 SVC(注23)リアルタイムエンコーダの開発にも成功いたしました。また、「DMNA-V2」を活用してテレビ中継用低遅延伝送装置を開発し、さらに、「DMNA-V2」の後継として「DMNA-V3」の開発にも成功いたしました。当事業年度におきましては、次世代の国際標準圧縮規格であるH.265ビデオエンコーダ/デコーダの開発に成功いたしました。
音響/音声分野では前年度より引き続き、AACオーディオのエンコーダ/デコーダ、AAC_SBR(注24)デコーダ、WMAデコーダの製品化及び性能向上に努め、音声分野では、ノイズ・サプレッサ、エコー・キャンセラの性能向上やハウリング・キャンセラ、風切り音除去、ズームボイス技術の開発に成功しており、今後ともそれらの性能向上、高機能化を進めてまいります。特に当事業年度におきましては、AAC_SBRのARIB規格(注25)対応版の開発に成功し、ハンズフリー(ノイズ・サプレッサ+エコ-・キャンセラ)ソフトウェアは性能向上・高機能化により、車載品質レベルに到達いたしました。今後ともハンズフリーソフトウェアの品質レベルの改善・向上を図るとともに、22.2ch AAC(注26)デコーダの開発に取り組んでまいります。
映像・音響・音声分野に加えて、アンドロイド(注27)対応などの他、これらのコンポーネントを効率よく製品に組み込むために必要となる、各種周辺技術・製品分野の開発も積極的に進めています。
(ハードウェアライセンス事業)
映像分野では、前年度に引き続き高精細、大画面対応に注力しており、H.264、MPEG-2ビデオ フルHDサイズのエンコーダ/デコーダの性能向上に注力しております。特徴はDMNA技術を使用しているので、画質が綺麗(動画の動きがスムーズ、最初から最後まで高画質を安定維持している、急な変化、激しい動きでも画像が乱れない、原画像を忠実に再生できる、ノイズが少ない)、消費電力が他社比で1/10程度まで低減、回路規模が他社比で1/3程度まで低減、CPUの補助なしで動作させることができる、などです。また、これらの複数製品の機能をひとつに統合することで、さらなる低消費電力化を実現できるマルチデコーダ製品等の開発にも成功しています。大型画面のTV、次世代DVD、多機能セットトップボックス、デジタルビデオカメラ等への採用が期待できます。
また、独自規格によるフルHDの6倍速を実現したニア・ロスレス(注28)エンコーダ/デコーダ、低動作周波数で大画面を高速に処理するJPEGエンコーダ/デコーダ(高速版)を開発しているほか、3D映像へ対応するH.264 MVCエンコーダ/デコーダ(注29)の開発にも成功しております。また、高速JPEGを従来の4pixel/clock(注30)から8pixel/clockへとさらなる高速化に成功した他、大画面対応用のH.264 4K2K(注31)も開発いたしました。当事業年度におきましては、開発済みのH.264CVのマルチチャンネル化、1/3~1/4固定長圧縮技術や次世代の国際標準規格であるH.265ビデオデコーダ/4Kの開発に成功いたしました。今後とも、既開発技術の高度化、高機能化に加え、H.265ビデオエンコーダ/デコーダ(8K/4K)(注32)や超解像技術(注33)等の開発を進めてまいります。
携帯型機器向け半導体の分野では、低消費電力版H.264ビデオエンコーダ/デコーダの製品化が完了し、携帯電話やポータブルメディアプレーヤー向けにライセンス提供を開始しております。当該製品は、少ゲートサイズと徹底した低消費電力化設計により、高画質と低消費電力を両立しており、国内の半導体メーカーを中心に採用が進んでいます。また、今後複数のビデオ規格に効率的に対応できるよう、MPEG-2、MPEG-4、H.264及びVC-1等の圧縮・伸張を実現するマルチエンコーダ/デコーダ製品、特にHDに対応したものの研究開発に引き続き注力してまいります携帯型機器向け半導体の分野では、低消費電力版H.264ビデオエンコーダ/デコーダの製品化が完了し、携帯電話やポータブルメディアプレーヤー向けにライセンス提供を開始しております。当該製品は、少ゲートサイズと徹底した低消費電力化設計により、高画質と低消費電力を両立しており、国内の半導体メーカーを中心に採用が進んでいます。また、今後複数のビデオ規格に効率的に対応できるよう、MPEG-2、MPEG-4、H.264及びVC-1等の圧縮・伸張を実現するマルチエンコーダ/デコーダ製品や8K/4Kに対応したものの研究開発に引き続き注力してまいります。

(単機能LSI事業)
2009年3月期末に開発に成功した超解像スケーリングLSIに続き、2010年3月期末にはハードウェア製品として開発済みのH.264をフルHD対応のコーデックLSIとして開発することに成功いたしております。このフルHD対応H.264LSIは16チャンネルまでのマルチチャネルで同時エンコード/デコード処理が可能なうえ、低ビットレート、高画質、低消費電力、低遅延を実現しています。前事業年度においては、顧客の使い勝手を向上させるため、H.264LSIをボード仕立てとした製品を開発しました。当事業年度におきましては、CPU搭載ボードを開発した上、各種改良を実施いたしました。今後とも更なる利便性の向上による顧客需要の掘り起こしを進めてまいります。

これらの開発により、当事業年度における研究開発費は、401,919千円となりました。


(注21)WMV9(Windows Media Video 9の略で、米国Microsoft社独自の映像圧縮方式。インターネットやPC上で幅広く利用されている。)
(注22)エリアワンセグ(携帯端末向けの地上デジタル放送のしくみであるワンセグ技術を使って、テレビ局の放送とは別に、狭いエリアに限定して独自の映像やデータを配信するサービス。)
(注23)H.264 SVC(H.264 Scalable Video Codingの略で、2007年11月に新しく追加された最新の映像符号化標準規格。ネットワークを含む再生環境が多様(端末の性能やネットワークの伝送速度が多様であること)であっても、シンプルでその環境に適応した映像配信システムを構築しやすくなる。)
(注24)AAC_SBR(AAC Spectral Bandwidth Replicationの略で、AACの圧縮効率をさらに上げたもの。)
(注25)ARIB規格(Association of Radio Industries and Businessの略で、地上デジタル放送のコーデック規格。)
(注26)22.2ch AAC(スーパーハイビジョンのための3次元立体音響システムとしてNHK放送技術研究所が定めたマルチチャネル規格。)
(注27)アンドロイド(Googleが2007年11月に発表した、スマートフォンやタブレットPCなどの情報端末を主なターゲットして開発されたプラットフォーム。)
(注28)ニア・ロスレス(ロスレス圧縮とは、データを全く損なわずに復元できるような圧縮方式のこと。データを再び元の状態に戻せるところから、可逆圧縮とも呼ばれる。ニア・ロスレス圧縮は、完全な可逆圧縮ではないものの、不可逆圧縮ほどには復元時のデータ欠損がない圧縮方法のこと。)
(注29)H.264 MVC(H.264 Multi View Codingの略で、2009年3月に新しく追加された最新の映像符号化標準規格。複数のカメラ等の視点からの入力映像を統合して符号化する。自由視点映像や3Dテレビ等の映像アプリケーションに利用できる。)
(注30)pixel/clock(pixelとは画素数のことで、clockとは処理の単位のこと。つまり、4pixel/clockとは一回の処理で4画素処理することをいい、8pixel/clockとは一回の処理で8画素処理すること。)
(注31)H.264 4K2K(フルHD(1920×1020)の約4倍とされる4096×2160の画素数に対応できる解像度技術のこと。)
(注32)8K/4K(フルHDの約16倍、4K/2Kの約4倍とされる8000×4000の画素数に対応できる解像度技術のこと。スーパーハイビジョン(UHDTV、7680×4320)規格に該当する。)
(注33)超解像技術(デジタル画像処理技術の一つで、入力信号の解像度を高めて出力信号を作る技術を指し、具体的な製品では入力された動画や静止画の信号を高解像度化して出力したり、高解像度の画像を表示したりする技術。)

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E05445] S10026XI)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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