有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1002CMA
株式会社 熊谷組 研究開発活動 (2014年3月期)
経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの研究開発活動は、企業業績に対して即効性のある技術、商品の開発、各種技術提案に直結した技術の開発、中長期的市場の変化を先取りした将来技術の研究、開発技術の現業展開と技術部門の特性を生かした技術営業、総合的技術力向上のための各種施策からなっており、社会経済状況の変化に対し機動的に対応できる体制をとっている。
当連結会計年度は、研究開発費として13億円を投入した。
当連結会計年度における主な研究開発活動は、次のとおりである。
(1) 土木事業
① 曲線函体推進工法「まがるーふ工法」を応用し、変状トンネルのインバートを構築
インフラ大更新のニーズが高まるなか、経年劣化により供用中のトンネルに盤膨れが発生している事例が多数報告されている。根本的な対策にはインバート構築が望ましいが“通行止め”が必要となり、社会的影響が懸念される。2008年より開発を進めてきた「まがるーふ工法」は、分岐合流部等の超大断面トンネル構築を目指した技術であるが、昨年はNEXCO東日本と共同で“通行止めを回避”できるインバート構築方法への応用を検討した。トンネル内の狭い場所での施工方法や変状監視手法などの新たな開発・工夫を重ねることで適用性を見出し、長野自動車道一本松トンネル変状対策工事に適用した。既存技術では14日間の全面通行止めが必要とされていたが、「まがるーふ工法」を応用することで“全面通行止めを回避”した。国土交通大臣は、2013年に開会された第183回通常国会で本年を「社会資本メンテナンス1年」と位置付けているが、本工事は、社会的影響を極めて少なくできる補修方法の事例として大いに注目されている。
② コンクリート骨材の粒径判定システムの開発
骨材の粒径(寸法)区分の多いダムコンクリートは、ダムサイトでの受入時に所定の骨材貯蔵ビンなどへ的確にストックできるよう、コンクリート製造プラントにおいて慎重な運転管理が求められている。しかし、万が一、運搬伝票の誤記入や作業員の操作ミスなどによって誤投入が生じると、所要のコンクリート品質が確保できなくなるため、骨材貯蔵ビン内の骨材を全量撤去しなければならず、工程的にも大きな支障が生じる。今回開発した「骨材粒径判別システム」(特許申請中)は、運搬されたコンクリート骨材をステレオカメラで直接監視し、骨材粒径を瞬時に自動判別できるもので、切目川河川総合開発(切目川ダム本体工)工事へ導入し約1年間にわたる試験運用の結果、その有効性・実用性を確認することができた。今後は、本技術を技術提案などに積極的に展開していく予定である。
③ プラスチックシンチレーションファイバー(PSF)を用いた自走式放射線2次元分布測定システムの開発
従来の放射線計測システムでは、人力で放射線を格子点で測定するため、大面積の測定に多大な時間を要していた。また、格子点測定であるため格子点間にある局所的なホットスポットを検出することは困難であった。本システムはこの課題に対し、放射線検出部にプラスチックシンチレーションファイバー(PSF)を用いた計測システムを採用し、全地球航法衛星システムとともに建設機械に搭載して自走させることにより、1時間で2,000㎡という早さで正確に放射線を面的に測定するシステムを開発した。本システムは、放射線検出部、計測モジュール、発電機、全地球航法衛星システム部から構成されている。
PSF測定システムの特徴は以下のとおりである。
a 測定速度が1~2km/hであるため、1時間で2,000㎡の測定が可能。
b 面的に測定するため、ホットスポットを見逃さない。
c GISソフトを利用し、測定結果を地図上に反映するため、可視化により住民理解が得易い。
d 従来の測定方法に比べ大幅な時間短縮が図れる。
今後は、本計測システムの使用実績を蓄積、評価し、さらなる高線量下での計測に対応するために遠隔操作システムの開発に取り組んでいく考えである。
④ 後添加型の液体増粘剤を使用した中流動コンクリートを復興道路工事のトンネル覆工コンクリートに適用
一般的に山岳トンネルの覆工コンクリートは、狭小空間での作業となり、締固めや筒先の移動を充分に実施することが困難であることから、締固め不足によるコンクリートの密実性の低下、充填不足による背面空洞の発生などが懸念されており、その対策として、流動性や充填性・材料分離抵抗性の高い中流動コンクリートが開発され適用されつつある。しかしながら、添加材料を貯蔵するための設備(サイロ)の増設等が必要となり、一部地域では市中生コン工場での製造が困難であることが課題になっている。加えて、東日本大震災からの復興工事が本格化し、生コン工場への設備や時間等の負荷がない方法が望まれている。国道45号 釜石山田道路工事では、一部区間に覆工コンクリート厚40cmでかつ複鉄筋構造があることから、中流動コンクリートを採用した。従来の生コン工場での製造ではなく、現場に搬入された生コン車で直接投入・撹拌・製造できる点が特徴の後添加型の液体増粘剤系高性能AE減水剤を適用し製造を行った。これにより、生コン工場の設備増設の負荷がなく、現地での製造が可能となり、また現場に搬入した後、中流動コンクリートの製造ができるため、スランプロスが発生せず、品質の良いコンクリートの打設が可能となった。後添加型の液体増粘剤を使用した中流動コンクリートを他の山岳トンネル工事にも適用し、さらなる覆工コンクリート品質の向上を図っていく方針である。
(2) 建築事業
① 構造体コンクリートに適用可能な耐火性を有するポリマーセメントモルタルを開発
構造体コンクリートに適用可能な耐火性を有するポリマーセメントモルタルを開発した。ポリマーセメントモルタルは、建物補修に必要な材料であり、構造体に使用する場合には耐久性や耐火性が必要となる。しかし、現在普及しているポリマーセメントは、耐久性や耐火性の性能を有するものが少ないのが現状である。このことから、独立行政法人建築研究所では、ポリマーセメントモルタルを構造体の補修材料として使用するための研究が行われ、報告として「かぶり厚さ確保のための補修材料・工法選定マニュアル(案)」等も示された。しかし、依然として要求品質を満たす材料は少ないのが現状である。当社で開発したポリマーセメントモルタルは、施工性、仕上がり性、加熱時の対爆裂性並びに遮熱性に優れた材料であり、上記建築研究所報告書にある要求品質を満たす材料として開発されたものである。現在、「カブリード」の商品名でプレミックス材としてフジモリ産業株式会社、株式会社ファテックで販売している。
② ATOMiKⅡ合成壁を免震地下ピットに適用し効果を実証
ATOMiKⅡ合成壁は、従前のATOMiK合成壁(注)に基礎スラブとの隅角部における設計法を新たに追加した構法であり、2011年8月9日に一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明(性能証明第01-06号改)を取得している。今回、ATOMiKⅡ合成壁を適用した事例3件は、いずれも免震建物の地下ピットなどの片持ち梁形式となる地下外壁に採用した。在来の地下外壁に比べ、壁厚の低減、鉄筋量の低減を図ることができ、コスト低減などの効果を実証した。今後は引き続き、免震建物の地下ピット、ドライエリアを有する地下外壁を中心に本構法の普及展開を図っていく予定である。
(注)ATOMiK合成壁:地下工事の仮設山留め壁に用いるH形鋼と後打ち鉄筋コンクリート壁を一体化し、合成壁として本設の地下外壁に利用する構法。仮設材であったH形鋼の有効活用に加え、RC壁の壁厚を従来よりも薄くすることが可能。地下空間の有効利用を図ることができる。
③ 高耐力本設地盤アンカー工法の適用地盤を拡大し、建築技術性能証明を取得
高耐力本設地盤アンカー工法(STK-Ⅱアンカー工法)を建物の耐震改修工事に適用するとともに、本工法における適用地盤(定着層)の拡大を図り、一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明(GBRC性能証明第11-08号改)を取得した。STK-Ⅱアンカー工法は、既往のSTKアンカー(株式会社熊谷組、清水建設株式会社、株式会社竹中工務店の共同開発)の削孔径を拡大した高耐力の本設地盤アンカー工法であり、適用地盤は砂質土地盤(砂地盤及び砂礫地盤)に限定していた。今回本工法の適用地盤を拡大するために、新たに硬質粘土地盤及び岩盤において原位置試験を実施し、本アンカーの性能を確認した。STK-Ⅱアンカー工法は、適用地盤(定着層)がN値50以上のすべての地盤に適用できるようになったことから、建物に関しては、地下階が深い場合、アスペクト比が大きい場合、或いは平面形状が不整形な場合、また地盤種類としては、杭では施工が困難な砂礫地盤、硬質粘土地盤並びに岩盤に本工法を積極的に提案し普及展開を図っていく予定である。
④ 発刊から5年通算60号「シリーズ 建築の音環境入門 五周年記念号」を発刊
当社は信州大学山下恭弘名誉教授監修のもと、有限会社泰成電機工業、フジモリ産業株式会社、野原産業株式会社、万協株式会社、有限会社音研と共同で、床衝撃音研究会として集合住宅に使用されている乾式二重床の音環境に関する手引書「シリーズ 建築の音環境入門 五周年記念号」を刊行した。この手引書は、集合住宅のより良い音環境を確保するために、2006年2月に「インピーダンス法による床衝撃音レベル予測計算法の解説」を刊行し、続いて2007年7月に「集合住宅の音環境-乾式二重床のQ&A-」を刊行したところ、読者から「建築の音環境を判りやすく理解できる小冊子」の発刊要望があり、これに応えたものである。2008年11月から刊行し今号で60号となることから、五周年記念号として刊行することになった。本シリーズは、一つのテーマを4~6回シリーズに分け、学会発表などの研究成果と現場実験の成果を判りやすく解説しているほか、毎号読者からの意見・要望に対しても回答している。今後、集合住宅の乾式二重床に関する重要なツールとして位置付け、デベロッパーや設計事務所などに対して積極的に提案していく。
(3) 子会社
株式会社ガイアートT・K
① フルファンクションペーブ(FFP:多機能型排水性舗装)の改良・改善
FFPの施工実績が増えるに従い、現場からは様々な改善要請が挙がり、今後のさらなる展開に応じた課題の解決方法を探り、施工性の改善や耐久性の向上の検討を行い、施工現場にフィードバックしている。
また、各地の施工箇所の追跡調査を行い、耐久性の検証をもとに社内外への情報発信に努め、営業戦略のバックアップを行っている。
② 新たな凍結抑制剤の開発
FFPや排水性舗装など表面に空隙を持つ舗装にも適用可能な新たな凍結抑制剤の開発に取り組み、凍結抑制効果の長期保持を可能とする素材やそれにマッチする塩類を見出し、試作品による実道での試験撒布を行い、効果の検証を行った。
③ 橋面舗装工法の開発
社会インフラの老朽化、とりわけ橋梁の掛け替えが急務となる情勢を受け、高機能でかつ耐久性の高い新たな床版掛け替えシステムの一環として、新たな橋面舗装材の開発を目指し、防水材やアスファルト混合物を組み合わせた最適な舗装構成の検討を行っている。
④ ガイアートシールⅡの改良・改善
舗装のリフレクションクラックの抑制や橋面舗装の防水層、また簡易な路面補修にも適用可能な舗装用シール材の開発を行い、最大の懸案となっていた低温脆性の改善が得られたので、白糸ハイランドウエイにて実道の試験施工を実施し、一冬経過後の状況を確認し低温脆性の改善を確認した。
⑤ コンクリート舗装の骨材露出工法の確立
骨材露出工法は、洗い出しのタイミングを決定し、施工することが極めて困難な工法で、施工性の改善が必要である。施工性を改善した遅延剤を試作し、室内で試験を実施した。
当連結会計年度は、研究開発費として13億円を投入した。
当連結会計年度における主な研究開発活動は、次のとおりである。
(1) 土木事業
① 曲線函体推進工法「まがるーふ工法」を応用し、変状トンネルのインバートを構築
インフラ大更新のニーズが高まるなか、経年劣化により供用中のトンネルに盤膨れが発生している事例が多数報告されている。根本的な対策にはインバート構築が望ましいが“通行止め”が必要となり、社会的影響が懸念される。2008年より開発を進めてきた「まがるーふ工法」は、分岐合流部等の超大断面トンネル構築を目指した技術であるが、昨年はNEXCO東日本と共同で“通行止めを回避”できるインバート構築方法への応用を検討した。トンネル内の狭い場所での施工方法や変状監視手法などの新たな開発・工夫を重ねることで適用性を見出し、長野自動車道一本松トンネル変状対策工事に適用した。既存技術では14日間の全面通行止めが必要とされていたが、「まがるーふ工法」を応用することで“全面通行止めを回避”した。国土交通大臣は、2013年に開会された第183回通常国会で本年を「社会資本メンテナンス1年」と位置付けているが、本工事は、社会的影響を極めて少なくできる補修方法の事例として大いに注目されている。
② コンクリート骨材の粒径判定システムの開発
骨材の粒径(寸法)区分の多いダムコンクリートは、ダムサイトでの受入時に所定の骨材貯蔵ビンなどへ的確にストックできるよう、コンクリート製造プラントにおいて慎重な運転管理が求められている。しかし、万が一、運搬伝票の誤記入や作業員の操作ミスなどによって誤投入が生じると、所要のコンクリート品質が確保できなくなるため、骨材貯蔵ビン内の骨材を全量撤去しなければならず、工程的にも大きな支障が生じる。今回開発した「骨材粒径判別システム」(特許申請中)は、運搬されたコンクリート骨材をステレオカメラで直接監視し、骨材粒径を瞬時に自動判別できるもので、切目川河川総合開発(切目川ダム本体工)工事へ導入し約1年間にわたる試験運用の結果、その有効性・実用性を確認することができた。今後は、本技術を技術提案などに積極的に展開していく予定である。
③ プラスチックシンチレーションファイバー(PSF)を用いた自走式放射線2次元分布測定システムの開発
従来の放射線計測システムでは、人力で放射線を格子点で測定するため、大面積の測定に多大な時間を要していた。また、格子点測定であるため格子点間にある局所的なホットスポットを検出することは困難であった。本システムはこの課題に対し、放射線検出部にプラスチックシンチレーションファイバー(PSF)を用いた計測システムを採用し、全地球航法衛星システムとともに建設機械に搭載して自走させることにより、1時間で2,000㎡という早さで正確に放射線を面的に測定するシステムを開発した。本システムは、放射線検出部、計測モジュール、発電機、全地球航法衛星システム部から構成されている。
PSF測定システムの特徴は以下のとおりである。
a 測定速度が1~2km/hであるため、1時間で2,000㎡の測定が可能。
b 面的に測定するため、ホットスポットを見逃さない。
c GISソフトを利用し、測定結果を地図上に反映するため、可視化により住民理解が得易い。
d 従来の測定方法に比べ大幅な時間短縮が図れる。
今後は、本計測システムの使用実績を蓄積、評価し、さらなる高線量下での計測に対応するために遠隔操作システムの開発に取り組んでいく考えである。
④ 後添加型の液体増粘剤を使用した中流動コンクリートを復興道路工事のトンネル覆工コンクリートに適用
一般的に山岳トンネルの覆工コンクリートは、狭小空間での作業となり、締固めや筒先の移動を充分に実施することが困難であることから、締固め不足によるコンクリートの密実性の低下、充填不足による背面空洞の発生などが懸念されており、その対策として、流動性や充填性・材料分離抵抗性の高い中流動コンクリートが開発され適用されつつある。しかしながら、添加材料を貯蔵するための設備(サイロ)の増設等が必要となり、一部地域では市中生コン工場での製造が困難であることが課題になっている。加えて、東日本大震災からの復興工事が本格化し、生コン工場への設備や時間等の負荷がない方法が望まれている。国道45号 釜石山田道路工事では、一部区間に覆工コンクリート厚40cmでかつ複鉄筋構造があることから、中流動コンクリートを採用した。従来の生コン工場での製造ではなく、現場に搬入された生コン車で直接投入・撹拌・製造できる点が特徴の後添加型の液体増粘剤系高性能AE減水剤を適用し製造を行った。これにより、生コン工場の設備増設の負荷がなく、現地での製造が可能となり、また現場に搬入した後、中流動コンクリートの製造ができるため、スランプロスが発生せず、品質の良いコンクリートの打設が可能となった。後添加型の液体増粘剤を使用した中流動コンクリートを他の山岳トンネル工事にも適用し、さらなる覆工コンクリート品質の向上を図っていく方針である。
(2) 建築事業
① 構造体コンクリートに適用可能な耐火性を有するポリマーセメントモルタルを開発
構造体コンクリートに適用可能な耐火性を有するポリマーセメントモルタルを開発した。ポリマーセメントモルタルは、建物補修に必要な材料であり、構造体に使用する場合には耐久性や耐火性が必要となる。しかし、現在普及しているポリマーセメントは、耐久性や耐火性の性能を有するものが少ないのが現状である。このことから、独立行政法人建築研究所では、ポリマーセメントモルタルを構造体の補修材料として使用するための研究が行われ、報告として「かぶり厚さ確保のための補修材料・工法選定マニュアル(案)」等も示された。しかし、依然として要求品質を満たす材料は少ないのが現状である。当社で開発したポリマーセメントモルタルは、施工性、仕上がり性、加熱時の対爆裂性並びに遮熱性に優れた材料であり、上記建築研究所報告書にある要求品質を満たす材料として開発されたものである。現在、「カブリード」の商品名でプレミックス材としてフジモリ産業株式会社、株式会社ファテックで販売している。
② ATOMiKⅡ合成壁を免震地下ピットに適用し効果を実証
ATOMiKⅡ合成壁は、従前のATOMiK合成壁(注)に基礎スラブとの隅角部における設計法を新たに追加した構法であり、2011年8月9日に一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明(性能証明第01-06号改)を取得している。今回、ATOMiKⅡ合成壁を適用した事例3件は、いずれも免震建物の地下ピットなどの片持ち梁形式となる地下外壁に採用した。在来の地下外壁に比べ、壁厚の低減、鉄筋量の低減を図ることができ、コスト低減などの効果を実証した。今後は引き続き、免震建物の地下ピット、ドライエリアを有する地下外壁を中心に本構法の普及展開を図っていく予定である。
(注)ATOMiK合成壁:地下工事の仮設山留め壁に用いるH形鋼と後打ち鉄筋コンクリート壁を一体化し、合成壁として本設の地下外壁に利用する構法。仮設材であったH形鋼の有効活用に加え、RC壁の壁厚を従来よりも薄くすることが可能。地下空間の有効利用を図ることができる。
③ 高耐力本設地盤アンカー工法の適用地盤を拡大し、建築技術性能証明を取得
高耐力本設地盤アンカー工法(STK-Ⅱアンカー工法)を建物の耐震改修工事に適用するとともに、本工法における適用地盤(定着層)の拡大を図り、一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明(GBRC性能証明第11-08号改)を取得した。STK-Ⅱアンカー工法は、既往のSTKアンカー(株式会社熊谷組、清水建設株式会社、株式会社竹中工務店の共同開発)の削孔径を拡大した高耐力の本設地盤アンカー工法であり、適用地盤は砂質土地盤(砂地盤及び砂礫地盤)に限定していた。今回本工法の適用地盤を拡大するために、新たに硬質粘土地盤及び岩盤において原位置試験を実施し、本アンカーの性能を確認した。STK-Ⅱアンカー工法は、適用地盤(定着層)がN値50以上のすべての地盤に適用できるようになったことから、建物に関しては、地下階が深い場合、アスペクト比が大きい場合、或いは平面形状が不整形な場合、また地盤種類としては、杭では施工が困難な砂礫地盤、硬質粘土地盤並びに岩盤に本工法を積極的に提案し普及展開を図っていく予定である。
④ 発刊から5年通算60号「シリーズ 建築の音環境入門 五周年記念号」を発刊
当社は信州大学山下恭弘名誉教授監修のもと、有限会社泰成電機工業、フジモリ産業株式会社、野原産業株式会社、万協株式会社、有限会社音研と共同で、床衝撃音研究会として集合住宅に使用されている乾式二重床の音環境に関する手引書「シリーズ 建築の音環境入門 五周年記念号」を刊行した。この手引書は、集合住宅のより良い音環境を確保するために、2006年2月に「インピーダンス法による床衝撃音レベル予測計算法の解説」を刊行し、続いて2007年7月に「集合住宅の音環境-乾式二重床のQ&A-」を刊行したところ、読者から「建築の音環境を判りやすく理解できる小冊子」の発刊要望があり、これに応えたものである。2008年11月から刊行し今号で60号となることから、五周年記念号として刊行することになった。本シリーズは、一つのテーマを4~6回シリーズに分け、学会発表などの研究成果と現場実験の成果を判りやすく解説しているほか、毎号読者からの意見・要望に対しても回答している。今後、集合住宅の乾式二重床に関する重要なツールとして位置付け、デベロッパーや設計事務所などに対して積極的に提案していく。
(3) 子会社
株式会社ガイアートT・K
① フルファンクションペーブ(FFP:多機能型排水性舗装)の改良・改善
FFPの施工実績が増えるに従い、現場からは様々な改善要請が挙がり、今後のさらなる展開に応じた課題の解決方法を探り、施工性の改善や耐久性の向上の検討を行い、施工現場にフィードバックしている。
また、各地の施工箇所の追跡調査を行い、耐久性の検証をもとに社内外への情報発信に努め、営業戦略のバックアップを行っている。
② 新たな凍結抑制剤の開発
FFPや排水性舗装など表面に空隙を持つ舗装にも適用可能な新たな凍結抑制剤の開発に取り組み、凍結抑制効果の長期保持を可能とする素材やそれにマッチする塩類を見出し、試作品による実道での試験撒布を行い、効果の検証を行った。
③ 橋面舗装工法の開発
社会インフラの老朽化、とりわけ橋梁の掛け替えが急務となる情勢を受け、高機能でかつ耐久性の高い新たな床版掛け替えシステムの一環として、新たな橋面舗装材の開発を目指し、防水材やアスファルト混合物を組み合わせた最適な舗装構成の検討を行っている。
④ ガイアートシールⅡの改良・改善
舗装のリフレクションクラックの抑制や橋面舗装の防水層、また簡易な路面補修にも適用可能な舗装用シール材の開発を行い、最大の懸案となっていた低温脆性の改善が得られたので、白糸ハイランドウエイにて実道の試験施工を実施し、一冬経過後の状況を確認し低温脆性の改善を確認した。
⑤ コンクリート舗装の骨材露出工法の確立
骨材露出工法は、洗い出しのタイミングを決定し、施工することが極めて困難な工法で、施工性の改善が必要である。施工性を改善した遅延剤を試作し、室内で試験を実施した。
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