有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1002894
鉄建建設株式会社 研究開発活動 (2014年3月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
研究開発活動においては、「市場性」を充分把握し、当社の付加価値を高める技術開発や環境ビジネスに積極的
な取り組みを行い、技術と営業が一体となったメンバー編成による活動を行っています。また、総合評価制度への
対応を主軸とする研究開発活動にも力を入れ技術戦略を持って経営に貢献する研究開発を推進しています。
当連結会計年度の研究開発費は332百万円(土木工事324百万円・建築工事7百万円)で、主な研究開発活動及びその成果は次のとおりです。なお、研究開発活動には、子会社である株式会社ジェイテックとの共同研究開発活動が含まれています。
(1)土木工事
①効率的な立体交差工法
HEP&JES工法は、鉄道・道路等の新しい立体交差工法として開発されました。施工実績を重ね、幅広エレメントの採用・地盤切削JES工法の確立・各種地層に応じた掘削機械の開発・効率的なズリ出し装置の開発を進め、適用範囲を拡大してきました。昨年度は、沈下抑制を重点として、沈下対策工の効果確認やデータの収集を実施しました。今年度はその解析を行う予定です。
また、小断面のアンダーパス工法であるCOMPASS工法についても、さらなる沈下抑制に向けた研究開発を進めています。
②補修補強工法
現在、社会資本の老朽化対策が喫緊の課題となっており補修補強技術へのニーズは高まっています。昨年度、当社は新しい補修補強技術として、漏水の多いレンガトンネルの補修方法について研究開発を実施しました。鉄道トンネルは、レンガ製のトンネルもまだ多く供用され、漏水対策・はく落対策に苦慮していることから、これらの対策に効果的な方法について開発を進めています。
また、昨年度は、簡易なはく落対策工としてSCプレート工法を開発しました。今後の適用拡大のため、漏水樋兼はく落対策が可能なSCドレーンの研究開発に取り組んで参ります。
③構造物の品質確保
マスコンクリート打ち込み時には内部温度上昇による温度ひび割れが発生し、コンクリート構造物に悪影響を及ぼします。これを抑制させる方法として、ヒートパイプを利用した温度抑制工法を開発しました。ヒートパイプはパイプ内に冷却媒体が密封されおり、迅速に熱伝達でき、電子機器の冷却用に多く利用されています。これまで温度上昇に対する対策工では冷却水を循環する方法がありましたが、冷却水の循環管理を行う装置が必要なために作業ヤードが狭い場合等では施工性や経済性に課題があり、簡単に必要な部位のみの温度を制御できる工法の開発が望まれていました。
今回研究開発したパイプクーリング工法は、ステンレス製の棒状ヒートパイプをマスコンクリート内に設置し、高温になる内部熱をヒートパイプにより移動させ外部に熱を放出させる工法です。この工法により、冷却水の循環が無い簡便なマスコンクリート温度の抑制が可能となります。今後も、構造物の品質向上に寄与する研究開発を継続していきます。
④バイオマスガス発電
東日本大震災以降、エネルギーの確保や運用が大きな課題となり、新エネルギーに対する期待はますます高まっています。当社は分散型の発電システムとしても注目されているバイオマスガス発電を、数年にわたり東日本高速道路株式会社及びオストランド株式会社と実施してきました。本研究開発は高速道路の維持管理で発生する刈草・剪定枝を原料とするバイオマスガス発電の実証実験事業として、東北自動車道那須高原SA(上り線)の隣地で行ってきたものです。
これまでの研究開発の成果として、刈草・剪定枝の熱分解ガス化発電システムとしての有効性が確認され、本年は本格運用に向け最終調整を行う予定です。
(2)建築工事
①あと施工部分スリット工法(AWAT(あわっと)工法)の開発
当社と株式会社エフアイティーは、「あと施工部分スリット工法(AWAT工法)」の一般評定(認定番号CBL RC007-12号)を2014年2月に(一財)ベターリビングより取得しました。
既存建物の耐震補強工法として、構造スリットを設け、縁切りをすることで耐震性能を改善する方法があります。構造スリットの形状には、壁の一部を残す「部分スリット」と、壁を残さない「完全スリット」の2種類があります。内部の仕上げや漏水等に影響を及ぼすことが少ない部分スリットであれば、建物を利用しながらの施工が可能となりますが、部分スリットの耐震性能は柱への縁切りが完全に行われないことから、壁を残さない完全スリットに比べて低く評価されています。
今回開発した「AWAT工法」は、腰壁・たれ壁については、あと施工の部分スリットが完全スリットと同等の耐震性能を有していること、さらに袖壁についても部分スリットの評価法を確立できることを構造実験により証明し、一般評定を取得いたしました。
AWAT工法の特長は、水の代わりに泡溶液を用い、AWAユニットにより切断泡を形成して、ウォールソーおよびコアドリルにより切断・穿孔して壁に部分スリットを形成する点です。水を用いて施工する場合と比較して1/10の量の泡溶液で施工できるため、内部への漏水が防止され、切断汚泥の排出も少なく、さらに騒音・振動・粉塵も低減され、建物を利用しながらの施工が可能です。今後は、設計の優位性と周辺環境に配慮した工法を生かして、耐震改修分野へ展開してまいります。
②ICタグを用いた駅構内誘導システムの開発
当社、エル・エス・アイ ジャパン株式会社、太平洋プレコン工業株式会社の3社で開発した本システムは、点字ブロックやホーム先端タイルに埋設したループアンテナが、インソール(靴の中敷)に挟み込んだICタグを検出し、携帯電話(らくらくフォン)を介して、自然な歩行で視覚障害者に位置認識および誘導を提供するシステムです。さらに、複数のアンテナを組み合わせることにより、所在位置だけでなく進行方向に対する情報提供などの、設置場所に応じた案内サービスへの展開も可能です。
③レンズ型せん断パネルダンパーの開発
当社、日本鋳造株式会社、飛島建設株式会社の3社は、2012年6月に(財)日本建築センターより、建築物の耐震補強に用いる制震装置「レンズ型せん断パネルダンパー」の評定(BCJ評定-ST0206-01)を取得しました。
レンズ型せん断パネルダンパーは、通常使用されている鋼材より変形能力が高い低降伏点鋼材を使用するとともに、中心部を凹型レンズ状に加工したレンズ型パネルにより、地震エネルギーの吸収能力に優れた繰返しに強い弾塑性ダンパーです。更なる適用拡大を目指し、レンズ型せん断パネルダンパーを適用して、制震構造とした場合の設計法の開発も行い、普及推進しております。
④耐震補強
既存建物の様々な要求条件、施工条件に対応できるよう、保有技術のブラッシュアップを行うとともに社外ネットワークを活用して、提案メニューを増やすなど、最適な耐震補強技術を提案しています。耐震補強壁や耐震ブレースの設置、炭素繊維による床の補強等による耐震補強とともに、お客さま既存建物の有効利用・建物価値の向上の提案をいたします。
(3)不動産事業及びその他
研究開発活動は特段行われていません。
な取り組みを行い、技術と営業が一体となったメンバー編成による活動を行っています。また、総合評価制度への
対応を主軸とする研究開発活動にも力を入れ技術戦略を持って経営に貢献する研究開発を推進しています。
当連結会計年度の研究開発費は332百万円(土木工事324百万円・建築工事7百万円)で、主な研究開発活動及びその成果は次のとおりです。なお、研究開発活動には、子会社である株式会社ジェイテックとの共同研究開発活動が含まれています。
(1)土木工事
①効率的な立体交差工法
HEP&JES工法は、鉄道・道路等の新しい立体交差工法として開発されました。施工実績を重ね、幅広エレメントの採用・地盤切削JES工法の確立・各種地層に応じた掘削機械の開発・効率的なズリ出し装置の開発を進め、適用範囲を拡大してきました。昨年度は、沈下抑制を重点として、沈下対策工の効果確認やデータの収集を実施しました。今年度はその解析を行う予定です。
また、小断面のアンダーパス工法であるCOMPASS工法についても、さらなる沈下抑制に向けた研究開発を進めています。
②補修補強工法
現在、社会資本の老朽化対策が喫緊の課題となっており補修補強技術へのニーズは高まっています。昨年度、当社は新しい補修補強技術として、漏水の多いレンガトンネルの補修方法について研究開発を実施しました。鉄道トンネルは、レンガ製のトンネルもまだ多く供用され、漏水対策・はく落対策に苦慮していることから、これらの対策に効果的な方法について開発を進めています。
また、昨年度は、簡易なはく落対策工としてSCプレート工法を開発しました。今後の適用拡大のため、漏水樋兼はく落対策が可能なSCドレーンの研究開発に取り組んで参ります。
③構造物の品質確保
マスコンクリート打ち込み時には内部温度上昇による温度ひび割れが発生し、コンクリート構造物に悪影響を及ぼします。これを抑制させる方法として、ヒートパイプを利用した温度抑制工法を開発しました。ヒートパイプはパイプ内に冷却媒体が密封されおり、迅速に熱伝達でき、電子機器の冷却用に多く利用されています。これまで温度上昇に対する対策工では冷却水を循環する方法がありましたが、冷却水の循環管理を行う装置が必要なために作業ヤードが狭い場合等では施工性や経済性に課題があり、簡単に必要な部位のみの温度を制御できる工法の開発が望まれていました。
今回研究開発したパイプクーリング工法は、ステンレス製の棒状ヒートパイプをマスコンクリート内に設置し、高温になる内部熱をヒートパイプにより移動させ外部に熱を放出させる工法です。この工法により、冷却水の循環が無い簡便なマスコンクリート温度の抑制が可能となります。今後も、構造物の品質向上に寄与する研究開発を継続していきます。
④バイオマスガス発電
東日本大震災以降、エネルギーの確保や運用が大きな課題となり、新エネルギーに対する期待はますます高まっています。当社は分散型の発電システムとしても注目されているバイオマスガス発電を、数年にわたり東日本高速道路株式会社及びオストランド株式会社と実施してきました。本研究開発は高速道路の維持管理で発生する刈草・剪定枝を原料とするバイオマスガス発電の実証実験事業として、東北自動車道那須高原SA(上り線)の隣地で行ってきたものです。
これまでの研究開発の成果として、刈草・剪定枝の熱分解ガス化発電システムとしての有効性が確認され、本年は本格運用に向け最終調整を行う予定です。
(2)建築工事
①あと施工部分スリット工法(AWAT(あわっと)工法)の開発
当社と株式会社エフアイティーは、「あと施工部分スリット工法(AWAT工法)」の一般評定(認定番号CBL RC007-12号)を2014年2月に(一財)ベターリビングより取得しました。
既存建物の耐震補強工法として、構造スリットを設け、縁切りをすることで耐震性能を改善する方法があります。構造スリットの形状には、壁の一部を残す「部分スリット」と、壁を残さない「完全スリット」の2種類があります。内部の仕上げや漏水等に影響を及ぼすことが少ない部分スリットであれば、建物を利用しながらの施工が可能となりますが、部分スリットの耐震性能は柱への縁切りが完全に行われないことから、壁を残さない完全スリットに比べて低く評価されています。
今回開発した「AWAT工法」は、腰壁・たれ壁については、あと施工の部分スリットが完全スリットと同等の耐震性能を有していること、さらに袖壁についても部分スリットの評価法を確立できることを構造実験により証明し、一般評定を取得いたしました。
AWAT工法の特長は、水の代わりに泡溶液を用い、AWAユニットにより切断泡を形成して、ウォールソーおよびコアドリルにより切断・穿孔して壁に部分スリットを形成する点です。水を用いて施工する場合と比較して1/10の量の泡溶液で施工できるため、内部への漏水が防止され、切断汚泥の排出も少なく、さらに騒音・振動・粉塵も低減され、建物を利用しながらの施工が可能です。今後は、設計の優位性と周辺環境に配慮した工法を生かして、耐震改修分野へ展開してまいります。
②ICタグを用いた駅構内誘導システムの開発
当社、エル・エス・アイ ジャパン株式会社、太平洋プレコン工業株式会社の3社で開発した本システムは、点字ブロックやホーム先端タイルに埋設したループアンテナが、インソール(靴の中敷)に挟み込んだICタグを検出し、携帯電話(らくらくフォン)を介して、自然な歩行で視覚障害者に位置認識および誘導を提供するシステムです。さらに、複数のアンテナを組み合わせることにより、所在位置だけでなく進行方向に対する情報提供などの、設置場所に応じた案内サービスへの展開も可能です。
③レンズ型せん断パネルダンパーの開発
当社、日本鋳造株式会社、飛島建設株式会社の3社は、2012年6月に(財)日本建築センターより、建築物の耐震補強に用いる制震装置「レンズ型せん断パネルダンパー」の評定(BCJ評定-ST0206-01)を取得しました。
レンズ型せん断パネルダンパーは、通常使用されている鋼材より変形能力が高い低降伏点鋼材を使用するとともに、中心部を凹型レンズ状に加工したレンズ型パネルにより、地震エネルギーの吸収能力に優れた繰返しに強い弾塑性ダンパーです。更なる適用拡大を目指し、レンズ型せん断パネルダンパーを適用して、制震構造とした場合の設計法の開発も行い、普及推進しております。
④耐震補強
既存建物の様々な要求条件、施工条件に対応できるよう、保有技術のブラッシュアップを行うとともに社外ネットワークを活用して、提案メニューを増やすなど、最適な耐震補強技術を提案しています。耐震補強壁や耐震ブレースの設置、炭素繊維による床の補強等による耐震補強とともに、お客さま既存建物の有効利用・建物価値の向上の提案をいたします。
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00065] S1002894)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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