有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100AK7R
株式会社力の源ホールディングス 事業等のリスク (2017年3月期)
生産、受注及び販売の状況メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は本書提出日現在において当社グループが判断したものでありますが、当社株式投資に関するすべてのリスクを網羅するものではありませんのでご留意下さい。
(1)国内外食業界の動向ならびに競争激化について
当社グループの属する国内外食産業市場は、少子化の影響もあり市場規模の拡大に大きな期待ができない状態にあるなか、多種多様な業態の参入により競争が激化しております。また、コンビニエンスストアを中心とする中食との競争も激化しております。これらの競合の動向や外食市場の縮小等により、来客数が減少した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)国内外における店舗運営事業への依存と業績の季節変動等について
当社グループは、創業以来、飲食店の経営を中心に事業を展開しており、主たる事業は、外食店舗運営事業であります。従って、当社グループの業績は外食産業に対する消費者のニーズの変化、当該業界での競争激化の影響を大きく受ける傾向にあります。
加えて、当社グループの店舗の売上高及び業績は、1年を通して一定ということではなく、季節によって変動する傾向があります。具体的には、国内においては、春休み(3月)、ゴールデンウィーク(5月)、夏休み(7~8月)及び年末年始(12~1月)などの繁忙期に売上高が増加する一方、梅雨シーズンなどの閑散期には売上高が落ち込む傾向があります。海外においても展開する国ごとの、気候・天候、特有のイベント、休暇、生活習慣等により売上高が増減することに伴って業績も変動します。
また、繁忙期に台風、酷暑、厳寒などの天候の悪影響が及んだ場合や、新規出店が閑散期と重なり、かつ多数出店することによるオープン時の一時費用の負担割合が売上高に比して高くなった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)国内店舗展開と出店戦略について
当社グループは、国内においては、主に直営店舗による店舗運営を行っております。今後も立地条件、賃借条件、店舗の採算性などを勘案し積極的に出店を行っていく方針としております。しかしながら、当社グループの出店条件に合致する物件が、出店計画数に満たない場合や、工事等の遅れによりオープンが遅延した場合には計画の実行を見合わせることもあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)海外事業展開について
当社グループは、欧米・アジア地域を中心に積極的に店舗展開を進めております。進出国における政情、経済、法規制、慣習等といった特有のカントリーリスクにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、海外においては子会社による直営店舗のほか、現地企業との合弁契約やライセンス契約を締結し、同国内でのスムーズな多店舗展開及び地域に根付いた店舗運営を図っております。パートナー企業の業績の悪化ならびに出店計画の遅れ等が生じた場合、店舗売上やロイヤリティ収入が減少することなどにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)商標権について
当社グループの各店舗等において使用する名称・商標等については、その使用に先立ち、外部の専門家を通じて第三者の商標権等を侵害していないかについて確認し、侵害のおそれのある名称は使用を避け、かつ、可能な限り当社グループにおいて商標を取得することを基本方針とし、これら使用権の確保及び第三者の権利侵害の回避に努めております。しかしながら、当社グループの各店舗や商品の名称・商標等が第三者のものと類似する等の理由により、店舗デザインや商品が模倣されることによるブランド力の低下や、第三者から当社グループの商標登録の無効審判、損害賠償、商標使用停止などの請求があり、仮にこれらの請求が認められた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)敷金・保証金・建設協力金について
当社グループでは、出店に際して賃貸人に対し敷金、差入保証金及び建設協力金を支払っております。賃貸借契約の時点で賃貸人の資産状況等を審査しておりますが、賃貸人の財政状態の著しい悪化等により、敷金、差入保証金及び建設協力金の一部又は全部が回収不能になった場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)海外店舗展開における営業権(キーマネー)について
当社グループが出店する欧州の一部の国においては、店舗物件の取得の際に、多額の営業権(キーマネー)負担が発生することがあります。キーマネーとは、出店しようとする店舗物件の前の店子(前オーナー)が設定する当該店舗に紐付いた権利であり、当該店舗への出店において、前オーナーからの譲受が必要となります。その価格は、店舗立地、賃貸借契約の残存期間、店舗の過去の業績、家賃、近隣における取引事例などを勘案したうえで、前オーナーとの交渉により確定します。また、当社グループが移転、退店する場合には、キーマネーを譲渡し、投資資金の回収に充てます。
その価格は、当該物件の地理的条件がよく、営業成績が良いほど、また賃貸借契約の残存期間が長いほど上昇する傾向(逆であれば価格は下落)にあることから、その金額によっては、当社グループの出店投資額が増加することや、投資回収期間の長期化を引き起こすこととなり、また、移転、退店時におけるキーマネーの譲渡価格によっては、投資回収額が減少することとなり当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)原材料の調達環境リスクについて
当社グループでは、原材料の調達については、外食企業として、食の安全・安心を第一と考え、良質な食材の調達に努めております。しかしながら、食材の疫病や天候不順等により、必要量の原材料確保が困難な状況が生じることや仕入価格が高騰する可能性があります。また、お客様へ商品として提供する食材は、国内外から調達しておりますが、輸入制限等による海外からの食材輸入ができない問題が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)各種法的規制等について
当社グループでは、ラーメン店を中心に複数の飲食店を運営しており、「食品衛生法」、「労働基準法」、「食品表示法」「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」、「独占禁止法」、「中小小売商業振興法」等の多岐にわたる法的規制を受けております。重大なコンプライアンス上の問題が発生した場合や、法的規制の改正に対応するための新たな費用が発生する場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループに関わる法令・規制等のうち重要なものは以下の通りであります。
「食品衛生法」
当社グループが経営する店舗につきましては、食品衛生法に基づき、所管保健所より飲食店営業の営業許可証を取得しております。店舗では衛生管理の徹底を図るとともに、必要に応じて担当事業責任者が衛生管理状況の確認を行い食品の安全衛生に努めております。これらの諸施策にもかかわらず、食中毒事故等が発生した場合、所管保健所からの営業許可証の取り消し、営業の禁止、一定期間における営業停止処分、被害者からの多額の損害賠償などのほか、当社における信用の低下により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)アルバイト就業員に対する社会保険加入義務化について
当社グループは、国内においては、店舗において多数のアルバイト就業者を雇用しており、社会保険加入の要件を満たすアルバイト就業者においては、全てに加入を義務付けております。しかしながら、今後、アルバイト就業者への社会保険適用範囲の拡大などの法改正が実施された場合、社会保険料負担の増加等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また海外においても、アメリカにおける医療保険制度等の変更等によって、社会保険料ほか各種負担金が増加することで、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)店舗の衛生管理について
当社グループでは、食品衛生とは、安心・安全な商品をお客様に提供することと考えております。各店舗での適正な食材管理ならびに衛生管理を徹底するとともに、衛生専門部署を設置し清潔な店舗づくりに努めております。しかしながら、当社グループにおいて、万一、食中毒などの重大な衛生上の問題が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)固定資産の減損会計について
当社グループは、すでに減損会計を適用しておりますが、今後当社グループが保有する固定資産を使用する店舗の営業損益に悪化が見られ、回復が見込まれない場合や、固定資産の市場価格が著しく低下した場合には、当該固定資産について減損損失を計上することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)有利子負債依存度について
当社グループは出店資金を主に銀行借入により調達しております。当連結会計年度末における当社グループの有利子負債は7,519百万円であり、有利子負債依存度は52.5%となっております。現在は、主に固定金利の長期借入金により資金を調達しているため、一定期間においては金利変動による影響は軽微でありますが、出店資金の調達には、銀行借入による調達が含まれ、金利動向及び金融情勢等により当社グループの業績及び事業展開が影響を受ける可能性があります。なお、有利子負債残高は、短期及び長期借入金(1年以内返済予定を含む)、社債、短期及び長期リース債務の合計額であります。
(14)主要株主である株式会社海外需要開拓支援機構について
当社は、2014年12月25日に第三者割当の方法により、株式会社海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)を割当先とする普通株式の発行を行ったことから、2017年3月31日現在においても、同社は、当社の発行済株式総数11,253,500株に対して、1,330,000株を所有しており、議決権の百分の10以上を保有する主要株主であります。
同社は、株式会社海外需要開拓支援機構法に基づき設立された官民ファンドであり、日本の魅力ある商品・サービスの海外需要開拓に関連する支援・促進することを事業の目的としております。
今後においても、同社は、上述の事業目的の実現のためにも当社の更なる企業価値向上をサポートするスポンサーとして、長期的視点から当社株式を保有する意向を示していますが、将来において、同社の上述の事業目的が実現し当社への支援が完了したと判断し当社株式の一部を市場で売却した場合、その規模等によっては、当社株式の需給関係及び市場価格に影響を及ぼす可能性があります。なお、本書提出日現在、同社の執行役員である杉内信夫氏が当社の社外取締役に就任しております。
また、当社は、2014年12月5日付で、同社と貸出コミットメント型金銭消費貸借契約を締結しております。当該調達資金の利用使途としては、海外における店舗展開や生産設備への投資を想定しており、今後においても民間の金融機関との借入条件に関する比較検討を行った上で、当該資金を活用していく方針であります。
一方で、当該契約においては、主たる事業の変更、合併その他企業結合あるいは第三者との資本提携、資本あるいは資本準備金の額の減少等が確定した場合には、当社は同社に対してその旨を報告することとなっているほか、当社の事業目的変更や会社組織再編に伴う財務内容の変化等が同社の支援基準に沿わないと判断される場合には、当該契約は解除となる可能性があります。
本書提出日現在、当該契約に基づく借入は実行されておりませんが、今後、上記事項の実施を決定した後に同社のその実施要否に関する判断により、当社は当該契約に基づく同社からの新たな借入を実行することができなくなること、または、実行済みの借入金の即日返済を求められる可能性があります。
(15)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社グループは、当社グループの役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権所有割合が希薄化する可能性があります。2017年3月31日時点でこれらの新株予約権による潜在株式数は967,000株であり、発行済株式総数11,253,500株の8.59%に相当しております。
(16)為替変動リスクについて
当社グループは、グローバルに事業展開を図っており、海外子会社からのロイヤリティ収入等の外貨建売上債権が発生するほか、特に新規エリアへの進出時には、設備投資資金として海外子会社への貸付金が発生するため、決算期末における換算差額が為替差損益として発生します。また、連結財務諸表作成時には、海外連結子会社の財務諸表は、決算時又は期中平均の為替レートで換算されることとなります。
当社グループでは、設備投資資金に係る借入金の一部を外貨建てとし、海外子会社に貸付を行うほか、海外子会社への投資資金の一部の貸付金をデット・エクイティー・スワップ等の手法により出資に切り替えるなどの方法で、為替差損の発生リスクの軽減を図っておりますが、今後、為替レートが大きく変動した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(17)特定人物への依存について
当社グループの経営方針及び事業戦略は、ファウンダー(創業者)である代表取締役会長兼CEO河原 成美に依存する部分が相応にあります。当社グループでは組織規模の拡大に応じた権限委譲を進めると共に、役員及び幹部社員による情報の共有化等を通じて経営組織の強化を図るなど、ファウンダー(創業者)に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、今後何らかの理由によりファウンダー(創業者)が当社グループの経営執行を継続することが困難となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(18)人財の確保及び育成について
当社グループは、積極的な国内外への出店を行っており、人財の育成と人財確保を積極的に行っていくことが重要であります。当社グループの理念を理解し、賛同した人財確保が重要となっており、新卒採用だけでなく中途採用、アルバイトからの社員登用も含めて獲得を進めてまいります。したがって、人財確保ならびに人財育成が順調に進まない場合には、店舗におけるサービスレベルの維持や店舗展開が計画通りできず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(19)関連当事者取引について
2016年3月期及び2017年3月期において、当社グループと当社代表取締役会長兼CEO河原成美の近親者が議決権の過半数を所有する会社である株式会社ラントマンとの間に関連当事者取引が発生しております。
関連当事者取引の内容といたしましては、特殊設備・特殊看板資材(「一風堂」の店頭に設置するオリジナルの手掘り木看板等)の購入が該当し、その取引金額は、それぞれ2016年3月期で7,694千円、2017年3月期で4,730千円であります。
手掘り木看板につきましては、創業以来、同一の墨文字ロゴのデザインを採用していることから、当社としては、ブランド・イメージ形成においても重要性が高いと認識しておりますが、一方で、当該木看板は、製法が手掘りであることもあり、同様のデザインの風合いを再現するにあたって、現在の取引先から代替することは、ブランド・イメージが変わってしまうことのリスクがあるなど、現時点においては当該木看板の製作に代替が利かない状況にあるため、同社との関連当事者取引が発生しております。
今後においては、海外への積極的な事業展開の拡大や外国人観光客の来店客数増加などの動向も踏まえ、国内外問わずアルファベット表記による新ロゴマークの導入にも着手しており、その取引額は減少していくものと考えておりますが、何らかの事由により同社での当該木看板の製作が困難となった場合には、ブランド・イメージの維持に支障が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、関連当事者取引等の実施につきましては、「関連当事者取引取扱規程」に基づき、その取引が当社グループの経営の健全性を損なっていないか、その取引が合理的判断に照らし合わせて有効であるか、また取引条件は、他の関連を有しない第三者との取引と比較して同等の条件であるか等に留意して、その取引の合理性(事業上の必要性)及び取引条件の妥当性を定期的に検証し、当社取締役会の決議に基づき実施しております。
(20)自然災害等のリスクについて
当社グループは、国内外において店舗ならびに工場を運営しており、地震等の自然災害やテロ行為等の違法行為により、店舗営業、工場生産、物流といった諸機能が停止状態に陥った場合、商品供給ができない可能性があります。また、店舗、工場が破損した場合、その程度によっては大規模な修繕等も必要となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、動物特有(豚)の感染症や伝染病、食品の放射能汚染等、社会全般に影響を与える衛生問題あるいは風評等が発生した場合、売上の減少、仕入コストの上昇、安全衛生の強化施策費の増加等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)国内外食業界の動向ならびに競争激化について
当社グループの属する国内外食産業市場は、少子化の影響もあり市場規模の拡大に大きな期待ができない状態にあるなか、多種多様な業態の参入により競争が激化しております。また、コンビニエンスストアを中心とする中食との競争も激化しております。これらの競合の動向や外食市場の縮小等により、来客数が減少した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)国内外における店舗運営事業への依存と業績の季節変動等について
当社グループは、創業以来、飲食店の経営を中心に事業を展開しており、主たる事業は、外食店舗運営事業であります。従って、当社グループの業績は外食産業に対する消費者のニーズの変化、当該業界での競争激化の影響を大きく受ける傾向にあります。
加えて、当社グループの店舗の売上高及び業績は、1年を通して一定ということではなく、季節によって変動する傾向があります。具体的には、国内においては、春休み(3月)、ゴールデンウィーク(5月)、夏休み(7~8月)及び年末年始(12~1月)などの繁忙期に売上高が増加する一方、梅雨シーズンなどの閑散期には売上高が落ち込む傾向があります。海外においても展開する国ごとの、気候・天候、特有のイベント、休暇、生活習慣等により売上高が増減することに伴って業績も変動します。
また、繁忙期に台風、酷暑、厳寒などの天候の悪影響が及んだ場合や、新規出店が閑散期と重なり、かつ多数出店することによるオープン時の一時費用の負担割合が売上高に比して高くなった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)国内店舗展開と出店戦略について
当社グループは、国内においては、主に直営店舗による店舗運営を行っております。今後も立地条件、賃借条件、店舗の採算性などを勘案し積極的に出店を行っていく方針としております。しかしながら、当社グループの出店条件に合致する物件が、出店計画数に満たない場合や、工事等の遅れによりオープンが遅延した場合には計画の実行を見合わせることもあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)海外事業展開について
当社グループは、欧米・アジア地域を中心に積極的に店舗展開を進めております。進出国における政情、経済、法規制、慣習等といった特有のカントリーリスクにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、海外においては子会社による直営店舗のほか、現地企業との合弁契約やライセンス契約を締結し、同国内でのスムーズな多店舗展開及び地域に根付いた店舗運営を図っております。パートナー企業の業績の悪化ならびに出店計画の遅れ等が生じた場合、店舗売上やロイヤリティ収入が減少することなどにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)商標権について
当社グループの各店舗等において使用する名称・商標等については、その使用に先立ち、外部の専門家を通じて第三者の商標権等を侵害していないかについて確認し、侵害のおそれのある名称は使用を避け、かつ、可能な限り当社グループにおいて商標を取得することを基本方針とし、これら使用権の確保及び第三者の権利侵害の回避に努めております。しかしながら、当社グループの各店舗や商品の名称・商標等が第三者のものと類似する等の理由により、店舗デザインや商品が模倣されることによるブランド力の低下や、第三者から当社グループの商標登録の無効審判、損害賠償、商標使用停止などの請求があり、仮にこれらの請求が認められた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)敷金・保証金・建設協力金について
当社グループでは、出店に際して賃貸人に対し敷金、差入保証金及び建設協力金を支払っております。賃貸借契約の時点で賃貸人の資産状況等を審査しておりますが、賃貸人の財政状態の著しい悪化等により、敷金、差入保証金及び建設協力金の一部又は全部が回収不能になった場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)海外店舗展開における営業権(キーマネー)について
当社グループが出店する欧州の一部の国においては、店舗物件の取得の際に、多額の営業権(キーマネー)負担が発生することがあります。キーマネーとは、出店しようとする店舗物件の前の店子(前オーナー)が設定する当該店舗に紐付いた権利であり、当該店舗への出店において、前オーナーからの譲受が必要となります。その価格は、店舗立地、賃貸借契約の残存期間、店舗の過去の業績、家賃、近隣における取引事例などを勘案したうえで、前オーナーとの交渉により確定します。また、当社グループが移転、退店する場合には、キーマネーを譲渡し、投資資金の回収に充てます。
その価格は、当該物件の地理的条件がよく、営業成績が良いほど、また賃貸借契約の残存期間が長いほど上昇する傾向(逆であれば価格は下落)にあることから、その金額によっては、当社グループの出店投資額が増加することや、投資回収期間の長期化を引き起こすこととなり、また、移転、退店時におけるキーマネーの譲渡価格によっては、投資回収額が減少することとなり当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)原材料の調達環境リスクについて
当社グループでは、原材料の調達については、外食企業として、食の安全・安心を第一と考え、良質な食材の調達に努めております。しかしながら、食材の疫病や天候不順等により、必要量の原材料確保が困難な状況が生じることや仕入価格が高騰する可能性があります。また、お客様へ商品として提供する食材は、国内外から調達しておりますが、輸入制限等による海外からの食材輸入ができない問題が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)各種法的規制等について
当社グループでは、ラーメン店を中心に複数の飲食店を運営しており、「食品衛生法」、「労働基準法」、「食品表示法」「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」、「独占禁止法」、「中小小売商業振興法」等の多岐にわたる法的規制を受けております。重大なコンプライアンス上の問題が発生した場合や、法的規制の改正に対応するための新たな費用が発生する場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループに関わる法令・規制等のうち重要なものは以下の通りであります。
「食品衛生法」
当社グループが経営する店舗につきましては、食品衛生法に基づき、所管保健所より飲食店営業の営業許可証を取得しております。店舗では衛生管理の徹底を図るとともに、必要に応じて担当事業責任者が衛生管理状況の確認を行い食品の安全衛生に努めております。これらの諸施策にもかかわらず、食中毒事故等が発生した場合、所管保健所からの営業許可証の取り消し、営業の禁止、一定期間における営業停止処分、被害者からの多額の損害賠償などのほか、当社における信用の低下により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)アルバイト就業員に対する社会保険加入義務化について
当社グループは、国内においては、店舗において多数のアルバイト就業者を雇用しており、社会保険加入の要件を満たすアルバイト就業者においては、全てに加入を義務付けております。しかしながら、今後、アルバイト就業者への社会保険適用範囲の拡大などの法改正が実施された場合、社会保険料負担の増加等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また海外においても、アメリカにおける医療保険制度等の変更等によって、社会保険料ほか各種負担金が増加することで、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)店舗の衛生管理について
当社グループでは、食品衛生とは、安心・安全な商品をお客様に提供することと考えております。各店舗での適正な食材管理ならびに衛生管理を徹底するとともに、衛生専門部署を設置し清潔な店舗づくりに努めております。しかしながら、当社グループにおいて、万一、食中毒などの重大な衛生上の問題が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)固定資産の減損会計について
当社グループは、すでに減損会計を適用しておりますが、今後当社グループが保有する固定資産を使用する店舗の営業損益に悪化が見られ、回復が見込まれない場合や、固定資産の市場価格が著しく低下した場合には、当該固定資産について減損損失を計上することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)有利子負債依存度について
当社グループは出店資金を主に銀行借入により調達しております。当連結会計年度末における当社グループの有利子負債は7,519百万円であり、有利子負債依存度は52.5%となっております。現在は、主に固定金利の長期借入金により資金を調達しているため、一定期間においては金利変動による影響は軽微でありますが、出店資金の調達には、銀行借入による調達が含まれ、金利動向及び金融情勢等により当社グループの業績及び事業展開が影響を受ける可能性があります。なお、有利子負債残高は、短期及び長期借入金(1年以内返済予定を含む)、社債、短期及び長期リース債務の合計額であります。
(14)主要株主である株式会社海外需要開拓支援機構について
当社は、2014年12月25日に第三者割当の方法により、株式会社海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)を割当先とする普通株式の発行を行ったことから、2017年3月31日現在においても、同社は、当社の発行済株式総数11,253,500株に対して、1,330,000株を所有しており、議決権の百分の10以上を保有する主要株主であります。
同社は、株式会社海外需要開拓支援機構法に基づき設立された官民ファンドであり、日本の魅力ある商品・サービスの海外需要開拓に関連する支援・促進することを事業の目的としております。
今後においても、同社は、上述の事業目的の実現のためにも当社の更なる企業価値向上をサポートするスポンサーとして、長期的視点から当社株式を保有する意向を示していますが、将来において、同社の上述の事業目的が実現し当社への支援が完了したと判断し当社株式の一部を市場で売却した場合、その規模等によっては、当社株式の需給関係及び市場価格に影響を及ぼす可能性があります。なお、本書提出日現在、同社の執行役員である杉内信夫氏が当社の社外取締役に就任しております。
また、当社は、2014年12月5日付で、同社と貸出コミットメント型金銭消費貸借契約を締結しております。当該調達資金の利用使途としては、海外における店舗展開や生産設備への投資を想定しており、今後においても民間の金融機関との借入条件に関する比較検討を行った上で、当該資金を活用していく方針であります。
一方で、当該契約においては、主たる事業の変更、合併その他企業結合あるいは第三者との資本提携、資本あるいは資本準備金の額の減少等が確定した場合には、当社は同社に対してその旨を報告することとなっているほか、当社の事業目的変更や会社組織再編に伴う財務内容の変化等が同社の支援基準に沿わないと判断される場合には、当該契約は解除となる可能性があります。
本書提出日現在、当該契約に基づく借入は実行されておりませんが、今後、上記事項の実施を決定した後に同社のその実施要否に関する判断により、当社は当該契約に基づく同社からの新たな借入を実行することができなくなること、または、実行済みの借入金の即日返済を求められる可能性があります。
(15)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社グループは、当社グループの役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権所有割合が希薄化する可能性があります。2017年3月31日時点でこれらの新株予約権による潜在株式数は967,000株であり、発行済株式総数11,253,500株の8.59%に相当しております。
(16)為替変動リスクについて
当社グループは、グローバルに事業展開を図っており、海外子会社からのロイヤリティ収入等の外貨建売上債権が発生するほか、特に新規エリアへの進出時には、設備投資資金として海外子会社への貸付金が発生するため、決算期末における換算差額が為替差損益として発生します。また、連結財務諸表作成時には、海外連結子会社の財務諸表は、決算時又は期中平均の為替レートで換算されることとなります。
当社グループでは、設備投資資金に係る借入金の一部を外貨建てとし、海外子会社に貸付を行うほか、海外子会社への投資資金の一部の貸付金をデット・エクイティー・スワップ等の手法により出資に切り替えるなどの方法で、為替差損の発生リスクの軽減を図っておりますが、今後、為替レートが大きく変動した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(17)特定人物への依存について
当社グループの経営方針及び事業戦略は、ファウンダー(創業者)である代表取締役会長兼CEO河原 成美に依存する部分が相応にあります。当社グループでは組織規模の拡大に応じた権限委譲を進めると共に、役員及び幹部社員による情報の共有化等を通じて経営組織の強化を図るなど、ファウンダー(創業者)に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、今後何らかの理由によりファウンダー(創業者)が当社グループの経営執行を継続することが困難となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(18)人財の確保及び育成について
当社グループは、積極的な国内外への出店を行っており、人財の育成と人財確保を積極的に行っていくことが重要であります。当社グループの理念を理解し、賛同した人財確保が重要となっており、新卒採用だけでなく中途採用、アルバイトからの社員登用も含めて獲得を進めてまいります。したがって、人財確保ならびに人財育成が順調に進まない場合には、店舗におけるサービスレベルの維持や店舗展開が計画通りできず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(19)関連当事者取引について
2016年3月期及び2017年3月期において、当社グループと当社代表取締役会長兼CEO河原成美の近親者が議決権の過半数を所有する会社である株式会社ラントマンとの間に関連当事者取引が発生しております。
関連当事者取引の内容といたしましては、特殊設備・特殊看板資材(「一風堂」の店頭に設置するオリジナルの手掘り木看板等)の購入が該当し、その取引金額は、それぞれ2016年3月期で7,694千円、2017年3月期で4,730千円であります。
手掘り木看板につきましては、創業以来、同一の墨文字ロゴのデザインを採用していることから、当社としては、ブランド・イメージ形成においても重要性が高いと認識しておりますが、一方で、当該木看板は、製法が手掘りであることもあり、同様のデザインの風合いを再現するにあたって、現在の取引先から代替することは、ブランド・イメージが変わってしまうことのリスクがあるなど、現時点においては当該木看板の製作に代替が利かない状況にあるため、同社との関連当事者取引が発生しております。
今後においては、海外への積極的な事業展開の拡大や外国人観光客の来店客数増加などの動向も踏まえ、国内外問わずアルファベット表記による新ロゴマークの導入にも着手しており、その取引額は減少していくものと考えておりますが、何らかの事由により同社での当該木看板の製作が困難となった場合には、ブランド・イメージの維持に支障が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、関連当事者取引等の実施につきましては、「関連当事者取引取扱規程」に基づき、その取引が当社グループの経営の健全性を損なっていないか、その取引が合理的判断に照らし合わせて有効であるか、また取引条件は、他の関連を有しない第三者との取引と比較して同等の条件であるか等に留意して、その取引の合理性(事業上の必要性)及び取引条件の妥当性を定期的に検証し、当社取締役会の決議に基づき実施しております。
(20)自然災害等のリスクについて
当社グループは、国内外において店舗ならびに工場を運営しており、地震等の自然災害やテロ行為等の違法行為により、店舗営業、工場生産、物流といった諸機能が停止状態に陥った場合、商品供給ができない可能性があります。また、店舗、工場が破損した場合、その程度によっては大規模な修繕等も必要となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、動物特有(豚)の感染症や伝染病、食品の放射能汚染等、社会全般に影響を与える衛生問題あるいは風評等が発生した場合、売上の減少、仕入コストの上昇、安全衛生の強化施策費の増加等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
生産、受注及び販売の状況財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
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